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19:26
モニカ: I'm sorry, Joey. I'm gonna go to bed, guys. (ごめんね、ジョーイ。私はベッドに行くわね、みんな。)
みんな: Night. (おやすみ。)
レイチェル: Uh, Mon, you-you're gonna leave your shoes out here? (あー、モン(モニカ)、こんなところに靴を置いておくつもり?)
モニカ: (DETERMINED) Uh-huh! ([決意した様子で] ええ!)
レイチェル: Really? Just casually strewn about in that reckless, haphazard manner?(ほんとに? ただ何気なく(無頓着な感じで)散らばらせておくの? そんな向こう見ずで、でたらめな感じで?)
モニカ: Doesn't matter. I'll get them tomorrow. Or not! Whenever. (GOES TO HER ROOM) (気にしないわ。明日、それを片付けるわ。もしくは片づけないか! いつでもいいわ。)
ロス: She is a kook. (彼女は本当に変人だ。)
モニカは「もう寝るわ」と言って部屋を去ろうとします。
レイチェルは、モニカの靴が出しっぱなしであることに気づき、それを指摘していますね。
靴が置きっぱなし、出しっぱなしであることについて、大袈裟に表現している感じの単語がいくつも出てきますので、一つずつ意味を確認していきましょう。
casually は「何気なく、不用意に、ふと、無頓着に」。
これは「カジュアルに」と訳してもニュアンスはわかりますね。
strewn about について。
strew は「(砂・花などを)(〜に)まき散らす、ばらまく」という意味で、strewn はその過去分詞形なので「ばらまかれている、ごろごろしている、散らばっている」という感覚。
about は動詞と共に使うと「あちこちに、方々に」「そこいら中に、ぞんざいに」のような意味になります。
reckless は「向こう見ずな、無謀な、(危険などを)意に介さないで、気に掛けないで」。
haphazard は「でたらめの、偶然の」。
LAAD では、
haphazard : happening or done in a way that is not planned or organized
例)a haphazard way of doing business
つまり「計画されていない、または系統立っていないやり方で起こる、またはなされる」。例は「でたらめなビジネスのやり方」。
manner は、日本語になっている「マナー、礼儀」という意味ではなくて、「方法、様子」という意味で、つまりは manner = way ということ。
几帳面なモニカが言われたら気にするに違いないと思われる言葉を、レイチェルはわざとたくさん使うことで、「そんないい加減な状態でほったらかしておいていいの?、モニカならそんな状態許せないんじゃないの?」と挑発しているのですね。
本当は気になってしょうがないのに、みんなに「やっぱりモニカは几帳面だ」と言われたくないモニカは、明日それを片づけるから、と言った後、明日も片づけないかもね、別にいつでもいいわ、とまで言っています。
人に何か言われた場合に、Whatever. 「なんでもいい。どうでもいい」みたいに投げやりな返事をすることがありますが、Whenever. は Whatever の when バージョンと言えるでしょう。
譲歩節を導く「いつ〜しようとも」から、「いつ片づけても構わないわ」と、そのことを気にしていないニュアンスが出るのですね。
そう言って自分の部屋に行ったモニカを見て、兄のロスは kook という言葉を使っています。
過去記事、コースターがなく水滴が木のテーブルの表面に近づく フレンズ1-6改その15 で、ロスが「電話の請求書をすぐには払わない、だってお前は変人だから」と挑発され、「私だってそれくらいできるわ」と言っていましたが、今回、本当に無頓着を気にしない感じで去っていたので、これぞまさに a kook だね、と言ったわけですね。
She IS a kook. と be動詞の is を強く言うことで、「まさにそうである」ことを強調していることになります。
20:03
(CLOSING CREDITS)
クロージング・クレジット
CREDITS SCENE: MONICA IN BED (SHE IS WIDE AWAKE)
クレジット・シーン:モニカはベットにいる(モニカは完全に目を覚ましている(目がさえている))
モニカ: (HUMS FOR A WHILE, THEN GIVES UP.) (VOICEOVER) If it bothers you that much, just go out and get the shoes. No, don't do this! This is stupid! I don't have to prove anything. I'm gonna go get them. But then everyone will know. Unless I get them, and then wake up really early and put them back. I need help! (BURIES HER HEAD IN HER PILLOW) ([しばらくハミングしているが、それからそれをやめて][ボイス・オーバー(セリフではなく)語りで] そんなに気になるんなら、出て行って、靴を取って来なさいよ。いいえ、こんなことしちゃだめよ! こんなのバカだわ! 私は何も証明する必要なんかない。靴を取りに行こう。でもそしたら、みんなが知ることになるわ。もしくは、今靴を取って、それから朝すっごく早起きして、その靴を元の場所に戻せば話は別だけど。助けて! [枕に頭を埋める])
bother は「悩ませる、困らせる」。
「靴を出しっぱなしにしているという今の状況があなたをそんなに困らせるなら」ということですね。
このモニカの独り言は、自分自身に対しての語りかけで、「もしあなたがそんなに悩んでいるのなら、ただ出て行って靴を取ってきなさい」という命令形が使われています。
その後も、「気になるのなら靴を取りに行けばいい、でもそんなことしたらみんなにばれちゃう」とモニカの葛藤は続いています。
unless は「もし〜でなければ」(if...not)の意味で使われますが、このように後から付け足しのような形で登場した場合は、「もし〜なら話は別だけど」と訳すとしっくり来ます。
「もし unless 以下のことをしなければ、みんなは知ることになる」ということはつまり、「みんなは知ることになるけれど、今から言う unless 以下の方法なら話は別、unless 以下のことをすればみんなは知らなくて済む」という感覚になります。
後ろから訳し上げるのではなく、英語の語順のままで理解するためには、この unless を「情報を付け足す」感覚でイメージすべきですね。
全般的な話(靴を取りにいったらみんなに知られてしまう)を言っておいて、特殊な例としてこういう場合は話が別だけど、こういうやり方なら今言ったような結果にはならないけど、と言っていることになります。
ほったらかしているのが気になるから靴をしまいたい、でもみんなにバレたらまた几帳面だって言われるからみんなが見る前の朝早くに元に戻しておけばいったんしまったことはバレない、と考えたわけですが、自分でも、私一体何やってるんだろう、と思ったのでしょうね、「助けて」と言って枕に顔を埋めることになります。
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2018年07月31日
2018年07月27日
ゲットしたチャンスをふいにする フレンズ1-6改その27
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18:37
ジョーイ: Y'know, I've done nothing but crappy plays for six years. And I finally get my shot, and I blow it! (ほら、俺は6年間、クソみたいなくだらない芝居しかしてこなかった。そして俺はついにチャンスをゲットして、そしてそれをふい(台無し)にするんだ![俺はついにチャンスをゲットしても、それをふいにしちゃうような人間なんだ!])
モニカ: Maybe this wasn't your shot. (多分、これはチャンスじゃなかったのよ。)
ロス: Yeah, I think when it's your shot, y'know, you-you know it's your shot. Did it feel like your shot? (そうだよ、それがチャンスである時は、それがチャンスだって自分でわかると思うよ。自分のチャンスだって感じがした?)
ジョーイ: Hard to tell. I was naked. (わからなかった。俺は裸だったから。)
フィービー: No, I don't think this was your shot. I don't even think you just get one shot. I really believe big things are gonna happen for you. I do. And you've gotta just keep thinking about the day that some kid is gonna run up to his friends and go, "I got the part! I got the part! I'm gonna be Joey Tribbiani's ass!" (いいえ、私はこれがジョーイのチャンスだったなんて思わないわ。ジョーイには1つのチャンスしかない、ということさえ思わない。これからあなたに大きなことが起こることになるって、私は本当に信じてるもの。本当に信じてるわ。そしてジョーイはただその日のことを考え続けなければいけないのよ。ある若者が自分の友達のところに走ってきて、こう言うの。「あの役をゲットした! あの役をゲットした! 俺はジョーイ・トリビアーニのケツになるんだ!」ってね。)
ジョーイ: You think? That's so nice. (THEY HUG) (そう思う? それってすっごく素敵(な言葉)だよ。[二人はハグする])
ロス: Oh, Come here. (ROSS AND CHANDLER LOOK AT EACH OTHER AND HUG AS WELL) (あぁ、来いよ。[ロスとチャンドラーはお互いを見て、同じようにハグする])
crappy は「くだらない、ひどい」。
crap は「うんち」を意味する卑語であり、not polite (上品でない、下品な)なので使用には気をつけましょう。
but は「〜を除いて」なので、nothing but は「〜を除いては何もない、〜の他は何もない」つまり「〜だけ」という意味になります。
have done という現在完了形は、期間を表す for ... years 「…年間」とセットになった形で「継続」を意味しています。
「6年間、ひどい芝居以外は何もしなかった」、つまり、「この6年間、ひどい芝居ばかりに出てきた」ということですね。
get my shot の shot は「何かをゲットするチャンス・試み」。
Macmillan Dictionary では、
shot : [COUNTABLE] INFORMAL a chance or attempt to do or get something
have/get a shot at something: We had a shot at bringing the ship round into the harbour.
つまり「(インフォーマル)何かをする、または何かを得るためのチャンスまたは試み」。
例文は「我々はその船を港の中に引き入れるチャンスを得た」。
blow は「風が吹く」「息を吹く」の意味で使われる動詞ですが、この場合は「(チャンスを)棒に振る、ふいにする、台無しにする」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
blow : RUIN/LOSE OPPORTUNITY (informal) to miss a good opportunity or ruin something, by making a mistake or by being careless
例)We've blown our chance of getting that contract.
つまり「機会を台無しにする/失う。過ちを犯したり注意を怠ったりしたことで、良い機会を逃すこと、または何かを台無しにすること」。例文は「我々はその契約を得るチャンスをふいにした」。
ロングマンの例文は blow one's chance という形になっていて、今回のジョーイのセリフの shot は a chance to get something 「何かを得るチャンス」という意味でしたから、blow it が「せっかくのチャンスをふいにする」という意味であることがわかりますね。
「何かを成し遂げる大きなチャンスを俺はダメにしてしまうんだ(俺はそういう人間なんだ)」と嘆くジョーイに、モニカは「今回のお尻役はあなたにとっての大チャンスではなかったかもしれないわ」と言って慰めます。
それを逃してしまったことで、今後の人生が大きく変わってしまうような重大事件ではなかった、と言いたいわけですね。
モニカの言葉を受けてロスも「チャンス(shot)なら、自分でチャンスだってわかるはずだ」と言うのですが、その後、「これは絶対に俺にとってのチャンスだった、俺にはそう感じた」と返されてしまうと「そんな大事なチャンスを俺は台無しにしちゃって、、」とさらにジョーイを落ち込ませる材料を与えることになってしまうので、「自分でチャンスだとは感じなかったよね? どうか感じなかったって言って」とでも言うように「お願い」という感じに手を組んでいます。
hard to tell は「わかるのは難しい」。
この tell は「お尻を見分けられる」と似たニュアンスで「わかる」。
自分のチャンスかそうでないかがわかる、という意味では「見分ける」と訳すことも可能でしょう。
その時、裸で演技していたから、冷静に分析することなどできなかった、というところで、「わからなかった」と言われて、ロスもホッとした表情を浮かべます。
今回のことがジョーイのチャンスだったかどうか、という話になっている時、フィービーは「これはチャンスじゃなかった」という話を続けています。
英語では最初に I don't think 「私は〜とは思わない」という否定が来て、その後に自分が否定している内容が続く構造になります。
この場合も「今回のがあなたのチャンスだったとか、ましてや人生にチャンスはたった1回しかないとか、そんなこと私は思わないわ」という意味ですね。
いつかあなたには大きなことが起こると私は信じてる、と言った後、「その日(こういう日)のことを思い続けないといけないわ」と続けます。
the day の内容が that 以下で語られており、その内容は「ある若者が自分の友達のところに走ってきて、”ジョーイ・トリビアーニのケツ役をゲットした!”と言う」になります。
つまり、ジョーイはこの先、有名な俳優になって、あなたのお尻の代役をもらったと喜ぶ若者が出てくることになるわ、と言ってみせたわけですね。
and go の go は、以下に続く引用符の内容を「言う」という意味で使われています。
ass は「お尻」というより「ケツ」というニュアンスの卑語。
ジョーイがアル・パチーノの尻役の話をする時には butt という単語を使っていましたので、それと比較すると ass というのは言葉は悪いですが、内容は「あなたのお尻役をもらって喜ぶ人が出てくるわ、それくらいあなたは大物俳優になるわ」というジョーイを大いに励ますものとなっているところが微笑ましいところですね。
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18:37
ジョーイ: Y'know, I've done nothing but crappy plays for six years. And I finally get my shot, and I blow it! (ほら、俺は6年間、クソみたいなくだらない芝居しかしてこなかった。そして俺はついにチャンスをゲットして、そしてそれをふい(台無し)にするんだ![俺はついにチャンスをゲットしても、それをふいにしちゃうような人間なんだ!])
