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13:43
レイチェルがスキーに出かけようとしていた時、チャンドラーがモニカの家に入ってくる。
チャンドラー:
The most unbelievable thing has happened! Underdog has gotten away! (最も信じられないことが起こったぞ! アンダードッグが逃げ出したんだ!)
ジョーイ:
The balloon? ((あの)バルーン?)
チャンドラー:
No, no, the actual cartoon character. Of course the balloon! It's all over the news. Right before he reached Macy's, he broke free and was spotted flying over Washington Square Park. I'm going to the roof. Who's with me? (いいや違う。本当のカルトゥーン[アニメ]のキャラクターだ。[しばらくの沈黙] もちろん、バルーンに決まってるだろ! それがあらゆるニュースになってる。メイシーズ百貨店に到着する直前に、彼は解き放たれて[自由になって]、ワシントン・スクエア・パークの上を飛んでいるのが発見されたんだ。俺は屋上に行く。俺と一緒に来るのは誰だ?)
レイチェル:
I can't. I gotta go! (私は(屋上には)行けないわ。(旅行に)行かなくちゃ。)
チャンドラー:
Come on. An 80-foot inflatable dog loose over the city? How often does that happen? (町の上に解き放たれている80フィートの空気で膨らんだ(風船の)犬だぞ。そんなこと、どのくらいの頻度で起こる?)
フィービー:
Almost never. (ほとんどめったにないわ。)
みんなが次々と部屋から出て行く。
モニカ:
Got the keys? (カギ、持った?)
レイチェル:
Okay. (オッケー。)
チャンドラーは興奮した様子で、アンダードッグが逃げたことをみんなに知らせています。
現在完了形の has happened, has gotten away はどちらも「ちょうど〜したところ」という「完了」の意味。
Underdog は、1964年から1973年までアメリカで放送されていた Underdog という cartoon(アニメ、カルトゥーン)の主人公です。
IMDb : Underdog (TV Series 1964-1973)上にリンクした IMDb (Internet Movie Database) では、Videos / Photos で、動画や画像を見ることができます。
ちなみに、IMDb というサイトは、日本からアクセスすると、タイトルが「日本語タイトルのローマ字表記」になるという仕様になっていて、この Underdog も Urutora wan-chan という表示になっています。
その表示の通り、日本では「ウルトラわんちゃん」のタイトルで放映されていました。
Wikipedia 日本語版: ウルトラわんちゃん2007年には、Underdog というタイトルでアメリカで実写映画化されました。
日本では劇場未公開でしたが、「鉄ワン・アンダードッグ」のタイトルでDVDが発売されています。
この実写版がどんな感じなのか確かめようと、以前レンタルして見てみたのですが、マッドサイエンティストのバーシニスター博士役でピーター・ディンクレイジが出演していました(「ゲーム・オブ・スローンズ」のティリオン・ラニスターを演じている俳優さんです)。
underdog とは元々、「負け犬、敗北者」という意味。日本語も英語もどちらも「犬(dog)」なのが興味深いですね。
このテレビアニメは、Shoeshine Boy という名前のダメ犬が、スーパーマンのようなヒーロー Underdog に変身して大活躍するというストーリーです。
赤い服と青いマントがトレードマーク。赤い服の胸に白抜きでUの文字が入っていますが、これは、スーパーマンのSの文字をイメージしたものなのでしょう。
Underdog が現れた時の決めゼリフは、”There's no need to fear, Underdog is here!” 「恐れる必要はない、アンダードッグここに参上!」。
fear と here (フィアーとヒアー)が韻を踏んでいるのもポイントですね。
IMDb で見られる 2:21 の長さの動画の 1:24 に、この決めゼリフが出てきます。
「フレンズ」の今回のエピソードの少し前のシーン(11:24くらい)に、感謝祭のパレードの様子が3シーン挿入されていましたが、最後に出てきたウルトラマンが飛んでるようなポーズの赤い服を着た犬が Underdog です。
チャンドラーは、この感謝祭のパレードのバルーンが飛んでいったという話をしているのですね。
今回のエピソードの原題が The One Where the Underdog Gets Away(訳:アンダードッグが逃げる話)となっているのも、このバルーンのことを言っていることになります。
今日は感謝祭なので、アンダードッグが逃げた、と言えば誰しもあのバルーンを思い浮かべるわけですが、ジョーイはそんな当たり前のことをわざわざ「あのバルーンのアンダードッグ?」みたいに尋ねています。
あまりにも当たり前すぎることを聞かれた時、いわゆる「アメリカン・ジョーク」ではあり得ない返事を返すことが多いのですが、チャンドラーも「いや、それがカルトゥーンのキャラクターが画面から逃げ出したんだよ」みたいにトボケたことを言っています。
