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5:42
[Scene 2: Mon+Rach's apartment. Again, no Joey. The gang are decorating for Christmas]
シーン2: モニカとレイチェルのアパートメント。また、ジョーイはいない。フレンズ(ギャング)たちはクリスマスの飾り付けをしている。
ロス: Come here, Marcel. Sit here. [Marcel wanders off] (こっちにおいで、マルセル。ここに座って。[マルセルは離れる])
レイチェル: Pheebs, I can't believe he hasn't kissed you yet. I mean, God, by my sixth date with Paolo, I mean, he had already named both my breasts. Ooh. Did I just share too much? (フィービー、彼がまだあなたにキスしてないなんて信じられないわ。ほら、パウロとの6回目のデートまでに、彼は私の両胸に名前を付けたのよ。あぁ。私、(みんなに)話し過ぎちゃったかしら?)
ロス: Just a smidge. (ほんの少しね。)
フィービー: David's like, y'know, a scientist guy. He's very methodical. (デビッドは、ほら、科学者さんなのよ。彼はとても几帳面な人なの。)
モニカ: I think it's romantic. (ロマンティックだと思うわ。)
フィービー: Me too! Oh! Did you ever see An Officer and a Gentleman? (私もそう思うの! あぁ! 「愛と青春の旅立ち」(って映画)見た?)
レイチェル: Yeah! (ええ!)
フィービー: Well, he's kinda like the guy I went to see that with. Except, except he-he's smarter and gentler and sweeter. I just- I just wanna be with him all the time. You know, day and night. And night and day. And special occasions. (そうね、デビッドは私がその映画を一緒に見に行った人と似た感じなの。デビッドの方がもっと賢くて、もっと穏やかで、もっと優しいんだけど。私はただ、私はただ、彼とずっと一緒にいたいの。ほら、昼も夜も。そして夜も昼も。そして、特別な機会も。)
チャンドラー: Wait a minute, wait. I see where this is going. You're gonna ask him to New Year's, aren't you. You're gonna break the pact. She's gonna break the pact. (ちょっと待て、待て。この話の先が(どうなるか)わかるぞ。フィービーは大みそかに彼をデートに誘うつもりなんだろ。君は協定を破るつもりなんだ。彼女は協定を破るつもりだぞ。)
フィービー: No, no, no, no, no, no. Yeah, could I just...? (いえいえいえいえ。ええ、構わないかしら…?)
チャンドラー: Yeah, 'cause I already asked Janice. (ああ、なぜなら俺はすでにジャニスを誘ったからね。)
モニカ: What?! (何ですって?!)
ロス: C'mon, this was a pact! This was your pact! (おいおい、これは協定だったんだぞ! これはお前の[お前が言い出した]協定だったんだ!)
チャンドラー: I snapped, okay? I couldn't handle the pressure and I snapped! (俺はキレちゃった[耐えられなかった]んだよ、いいか? そのプレッシャーに対処することができなくて、キレたんだ!)
モニカ: Yeah, but Janice? That-that was like the worst breakup in history! (そう、でも、ジャニスなの? あれは歴史上最悪の別れ、って感じだったのに!)
チャンドラー: I'm not saying it was a good idea. I'm saying I snapped! (いいアイデアだなんて俺は言ってない。俺はキレたんだって言ってるだろ!)
by my sixth date with Paolo, I mean, he had already named both my breasts は、He had already named... by my six date. 「6回目のデートまでに、彼はすでに〜に名前を付けてしまっていた」という過去完了形。
過去完了形を使うためには「過去の基準時」が必要で、この場合は「6回目のデート=過去の基準時」です。
現在完了形であれば、今・現在が基準時で、「今に至るまでの間に既に〜してしまっていた」となりますが、今回の過去完了では、「6回目のデートまでの間にすでに〜してしまっていた」と表現していることになります。
share は「共有する」→「人に話などを聞かせる」。
少し前のシーンでも、ライブ中のフィービーが大きな声でおしゃべりしていたデビッドたちに対して Is it something that you'd like to share with the entire group? 「ここにいる人たちみんなに聞かせたいようなことなの?」というセリフで share を使っていました。
レイチェルは、人に言わなくてもいいことまで私は言っちゃったかしら、個人的な話を暴露しすぎちゃったかしら? と言っていることになります。
smidge は「ほんの少し」という意味で、smidgen, smidgin, smidgeon などの単語の省略形。
大胆な話を暴露しすぎたレイチェルに対し、ロスは「ちょっぴりね」と皮肉っぽく返したということ。
レイチェルはパウロとの6回目のデートでそこまで進んでいると言うのですが、フィービーは「デビッドは科学者ってタイプの人で、メソディカルなの」と返します。
methodical は「几帳面な、理路整然とした」。method は「方法、手法」「筋道、秩序」。
デートしてすぐに深い関係になっちゃうような人ではない、ということ。
Did you ever see An Officer and a Gentleman? について。