モニカ: Maybe this wasn't your shot. (多分、これはチャンスじゃなかったのよ。)
ロス: Yeah, I think when it's your shot, y'know, you-you know it's your shot. Did it feel like your shot? (そうだよ、それがチャンスである時は、それがチャンスだって自分でわかると思うよ。自分のチャンスだって感じがした?)
ジョーイ: Hard to tell. I was naked. (わからなかった。俺は裸だったから。)
フィービー: No, I don't think this was your shot. I don't even think you just get one shot. I really believe big things are gonna happen for you. I do. And you've gotta just keep thinking about the day that some kid is gonna run up to his friends and go, "I got the part! I got the part! I'm gonna be Joey Tribbiani's ass!" (いいえ、私はこれがジョーイのチャンスだったなんて思わないわ。ジョーイには1つのチャンスしかない、ということさえ思わない。これからあなたに大きなことが起こることになるって、私は本当に信じてるもの。本当に信じてるわ。そしてジョーイはただその日のことを考え続けなければいけないのよ。ある若者が自分の友達のところに走ってきて、こう言うの。「あの役をゲットした! あの役をゲットした! 俺はジョーイ・トリビアーニのケツになるんだ!」ってね。)
ジョーイ: You think? That's so nice. (THEY HUG) (そう思う? それってすっごく素敵(な言葉)だよ。[二人はハグする])
ロス: Oh, Come here. (ROSS AND CHANDLER LOOK AT EACH OTHER AND HUG AS WELL) (あぁ、来いよ。[ロスとチャンドラーはお互いを見て、同じようにハグする])
crappy は「くだらない、ひどい」。
crap は「うんち」を意味する卑語であり、not polite (上品でない、下品な)なので使用には気をつけましょう。
but は「〜を除いて」なので、nothing but は「〜を除いては何もない、〜の他は何もない」つまり「〜だけ」という意味になります。
have done という現在完了形は、期間を表す for ... years 「…年間」とセットになった形で「継続」を意味しています。
「6年間、ひどい芝居以外は何もしなかった」、つまり、「この6年間、ひどい芝居ばかりに出てきた」ということですね。
get my shot の shot は「何かをゲットするチャンス・試み」。
Macmillan Dictionary では、
shot : [COUNTABLE] INFORMAL a chance or attempt to do or get something
have/get a shot at something: We had a shot at bringing the ship round into the harbour.
つまり「(インフォーマル)何かをする、または何かを得るためのチャンスまたは試み」。
例文は「我々はその船を港の中に引き入れるチャンスを得た」。
blow は「風が吹く」「息を吹く」の意味で使われる動詞ですが、この場合は「(チャンスを)棒に振る、ふいにする、台無しにする」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
blow : RUIN/LOSE OPPORTUNITY (informal) to miss a good opportunity or ruin something, by making a mistake or by being careless
例)We've blown our chance of getting that contract.
つまり「機会を台無しにする/失う。過ちを犯したり注意を怠ったりしたことで、良い機会を逃すこと、または何かを台無しにすること」。例文は「我々はその契約を得るチャンスをふいにした」。
ロングマンの例文は blow one's chance という形になっていて、今回のジョーイのセリフの shot は a chance to get something 「何かを得るチャンス」という意味でしたから、blow it が「せっかくのチャンスをふいにする」という意味であることがわかりますね。
「何かを成し遂げる大きなチャンスを俺はダメにしてしまうんだ(俺はそういう人間なんだ)」と嘆くジョーイに、モニカは「今回のお尻役はあなたにとっての大チャンスではなかったかもしれないわ」と言って慰めます。
それを逃してしまったことで、今後の人生が大きく変わってしまうような重大事件ではなかった、と言いたいわけですね。
モニカの言葉を受けてロスも「チャンス(shot)なら、自分でチャンスだってわかるはずだ」と言うのですが、その後、「これは絶対に俺にとってのチャンスだった、俺にはそう感じた」と返されてしまうと「そんな大事なチャンスを俺は台無しにしちゃって、、」とさらにジョーイを落ち込ませる材料を与えることになってしまうので、「自分でチャンスだとは感じなかったよね? どうか感じなかったって言って」とでも言うように「お願い」という感じに手を組んでいます。
hard to tell は「わかるのは難しい」。
この tell は「お尻を見分けられる」と似たニュアンスで「わかる」。
自分のチャンスかそうでないかがわかる、という意味では「見分ける」と訳すことも可能でしょう。
その時、裸で演技していたから、冷静に分析することなどできなかった、というところで、「わからなかった」と言われて、ロスもホッとした表情を浮かべます。
今回のことがジョーイのチャンスだったかどうか、という話になっている時、フィービーは「これはチャンスじゃなかった」という話を続けています。
英語では最初に I don't think 「私は〜とは思わない」という否定が来て、その後に自分が否定している内容が続く構造になります。
この場合も「今回のがあなたのチャンスだったとか、ましてや人生にチャンスはたった1回しかないとか、そんなこと私は思わないわ」という意味ですね。
いつかあなたには大きなことが起こると私は信じてる、と言った後、「その日(こういう日)のことを思い続けないといけないわ」と続けます。
the day の内容が that 以下で語られており、その内容は「ある若者が自分の友達のところに走ってきて、”ジョーイ・トリビアーニのケツ役をゲットした!”と言う」になります。
つまり、ジョーイはこの先、有名な俳優になって、あなたのお尻の代役をもらったと喜ぶ若者が出てくることになるわ、と言ってみせたわけですね。
and go の go は、以下に続く引用符の内容を「言う」という意味で使われています。
ass は「お尻」というより「ケツ」というニュアンスの卑語。
ジョーイがアル・パチーノの尻役の話をする時には butt という単語を使っていましたので、それと比較すると ass というのは言葉は悪いですが、内容は「あなたのお尻役をもらって喜ぶ人が出てくるわ、それくらいあなたは大物俳優になるわ」というジョーイを大いに励ますものとなっているところが微笑ましいところですね。
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2018年07月26日
紀伊國屋書店梅田本店エンド台
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は12位です。
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私の4冊目の著書「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」(池田書店)の5刷が決定したことを先日お伝えしましたが、現在、大阪・梅田の紀伊國屋書店梅田本店さんのエンド台(通路に面した、棚の端にある平台)で、このように拙著を陳列して下さっています。
阪急電車のりば側の向かって左の入り口から、斜め右に進む大きな通路がありますが、その通路沿いのエンド台で、棚番号では A36-00 に当たります。
エンド台の位置がわかる写真はこちら(↓)
皆様の目に留まりやすいこんな良い場所に陳列して下さっていること、本当に光栄で嬉しいです♪
上の写真は、昨日(7月25日)の開店直後にお邪魔して、書店員の方にご挨拶した上で撮影させていただきました。
お忙しい中、ご丁寧にご対応下さった書店員さま、本当にありがとうございました<(_ _)>
梅田の紀伊國屋さんは(話が出るたびに毎回言っておりますが)、小さい頃から行っていた本屋さんなので、そこに「自分の本が存在している」というだけでも感動なんですよね。
それがこのような良い場所に、POPやパネルも飾っていただいた上で、たくさん並べて下さっていること、感無量です。
この幸せを噛みしめながら、これからも海外ドラマで英語を学ぶ楽しさと素晴らしさを伝えていけるよう頑張ります!
Rach からの嬉しいお知らせでした♪
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2018年07月24日
俺のママなら見分けられる フレンズ1-6改その26
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17:33
SCENE 7: RACHEL AND MONICA'S (ROSS IS TRYING TO COMFORT CHANDLER. JOEY IS ABSENT)
シーン7: レイチェルとモニカの家。(ロスはチャンドラーを慰めようとしている。ジョーイはいない。)
ロス: Look at it this way. You dumped her! Right? I mean, this woman was unbelievably sexy, and beautiful, intelligent, unattainable.... Tell me why you did this again? (それをこんな風に見てみよう。お前が彼女をふったんだ! だろ? つまり、この女性は信じられないほどセクシーで美しくて知的で、手に入れることができないような…。なぜこんなことをしたのか、もう一度話してくれる?)
(ENTER JOEY)
ジョーイ登場。
全員: Hey! (やあ!)
レイチェル: Movie star! (映画スター!)
モニカ: Hey, wait wait. Aren't you the guy that plays the butt in the new Al Pacino movie? (ちょっと、待って待って。あなたは新しいアル・パチーノの映画でお尻を演じてた人じゃない?)
ジョーイ: Nope. (違うよ。)
ロス: No? What happened, big guy? (違う? 何があったんだ、大物。)
チャンドラー: (TO ROSS) Big guy? ([ロスに] 大物?)
ロス: It felt like a "big guy" moment. (「大物」って瞬間(「大物」って呼び掛けるべき時)みたいな感じがしたから。)
ジョーイ: I got fired! (クビになったんだ。)
全員: Oh! (あぁ!)
ジョーイ: Yeah, they said I acted too much with it. I told everybody about this. Now everybody's gonna go to the theater expecting to see me, and.... (あぁ、彼らが言うには、俺は過剰に演技し過ぎた、って。このこと(アル・パチーノの映画に尻役として出ること)を俺はみんなに話しちゃったよ。もうみんなは俺を見られると期待して映画館に行くだろうから…)
レイチェル: Oh, Joey, you know what? No one is gonna be able to tell. (あぁ、ジョーイ、ねぇ。誰にも見分けられないわよ。)
ジョーイ: My mom will. (俺のママは見分けられるよ。)
チャンドラー: Something so sweet and... disturbing about that. (すごく素敵な話で…不安な気持ちにもなるな。)
オーロラがたくさんの男と付き合い続けることに耐えられなくなったチャンドラーから別れを告げた形なので、Look at it this way. You dumped her! は「見方によっては、お前(チャンドラー)が彼女(オーロラ)をふったってことになるよな」という感じですね。
このセリフを言う前に、チャンドラーが事の顛末をフレンズたちに話して聞かせたことがわかります。
ロスはオーロラに対する褒め言葉をたくさん挙げます。
unattainable は「手に入れることができない、高嶺の花の」。
attain は「獲得する」で、un-attain-able →「獲得することができない、手の届かない」という意味になるのですね。
どうしてこんな素敵な女性をお前から振ったのか、もう一回話してくれる? のように、ロスはちょっと意地悪な言い方をしています。
部屋にジョーイが入って来たのでレイチェルは「映画スター」と声を掛け、モニカは「もしかしてあなたはアル・パチーノの映画でお尻を演じた人?」みたいに尋ねます。
ジョーイがそれを否定すると、ロスは「何があったんだ、大物?」みたいに返します。
入って来た時からジョーイは浮かない顔をしていますし「お尻役の人でしょ?」みたいに言われてそれを否定したわけなので、何かトラブルがあったらしいことは容易に想像できるところですね。
ですからロスも「何があったんだ?」と言っているのですが、そこに呼び掛け語として「大物」という褒め言葉っぽい言葉を付けるのは、ジョーイが「お尻役ではなくなった」らしいことを考えるとふさわしくない、こんな状況でそんな言葉を使うか? という気持ちで、チャンドラーも「大物だって?」とツッコミを入れたことになるでしょう。
それでロスは、思わず「大物」って言葉を使ってしまったことを「なんか”大物”って言いたくなる瞬間に思えたんで、つい」のように言い訳したのだろうと思います。
fire という単語は名詞「火」をまずは連想しますが、他動詞で「人を解雇する、クビにする」という意味でもよく使われます。
今回の I got fired! は「クビになった」で、You're fired! なら「お前はクビだ!」となります。
You're fired! 「お前はクビだ!」は、今やアメリカ大統領となったドナルド・トランプ氏のテレビ番組「アプレンティス」(2004-2007)での決め台詞としても有名です。
トランプ氏のプロフィールが語られる際によくこのセリフが引き合いに出されていたのでご存じの方も多いでしょう。
ちなみにアプレンティス(apprentice)は「見習い」という意味。
過去記事 取り除く、脱ぐの意味のlose フレンズ1-6改その20 で、Hire the girl. というセリフがありましたが、hire と fire という対義語の両方が今回のエピソードには出てきたことになります。
They said I acted too much with it. の they は漠然と映画を撮影していたスタッフを指しています。
act too much with it は「お尻の役で過剰に演技し過ぎた」。
お尻の代役で過剰な演技って何? お尻を見せてるだけなのに過剰も何もないだろう、とみんなが思うところですね。
「みんなに今回の件を話しちゃったから、みんな、俺が出ると期待して映画館に行っちゃうよ…」と言うジョーイに、レイチェルは「誰も tell することはできないわ」と返します。
ジョーイのセリフの I told everybody は「俺はみんなに話した」という tell の一番基本的な意味「話す」ですが、レイチェルの be able to tell の方は「見分ける、違いがわかる」という意味で使われています。
会話の近い位置で、I told everybody と No one is gonna be able to tell のように2回 tell が使われたわけですが、それぞれ異なる意味であることに注意しましょう。
「見分ける」という意味は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。
tell : RECOGNIZE DIFFERENCE to be able to see how one person or thing is different from another
例)Most experts can tell an expensive diamond from a cheap one.