その後、「当然、バルーンだよ!」と自分のボケにツッコミを入れていますが、このように「バルーンに決まってるじゃないか」とツッコミを入れるのは、アメリカンジョークとしては逆にちょっと珍しいパターンに思えました。
エピソードが進むにつれて、こういうチャンドラーのオトボケはエスカレートして行きますが、だいたいはあり得ないことをしれっと言って、みんなが笑うか、「はぁ?」みたいな顔をしてそのジョークはおしまい、というパターンが多いです。
日本の漫才のように「んなわけないだろ、バルーンだよっ!」みたいにツッコむ方が珍しい気がする、ということですね。
Right before he reached Macy's, he broke free and was spotted flying over Washington Square Park. について。
Right before he reached Macy's は「メイシーズに到着する直前に」。
パレードがメイシーズの前を通ることがわかります。
今回のエピソードの少し前のシーン、
ゲットアウト=まさか! フレンズ1-9改その10 で、地下鉄で会った女性に「俺たち一緒に働いてたよね」と言った後、
ジョーイ: Yeah. At Macy's. You're the Obsession girl, right? I was the Aramis guy. (そうさ。メイシーズでね。君はオブセッションの担当だろ? 俺はアラミスの担当だった。)
のように、百貨店メイシーズの名前が出ていました。
後でまたメイシーズの名前が出てくることのへ伏線だったのでしょうね。
break free は「自由になる、(支配されている状況から)逃げ出す」。
クイーンの曲にも I Want to Break Free (邦題:ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」という歌がありますよね。
歌詞でも I want to break free 「自由になりたい」というフレーズが繰り返し出てきます。
spotted flying over Washington Square Park は「ワシントン・スクエア・パークの上を飛んでいるのを発見された」。spot は 「発見する」。
今、アンダードッグのバルーンがふわふわ飛んでるから、屋上にそれを見に行く、とチャンドラーは言っています。
いろいろなバルーンがある中でも、特に「飛ぶ」キャラクターであるために余計に見ごたえがあるのでしょうね(今だと、インスタ映えしそうな感じでw)。
日本だと、仮面ライダーよりはウルトラマン、ゴジラよりはガメラの方が、「バルーンが飛んでる」状況がより面白く見える、というのと同じようなことでしょう。
スキー旅行に出かけようとしていたレイチェルは「私はスキーに行かないといけないから」と拒否するのですが、チャンドラーはそれを引き留めようとしています。
An 80-foot inflatable dog loose over the city? について。
長さの単位フィートは、英語では foot と feet という単語を使いますね。
単数形が foot で、複数形が feet ですから、80フィートは 80 feet になるのですが、上のセリフでは、数字との複合語の形で形容詞的に使われているので、80 feet ではなく、80-foot という形になっています。
「徒歩10分」は、ten-minute walk で、ten minutes という複数形にならないのと同じ原理です(名詞ではなく形容詞だから、複数形にはならない、という理屈)。
ちなみに、80フィートは 24.4メートル。
loose は「解き放たれた、自由な」という形容詞で、loose over the city が inflatable dog を後ろから修飾(後置修飾)しています。
inflatable は「膨らませることのできる、膨脹式の、空気を入れて使う」。
How often does that happen? を直訳すると「それ[そんなこと]はどのくらいしばしば[どのくらいの頻度で]起こる?」。
almost never は「ほとんど〜ない」。絶対ないとは言わないけど、限りなく起こり得ない出来事、という感じです。
今、実際に起こったことなので、また再び起こらないとも限らないから、never とは言い切れない、でも、限りなくあり得ない、起こり得ないことだ、ということですね。
「どんな頻度でこんなことが起こる?」に対して、「ほとんど起こらない」と答えるフィービーですが、How often...? という疑問文は「どのくらいの頻度かを尋ねている、質問している」わけではなく、この文自体が「どれくらいの頻度で起こるだろうか、いや、めったに起こらないよな」という反語的表現になっています。
モニカの Got the keys? について。
got は「ゲットした」、つまり「持った」。このセリフをそのまま文字通り訳すと、「カギ、持った(?)」というところ。
英語の会話表現では、この Got the keys? のように主語を言わない場合も多いですが、日本語でも「カギ持った」と主語を言わないことも多いので「わかりきったことを省略する」というのは日英同じですね。
モニカとレイチェルはこの部屋をルームシェアして同居しており、今回の場合だと、部屋を出る時にどちらか一人がカギを持っていればいい、と考えていることがわかります。
この Got the key? については、また後のシーンで解説することになりますので、とりあえず今回の説明はここまでにとどめます。
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