An Officer and a Gentleman は映画「愛と青春の旅立ち」。出演は、リチャード・ギア、デブラ・ウィンガーなど。officer は「士官」。
普通は映画の名前を出したら、その映画の主人公(この映画だとリチャード・ギア)に似ているの、、と話が続くかと思うのですが、フィービーの場合は「その映画を見に行った男性と、デビッドは似ている」というオチでした。
「その映画の出演者に似てるって話じゃないんかーい!」とツッコミたいところ。
except は接続詞で、この場合は以下に文が続いています。
Except that SV のように that節で使われる形ですが、今回はその that が省略されています。
前置詞として、except+名詞の形を取ることもあります。
接続詞の except (that)... は「…であること以外は、…は別にすれば」。
後ろから訳し上げるのではなく、前から順に訳すとすると、「(前の文章)だが、しかし…」のように逆接で繋ぐことも可能です。
何か先に文章を言って、後から except と別の条件を付け足す感覚は、これまで何度か解説した unless 「もし…でなければ、…であれば話は別だが」と似ていると言えるでしょう。
昔、その映画を一緒に見た男性と似ている、と言った後で、付け足しの追加情報として、違う部分を挙げているわけです。
デビッドと「一緒に映画を見た男性」を比較して、デビッドの方が、より smart で、gentle で、sweet だと言っています。
形容詞の比較級は、-er を語尾につけるものと、前に more を置くものとがありますが、今回は全部 -er 系の比較級となっています。
「その”映画の人”よりもデビッドの方がより素敵なのよ」とベタ褒めしているわけで、彼にゾッコンな様子が伺えます。
I just- I just wanna be with him all the time. You know, day and night. And night and day. And special occasions. について。
相手とラブラブな場合、昼も夜も、夜も昼も一緒にいたい、と表現することはよくありますが、その流れでフィービーは、「そして特別な機会も」と付け加えています。
それは、「新年は一緒に過ごそう」という協定に反して、大晦日から新年にかけても一緒にいたいという気持ちの表れで、みんなに非難されるのがわかるので、最後の方は声が小さくなっています。
I see where this is going. を直訳すると「これがどこに行こうとしているかわかる」ですから、「この先の話が見えたぞ。フィービーが何を言おうとしているかわかるぞ」という意味。
今の話の行き先、今後の展開が見えた、という感覚で、「君が言おうとしてるのはこういうことなんだろ」と言って、相手の真意を指摘する流れです。
break the pact は「協定を破る」。
You're gonna break the pact. She's gonna break the pact. のように「協定を破るつもりだ」の主語が、最初は you で、次は she になっていますが、最初はフィービーに向けた言葉で、次の言葉は周りにいるフレンズたちに「彼女(この人)は破るつもりだぞ」(どう思う? みんなそれでもいいのか?)とアピールする気持ちが入っていると言えるでしょう。
ですがそんな風にフィービーを非難していたチャンドラーが、実はすでにジャニスを誘っていたことを知って、ロスは This was a pact! This was your pact! と言っています。
最初が a pact で、次が your pact になっていますが、「これは協定だったんだぞ! (それも)これはお前の(提案した)協定だったんだぞ!」というニュアンス。
協定があったのにそんなことするのか、それも、言いだしっぺはお前だったのに、その本人が真っ先に裏切るのか? という感じです。
snap は「パチン、ピシャリ、ポキッと音を立てる」「ポキンと折れる、プツンと切れる」。そこから「神経が耐えられなくなる、精神的に参ってしまう」という意味にもなります。
Macmillan Dictionary では、
snap [verb] : [intransitive] to suddenly lose control and become extremely angry or upset because a situation has become too annoying or difficult
例)She was bound to snap under all that pressure.
つまり、「突然、自制心を失う、または、ものすごく怒ったり動揺したりする、状況があまりにも面倒で難しくなってしまったという理由から」。例文は「そういうプレッシャーを受けて、彼女は精神的に参ってしまうことになった」。
handle は「処理する、扱う、対処する」。
モニカに「あんな最悪な別れ方をしたジャニスを誘うなんて!」と非難がましく言われたチャンドラーは I'm not saying it was a good idea. I'm saying I snapped! と言っています。
I'm not saying A, I'm saying B! は「俺は(別に)A だなんて言ってない。B だって言ってるだろ!」という感覚。
俺だって、ジャニスを誘うのがいい考えだなんて思ってない、キレたからそうしちゃったんだ、って言ってるだろ、と開き直った発言をしていることになります。
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2019年12月25日
2019年12月13日
連絡の手紙以上のものを持ち帰る フレンズ1-10改その5
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4:33
フィービー: Well, c'mon, if it's important enough to discuss while I'm playing, then I assume it's important enough for everyone else to hear. (ねえ、ほら、もしそれが、私の演奏中に議論する(のに十分な)ほど重要なら、他の人がみんな聞く(のに十分な)ほど重要なんだって(当然のように)私は思うんだけど。)
チャンドラー: [Quietly, to the others] That guy's going home with a note. ([静かに、他の人たちに] あの男は手紙(連絡)を持って家に帰ることになるな。)
デビッド: Noth- I was- I was just saying to my-- (何も… 僕はただ僕の(友人に)こう言っていただけ…)
フィービー: Could you speak up please? (もっと大きな声でしゃべってくれるかしら?)