つまり「(違いがわかる・違いを認識する)ある人またはある物が他とどのように違っているかがわかること」。
例文は「たいていの専門家は高価なダイアモンドと安いダイアモンドの違いがわかる」。
「誰もお尻なんて見分けつかないでしょ」とレイチェルが言ったところ、My mom will. と答えるのが面白いです。
My mom will be able to tell. ということで「俺のママは人の尻と俺の尻との見分けがつく」と言っていることになります。
disturbing は「心を乱すような、不安にするような」。
ママはジョーイのお尻が見分けられるという話は、親子として微笑ましい部分もありますが、この年になってもジョーイの裸をママが見ることがあるの? とその関係に若干の不安も抱いてしまう、ということです。
一体、どこまで親密な関係なんだよ、子供の頃ならまだしも、その年齢でそんなことを言われると気持ちが落ち着かないよ、というところですね。
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17:33
SCENE 7: RACHEL AND MONICA'S (ROSS IS TRYING TO COMFORT CHANDLER. JOEY IS ABSENT)
シーン7: レイチェルとモニカの家。(ロスはチャンドラーを慰めようとしている。ジョーイはいない。)
ロス: Look at it this way. You dumped her! Right? I mean, this woman was unbelievably sexy, and beautiful, intelligent, unattainable.... Tell me why you did this again? (それをこんな風に見てみよう。お前が彼女をふったんだ! だろ? つまり、この女性は信じられないほどセクシーで美しくて知的で、手に入れることができないような…。なぜこんなことをしたのか、もう一度話してくれる?)
(ENTER JOEY)
ジョーイ登場。
全員: Hey! (やあ!)
レイチェル: Movie star! (映画スター!)
モニカ: Hey, wait wait. Aren't you the guy that plays the butt in the new Al Pacino movie? (ちょっと、待って待って。あなたは新しいアル・パチーノの映画でお尻を演じてた人じゃない?)
ジョーイ: Nope. (違うよ。)
ロス: No? What happened, big guy? (違う? 何があったんだ、大物。)
チャンドラー: (TO ROSS) Big guy? ([ロスに] 大物?)
ロス: It felt like a "big guy" moment. (「大物」って瞬間(「大物」って呼び掛けるべき時)みたいな感じがしたから。)
ジョーイ: I got fired! (クビになったんだ。)
全員: Oh! (あぁ!)
ジョーイ: Yeah, they said I acted too much with it. I told everybody about this. Now everybody's gonna go to the theater expecting to see me, and.... (あぁ、彼らが言うには、俺は過剰に演技し過ぎた、って。このこと(アル・パチーノの映画に尻役として出ること)を俺はみんなに話しちゃったよ。もうみんなは俺を見られると期待して映画館に行くだろうから…)
レイチェル: Oh, Joey, you know what? No one is gonna be able to tell. (あぁ、ジョーイ、ねぇ。誰にも見分けられないわよ。)
ジョーイ: My mom will. (俺のママは見分けられるよ。)
チャンドラー: Something so sweet and... disturbing about that. (すごく素敵な話で…不安な気持ちにもなるな。)
オーロラがたくさんの男と付き合い続けることに耐えられなくなったチャンドラーから別れを告げた形なので、Look at it this way. You dumped her! は「見方によっては、お前(チャンドラー)が彼女(オーロラ)をふったってことになるよな」という感じですね。
このセリフを言う前に、チャンドラーが事の顛末をフレンズたちに話して聞かせたことがわかります。
ロスはオーロラに対する褒め言葉をたくさん挙げます。
unattainable は「手に入れることができない、高嶺の花の」。
attain は「獲得する」で、un-attain-able →「獲得することができない、手の届かない」という意味になるのですね。
どうしてこんな素敵な女性をお前から振ったのか、もう一回話してくれる? のように、ロスはちょっと意地悪な言い方をしています。
部屋にジョーイが入って来たのでレイチェルは「映画スター」と声を掛け、モニカは「もしかしてあなたはアル・パチーノの映画でお尻を演じた人?」みたいに尋ねます。
ジョーイがそれを否定すると、ロスは「何があったんだ、大物?」みたいに返します。
入って来た時からジョーイは浮かない顔をしていますし「お尻役の人でしょ?」みたいに言われてそれを否定したわけなので、何かトラブルがあったらしいことは容易に想像できるところですね。
ですからロスも「何があったんだ?」と言っているのですが、そこに呼び掛け語として「大物」という褒め言葉っぽい言葉を付けるのは、ジョーイが「お尻役ではなくなった」らしいことを考えるとふさわしくない、こんな状況でそんな言葉を使うか? という気持ちで、チャンドラーも「大物だって?」とツッコミを入れたことになるでしょう。
それでロスは、思わず「大物」って言葉を使ってしまったことを「なんか”大物”って言いたくなる瞬間に思えたんで、つい」のように言い訳したのだろうと思います。
fire という単語は名詞「火」をまずは連想しますが、他動詞で「人を解雇する、クビにする」という意味でもよく使われます。
今回の I got fired! は「クビになった」で、You're fired! なら「お前はクビだ!」となります。
You're fired! 「お前はクビだ!」は、今やアメリカ大統領となったドナルド・トランプ氏のテレビ番組「アプレンティス」(2004-2007)での決め台詞としても有名です。
トランプ氏のプロフィールが語られる際によくこのセリフが引き合いに出されていたのでご存じの方も多いでしょう。
ちなみにアプレンティス(apprentice)は「見習い」という意味。
過去記事 取り除く、脱ぐの意味のlose フレンズ1-6改その20 で、Hire the girl. というセリフがありましたが、hire と fire という対義語の両方が今回のエピソードには出てきたことになります。
They said I acted too much with it. の they は漠然と映画を撮影していたスタッフを指しています。
act too much with it は「お尻の役で過剰に演技し過ぎた」。
お尻の代役で過剰な演技って何? お尻を見せてるだけなのに過剰も何もないだろう、とみんなが思うところですね。
「みんなに今回の件を話しちゃったから、みんな、俺が出ると期待して映画館に行っちゃうよ…」と言うジョーイに、レイチェルは「誰も tell することはできないわ」と返します。
ジョーイのセリフの I told everybody は「俺はみんなに話した」という tell の一番基本的な意味「話す」ですが、レイチェルの be able to tell の方は「見分ける、違いがわかる」という意味で使われています。
会話の近い位置で、I told everybody と No one is gonna be able to tell のように2回 tell が使われたわけですが、それぞれ異なる意味であることに注意しましょう。
「見分ける」という意味は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。
tell : RECOGNIZE DIFFERENCE to be able to see how one person or thing is different from another
例)Most experts can tell an expensive diamond from a cheap one.
つまり「(違いがわかる・違いを認識する)ある人またはある物が他とどのように違っているかがわかること」。
例文は「たいていの専門家は高価なダイアモンドと安いダイアモンドの違いがわかる」。
「誰もお尻なんて見分けつかないでしょ」とレイチェルが言ったところ、My mom will. と答えるのが面白いです。
My mom will be able to tell. ということで「俺のママは人の尻と俺の尻との見分けがつく」と言っていることになります。
disturbing は「心を乱すような、不安にするような」。
ママはジョーイのお尻が見分けられるという話は、親子として微笑ましい部分もありますが、この年になってもジョーイの裸をママが見ることがあるの? とその関係に若干の不安も抱いてしまう、ということです。
一体、どこまで親密な関係なんだよ、子供の頃ならまだしも、その年齢でそんなことを言われると気持ちが落ち着かないよ、というところですね。
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2018年07月20日
走らせる、動かす、支配する フレンズ1-6改その25
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16:47
オーロラ: So which one of the two guys will you listen to? (それでその2人の男のうちどっちの人の話をあなたは聞くの?)
チャンドラー: I don't know. I-I have to listen to both of them. They don't exactly let each other finish. (わからない。俺は両方の話を聞かないといけないんだ。二人とも相手の話を最後まで言わせようとしないんだよ。)
オーロラ: Which one? (どっちなの?)
チャンドラー: The second guy. (2番目の男だ。)
オーロラ: I see. (GETS UP TO LEAVE) Well, call me if you change your mind. (わかったわ。[立ち上がり去ろうとする] ねぇ、気持ちが変わったら電話して。)
(SHE KISSES HIM. HE HOLDS HER AND KISSES HER PASSIONATELY)
オーロラはチャンドラーにキスする。チャンドラーはオーロラを抱き、情熱的にキスする。
チャンドラー: Sorry, the first guy runs the lips. (ごめん、1番目の男が唇を操ってるんだ。)
(SHE LEAVES. CHANDLER SIGHS AND FALLS BACK ON HIS BED)
オーロラは去る。チャンドラーはため息をつき、ベッドに後ろ向きに倒れる。
which one of the two guys は「その(心の中で葛藤している)二人の男性のうちのどちらを」。
finish は「言い終わる」で、let someone finish は「人に話を最後まで言わせる」。
"Let me finish." だと「最後まで言わせて。最後まで話をさせて。話を最後までちゃんと聞いて」という決まり文句になります。
口論になってしまって、お互いが、"Let me finish!" "Let ME finish!" と言い合っているシーンもよく見かけます。
「俺の話を聞けよ」「おまえこそ」という感じで、このようなやりとりでは、2文目の me を強く発音することで、「それはこっちが言いたいセリフだ。お前こそ“俺の話を”最後まで聞けよ」というニュアンスが出ます。
上のチャンドラーのセリフでは、心の中の二人のチャンドラーは言い争いをしていて、相手の発言が終わらないうちから、自分がしゃべってしまうんだ、と言っています。
どちらも自分の言いたいことを一方的に言うばかりで、相手の言うことを聞こうとしないから、話がまとまらないんだということですね。
「二人の人間のどっちの言い分も聞かなきゃいけない」というチャンドラーに「どちらか決めて」というようにオーロラは Which one? と選択を迫ります。
「2番目の男」、つまりハートが大きくなったグリンチのように「物質的なものよりも、心・気持ちの方が大切」だと思っている男の方だと答えたチャンドラー。
オーロラはそれ以上説得することはあきらめ、「気持ちが変わったら電話して」と言っています。
淡々とそう語る様子からは、過去にもそんな風に誰かと別れたことがあったのだろう、と思わせる部分がありますね。
オーロラはさよならの挨拶として軽いキスをするのですが、チャンドラーは彼女を抱いて情熱的なキスをしてしまいます。
自分から別れを選んでおいてそんなキスをしてしまったことを反省し、「ごめん」と謝った後、the first guy runs the lips. と続けます。
run は自動詞で「走る」、他動詞で「走らせる」ですが、「(機械や車)を動かす、運転する」「(店・会社などを)経営する、運営する」「〜を支配する」という意味があります。
「走らせる」という感覚が、目的語を「動かす」感覚につながる、ということですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
run : BE IN CHARGE OF [transitive] to control or be in charge of a company, an organization, or system
つまり「会社、組織、システムをコントロールすること、またはそれらを管理していること」。
2番目の男、つまり、オーロラとは別れるべきだと言う男の意見を聞くよ、と言ったチャンドラーですが、やはり別れがたくて思わず情熱的なキスをしてしまい、今のキスは1番目の男がやったことだ、という意味で、the first guy runs the lips. 「俺が君にキスした今の唇は、1番目の男が支配してるんだ」と説明しているのですね。
run を使った動作を表す表現に、run one's fingers/hand through one's/someone's hair というものがありますので、併せてご紹介しておきます。
直訳すると「自分の指/手を(自分の/誰かの)髪の毛に通すように走らせる」ということで、手櫛(てぐし)のように指を髪の毛に通すことを指します。
自分の髪であれば、手で髪をかき上げるようなしぐさで、相手の髪であれば、彼氏が彼女の髪を指で優しく撫でているようなロマンティックなイメージですね。
LAAD では、
run : MOVE SOMETHING OVER A SURFACE [transitive always + adv./prep.] to move or rub something lightly along a surface
run something down/through/along something
例)He ran his fingers through her hair.
つまり「表面上に何かを動かす(他動詞、常に副詞・前置詞を伴う)表面に沿って、何かを動かす、または軽くこする」。例文は「彼は彼女の髪の毛に自分の指を通した」。
今回のチャンドラーのセリフが仮に The first guy ran his lips over yours. のような形だったら、「1番目の男が君の唇の上に自分の唇を走らせた」と訳すことができますが、このような「対象物の上に〜を軽く走らせる」という意味の場合、上のロングマンの語義にもあるように副詞や前置詞で「走らせている場所」を示す必要があります。
今回のチャンドラーのセリフ the first guy runs the lips の場合はそのような場所を示す表現が入っていませんので、「走らせる」よりも「コントロールしている、操っている」という意味の方がふさわしいでしょう。
また、このセリフは ran という過去形ではなく run という現在形が使われているので、厳密に訳すと「今の唇は1番目の男が操っていた」というよりは「(その)唇を操っているのは1番目の男である」という方が近いです。
別れるべきと思っていて、それが正しいとわかってるんだけど、つい唇がおイタしちゃった。その唇だけが「このまま楽しめ!」と主張する1番目の男の支配下にあるんだよね、と言ってみせた感覚になるでしょう。
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16:47
オーロラ: So which one of the two guys will you listen to? (それでその2人の男のうちどっちの人の話をあなたは聞くの?)
チャンドラー: I don't know. I-I have to listen to both of them. They don't exactly let each other finish. (わからない。俺は両方の話を聞かないといけないんだ。二人とも相手の話を最後まで言わせようとしないんだよ。)
オーロラ: Which one? (どっちなの?)
チャンドラー: The second guy. (2番目の男だ。)
オーロラ: I see. (GETS UP TO LEAVE) Well, call me if you change your mind. (わかったわ。[立ち上がり去ろうとする] ねぇ、気持ちが変わったら電話して。)
(SHE KISSES HIM. HE HOLDS HER AND KISSES HER PASSIONATELY)
オーロラはチャンドラーにキスする。チャンドラーはオーロラを抱き、情熱的にキスする。
チャンドラー: Sorry, the first guy runs the lips. (ごめん、1番目の男が唇を操ってるんだ。)
(SHE LEAVES. CHANDLER SIGHS AND FALLS BACK ON HIS BED)
オーロラは去る。チャンドラーはため息をつき、ベッドに後ろ向きに倒れる。
which one of the two guys は「その(心の中で葛藤している)二人の男性のうちのどちらを」。
finish は「言い終わる」で、let someone finish は「人に話を最後まで言わせる」。
"Let me finish." だと「最後まで言わせて。最後まで話をさせて。話を最後までちゃんと聞いて」という決まり文句になります。
口論になってしまって、お互いが、"Let me finish!" "Let ME finish!" と言い合っているシーンもよく見かけます。
「俺の話を聞けよ」「おまえこそ」という感じで、このようなやりとりでは、2文目の me を強く発音することで、「それはこっちが言いたいセリフだ。お前こそ“俺の話を”最後まで聞けよ」というニュアンスが出ます。
上のチャンドラーのセリフでは、心の中の二人のチャンドラーは言い争いをしていて、相手の発言が終わらないうちから、自分がしゃべってしまうんだ、と言っています。
どちらも自分の言いたいことを一方的に言うばかりで、相手の言うことを聞こうとしないから、話がまとまらないんだということですね。
「二人の人間のどっちの言い分も聞かなきゃいけない」というチャンドラーに「どちらか決めて」というようにオーロラは Which one? と選択を迫ります。
「2番目の男」、つまりハートが大きくなったグリンチのように「物質的なものよりも、心・気持ちの方が大切」だと思っている男の方だと答えたチャンドラー。
オーロラはそれ以上説得することはあきらめ、「気持ちが変わったら電話して」と言っています。
淡々とそう語る様子からは、過去にもそんな風に誰かと別れたことがあったのだろう、と思わせる部分がありますね。
オーロラはさよならの挨拶として軽いキスをするのですが、チャンドラーは彼女を抱いて情熱的なキスをしてしまいます。
自分から別れを選んでおいてそんなキスをしてしまったことを反省し、「ごめん」と謝った後、the first guy runs the lips. と続けます。
run は自動詞で「走る」、他動詞で「走らせる」ですが、「(機械や車)を動かす、運転する」「(店・会社などを)経営する、運営する」「〜を支配する」という意味があります。
「走らせる」という感覚が、目的語を「動かす」感覚につながる、ということですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
run : BE IN CHARGE OF [transitive] to control or be in charge of a company, an organization, or system
つまり「会社、組織、システムをコントロールすること、またはそれらを管理していること」。
2番目の男、つまり、オーロラとは別れるべきだと言う男の意見を聞くよ、と言ったチャンドラーですが、やはり別れがたくて思わず情熱的なキスをしてしまい、今のキスは1番目の男がやったことだ、という意味で、the first guy runs the lips. 「俺が君にキスした今の唇は、1番目の男が支配してるんだ」と説明しているのですね。
run を使った動作を表す表現に、run one's fingers/hand through one's/someone's hair というものがありますので、併せてご紹介しておきます。
直訳すると「自分の指/手を(自分の/誰かの)髪の毛に通すように走らせる」ということで、手櫛(てぐし)のように指を髪の毛に通すことを指します。
自分の髪であれば、手で髪をかき上げるようなしぐさで、相手の髪であれば、彼氏が彼女の髪を指で優しく撫でているようなロマンティックなイメージですね。
LAAD では、
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例)He ran his fingers through her hair.
つまり「表面上に何かを動かす(他動詞、常に副詞・前置詞を伴う)表面に沿って、何かを動かす、または軽くこする」。例文は「彼は彼女の髪の毛に自分の指を通した」。
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今回のチャンドラーのセリフ the first guy runs the lips の場合はそのような場所を示す表現が入っていませんので、「走らせる」よりも「コントロールしている、操っている」という意味の方がふさわしいでしょう。
また、このセリフは ran という過去形ではなく run という現在形が使われているので、厳密に訳すと「今の唇は1番目の男が操っていた」というよりは「(その)唇を操っているのは1番目の男である」という方が近いです。
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2018年07月17日
5刷決定しました!「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」
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2017年12月15日に発売となりました、私の4冊目の著書「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」(池田書店)が、おかげさまで売れ行き良好で5刷が決まりました。
発売から半年以上経った今でも、継続して売れ続けてくれていること、本当にありがたく嬉しく思っております♪
お買い上げ下さった皆様、本当にありがとうございます<(_ _)>
このたびめでたく5刷となりましたことで、さらに多くの方に拙著を読んでいただければとても嬉しいなと思います。
これを励みにこれからも頑張りますね!
Rachからの嬉しいお知らせでした♪
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2018年07月13日
グリンチのハートが大きくなって フレンズ1-6改その24
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16:13
オーロラ: Why can't we just have what we have now? Why can't we just talk and laugh and make love, without feeling obligated to one another? Up until tonight, I thought that's what you wanted too. (どうして今私たちが持っているものを持っているだけじゃダメなの? お互いに義務感を感じることなく、ただトークして笑ってメイクラブする(愛し合う)だけじゃダメなの? 今夜までは、それがあなたも望んでることだと思ってたのに。)
チャンドラー: Well, y'know, part of me wants that, but it's like I'm two guys, y'know? I mean, one guy's saying, "Shut up! This is great!" But there's this other guy. Actually it's the guy who wells up every time the Grinch's heart grows three sizes and breaks that measuring device. He's saying, y'know, "This is too hard. Get out, get out!" (ほら、俺の一部はそれを望んでるんだ、でもまるで俺が二人の男である[俺の中には二人の男がいる]状態なんだよ。つまり、一人目の男はこう言う、「黙れよ! これって最高だろ!」 でももう一人の男がいるんだ。実際、そいつはグリンチのハートが3サイズ大きくなって測定器を壊すたびに現れるやつなんだ。そいつが言うんだよ、「こんなのは辛(つら)すぎる。逃げ出せ、逃げ出せ!」って。)
オーロラは、Why can't we just (do)...? という文を2回続けています。
どうしてただ(〜する)だけじゃダメなの?(〜するだけでいいじゃない!)というニュアンス。
without feeling obligated to one another は「お互いに義務感を感じることなく」。obligate は他動詞で「(人に)〜すべき義務を負わせる」、obligated は「〜すべき義務があって」という意味になります。obligation だと名詞で「義務、拘束」。
up until は「〜まで」で、今夜あなたがそんなことを言い出すまで、「義務感なしで、話して笑って愛し合う」という関係でお互い了解していたと思ってたのに、ということになります。
part of me wants that は「俺の一部はそれを望んでる」。
it's like I'm two guys は「俺は二人の男、って感じ」ということですから、先に「俺の一部」と言っていたように「俺は二人の男に分かれてる、俺の中には二人の人間がいる」と言っているわけですね。
そうして、one guy と other guy 「一人の男ともう一人の男」がそれぞれ違うことを言っていると説明します。
最初の男は「黙れよ! これって最高だろ!」と言っていて、それは「オーロラとのこの関係をこのまま続けたい」と思っている自分ですね。
それと対照的に other guy のことを続けて語っていますが、the Grinch's heart 「グリンチのハート」という言葉で説明されている Actually から that measuring device までの文章は背景説明が必要となりますので、後ほど詳しく解説します。
もう一人の男は「こんなの辛すぎるよ。逃げ出せ、逃げ出せ!」と言っていて、今夜オーロラにぶちまけてしまったように、俺以外にたくさんの男と付き合ってるのが辛すぎる、苦しすぎる、こんな関係からは抜け出すべきだ、と思っていることがわかります。
そのもう一人の男のセリフを言う前に「その男ってのはこういうやつなんだけど」と前振りのように説明した英文 Actually it's the guy who wells up every time the Grinch's heart grows three sizes and breaks that measuring device. について。
Grinch 「グリンチ」は、ドクター・スース(Dr. Seuss)の有名な児童文学「いじわるグリンチのクリスマス」(グリンチはどうやってクリスマスを盗んだのか)(原題:How the Grinch Stole Christmas!)に出てくる、クリスマスを嫌っているキャラクターの名前。
この後、フレンズでも何度かドクター・スースの本のタイトルが登場します。それくらい、アメリカ人の子供たちには超有名な児童作家であり、グリンチも超有名なキャラクターだということですね。
2000年には、監督:ロン・ハワード、主演:ジム・キャリーで、『グリンチ』(原題:Dr. Seuss' How the Grinch Stole Christmas!)のタイトルで映画化もされましたので、日本でもこのキャラクターのことをご存じな方は結構おられるのではないかと思います。
さらには、この記事を書いている今から5か月後の2018年12月14日に、「ミニオンズ」などを手掛けたイルミネーションの最新作として、3DCGアニメーション映画の『グリンチ』が公開されます。
映画『グリンチ』公式サイト
日本語吹替版で大泉洋さんがグリンチの声を担当されることが今日の5:00頃に発表されたようです(今から9時間前!)。
オリジナルの英語版でグリンチの声を担当するのは、『シャーロック』でシャーロックを演じているベネディクト・カンバーバッチさんで、こちらも楽しみですね♪
そのように近年になってもまた映像化されるというところにも、グリンチというキャラクターの有名具合がよく表れていると思います。
★なお、ここから今回のチャンドラーのセリフを説明するに当たり、「グリンチ」の絵本や過去の映像作品のシーンの説明をすることになります。
12月公開の新作で初めてグリンチという作品に触れる方にとってはネタバレになってしまいますので、ご注意下さい★
well up は「(こんこんと)わき上がる」
過去記事、エンタープライズ号を攻撃しようとしてる フレンズ1-2改その34 で、ロスの子供の超音波映像を感動した様子で見ているモニカに言った、ロス: Are you welling up? (泣きそうになってるの?)というセリフで well up が出てきました。
ですから、it's the guy who wells up every time SV の形で「SがVするたびにわき上がる(出現してくる)男」だと言っていることになります。
measuring device は「測定するデバイス」ですから「測定器」。
grow three sizes は「3サイズ成長する、大きくなる」。
この「グリンチ」の原作の絵本のお話を簡潔にまとめると、、、
クリスマスの大嫌いなグリンチが、村人の家々からプレゼントやツリーを盗むことで「クリスマスを盗もうとする」けれども、それらが盗まれても村人たちは喜びの歌を歌っていた。
クリスマスの本質は店で買うような「もの」ではないことにグリンチが気づき、グリンチの小さかったハートのサイズが大きくなる。
グリンチは盗んだものを村人に返し、最後には自らごちそうの肉を切り分ける。
という内容になっています。
「グリンチのハートが3サイズ大きくなる」という部分、まずは原作の絵本で確認してみました。
有名な絵本なのでいろんなバージョンがありますが、私が数年前に買ったのはこのバージョン↓
Amazon.co.jp: How the Grinch Stole Christmas! (Classic Seuss)
その原作絵本では、グリンチのハートのサイズに関する記述が2箇所出てきます。
まずは絵本の冒頭で、
But I think that the most likely reason of all
May have been that his heart was two sizes too small.
そして絵本のラスト直前で、
Well... in Who-ville they say
That the Grinch's small heart
Grew three sizes that day!