デビッド: [Stands up and speaks more loudly] Sorry, I wa- I was just saying to my friend that I thought you were the most beautiful woman that I'd ever seen in my life. And then he said that- you said you thought... ([立ち上がって、さっきより大きな声で話す] すみません。僕はただ友達にこう言っていただけなんです。あなたが、僕の人生で今まで見てきた中で一番美しい女性だ、って。それから彼は言ったんです。君は言ったよね、君はこう思ってるって……)
マックス: Daryl Hannah. (ダリル・ハンナ。)
デビッド: Daryl Hannah was the most beautiful woman that he'd ever seen in his life and I said yeah, I liked her in Splash a lot, but not so much in- in Wall Street. I thought she had a... (ダリル・ハンナが、彼の人生で見た中で最も美しい女性だと(彼は思うと言ったんです)。そして僕はそうだね、と言いました。「スプラッシュ」の彼女はとても好きだと。でも「ウォール街」の彼女はそれほどでもない。僕は思ったんです、彼女には…があった…)
マックス: A hard quality. (強い性質。)
デビッド: -hard quality. And uh, while Daryl Hannah is beautiful in a conventional way, you are luminous with a kind of a delicate grace. Then, uh, that-that-that's when you started yelling. [Sits down] (強い性質(があった)。そして、ダリル・ハンナはよくある感じで美しいとは言え、あなたはある種の繊細な優美さで輝いていると。その時、あなたが怒鳴り始めました。[座る])
フィービー: Okay, we're gonna take a short break. [Goes over to their table] (いいわ、短い休憩を取りましょう。[彼らのテーブルに行く])
ジョーイ: Hey, that guy's going home with more than a note. (なぁ、あの男はノート以上のものと一緒に帰る[を持ち帰る]ことになるぞ。)
I assume は「〜を当然のことと思う」。
私が演奏中に議論するほど重要な話なら、他のみんなに聞いてもらうほど重要ってことなんでしょ、ということ。
note は「メモ、短い手紙」。
日本語の「ノート、帳面」は英語では notebook になるので注意しましょう。
今回の場合は、学校で先生が親に対して書く手紙、連絡帳に書く伝言のイメージです。
子供は親に見せて、確かに見せたという証拠に親のサインをもらわないといけないことになっています。
「ライブ中に大声でしゃべるってことは、みんなに聞かせたい重要な話ってことよね」という言い方が、学校の先生のようで、怒られている男性たちが生徒みたいに見えるからでしょう。
それで「あの先生に、親への手紙を持って帰らされそうだな」と言っているわけです。
speak up は「はっきり言う、大声で話す」。
デビッドが小さな声で話そうとしていたのでフィービーが「もっと大きな声で!」とまたもや先生みたいな口調で言うので、まるで怒られた子供のようにデビッドがすっくと反射的に立ち上がるのが面白いです。
you were the most beautiful woman that I'd ever seen in my life は最上級と現在完了形の「経験」の組み合わせで、「これまでの人生で〜した中で最高に…である」という意味。
今まで見てきた女性の中であなたが一番きれいだと思ったということ。
Daryl Hannah はアメリカの女優のダリル・ハンナ。詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版:ダリル・ハンナ
その後のデビッドのセリフにあるように、映画「スプラッシュ」「ウォール街」などに出演しています。
それぞれの映画のウィキペディアは以下。
Wikipedia 日本語版:スプラッシュ (映画)
「スプラッシュ(原題:Splash)」は1984年のアメリカ映画で、共演はトム・ハンクス。
Wikipedia 日本語版:ウォール街 (映画)
「ウォール街(原題:Wall Street)」は1987年のアメリカ映画で、共演はマイケル・ダグラス、チャーリー・シーン。
デビッドのセリフではスプラッシュの方は良かったが、ウォール街の方はキツい感じ、、ということになっています。
実際、スプラッシュは人魚の役でキュートな印象で、ネットで画像検索すると、砂浜に寝そべるかわいい人魚姿のDVDジャケット写真などもヒットします。
ウィキペディアの説明にあるように「ニューヨークの恋人」と呼ばれていたこともあるそうですから、その人気のほどが伺えます。
ウォール街の方はマイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーの愛人役。
「ウォール街」のウィキペディアにも記載がありますが、主役ゴードン役のマイケル・ダグラスはこの役でアカデミー主演男優賞を受賞しましたが、ダリル・ハンナはゴールデンラズベリー賞の最悪助演女優賞を受賞した、とのことですから、役柄もそんなに魅力的ではなさそうなことが想像できるでしょう。
デビッドとマックスの会話では、デビッドの次の言葉を促すように、先回りする感じで横からマックスがちょこちょこと口を挟んできますが、それが会話としてなんだかリアルで面白いです。
in a conventional way は「よくあるような感じで」。
conventional は「ありきたりな、よくあるような、従来の」。型にはまっていて、個性や独創性がない感覚。
conventional weapon だと「通常兵器、非核兵器」という意味で、nuclear weapon 「核兵器」ではない兵器、という意味です。
luminous は「光を発する、輝く」。delicate grace は「繊細な優美さ」。
while Daryl Hannah is A, you are B というのは while を使った対比になっています。
while は「〜する間」という意味があり、今回のシーンでも discuss while I'm playing 「私の演奏中・演奏している間に議論する」というセリフで使われていましたが、ここでは「〜とは言え、〜としても」という譲歩の感覚。