「最初は2サイズ小さかったハートが、3サイズ大きくなった」ということで、チャンドラーのセリフ the Grinch's heart grows three sizes は、絵本での表現 the Grinch's small heart grew three sizes に倣ったものであることがよくわかります。
このように、絵本では the Grinch's small heart grew three sizes という表現は出てくるのですが、測定器(measuring device)という言葉は出てきません。
今回の フレンズ1-6 のアメリカでの放映は1994年10月なので、2000年公開のジム・キャリーの「グリンチ」はまだ公開されていませんでした。
チャンドラーが言っているのは、1966年にアメリカでテレビスペシャル番組として放映された『How the Grinch Stole Christmas!』の一場面のようです。
IMDb : How the Grinch Stole Christmas! (1966)
使命感に燃えて(笑)、以下の北米版(import版)を購入し、実際の映像を確認してみました。
Amazon.co.jp: How the Grinch Stole Christmas: 50th Anniversary [DVD] [Import]
26分の短い作品ですが、チャンドラーが言っていた測定器を壊すシーンは以下のようなものでした。
「クリスマスはお店から来るんじゃない」とグリンチが気づいた後、村から盗んだプレゼントやツリーが山ほど積まれたソリが、雪山から滑り落ちそうになり、グリンチはソリが落ちないようにとっさにそれを掴みます。
23:20 に絵本と同じ内容のナレーションが流れ、グリンチのハート(心臓)のあたりに、横から心臓の大きさが見えるモニターが出てきて、彼のハートが、一回り(ひとまわり)、二回り(ふたまわり)、三回り(みまわり?)大きくなって、ついにはモニターの枠がピヨ〜ンという金属の弾けるような音と共に壊れる、という映像になっていました。
原作の絵本では「フーヴィル(村)の人々の話では、その日、グリンチの小さなハートが3サイズ大きくなったとのこと」という語りのみになっていたのを、1966年のテレビスペシャルでは「ハートが大きくなってついにはモニターが壊れた(計測不能になった)」という映像で表現したことになります。
グリンチのハートが大きくなった時というのは「クリスマスは店で買う”もの”から来るんじゃない。クリスマスは人の心から生まれるものなんだ」→「物事の本質は物質ではなく、気持ち・心なんだ」と気づいた瞬間なわけですね。
ですからチャンドラーのセリフの「グリンチのハートが3サイズ大きくなる時に登場するやつ(男)」というのは「大事なのは気持ちだ、心だ」と主張する自分ということになります。
相手が何人の男と付き合ってても構わない、何の責任もなくただエッチを楽しむことができるんだから、というのが「物質的・物理的な行為を重視する」ことであり、「エッチできればそれでいいってわけじゃない、好きだと思う相手には自分だけを好きでいてもらいたい」というのが「気持ちや心を重視する」ことに当たるでしょう。
「大切なのはものじゃなく心なんだ」と気づいた自分を「クリスマスは”心”から来るものだと気づいたグリンチ」に例えたわけですね。
絵本では「3サイズ大きくなった」という言葉の表現のみにとどまっていましたが、「測定器を壊す」という1966年のテレビスペシャルのシーンの方がサイズが大きくなったことをよりわかりやすく視覚的に表現しているため、フレンズのセリフにもその表現を盛り込んだということでしょう。
フレンズたちは1970年前後の生まれという設定ですが、1966年のテレビスペシャルはきっと何度も再放送され、フレンズたちも子供の頃に見ていた、ということかなと思います。
ちなみに日本でも公開された2000年のジム・キャリー版の「グリンチ」では、20:53 に、ハートを測定する測定器(レントゲンのようなモニター)に彼のしぼんだ小さなハートが映り、Yes! Down a size and a half! (よーし! (ハートが)1.5サイズ縮まった!)と言うシーンがあるのですが、1:25:22 で「3サイズ大きくなった」というナレーションが入るシーンでは、グリンチが着ているサンタの服ごしに、心臓あたりの部分が大きく膨らんでいるのがわかる、という描写になっていました(つまり、3サイズの時には測定器は出てこない)。
「ハートが3サイズ大きくなる」というのは、原作の絵本にある表現で、グリンチの心の変化を示す、クライマックスシーンに欠かせない描写だと思うので、12月公開のイルミネーション版「グリンチ」でも、「ハートが3サイズ大きくなった」シーンがきっと出てくるだろうと思っています。
どのような描写でそれを表現するのか楽しみですね♪
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16:13
オーロラ: Why can't we just have what we have now? Why can't we just talk and laugh and make love, without feeling obligated to one another? Up until tonight, I thought that's what you wanted too. (どうして今私たちが持っているものを持っているだけじゃダメなの? お互いに義務感を感じることなく、ただトークして笑ってメイクラブする(愛し合う)だけじゃダメなの? 今夜までは、それがあなたも望んでることだと思ってたのに。)
チャンドラー: Well, y'know, part of me wants that, but it's like I'm two guys, y'know? I mean, one guy's saying, "Shut up! This is great!" But there's this other guy. Actually it's the guy who wells up every time the Grinch's heart grows three sizes and breaks that measuring device. He's saying, y'know, "This is too hard. Get out, get out!" (ほら、俺の一部はそれを望んでるんだ、でもまるで俺が二人の男である[俺の中には二人の男がいる]状態なんだよ。つまり、一人目の男はこう言う、「黙れよ! これって最高だろ!」 でももう一人の男がいるんだ。実際、そいつはグリンチのハートが3サイズ大きくなって測定器を壊すたびに現れるやつなんだ。そいつが言うんだよ、「こんなのは辛(つら)すぎる。逃げ出せ、逃げ出せ!」って。)
オーロラは、Why can't we just (do)...? という文を2回続けています。
どうしてただ(〜する)だけじゃダメなの?(〜するだけでいいじゃない!)というニュアンス。
without feeling obligated to one another は「お互いに義務感を感じることなく」。obligate は他動詞で「(人に)〜すべき義務を負わせる」、obligated は「〜すべき義務があって」という意味になります。obligation だと名詞で「義務、拘束」。
up until は「〜まで」で、今夜あなたがそんなことを言い出すまで、「義務感なしで、話して笑って愛し合う」という関係でお互い了解していたと思ってたのに、ということになります。
part of me wants that は「俺の一部はそれを望んでる」。
it's like I'm two guys は「俺は二人の男、って感じ」ということですから、先に「俺の一部」と言っていたように「俺は二人の男に分かれてる、俺の中には二人の人間がいる」と言っているわけですね。
そうして、one guy と other guy 「一人の男ともう一人の男」がそれぞれ違うことを言っていると説明します。
最初の男は「黙れよ! これって最高だろ!」と言っていて、それは「オーロラとのこの関係をこのまま続けたい」と思っている自分ですね。
それと対照的に other guy のことを続けて語っていますが、the Grinch's heart 「グリンチのハート」という言葉で説明されている Actually から that measuring device までの文章は背景説明が必要となりますので、後ほど詳しく解説します。
もう一人の男は「こんなの辛すぎるよ。逃げ出せ、逃げ出せ!」と言っていて、今夜オーロラにぶちまけてしまったように、俺以外にたくさんの男と付き合ってるのが辛すぎる、苦しすぎる、こんな関係からは抜け出すべきだ、と思っていることがわかります。
そのもう一人の男のセリフを言う前に「その男ってのはこういうやつなんだけど」と前振りのように説明した英文 Actually it's the guy who wells up every time the Grinch's heart grows three sizes and breaks that measuring device. について。
Grinch 「グリンチ」は、ドクター・スース(Dr. Seuss)の有名な児童文学「いじわるグリンチのクリスマス」(グリンチはどうやってクリスマスを盗んだのか)(原題:How the Grinch Stole Christmas!)に出てくる、クリスマスを嫌っているキャラクターの名前。
この後、フレンズでも何度かドクター・スースの本のタイトルが登場します。それくらい、アメリカ人の子供たちには超有名な児童作家であり、グリンチも超有名なキャラクターだということですね。
2000年には、監督:ロン・ハワード、主演:ジム・キャリーで、『グリンチ』(原題:Dr. Seuss' How the Grinch Stole Christmas!)のタイトルで映画化もされましたので、日本でもこのキャラクターのことをご存じな方は結構おられるのではないかと思います。
さらには、この記事を書いている今から5か月後の2018年12月14日に、「ミニオンズ」などを手掛けたイルミネーションの最新作として、3DCGアニメーション映画の『グリンチ』が公開されます。
映画『グリンチ』公式サイト
日本語吹替版で大泉洋さんがグリンチの声を担当されることが今日の5:00頃に発表されたようです(今から9時間前!)。
オリジナルの英語版でグリンチの声を担当するのは、『シャーロック』でシャーロックを演じているベネディクト・カンバーバッチさんで、こちらも楽しみですね♪
そのように近年になってもまた映像化されるというところにも、グリンチというキャラクターの有名具合がよく表れていると思います。
★なお、ここから今回のチャンドラーのセリフを説明するに当たり、「グリンチ」の絵本や過去の映像作品のシーンの説明をすることになります。
12月公開の新作で初めてグリンチという作品に触れる方にとってはネタバレになってしまいますので、ご注意下さい★
well up は「(こんこんと)わき上がる」
過去記事、エンタープライズ号を攻撃しようとしてる フレンズ1-2改その34 で、ロスの子供の超音波映像を感動した様子で見ているモニカに言った、ロス: Are you welling up? (泣きそうになってるの?)というセリフで well up が出てきました。
ですから、it's the guy who wells up every time SV の形で「SがVするたびにわき上がる(出現してくる)男」だと言っていることになります。
measuring device は「測定するデバイス」ですから「測定器」。
grow three sizes は「3サイズ成長する、大きくなる」。
この「グリンチ」の原作の絵本のお話を簡潔にまとめると、、、
クリスマスの大嫌いなグリンチが、村人の家々からプレゼントやツリーを盗むことで「クリスマスを盗もうとする」けれども、それらが盗まれても村人たちは喜びの歌を歌っていた。
クリスマスの本質は店で買うような「もの」ではないことにグリンチが気づき、グリンチの小さかったハートのサイズが大きくなる。
グリンチは盗んだものを村人に返し、最後には自らごちそうの肉を切り分ける。
という内容になっています。
「グリンチのハートが3サイズ大きくなる」という部分、まずは原作の絵本で確認してみました。
有名な絵本なのでいろんなバージョンがありますが、私が数年前に買ったのはこのバージョン↓
Amazon.co.jp: How the Grinch Stole Christmas! (Classic Seuss)
その原作絵本では、グリンチのハートのサイズに関する記述が2箇所出てきます。
まずは絵本の冒頭で、
But I think that the most likely reason of all
May have been that his heart was two sizes too small.
そして絵本のラスト直前で、
Well... in Who-ville they say
That the Grinch's small heart
Grew three sizes that day!
「最初は2サイズ小さかったハートが、3サイズ大きくなった」ということで、チャンドラーのセリフ the Grinch's heart grows three sizes は、絵本での表現 the Grinch's small heart grew three sizes に倣ったものであることがよくわかります。
このように、絵本では the Grinch's small heart grew three sizes という表現は出てくるのですが、測定器(measuring device)という言葉は出てきません。
今回の フレンズ1-6 のアメリカでの放映は1994年10月なので、2000年公開のジム・キャリーの「グリンチ」はまだ公開されていませんでした。
チャンドラーが言っているのは、1966年にアメリカでテレビスペシャル番組として放映された『How the Grinch Stole Christmas!』の一場面のようです。
IMDb : How the Grinch Stole Christmas! (1966)
使命感に燃えて(笑)、以下の北米版(import版)を購入し、実際の映像を確認してみました。
Amazon.co.jp: How the Grinch Stole Christmas: 50th Anniversary [DVD] [Import]
26分の短い作品ですが、チャンドラーが言っていた測定器を壊すシーンは以下のようなものでした。
「クリスマスはお店から来るんじゃない」とグリンチが気づいた後、村から盗んだプレゼントやツリーが山ほど積まれたソリが、雪山から滑り落ちそうになり、グリンチはソリが落ちないようにとっさにそれを掴みます。
23:20 に絵本と同じ内容のナレーションが流れ、グリンチのハート(心臓)のあたりに、横から心臓の大きさが見えるモニターが出てきて、彼のハートが、一回り(ひとまわり)、二回り(ふたまわり)、三回り(みまわり?)大きくなって、ついにはモニターの枠がピヨ〜ンという金属の弾けるような音と共に壊れる、という映像になっていました。
原作の絵本では「フーヴィル(村)の人々の話では、その日、グリンチの小さなハートが3サイズ大きくなったとのこと」という語りのみになっていたのを、1966年のテレビスペシャルでは「ハートが大きくなってついにはモニターが壊れた(計測不能になった)」という映像で表現したことになります。
グリンチのハートが大きくなった時というのは「クリスマスは店で買う”もの”から来るんじゃない。クリスマスは人の心から生まれるものなんだ」→「物事の本質は物質ではなく、気持ち・心なんだ」と気づいた瞬間なわけですね。
ですからチャンドラーのセリフの「グリンチのハートが3サイズ大きくなる時に登場するやつ(男)」というのは「大事なのは気持ちだ、心だ」と主張する自分ということになります。
相手が何人の男と付き合ってても構わない、何の責任もなくただエッチを楽しむことができるんだから、というのが「物質的・物理的な行為を重視する」ことであり、「エッチできればそれでいいってわけじゃない、好きだと思う相手には自分だけを好きでいてもらいたい」というのが「気持ちや心を重視する」ことに当たるでしょう。
「大切なのはものじゃなく心なんだ」と気づいた自分を「クリスマスは”心”から来るものだと気づいたグリンチ」に例えたわけですね。
絵本では「3サイズ大きくなった」という言葉の表現のみにとどまっていましたが、「測定器を壊す」という1966年のテレビスペシャルのシーンの方がサイズが大きくなったことをよりわかりやすく視覚的に表現しているため、フレンズのセリフにもその表現を盛り込んだということでしょう。
フレンズたちは1970年前後の生まれという設定ですが、1966年のテレビスペシャルはきっと何度も再放送され、フレンズたちも子供の頃に見ていた、ということかなと思います。
ちなみに日本でも公開された2000年のジム・キャリー版の「グリンチ」では、20:53 に、ハートを測定する測定器(レントゲンのようなモニター)に彼のしぼんだ小さなハートが映り、Yes! Down a size and a half! (よーし! (ハートが)1.5サイズ縮まった!)と言うシーンがあるのですが、1:25:22 で「3サイズ大きくなった」というナレーションが入るシーンでは、グリンチが着ているサンタの服ごしに、心臓あたりの部分が大きく膨らんでいるのがわかる、という描写になっていました(つまり、3サイズの時には測定器は出てこない)。
「ハートが3サイズ大きくなる」というのは、原作の絵本にある表現で、グリンチの心の変化を示す、クライマックスシーンに欠かせない描写だと思うので、12月公開のイルミネーション版「グリンチ」でも、「ハートが3サイズ大きくなった」シーンがきっと出てくるだろうと思っています。
どのような描写でそれを表現するのか楽しみですね♪
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2018年07月10日
そのためだったら何だってする=ものすごく欲しい フレンズ1-6改その23
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15:43
チャンドラー: Oh, so what you're saying is you're not completely fulfilled by Rick, Ethan and myself? (あぁ、それじゃあ君が言っているのは、君は完全には満たされてないってことだね、リックとイーサンと俺でも?)
オーロラ: No, that's not exactly what I was-- (いいえ、私が言おうとしてたのはそういうことじゃなくて…)
チャンドラー: Well, y'know, most women would kill for three guys like us. (ほら、たいていの女は俺たちみたいな男3人を(そのためなら何だってするってほど)ものすごく欲しいって思うものだぞ[俺たち3人を手に入れるためなら、何だってするぞ]。)
オーロラ: So what do you want? (じゃああなたは何が欲しいの?[あなたの望みは何?])
チャンドラー: You. (君だよ。)
オーロラ: You have me. (あなたは私を所有してるじゃない。)
チャンドラー: No no, just you. (いやいや、ただ君だけをだ。)
オーロラ: What do you mean? (どういう意味?)
チャンドラー: Lose the other guys. (他の男たちを切れよ。)
オーロラ: Like, all of them? (それって、男たち全員ってこと?)
チャンドラー: C'mon, we're great together. Why not? (ねぇ、俺たち二人は最高だろ。どうしてダメなんだよ?)
what you're saying is SV は「君が言っているのはSVということなんだね」という感覚。
つまり君はSVだと言いたいの? というところです。
be not completely fulfilled by は「〜によって完全には満たされていない」という部分否定。
ある程度は満たされているけれど完全に満足しているわけではない、というニュアンス。
リック、イーサン、そして俺、のように最後に myself を付けているのは「そんないい男3人もいて、まだ満足できないのか」のように、「いい男の一人」として自分も並べた感じになるでしょう。
普段は自虐的なチャンドラーですが、ここは少しジョークも込めて「いい男のふり」をしてみたわけですね。
本気でそう思っているわけではなくて、「俺も一応混ぜてみた」という風に付け足したところに、却って自虐的な雰囲気を醸し出す効果もあるように思います。
「私の言いたかったことはそういうことじゃなくて」と言いかけるオーロラに、チャンドラーはさらに「このいい男3人で満足できないなんて信じられない」という話を続けています。
most women would kill for three guys like us. という文について。
would kill for を直訳すると「〜のためなら殺す・人を殺(あや)める、殺すという犯罪をも行う」ということで、「〜のためなら何でも・どんなことでもする」さらには「〜がものすごく欲しい」を意味する表現になります。
「もしそれが必要であれば」そうするつもりがある、そうすることができる、という「仮定」のニュアンスが would / could に含まれています。
Longman Dictionary of Contemporary English (LDOCE) では、
would/could kill for something (also would kill to do something) :
to want something so much that you will do almost anything to get it or do it
例1)I could kill for a smoke right now.
例2)In those days, actors would kill to break into film.
つまり、「あるものがものすごく欲しいので、それを得るため、または、それをするために、ほとんどどんなことでもするつもりである」。
例文1は「今、ものすごくタバコを吸いたい(タバコで一服したい)」。例文2は「あの頃、俳優たちはものすごく映画の仕事にありつきたい(食い込みたい、参入したい)と思っていた」。
例文2の場合は「どんなことをしてでも映画(界)に参入したかった」のように解釈することも可能でしょう。
例文1のように「〜がものすごく欲しい、(飲食物を)食べたい、飲みたい」という表現で使われることも多く、(先のエピソードになりますが)フレンズ6-17 でも、魚介類の話が出た流れで、
レイチェル: Ohh! I would kill for a salmon skin roll right now. (あぁ! 今すっごく、サーモンスキンロールが食べたいわ!)
というセリフが出てきます。
kill for 「〜のために殺しをする」の「〜のため」という対象になっているのは「サーモンスキンロール」というアメリカの寿司店でよく見かけるメニューですから、本来の kill の意味である「殺してでも欲しい」と表現するようなレベルのものではないですよね。
何かが”ものすごく欲しい”ことを「人を殺してでも〜が欲しい」と表現する”誇張表現”であることがよくわかると思います
今回の 1-6 のセリフ、most women would kill for three guys like us. を訳すと、
「ほとんどの女は俺たち(みたいな)3人のため[3人を手に入れる・3人と付き合うため]なら何でもする」
「俺たちみたいな3人の男なら(人殺しをしてでも)ものすごく欲しいと思うものだぞ」
のどちらかになるでしょう。
俺たち3人の男なら喉から手が出るほど欲しい、俺たち3人と付き合えたら泣いて喜ぶのに、みたいなことで、(いい男の中に自分を含めつつ)これだけの男3人と付き合うなんて誰もが願う夢なのに、リック、イーサン、俺の3人でまだ満足できない、まだ他の男が必要だなんて、君は一体どんだけ贅沢なんだよ、と言いたいのだろうと思います。
オーロラに「あなたが欲しているものは何?」と聞かれたチャンドラーは「君だ」と答え、オーロラは「あなたは今こうして私と一緒にいて私を所有してるでしょ」というように You have me. と返します。
just you は「ただ君だけ」というところですが、オーロラは意味を測りかねたようで内容を尋ね、チャンドラーは Lose the other guys. と答えます。
「〜をルーズしろ」という形の lose を使った命令形は、今回のエピソードの過去記事、取り除く、脱ぐの意味のlose フレンズ1-6改その20 で、監督: Lose the robe. (ローブを脱げ。) というセリフで出てきました。
その記事でも、「失え」というよりは「なくせ、取れ、取り除け」という意味でイメージする方がわかりやすいと説明したのですが、今回も「他の男たちをなくせ」ということだと考えると、「俺以外に付き合ってる他の男たちを切ってくれ、そいつらと別れて、他の男と付き合ってない状態の”君だけ”になってくれ」と言っていることになるでしょう。
それを聞いたオーロラはちょっと不満そうな顔で Like, all of them? 「例えばそれって、他の男性全部ってこと?」みたいに返していますね。
「他って全部?」という返しからは、チャンドラーが知っている以外にもまだまだ他の男性がいそうな気配も感じますし、一人残らず全部切れってこと? 少しくらい残してもいいでしょ? みたいな気持ちが入っているのかもしれません。
We're great together. は「俺たち(一緒にいて)最高だろ、相性ぴったりだろ」。
Why not? は「もちろん」という意味で使われることもありますが、ここでは文字通りの「どうして他の男を切れないんだ?」という意味の「どうしてダメなんだ?」という意味になります。
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15:43
チャンドラー: Oh, so what you're saying is you're not completely fulfilled by Rick, Ethan and myself? (あぁ、それじゃあ君が言っているのは、君は完全には満たされてないってことだね、リックとイーサンと俺でも?)
オーロラ: No, that's not exactly what I was-- (いいえ、私が言おうとしてたのはそういうことじゃなくて…)
チャンドラー: Well, y'know, most women would kill for three guys like us. (ほら、たいていの女は俺たちみたいな男3人を(そのためなら何だってするってほど)ものすごく欲しいって思うものだぞ[俺たち3人を手に入れるためなら、何だってするぞ]。)
オーロラ: So what do you want? (じゃああなたは何が欲しいの?[あなたの望みは何?])
チャンドラー: You. (君だよ。)
オーロラ: You have me. (あなたは私を所有してるじゃない。)
チャンドラー: No no, just you. (いやいや、ただ君だけをだ。)
オーロラ: What do you mean? (どういう意味?)
チャンドラー: Lose the other guys. (他の男たちを切れよ。)
オーロラ: Like, all of them? (それって、男たち全員ってこと?)
チャンドラー: C'mon, we're great together. Why not? (ねぇ、俺たち二人は最高だろ。どうしてダメなんだよ?)
what you're saying is SV は「君が言っているのはSVということなんだね」という感覚。
つまり君はSVだと言いたいの? というところです。
be not completely fulfilled by は「〜によって完全には満たされていない」という部分否定。
ある程度は満たされているけれど完全に満足しているわけではない、というニュアンス。
リック、イーサン、そして俺、のように最後に myself を付けているのは「そんないい男3人もいて、まだ満足できないのか」のように、「いい男の一人」として自分も並べた感じになるでしょう。
普段は自虐的なチャンドラーですが、ここは少しジョークも込めて「いい男のふり」をしてみたわけですね。
本気でそう思っているわけではなくて、「俺も一応混ぜてみた」という風に付け足したところに、却って自虐的な雰囲気を醸し出す効果もあるように思います。
「私の言いたかったことはそういうことじゃなくて」と言いかけるオーロラに、チャンドラーはさらに「このいい男3人で満足できないなんて信じられない」という話を続けています。
most women would kill for three guys like us. という文について。
would kill for を直訳すると「〜のためなら殺す・人を殺(あや)める、殺すという犯罪をも行う」ということで、「〜のためなら何でも・どんなことでもする」さらには「〜がものすごく欲しい」を意味する表現になります。
「もしそれが必要であれば」そうするつもりがある、そうすることができる、という「仮定」のニュアンスが would / could に含まれています。
Longman Dictionary of Contemporary English (LDOCE) では、
would/could kill for something (also would kill to do something) :
to want something so much that you will do almost anything to get it or do it
例1)I could kill for a smoke right now.
例2)In those days, actors would kill to break into film.
つまり、「あるものがものすごく欲しいので、それを得るため、または、それをするために、ほとんどどんなことでもするつもりである」。
例文1は「今、ものすごくタバコを吸いたい(タバコで一服したい)」。例文2は「あの頃、俳優たちはものすごく映画の仕事にありつきたい(食い込みたい、参入したい)と思っていた」。
例文2の場合は「どんなことをしてでも映画(界)に参入したかった」のように解釈することも可能でしょう。
例文1のように「〜がものすごく欲しい、(飲食物を)食べたい、飲みたい」という表現で使われることも多く、(先のエピソードになりますが)フレンズ6-17 でも、魚介類の話が出た流れで、
レイチェル: Ohh! I would kill for a salmon skin roll right now. (あぁ! 今すっごく、サーモンスキンロールが食べたいわ!)