that's when SV は「それ(その時)がSVした時、その時にSVした」ということですから、that's when you started yelling は「そんな話をしていた時に、あなたが怒鳴り始めたんです」ということ。
フィービーのことを今まで見た中で一番美しい人だと思ったと言ったデビッドは、友人マックスが「ダリル・ハンナが一番」と言ったことに対して「ダリルがきれいだとしても、あなた(フィービー)には彼女にはないこんな魅力がある」と絶賛した流れで、「その時、あなたに怒鳴られたんです」と言って座ったことになります。
デビッドが座った後、観客からは大歓声が起きています。えらい剣幕でおしゃべりを叱ったら、フィービーをべた褒めする言葉が返ってきて、怒ったフィービーを絶句させてしまったのがすごいという感じです。
take a short break は「短い休憩を取る」。
デビッドのテーブルに行ったフィービーを見て、ジョーイはニヤニヤしながら隣のチャンドラーに Hey, that guy's going home with more than a note. と言っています。
さっきは一方的に怒られて、まるで親への手紙を持たされる学生のような感じでしたが、フィービーを絶賛するコメントをしたことで、フィービーが喜んでいるのがわかります。
go home with は「〜と共に家に帰る」→「〜をお持ち帰りする」。
日本語でもコンパなどで出会った女性を家に連れ帰ることを「お持ち帰り」などと表現しますが、まさにその感覚です。
more than a note 「ノート以上のもの」を家に持ち帰る、というのは、この分だと、親への連絡じゃなくて、それ以上のもの、つまり、フィービーという女性をお持ち帰りできそう、ということ。
二人はいい雰囲気になりそうだから、デビッドが彼女を家に連れ帰れそうだ、と言っていることになります。
最初、フィービーに怒られていた時に That guy's going home with a note. とチャンドラーが言っていて、それはそれで「親への連絡を持って帰らされる子供みたい」ということで面白いセリフだったわけですが、最後のジョーイの「ノート以上のものを持ち帰れそう」というオチにつなげる伏線だったということです。
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4:33
フィービー: Well, c'mon, if it's important enough to discuss while I'm playing, then I assume it's important enough for everyone else to hear. (ねえ、ほら、もしそれが、私の演奏中に議論する(のに十分な)ほど重要なら、他の人がみんな聞く(のに十分な)ほど重要なんだって(当然のように)私は思うんだけど。)
チャンドラー: [Quietly, to the others] That guy's going home with a note. ([静かに、他の人たちに] あの男は手紙(連絡)を持って家に帰ることになるな。)
デビッド: Noth- I was- I was just saying to my-- (何も… 僕はただ僕の(友人に)こう言っていただけ…)
フィービー: Could you speak up please? (もっと大きな声でしゃべってくれるかしら?)
デビッド: [Stands up and speaks more loudly] Sorry, I wa- I was just saying to my friend that I thought you were the most beautiful woman that I'd ever seen in my life. And then he said that- you said you thought... ([立ち上がって、さっきより大きな声で話す] すみません。僕はただ友達にこう言っていただけなんです。あなたが、僕の人生で今まで見てきた中で一番美しい女性だ、って。それから彼は言ったんです。君は言ったよね、君はこう思ってるって……)
マックス: Daryl Hannah. (ダリル・ハンナ。)
デビッド: Daryl Hannah was the most beautiful woman that he'd ever seen in his life and I said yeah, I liked her in Splash a lot, but not so much in- in Wall Street. I thought she had a... (ダリル・ハンナが、彼の人生で見た中で最も美しい女性だと(彼は思うと言ったんです)。そして僕はそうだね、と言いました。「スプラッシュ」の彼女はとても好きだと。でも「ウォール街」の彼女はそれほどでもない。僕は思ったんです、彼女には…があった…)
マックス: A hard quality. (強い性質。)
デビッド: -hard quality. And uh, while Daryl Hannah is beautiful in a conventional way, you are luminous with a kind of a delicate grace. Then, uh, that-that-that's when you started yelling. [Sits down] (強い性質(があった)。そして、ダリル・ハンナはよくある感じで美しいとは言え、あなたはある種の繊細な優美さで輝いていると。その時、あなたが怒鳴り始めました。[座る])
フィービー: Okay, we're gonna take a short break. [Goes over to their table] (いいわ、短い休憩を取りましょう。[彼らのテーブルに行く])
ジョーイ: Hey, that guy's going home with more than a note. (なぁ、あの男はノート以上のものと一緒に帰る[を持ち帰る]ことになるぞ。)
I assume は「〜を当然のことと思う」。
私が演奏中に議論するほど重要な話なら、他のみんなに聞いてもらうほど重要ってことなんでしょ、ということ。
note は「メモ、短い手紙」。
日本語の「ノート、帳面」は英語では notebook になるので注意しましょう。
今回の場合は、学校で先生が親に対して書く手紙、連絡帳に書く伝言のイメージです。
子供は親に見せて、確かに見せたという証拠に親のサインをもらわないといけないことになっています。
「ライブ中に大声でしゃべるってことは、みんなに聞かせたい重要な話ってことよね」という言い方が、学校の先生のようで、怒られている男性たちが生徒みたいに見えるからでしょう。
それで「あの先生に、親への手紙を持って帰らされそうだな」と言っているわけです。
speak up は「はっきり言う、大声で話す」。
デビッドが小さな声で話そうとしていたのでフィービーが「もっと大きな声で!」とまたもや先生みたいな口調で言うので、まるで怒られた子供のようにデビッドがすっくと反射的に立ち上がるのが面白いです。
you were the most beautiful woman that I'd ever seen in my life は最上級と現在完了形の「経験」の組み合わせで、「これまでの人生で〜した中で最高に…である」という意味。
今まで見てきた女性の中であなたが一番きれいだと思ったということ。
Daryl Hannah はアメリカの女優のダリル・ハンナ。詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版:ダリル・ハンナ
その後のデビッドのセリフにあるように、映画「スプラッシュ」「ウォール街」などに出演しています。
それぞれの映画のウィキペディアは以下。
Wikipedia 日本語版:スプラッシュ (映画)
「スプラッシュ(原題:Splash)」は1984年のアメリカ映画で、共演はトム・ハンクス。
Wikipedia 日本語版:ウォール街 (映画)
「ウォール街(原題:Wall Street)」は1987年のアメリカ映画で、共演はマイケル・ダグラス、チャーリー・シーン。
デビッドのセリフではスプラッシュの方は良かったが、ウォール街の方はキツい感じ、、ということになっています。
実際、スプラッシュは人魚の役でキュートな印象で、ネットで画像検索すると、砂浜に寝そべるかわいい人魚姿のDVDジャケット写真などもヒットします。
ウィキペディアの説明にあるように「ニューヨークの恋人」と呼ばれていたこともあるそうですから、その人気のほどが伺えます。
ウォール街の方はマイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーの愛人役。
「ウォール街」のウィキペディアにも記載がありますが、主役ゴードン役のマイケル・ダグラスはこの役でアカデミー主演男優賞を受賞しましたが、ダリル・ハンナはゴールデンラズベリー賞の最悪助演女優賞を受賞した、とのことですから、役柄もそんなに魅力的ではなさそうなことが想像できるでしょう。
デビッドとマックスの会話では、デビッドの次の言葉を促すように、先回りする感じで横からマックスがちょこちょこと口を挟んできますが、それが会話としてなんだかリアルで面白いです。
in a conventional way は「よくあるような感じで」。
conventional は「ありきたりな、よくあるような、従来の」。型にはまっていて、個性や独創性がない感覚。
conventional weapon だと「通常兵器、非核兵器」という意味で、nuclear weapon 「核兵器」ではない兵器、という意味です。
luminous は「光を発する、輝く」。delicate grace は「繊細な優美さ」。
while Daryl Hannah is A, you are B というのは while を使った対比になっています。
while は「〜する間」という意味があり、今回のシーンでも discuss while I'm playing 「私の演奏中・演奏している間に議論する」というセリフで使われていましたが、ここでは「〜とは言え、〜としても」という譲歩の感覚。
that's when SV は「それ(その時)がSVした時、その時にSVした」ということですから、that's when you started yelling は「そんな話をしていた時に、あなたが怒鳴り始めたんです」ということ。
フィービーのことを今まで見た中で一番美しい人だと思ったと言ったデビッドは、友人マックスが「ダリル・ハンナが一番」と言ったことに対して「ダリルがきれいだとしても、あなた(フィービー)には彼女にはないこんな魅力がある」と絶賛した流れで、「その時、あなたに怒鳴られたんです」と言って座ったことになります。
デビッドが座った後、観客からは大歓声が起きています。えらい剣幕でおしゃべりを叱ったら、フィービーをべた褒めする言葉が返ってきて、怒ったフィービーを絶句させてしまったのがすごいという感じです。
take a short break は「短い休憩を取る」。
デビッドのテーブルに行ったフィービーを見て、ジョーイはニヤニヤしながら隣のチャンドラーに Hey, that guy's going home with more than a note. と言っています。
さっきは一方的に怒られて、まるで親への手紙を持たされる学生のような感じでしたが、フィービーを絶賛するコメントをしたことで、フィービーが喜んでいるのがわかります。
go home with は「〜と共に家に帰る」→「〜をお持ち帰りする」。
日本語でもコンパなどで出会った女性を家に連れ帰ることを「お持ち帰り」などと表現しますが、まさにその感覚です。
more than a note 「ノート以上のもの」を家に持ち帰る、というのは、この分だと、親への連絡じゃなくて、それ以上のもの、つまり、フィービーという女性をお持ち帰りできそう、ということ。
二人はいい雰囲気になりそうだから、デビッドが彼女を家に連れ帰れそうだ、と言っていることになります。
最初、フィービーに怒られていた時に That guy's going home with a note. とチャンドラーが言っていて、それはそれで「親への連絡を持って帰らされる子供みたい」ということで面白いセリフだったわけですが、最後のジョーイの「ノート以上のものを持ち帰れそう」というオチにつなげる伏線だったということです。
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2019年12月04日
大声で話す人に「みんなに聞かせたいような話なの?」 フレンズ1-10改その4
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3:14
レイチェル: Phoebe, you're on. (フィービー、出番よ。)
フィービー: Oh, oh, good. (あぁ、いいわ。)
レイチェル: [Into microphone] Okay, hi. Ladies and gentlemen, back by popular demand, Miss Phoebe Buffay. Wooh! ([マイクにむかって] オッケー。はーい、皆さん。皆さんの要望にお応えして、ミス・フィービー・ブッフェです。ウー!)