というセリフが出てきます。
kill for 「〜のために殺しをする」の「〜のため」という対象になっているのは「サーモンスキンロール」というアメリカの寿司店でよく見かけるメニューですから、本来の kill の意味である「殺してでも欲しい」と表現するようなレベルのものではないですよね。
何かが”ものすごく欲しい”ことを「人を殺してでも〜が欲しい」と表現する”誇張表現”であることがよくわかると思います
今回の 1-6 のセリフ、most women would kill for three guys like us. を訳すと、
「ほとんどの女は俺たち(みたいな)3人のため[3人を手に入れる・3人と付き合うため]なら何でもする」
「俺たちみたいな3人の男なら(人殺しをしてでも)ものすごく欲しいと思うものだぞ」
のどちらかになるでしょう。
俺たち3人の男なら喉から手が出るほど欲しい、俺たち3人と付き合えたら泣いて喜ぶのに、みたいなことで、(いい男の中に自分を含めつつ)これだけの男3人と付き合うなんて誰もが願う夢なのに、リック、イーサン、俺の3人でまだ満足できない、まだ他の男が必要だなんて、君は一体どんだけ贅沢なんだよ、と言いたいのだろうと思います。
オーロラに「あなたが欲しているものは何?」と聞かれたチャンドラーは「君だ」と答え、オーロラは「あなたは今こうして私と一緒にいて私を所有してるでしょ」というように You have me. と返します。
just you は「ただ君だけ」というところですが、オーロラは意味を測りかねたようで内容を尋ね、チャンドラーは Lose the other guys. と答えます。
「〜をルーズしろ」という形の lose を使った命令形は、今回のエピソードの過去記事、取り除く、脱ぐの意味のlose フレンズ1-6改その20 で、監督: Lose the robe. (ローブを脱げ。) というセリフで出てきました。
その記事でも、「失え」というよりは「なくせ、取れ、取り除け」という意味でイメージする方がわかりやすいと説明したのですが、今回も「他の男たちをなくせ」ということだと考えると、「俺以外に付き合ってる他の男たちを切ってくれ、そいつらと別れて、他の男と付き合ってない状態の”君だけ”になってくれ」と言っていることになるでしょう。
それを聞いたオーロラはちょっと不満そうな顔で Like, all of them? 「例えばそれって、他の男性全部ってこと?」みたいに返していますね。
「他って全部?」という返しからは、チャンドラーが知っている以外にもまだまだ他の男性がいそうな気配も感じますし、一人残らず全部切れってこと? 少しくらい残してもいいでしょ? みたいな気持ちが入っているのかもしれません。
We're great together. は「俺たち(一緒にいて)最高だろ、相性ぴったりだろ」。
Why not? は「もちろん」という意味で使われることもありますが、ここでは文字通りの「どうして他の男を切れないんだ?」という意味の「どうしてダメなんだ?」という意味になります。
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2018年07月06日
質問したことを後悔するってわかってるけど フレンズ1-6改その22
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14:48
SCENE 6: CHANDLER AND JOEY'S (AURORA AND CHANDLER ARE IN BED IN CHANDLER'S ROOM)
シーン6: チャンドラーとジョーイの家(オーロラとチャンドラーがチャンドラーの部屋のベッドにいる)
チャンドラー: God, I love these fingers. (あぁ、この指、好きだな。)
オーロラ: Thank you. (ありがとう。)
チャンドラー: No, actually, I meant my fingers. Look at them. Look how happy they are. (いや、実は、俺の指のことを言ったんだよね。(俺の指を)見てよ。どんなに幸せそうに見えるか見て。)
オーロラ: (MOVES CHANDLER'S ARM AND LOOKS AT HIS WATCH) Oh, my God! I'm late! (STARTS TO GET UP) ([チャンドラーの腕を動かして彼の腕時計を見る] まぁ大変! 遅刻だわ! [起き上がろうとする])
チャンドラー: Oh, no, nonononononnononono, don't go, don't go. (KISSES HER AND PULLS HER BACK DOWN) (あぁ、だめ、だめだめだめ、行かないで、行かないで。[彼女にキスして、彼女を引き戻す])
オーロラ: Okay, okay. Oh no, I have to. (わかった、わかったわ。あぁだめ、行かなくちゃ。)
チャンドラー: (TO HIMSELF) Look at that-- She's leaving. ([独り言で]ほら見てよ、彼女が行っちゃう。)
オーロラ: (GETS UP AND DRESSES) I'm sorry. He'll be waiting for me. ([起き上がって服を着る] ごめんなさい。彼が私を待つことになるから。)
チャンドラー: Well, I thought- I thought you talked to Rick. (えっと、君はリックに話したんだと俺は思ってたんだけど。)
オーロラ: It's not Rick. (リックじゃないわ。)
チャンドラー: What, Ethan? He gets to spend the whole day with you! (何? イーサン? (そうだと)イーサンは君と丸一日過ごすことになるじゃないか!)
オーロラ: No, it's-it's Andrew. (いいえ、アンドリューよ。)
チャンドラー: I know there'll be many moments in the years to come when I'll regret asking the following question, but…. And Andrew is…? (これから言う質問を尋ねたことを後悔する時が、これから先の年月で何度もあるだろうってわかってるけど、でも…で、アンドリューっていうのは…?)
オーロラ: He's... new. (彼は新入りよ。)
オーロラと一緒にベッドにいるチャンドラーは、オーロラと指を絡ませながら、I love these fingers. と言っています。
「君の指って素敵だね」のような意味でそう言ったと思ったオーロラがお礼を言うと、チャンドラーは No, actually, I meant my fingers. と返します。
オーロラの指のことを言っていると思ったら、オーロラと手をつないでいる自分の指のことを言っている、とわかるジョークですね。
オーロラもその意味に気づいて、my fingers と言った後に笑っています。
君の隣で、こんな風に君と指をつないでいる、自分の指がすごく幸せそうに見えるから、この指好きだな、って思えるよ、と言っていることになります。
I love your fingers. ではなく(脚本上)these fingers と表現されていたのは、「your fingers じゃなくて my fingers だ」というジョークに繋げるためだったのですね。
オーロラはチャンドラーの腕時計を見て「遅れちゃうわ」と起き上がろうとするので、チャンドラーはそれを引き留めています。
いったんはベッドに横たわりかけたオーロラでしたが、結局また起き上がり、チャンドラーは寂しげな顔で視線をそらし、「あーあ、彼女は行っちゃうってさ」みたいに独り言を言います。
「彼が待ってるから」と He と表現したオーロラに対し、チャンドラーは「その彼ってリック? そうじゃなきゃイーサン?」と次々と男性の名前を挙げます。
問われたオーロラがアンドリューという名前を出した後の、チャンドラーのセリフについて。
but の前までが、I know there'll be many moments in the years to come when I'll regret asking the following question と長い文章になっていますが、構造をシンプルにすると、
I know there'll be many moments when I'll regret asking
つまり「尋ねたことを後悔することになる多くの瞬間があるだろうとわかる」になります。
in the years to come は「これから来るべき何年もの間に」というニュアンスですね。簡単に言うと「これから、今後、将来」ということ。
regret doing は「〜したことを後悔する」。
when は関係副詞で、many moments の内容を説明しています。
最初に moments と言った内容を when 以下で詳しく説明している構造で、これから多くの moments があるだろうと言っている、その moments とは、次の質問、これからしようと思っている質問を尋ねたことを後悔する、という時・瞬間があるだろう、ということです。
こんなこと聞いたらきっと俺にとって嬉しくない返事が返ってきて、きっとそれを後々後悔することになるだろうってわかってるけど、聞くしかない、聞かざるを得ない、という気持ちですね。
聞かないほうが良かったってきっと思うだろうけど、といやな予感がしながらも、聞かないわけにはいかないチャンドラーのつらさがよく出たセリフになっていると言えるでしょう。
アンドリューっていうのは…? と、is に続く言葉を促すような形でチャンドラーが尋ねるので、オーロラも、He's new. と be動詞+形容詞の形で説明することになります。
チャンドラーの知らない男の名前が出たわけですから、また別の新しい恋人が…? と思ったら、やはりその想像は当たってしまった、ということで、あれこれ言葉で説明しなくても、new の一言ですべてがわかってしまうところが、オーロラの奔放な男性関係をよく物語っていると思います。
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14:48
SCENE 6: CHANDLER AND JOEY'S (AURORA AND CHANDLER ARE IN BED IN CHANDLER'S ROOM)
シーン6: チャンドラーとジョーイの家(オーロラとチャンドラーがチャンドラーの部屋のベッドにいる)
チャンドラー: God, I love these fingers. (あぁ、この指、好きだな。)
オーロラ: Thank you. (ありがとう。)
チャンドラー: No, actually, I meant my fingers. Look at them. Look how happy they are. (いや、実は、俺の指のことを言ったんだよね。(俺の指を)見てよ。どんなに幸せそうに見えるか見て。)
オーロラ: (MOVES CHANDLER'S ARM AND LOOKS AT HIS WATCH) Oh, my God! I'm late! (STARTS TO GET UP) ([チャンドラーの腕を動かして彼の腕時計を見る] まぁ大変! 遅刻だわ! [起き上がろうとする])
チャンドラー: Oh, no, nonononononnononono, don't go, don't go. (KISSES HER AND PULLS HER BACK DOWN) (あぁ、だめ、だめだめだめ、行かないで、行かないで。[彼女にキスして、彼女を引き戻す])
オーロラ: Okay, okay. Oh no, I have to. (わかった、わかったわ。あぁだめ、行かなくちゃ。)
チャンドラー: (TO HIMSELF) Look at that-- She's leaving. ([独り言で]ほら見てよ、彼女が行っちゃう。)
オーロラ: (GETS UP AND DRESSES) I'm sorry. He'll be waiting for me. ([起き上がって服を着る] ごめんなさい。彼が私を待つことになるから。)
チャンドラー: Well, I thought- I thought you talked to Rick. (えっと、君はリックに話したんだと俺は思ってたんだけど。)
オーロラ: It's not Rick. (リックじゃないわ。)
チャンドラー: What, Ethan? He gets to spend the whole day with you! (何? イーサン? (そうだと)イーサンは君と丸一日過ごすことになるじゃないか!)
オーロラ: No, it's-it's Andrew. (いいえ、アンドリューよ。)
チャンドラー: I know there'll be many moments in the years to come when I'll regret asking the following question, but…. And Andrew is…? (これから言う質問を尋ねたことを後悔する時が、これから先の年月で何度もあるだろうってわかってるけど、でも…で、アンドリューっていうのは…?)
オーロラ: He's... new. (彼は新入りよ。)
オーロラと一緒にベッドにいるチャンドラーは、オーロラと指を絡ませながら、I love these fingers. と言っています。
「君の指って素敵だね」のような意味でそう言ったと思ったオーロラがお礼を言うと、チャンドラーは No, actually, I meant my fingers. と返します。
オーロラの指のことを言っていると思ったら、オーロラと手をつないでいる自分の指のことを言っている、とわかるジョークですね。
オーロラもその意味に気づいて、my fingers と言った後に笑っています。
君の隣で、こんな風に君と指をつないでいる、自分の指がすごく幸せそうに見えるから、この指好きだな、って思えるよ、と言っていることになります。
I love your fingers. ではなく(脚本上)these fingers と表現されていたのは、「your fingers じゃなくて my fingers だ」というジョークに繋げるためだったのですね。
オーロラはチャンドラーの腕時計を見て「遅れちゃうわ」と起き上がろうとするので、チャンドラーはそれを引き留めています。
いったんはベッドに横たわりかけたオーロラでしたが、結局また起き上がり、チャンドラーは寂しげな顔で視線をそらし、「あーあ、彼女は行っちゃうってさ」みたいに独り言を言います。
「彼が待ってるから」と He と表現したオーロラに対し、チャンドラーは「その彼ってリック? そうじゃなきゃイーサン?」と次々と男性の名前を挙げます。
問われたオーロラがアンドリューという名前を出した後の、チャンドラーのセリフについて。
but の前までが、I know there'll be many moments in the years to come when I'll regret asking the following question と長い文章になっていますが、構造をシンプルにすると、
I know there'll be many moments when I'll regret asking
つまり「尋ねたことを後悔することになる多くの瞬間があるだろうとわかる」になります。
in the years to come は「これから来るべき何年もの間に」というニュアンスですね。簡単に言うと「これから、今後、将来」ということ。
regret doing は「〜したことを後悔する」。
when は関係副詞で、many moments の内容を説明しています。
最初に moments と言った内容を when 以下で詳しく説明している構造で、これから多くの moments があるだろうと言っている、その moments とは、次の質問、これからしようと思っている質問を尋ねたことを後悔する、という時・瞬間があるだろう、ということです。
こんなこと聞いたらきっと俺にとって嬉しくない返事が返ってきて、きっとそれを後々後悔することになるだろうってわかってるけど、聞くしかない、聞かざるを得ない、という気持ちですね。
聞かないほうが良かったってきっと思うだろうけど、といやな予感がしながらも、聞かないわけにはいかないチャンドラーのつらさがよく出たセリフになっていると言えるでしょう。
アンドリューっていうのは…? と、is に続く言葉を促すような形でチャンドラーが尋ねるので、オーロラも、He's new. と be動詞+形容詞の形で説明することになります。
チャンドラーの知らない男の名前が出たわけですから、また別の新しい恋人が…? と思ったら、やはりその想像は当たってしまった、ということで、あれこれ言葉で説明しなくても、new の一言ですべてがわかってしまうところが、オーロラの奔放な男性関係をよく物語っていると思います。
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2018年07月03日
くいしばってたのは怒ってたから フレンズ1-6改その21
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13:55
監督: Okay, everybody, we'd like to get this in one take, please? Let's roll it. Water's working. (SHOWER STARTS) And action! (よし、みんな、これはワンテイクで撮りたいんだ、頼むぞ。撮影開始。(シャワーの)水を出して。[シャワーが開始する] そしてアクション!)
(JOEY STARTS TO SHOWER WITH A GRIM, DETERMINED LOOK ON HIS FACE)
ジョーイは顔に厳しく決意を秘めた表情を浮かべ、シャワーし始める。
監督: And cut! Hey, butt guy, what the hell are you doing? (そしてカット! おい、尻(役の)男、一体お前は何をしてるんだ?)
ジョーイ: I'm- I'm showering. (俺はシャワーを浴びてます。)
監督: No, that was clenching. (いや、それ(お前の尻)がくいしばってたぞ。)
ジョーイ: Oh. Well, the way I see it, the guy's upset here, y'know? I mean, his wife's dead, his brother's missing. I think his butt would be angry here. (あぁ、俺の考えでは、その男はここで怒っているんです。つまり、彼の妻は死に、彼の兄弟は行方不明。彼の尻はここで怒ってるだろうと思うんです。)
監督: I think his butt would like to get this shot before lunch. Once again, rolling. Water working. And action! And cut! What was that? (彼の尻は昼食前にこのショットを撮り終えたがってると思うがな。もう一度、撮影、水を出して。そしてアクション! そしてカット! 今のは何だったんだ?)