フィービー: [Takes mike] Hi. Thanks. Hi. Um, I wanna start with a song that means a lot to me this time of year. [Shakes bell as an introduction] ([マイクで話す] はーい、ありがと。一年のこの時期、私にとってとても意味のある歌で始めたいと思います。[前奏としてベルを振る])
♪ I made a man with eyes of coal
And a smile so bewitchin’
How was I supposed to know
That my mom was dead in the kitchen?
[shakes bell] La lalala la la la la lalala la la... ♪
(♪ 私は炭の目がある人(スノーマン、雪だるま)を作った
そして、(雪だるまの)微笑みをすごく魅力的にした
どのように私が知ることになっていたというのか
私のママが台所で死んでいたことを
[鈴を振って] ララララララ ララララララ ♪
[Cut to later. Everyone is totally depressed by now.]
少し後にシーンがカット。今はみんな、すっかり落ち込んでいる。
フィービー: ♪ My mother's ashes
Even her eyelashes
Are resting in a little yellow jar
And sometimes when it's breezy... ♪
(♪ 私のお母さんの灰
まつげまでもが
小さな黄色い瓶に眠っている
そよ風が吹く時には時々… ♪
[Over the sound of Phoebe singing we hear two scientists, Max and David, having a noisy discussion]
フィービーが歌っている音にかぶるように、二人の科学者、マックスとデビッド(訳注:彼らの職業と名前は後でわかることですが)が騒がしい議論をしている。
フィービー : ♪ I feel a little sneezy
And now I-- ♪ [abruptly stops]
(♪ 私はちょっとくしゃみが出そうになる
そして今、私は… ♪ [突如、歌うのをやめる])
フィービー: Excuse me, excuse me! Yeah, noisy boys! [They stop talking and look up] Is it something that you'd like to share with the entire group? (ちょっと、ちょっと! そうよ、うるさい坊やたち! [二人は話すのをやめ、視線を上げる] ここにいる人たちみんなに聞かせたいようなことなの?)
マックス: No. No, that's- that's okay. (いえ、いえ、それは結構です。)
back by popular demand は「民衆・大衆の要望に支持されて」のような意味。
自然な日本語っぽく言うと、「皆さんのご要望にお応えして」というところでしょう。
まず I wanna start with a song 「ある曲で始めたいと思います」といった後、関係代名詞 that でつなげて、一年のこの時期、私にとってとても意味のある曲を、のように a song の詳しい内容を説明しています。
coal は「石炭、木炭」のような「炭」。
a man with eyes of coal 「炭の目を持った男」というのは、炭で目をかたどった雪だるま(snowman)のこと。
bewitching は「人を魅了するような、うっとりさせる(ような)」。
I made a man (with eyes of coal) and (I made) a smile so bewitchin' のように2つ目の I made が省略されていると考えればよいと思います。
bewitch は「(人)に魔法をかける」「(人)をうっとりさせる」という他動詞。witch は「魔女」。
フレンズと同じジャンルのシットコムの有名作品「奥さまは魔女」の原題は、Bewitched と言います。
原題の Bewitched は、魔女である女性と恋に落ちた男性のドラマなので、「魅了されて、魅せられて、うっとりされられて」と「(魔女に)魔法をかけられて」というダブルミーニングとして、witch を含んだ単語 bewitch を使っているのがポイントのようです。
was supposed to は「〜することになっていた、〜するはずだった」。
英語の歌は韻を踏むようになっているものですが、このフィービーの歌も coal / know の「オウ」という音と、bewitchin' と kitchen の「イッチン」の音が韻を踏んでいます。
年末のこの時期の歌らしく、出だしは雪だるまだったのですが、その後すぐにママが死んだ話になってしまうという展開の早さ。
そのトンデモ具合がフィービーらしいと言えるでしょう。
クリスマスらしく鈴を振ってラララ♪となんだか楽しそうに歌っていますが、ママが亡くなったという話の何が楽しいの? とみんながツッコみたくなるところです。
画面が切り替わり、聞いているみんながどんよりしているので、ママが死んだ話の後、延々暗い内容の歌が続いていることがわかります。
ash は「灰(はい)」。「(骨を焼いた)灰、遺骨」も意味します。これらの意味の場合は通常 ashes という複数形で表現されます。
eyelash は「まつ毛」。こちらも特に「1本のまつ毛」を意味するのでなければ、たいていは複数のまつ毛を指すことになるので、その場合は eyelashes という複数形を使います。
ここでも ashes と eyelashes の ashes が韻を踏んでいます。
jar は「広い口の瓶」。死者の灰が入っているので「骨壺」ということ。
rest は自動詞「休む、休息する」。また「葬られている、永眠する」という意味でも使われます。
rest in peace は「安らかに眠る」で、R.I.P. のように略されて墓碑に刻まれる言葉です。