ジョーイ: I was going for quiet desperation. But if you have to ask.... (静かな絶望というのをやってみました。が、そんな風に尋ねないといけないっていうのは…(今のもダメってことですよね)。)
監督はカメラマンなどスタッフに "Okay, everybody, we'd like to get this in one take, please?" と声を掛けています。
直訳すると「俺たちはこれ(この撮影)をワンテイクでゲットしたい」ということですが、監督が「これからのシーンをワンテイクで撮りたい」という意志をスタッフと共有し「何テイクも撮らないで済むよう、よろしく頼むぞ」という気持ちで、we'd like to のように主語を we にしているのだろうと思います。
Let's roll it. は「撮影開始、撮影を始めよう」で、ここでの roll は「映画撮影のカメラを動かす・回す」という意味。
Macmillan Dictionary では、
roll : if a machine such as a camera rolls, it works
例)Although the interview had ended, the cameras were still rolling.
つまり「カメラなどの機械が roll するというのは、その機械が動くということ」。
例文は「そのインタビューはすでに終わったが、カメラはまだ動いて(回って)いた」。
日本語でも撮影が続いていることを「まだカメラが回っている」と言いますので、感覚はわかりやすいですね。
ジョーイがしかめ面の難しい顔でシャワーを浴びていると、監督が撮影を止めて、「一体お前は何をしてるんだ?」と尋ねます。
ジョーイは「シャワーを浴びてます」と答えるのですが、監督は that was clenching. と言っています。
that はジョーイのお尻を指していることになるでしょう。
ジョーイは「尻の代役」なので、監督はお尻にしか注目していないでしょうから、主語に that=尻 を使っているのでしょう。
clench は他動詞では「歯をくいしばる、こぶしを固める」、自動詞では「歯・口や手・こぶしが固くしまる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
clench your fists/teeth/jaw etc. : to hold your hands, teeth etc. together tightly, especially because you feel angry or determined
つまり「拳、歯、あごをクレンチするというのは、手や歯を堅く一緒に合わせること。特に怒っている、または決意が固いという理由から」。
このセリフでは、ジョーイのお尻に力が入り過ぎて、固く締まっていることを言っているのでしょう。
the way I see it は「私の考えでは」という意味で、自分の意見を述べる前に使います。同義語は、to my way of thinking になります。
実際のところ、ジョーイは「アル・パチーノが出る大作映画での尻の代役」を与えられたため、緊張して演技が固くなり、お尻がこわばった感じになっているのだろうと思いますが、clench という動詞は、上のロングマンの語義にあるように、怒りや決心・覚悟のために、口や手が固く締まることもいうので、ジョーイは、固くなっているのは演技として怒りを表現しているためだと言い訳しているようです。
(2018.7.6 追記)
非公開コメントにて「モニカに保湿剤を借りに行くほど張り切っていたジョーイですから、「緊張して演技が固くなった」というより「このチャンスを物にするためには頑張っていい演技をしなくては」と張り切りすぎてお尻がこわばった感じになっていると思いました」というご意見を頂戴しました。
この後のエピソードの流れのことも合わせての上のご意見でしたが、確かに「ただ緊張していた」のではなく「張り切りすぎて」の方がふさわしい気がしますね。
張り切ってジョーイなりに精一杯頑張ろうとしていたからこそ、この演技は怒りを表現してるんです、のように自分の演技プランをすぐに説明できたのだと考えた方が自然な気がします。
貴重なご意見ありがとうございました。
(追記はここまで)
ここでジョーイは his butt と表現していますね。
実際には my butt であるわけですが、ジョーイは「アル・パチーノが演じる役の尻」を演じているので、その人物のお尻という意味で his butt と表現していることになるでしょう。
彼の尻はこういう気持ちのはずだ、と表現したジョーイに対して、監督は、I think his butt would like to do 「彼の尻は〜したいって気持ちだと思うよ」と返します。
このショットをランチ前にゲットしたい、つまりこのシーンの撮影をランチ前に終わらせてしまいたいと思ってるはずだ、ということですね。
監督やスタッフが「尻の代役のシーンなどさっさと撮影して、早く昼飯を食べに行きたい」と思っていることを「尻もそう思ってるはずだ」と言ってみせた感覚でしょう。
(2018.7.6 追記)
監督のセリフ Water working. について。
非公開コメントにて「監督の1回目の指示では Water's working. ですが2回目の指示では Water working. となっています。's があるのとないのとでニュアンスが変わってくるのでしょうか」というご質問がありました。
Water is working. が Water's working. と短縮形になるのは、元々 is working の is が小さく弱く発音されているからですが、それをもはや発音しなくなって、文字としての表記もなくした形が、Water working. になる、ということですね。
ニュアンスとしては後者の方がラフで、また一度指示した内容を再度言っていることから、よりラフな言い方になっている、という演出効果も多少はあるのかな、という気はします。
(追記はここまで)
go for は「〜をやってみる、試してみる」、quiet desperation は「静かな絶望」。
2テイク目の撮影を監督が止めたのは、またジョーイのお尻が妙にこわばった感じになっていたのでしょう。
それでジョーイは「あからさまに怒っているのではなく、今度はそこはかとなく漂う絶望感を表現してみました」のように言い訳したのかな、と思います。
過去記事、俳優になった理由が彼=彼に憧れて俳優に フレンズ1-6改その17 で、ジョーイは「ゴッドファーザー PART III」のマイケルのセリフを真似ていましたが、ジョーイの真似の方ではなく、実際の「ゴッドファーザー」の映画の方では「静かな口調で怒りを表現した」というようなトーンになっていたので、(私の個人的な印象に過ぎませんが)quiet desperation のイメージはその映画のマイケルから来たような気がしました。
But if you have to ask を直訳すると「でももしあなた(監督)が(今のは何だったんだ? と)尋ねないといけないなら」というところ。
自分としては静かな絶望を表現してみたけれど、「何だそれは?!」みたいに怒り口調で監督に問い返されたということは、自分のこの表現が監督に伝わっていない、監督がその演技に納得していない、ってことですよね? と自分から言ったことになるでしょう。
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監督: Okay, everybody, we'd like to get this in one take, please? Let's roll it. Water's working. (SHOWER STARTS) And action! (よし、みんな、これはワンテイクで撮りたいんだ、頼むぞ。撮影開始。(シャワーの)水を出して。[シャワーが開始する] そしてアクション!)
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ジョーイは顔に厳しく決意を秘めた表情を浮かべ、シャワーし始める。
監督: And cut! Hey, butt guy, what the hell are you doing? (そしてカット! おい、尻(役の)男、一体お前は何をしてるんだ?)
ジョーイ: I'm- I'm showering. (俺はシャワーを浴びてます。)
監督: No, that was clenching. (いや、それ(お前の尻)がくいしばってたぞ。)
ジョーイ: Oh. Well, the way I see it, the guy's upset here, y'know? I mean, his wife's dead, his brother's missing. I think his butt would be angry here. (あぁ、俺の考えでは、その男はここで怒っているんです。つまり、彼の妻は死に、彼の兄弟は行方不明。彼の尻はここで怒ってるだろうと思うんです。)
監督: I think his butt would like to get this shot before lunch. Once again, rolling. Water working. And action! And cut! What was that? (彼の尻は昼食前にこのショットを撮り終えたがってると思うがな。もう一度、撮影、水を出して。そしてアクション! そしてカット! 今のは何だったんだ?)
ジョーイ: I was going for quiet desperation. But if you have to ask.... (静かな絶望というのをやってみました。が、そんな風に尋ねないといけないっていうのは…(今のもダメってことですよね)。)
監督はカメラマンなどスタッフに "Okay, everybody, we'd like to get this in one take, please?" と声を掛けています。
直訳すると「俺たちはこれ(この撮影)をワンテイクでゲットしたい」ということですが、監督が「これからのシーンをワンテイクで撮りたい」という意志をスタッフと共有し「何テイクも撮らないで済むよう、よろしく頼むぞ」という気持ちで、we'd like to のように主語を we にしているのだろうと思います。
Let's roll it. は「撮影開始、撮影を始めよう」で、ここでの roll は「映画撮影のカメラを動かす・回す」という意味。
Macmillan Dictionary では、
roll : if a machine such as a camera rolls, it works
例)Although the interview had ended, the cameras were still rolling.
つまり「カメラなどの機械が roll するというのは、その機械が動くということ」。
例文は「そのインタビューはすでに終わったが、カメラはまだ動いて(回って)いた」。
日本語でも撮影が続いていることを「まだカメラが回っている」と言いますので、感覚はわかりやすいですね。
ジョーイがしかめ面の難しい顔でシャワーを浴びていると、監督が撮影を止めて、「一体お前は何をしてるんだ?」と尋ねます。
ジョーイは「シャワーを浴びてます」と答えるのですが、監督は that was clenching. と言っています。
that はジョーイのお尻を指していることになるでしょう。
ジョーイは「尻の代役」なので、監督はお尻にしか注目していないでしょうから、主語に that=尻 を使っているのでしょう。
clench は他動詞では「歯をくいしばる、こぶしを固める」、自動詞では「歯・口や手・こぶしが固くしまる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
clench your fists/teeth/jaw etc. : to hold your hands, teeth etc. together tightly, especially because you feel angry or determined
つまり「拳、歯、あごをクレンチするというのは、手や歯を堅く一緒に合わせること。特に怒っている、または決意が固いという理由から」。
このセリフでは、ジョーイのお尻に力が入り過ぎて、固く締まっていることを言っているのでしょう。
the way I see it は「私の考えでは」という意味で、自分の意見を述べる前に使います。同義語は、to my way of thinking になります。
実際のところ、ジョーイは「アル・パチーノが出る大作映画での尻の代役」を与えられたため、緊張して演技が固くなり、お尻がこわばった感じになっているのだろうと思いますが、clench という動詞は、上のロングマンの語義にあるように、怒りや決心・覚悟のために、口や手が固く締まることもいうので、ジョーイは、固くなっているのは演技として怒りを表現しているためだと言い訳しているようです。
(2018.7.6 追記)
非公開コメントにて「モニカに保湿剤を借りに行くほど張り切っていたジョーイですから、「緊張して演技が固くなった」というより「このチャンスを物にするためには頑張っていい演技をしなくては」と張り切りすぎてお尻がこわばった感じになっていると思いました」というご意見を頂戴しました。
この後のエピソードの流れのことも合わせての上のご意見でしたが、確かに「ただ緊張していた」のではなく「張り切りすぎて」の方がふさわしい気がしますね。
張り切ってジョーイなりに精一杯頑張ろうとしていたからこそ、この演技は怒りを表現してるんです、のように自分の演技プランをすぐに説明できたのだと考えた方が自然な気がします。
貴重なご意見ありがとうございました。
(追記はここまで)
ここでジョーイは his butt と表現していますね。
実際には my butt であるわけですが、ジョーイは「アル・パチーノが演じる役の尻」を演じているので、その人物のお尻という意味で his butt と表現していることになるでしょう。
彼の尻はこういう気持ちのはずだ、と表現したジョーイに対して、監督は、I think his butt would like to do 「彼の尻は〜したいって気持ちだと思うよ」と返します。
このショットをランチ前にゲットしたい、つまりこのシーンの撮影をランチ前に終わらせてしまいたいと思ってるはずだ、ということですね。
監督やスタッフが「尻の代役のシーンなどさっさと撮影して、早く昼飯を食べに行きたい」と思っていることを「尻もそう思ってるはずだ」と言ってみせた感覚でしょう。
(2018.7.6 追記)
監督のセリフ Water working. について。
非公開コメントにて「監督の1回目の指示では Water's working. ですが2回目の指示では Water working. となっています。's があるのとないのとでニュアンスが変わってくるのでしょうか」というご質問がありました。
Water is working. が Water's working. と短縮形になるのは、元々 is working の is が小さく弱く発音されているからですが、それをもはや発音しなくなって、文字としての表記もなくした形が、Water working. になる、ということですね。
ニュアンスとしては後者の方がラフで、また一度指示した内容を再度言っていることから、よりラフな言い方になっている、という演出効果も多少はあるのかな、という気はします。
(追記はここまで)
go for は「〜をやってみる、試してみる」、quiet desperation は「静かな絶望」。
2テイク目の撮影を監督が止めたのは、またジョーイのお尻が妙にこわばった感じになっていたのでしょう。
それでジョーイは「あからさまに怒っているのではなく、今度はそこはかとなく漂う絶望感を表現してみました」のように言い訳したのかな、と思います。
過去記事、俳優になった理由が彼=彼に憧れて俳優に フレンズ1-6改その17 で、ジョーイは「ゴッドファーザー PART III」のマイケルのセリフを真似ていましたが、ジョーイの真似の方ではなく、実際の「ゴッドファーザー」の映画の方では「静かな口調で怒りを表現した」というようなトーンになっていたので、(私の個人的な印象に過ぎませんが)quiet desperation のイメージはその映画のマイケルから来たような気がしました。
But if you have to ask を直訳すると「でももしあなた(監督)が(今のは何だったんだ? と)尋ねないといけないなら」というところ。
自分としては静かな絶望を表現してみたけれど、「何だそれは?!」みたいに怒り口調で監督に問い返されたということは、自分のこの表現が監督に伝わっていない、監督がその演技に納得していない、ってことですよね? と自分から言ったことになるでしょう。
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