when it's breezy の部分、Netflix の表記は breezy で、DVD英語字幕の表記は freezing になっていました。
名詞 breeze が「そよ風、微風」なので、breezy だとその形容詞形で「そよ風の吹く」。
動詞 freeze が「凍る、凍結する」なので、freezing は「凍えるような」。
sneeze が「くしゃみをする」なので、sneezy は「くしゃみが出そうな」という感覚になるでしょう。
くしゃみをするのは寒いと感じた時なので「凍えるような」の freezing の方が意味的には合うようにも思うのですが、逆に「凍えるほど」ものすごく寒い場合は「ちょっとくしゃみが出そう」レベルでは済まないようにも思います。
年末の時期を歌っている歌なので「寒い冬だから、ちょっと微風が吹いただけでも、くしゃみが出そうになる」でも意味は通じるのかなぁ、と。
breezy / sneezy の方が韻を踏んでいることになりますし、音的にも breezy と言っているように聞こえる気がするので、上のやりとりでは breezy の方を選んでみました。
聞いているみんなはトンデモナイ歌にげんなりしているものの、フィービーは一生懸命歌い続けています。
そんな中、歌を邪魔するように大声で会話する二人の男性がいたので、フィービーは怒ったように注意しています。
Is it something that you’d like to share with the entire group? は「ここにいるグループ全体に聞かせたいようなもの(話)なの?」
share は「シェア」と日本語になっているように「分ける、分かち合う、共有する」ですが「共有する」のイメージ通り、「人に話などを聞かせる」という意味でも使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
share : TELL SOMEBODY SOMETHING
to tell other people about an idea, secret, problem etc.
例)Sonia shared a very touching story with the group.
つまり「ある考え、秘密、問題などを他の人に話すこと」。例文は「ソニアは非常に感動的な話をグループ(のメンバー)に話した」。
人の演奏中に大声で話してるってことは、他のみんなに聞かせたいような話題なわけ? ということで、自分たちだけの話ならもっと静かに話しなさいよ、という気持ちが込められています。
明らかに怒っている様子でそう言われた男性の一人はビビった様子で「それは結構です(他の人に聞かせたいとかじゃありません)」と返すことになります。
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3:14
レイチェル: Phoebe, you're on. (フィービー、出番よ。)
フィービー: Oh, oh, good. (あぁ、いいわ。)
レイチェル: [Into microphone] Okay, hi. Ladies and gentlemen, back by popular demand, Miss Phoebe Buffay. Wooh! ([マイクにむかって] オッケー。はーい、皆さん。皆さんの要望にお応えして、ミス・フィービー・ブッフェです。ウー!)
フィービー: [Takes mike] Hi. Thanks. Hi. Um, I wanna start with a song that means a lot to me this time of year. [Shakes bell as an introduction] ([マイクで話す] はーい、ありがと。一年のこの時期、私にとってとても意味のある歌で始めたいと思います。[前奏としてベルを振る])
♪ I made a man with eyes of coal
And a smile so bewitchin’
How was I supposed to know
That my mom was dead in the kitchen?
[shakes bell] La lalala la la la la lalala la la... ♪
(♪ 私は炭の目がある人(スノーマン、雪だるま)を作った
そして、(雪だるまの)微笑みをすごく魅力的にした
どのように私が知ることになっていたというのか
私のママが台所で死んでいたことを
[鈴を振って] ララララララ ララララララ ♪
[Cut to later. Everyone is totally depressed by now.]
少し後にシーンがカット。今はみんな、すっかり落ち込んでいる。
フィービー: ♪ My mother's ashes
Even her eyelashes
Are resting in a little yellow jar
And sometimes when it's breezy... ♪
(♪ 私のお母さんの灰
まつげまでもが
小さな黄色い瓶に眠っている
そよ風が吹く時には時々… ♪
[Over the sound of Phoebe singing we hear two scientists, Max and David, having a noisy discussion]
フィービーが歌っている音にかぶるように、二人の科学者、マックスとデビッド(訳注:彼らの職業と名前は後でわかることですが)が騒がしい議論をしている。
フィービー : ♪ I feel a little sneezy
And now I-- ♪ [abruptly stops]
(♪ 私はちょっとくしゃみが出そうになる
そして今、私は… ♪ [突如、歌うのをやめる])
フィービー: Excuse me, excuse me! Yeah, noisy boys! [They stop talking and look up] Is it something that you'd like to share with the entire group? (ちょっと、ちょっと! そうよ、うるさい坊やたち! [二人は話すのをやめ、視線を上げる] ここにいる人たちみんなに聞かせたいようなことなの?)
マックス: No. No, that's- that's okay. (いえ、いえ、それは結構です。)
back by popular demand は「民衆・大衆の要望に支持されて」のような意味。
自然な日本語っぽく言うと、「皆さんのご要望にお応えして」というところでしょう。
まず I wanna start with a song 「ある曲で始めたいと思います」といった後、関係代名詞 that でつなげて、一年のこの時期、私にとってとても意味のある曲を、のように a song の詳しい内容を説明しています。
coal は「石炭、木炭」のような「炭」。
a man with eyes of coal 「炭の目を持った男」というのは、炭で目をかたどった雪だるま(snowman)のこと。
bewitching は「人を魅了するような、うっとりさせる(ような)」。
I made a man (with eyes of coal) and (I made) a smile so bewitchin' のように2つ目の I made が省略されていると考えればよいと思います。
bewitch は「(人)に魔法をかける」「(人)をうっとりさせる」という他動詞。witch は「魔女」。
フレンズと同じジャンルのシットコムの有名作品「奥さまは魔女」の原題は、Bewitched と言います。
原題の Bewitched は、魔女である女性と恋に落ちた男性のドラマなので、「魅了されて、魅せられて、うっとりされられて」と「(魔女に)魔法をかけられて」というダブルミーニングとして、witch を含んだ単語 bewitch を使っているのがポイントのようです。
was supposed to は「〜することになっていた、〜するはずだった」。
英語の歌は韻を踏むようになっているものですが、このフィービーの歌も coal / know の「オウ」という音と、bewitchin' と kitchen の「イッチン」の音が韻を踏んでいます。
年末のこの時期の歌らしく、出だしは雪だるまだったのですが、その後すぐにママが死んだ話になってしまうという展開の早さ。
そのトンデモ具合がフィービーらしいと言えるでしょう。
クリスマスらしく鈴を振ってラララ♪となんだか楽しそうに歌っていますが、ママが亡くなったという話の何が楽しいの? とみんながツッコみたくなるところです。
画面が切り替わり、聞いているみんながどんよりしているので、ママが死んだ話の後、延々暗い内容の歌が続いていることがわかります。
ash は「灰(はい)」。「(骨を焼いた)灰、遺骨」も意味します。これらの意味の場合は通常 ashes という複数形で表現されます。
eyelash は「まつ毛」。こちらも特に「1本のまつ毛」を意味するのでなければ、たいていは複数のまつ毛を指すことになるので、その場合は eyelashes という複数形を使います。
ここでも ashes と eyelashes の ashes が韻を踏んでいます。
jar は「広い口の瓶」。死者の灰が入っているので「骨壺」ということ。
rest は自動詞「休む、休息する」。また「葬られている、永眠する」という意味でも使われます。
rest in peace は「安らかに眠る」で、R.I.P. のように略されて墓碑に刻まれる言葉です。
when it's breezy の部分、Netflix の表記は breezy で、DVD英語字幕の表記は freezing になっていました。
名詞 breeze が「そよ風、微風」なので、breezy だとその形容詞形で「そよ風の吹く」。
動詞 freeze が「凍る、凍結する」なので、freezing は「凍えるような」。
sneeze が「くしゃみをする」なので、sneezy は「くしゃみが出そうな」という感覚になるでしょう。
くしゃみをするのは寒いと感じた時なので「凍えるような」の freezing の方が意味的には合うようにも思うのですが、逆に「凍えるほど」ものすごく寒い場合は「ちょっとくしゃみが出そう」レベルでは済まないようにも思います。
年末の時期を歌っている歌なので「寒い冬だから、ちょっと微風が吹いただけでも、くしゃみが出そうになる」でも意味は通じるのかなぁ、と。
breezy / sneezy の方が韻を踏んでいることになりますし、音的にも breezy と言っているように聞こえる気がするので、上のやりとりでは breezy の方を選んでみました。
聞いているみんなはトンデモナイ歌にげんなりしているものの、フィービーは一生懸命歌い続けています。
そんな中、歌を邪魔するように大声で会話する二人の男性がいたので、フィービーは怒ったように注意しています。
Is it something that you’d like to share with the entire group? は「ここにいるグループ全体に聞かせたいようなもの(話)なの?」
share は「シェア」と日本語になっているように「分ける、分かち合う、共有する」ですが「共有する」のイメージ通り、「人に話などを聞かせる」という意味でも使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
share : TELL SOMEBODY SOMETHING
to tell other people about an idea, secret, problem etc.
例)Sonia shared a very touching story with the group.
つまり「ある考え、秘密、問題などを他の人に話すこと」。例文は「ソニアは非常に感動的な話をグループ(のメンバー)に話した」。
人の演奏中に大声で話してるってことは、他のみんなに聞かせたいような話題なわけ? ということで、自分たちだけの話ならもっと静かに話しなさいよ、という気持ちが込められています。
明らかに怒っている様子でそう言われた男性の一人はビビった様子で「それは結構です(他の人に聞かせたいとかじゃありません)」と返すことになります。
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