2020年01月29日

誰が誰と一緒にいるかなんて誰にもわからない フレンズ1-10改その9

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10:17
[Scene 4: Central Perk]
セントラルパーク。
ロス: Tell me something, what does the phrase "No Date Pact" mean to you? (ちょっと教えてよ、”デートなし協定”って言葉がモニカにとって何を意味するかをね。)
モニカ: I'm sorry, okay? It's just that Chandler has somebody and Phoebe has somebody. I thought I'd ask Fun Bobby. (悪いと思ってるわ、いい? ただ、チャンドラーには相手(誰か)がいて、フィービーにも相手がいる、ってだけよ。私はファン・ボビーを誘おうと思ったのよ。)
チャンドラー: Fun Bobby, your ex-boyfriend, Fun Bobby? (ファン・ボビーって、君の元彼のファン・ボビー?)
モニカ: Yeah. (ええ。)
ジョーイ: You know more than one Fun Bobby? (他にもファン・ボビー(ってやつ)を知ってるのか?)
チャンドラー: I happen to know a Fun Bob. (たまたま、ファン・ボブってやつを知ってる。)
レイチェル: [Brings Joey a mug of coffee] Okay. Here we go. ([ジョーイにコーヒーのマグを持ってきて] オッケー。さあどうぞ。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa! There's no room for milk. (ちょっと、ちょっと、ちょっと! ミルクを入れる余地(空き)がないよ。)
レイチェル: [Glances at Joey and then sips his coffee] There. Now there is. ([ジョーイをちらっと見て、彼のコーヒーをすする] ほら。これで空きがあるわよ。)
ロス: Okay, so on our no-date evening, three of you now are gonna have dates. (よし、それじゃあ、(僕たちが協定を結んだ)デートなしの夜には、君たちのうちの3人がデートするわけだね。)
ジョーイ: Uh, four. (あー、4人だ。)
ロス: Four. (4人。)
レイチェル: Five. (5人。)
ロス: Five. [Buries his head in his hands] (5人か。[手で頭を覆う])
レイチェル: Sorry. Paolo's catching an earlier flight. (ごめんね。パウロが(予定より)早い便に乗れるのよ。)
ジョーイ: Yeah, and I met this really hot single mom at the store. What's an elf to do? (ああ、そして俺は(バイトしてる)店で実にセクシーなシングルマザーと出会ったんだ。エルフが何をするんだ?[他にすることなんかないだろ]ってね。)
ロス: Okay, so I'm gonna be the only one standing there alone when the ball drops? (わかった、じゃあ、(大晦日に)ボールが落ちる時、その場でひとりぼっちで立ってるのは僕だけってことなんだね。)
レイチェル: Oh, c'mon. We'll have, we'll have a big party, and no one'll know who's with who. (あぁ、待ってよ、大きなパーティーをするんだから、誰が誰と一緒にいるかなんて、誰にもわからないわ。)

セントラルパークに入ってきたモニカとロス。
ロスがモニカに怒ったような口調で言っている What does the phrase ... mean to you? は「…というフレーズ(言葉)は君にとって何を意味するか?」
「ノー・デート・パクト(デートなし協定)」っていう言葉は君(モニカ)にとってどういう意味になるわけ? と尋ねていることになります。
その後、「ごめんなさい。チャンドラーにもフィービーにもデート相手がいるから、私もファンボビーを誘った」という流れになっていることからもわかるように、ロスとしては「デートなし協定」ってのは「デートをしないでおこう、っていう約束」なのに、モニカはその言葉の意味がちゃんとわかってるのか? と言いたかったということで、ロスの怒った口調から、モニカがその協定を破ったことがモニカの発言よりも前に想像できることになります。

ex-boyfriend は「元彼」。
fun は名詞で「楽しみ、面白いこと」。また、アメリカ英語では「楽しい、面白い、愉快な」という形容詞としても使われます。
この場合も「愉快なボビー」というニュアンスで、DVDの日本語訳では「ネアカのボビー」と訳されていました。
ファン・ボビーという名前を聞いて、「それって、モニカの元彼のファン・ボビー?」とチャンドラーが尋ねると、ジョーイは You know more than one Fun Bobby? と言っています。
more than one は「1つより多くの」ということですから、「1つだけではなく2つ以上の」。
ジョーイは「ファン・ボビーっていえば、モニカの元彼のファン・ボビーしかいないだろ。それともそれ以外にもファン・ボビーってやつをお前は知ってるのか?」と尋ねたことになります。

happen to know は「たまたま知っている」。
「ファン・ボブってやつを(たまたま)知っててね」と答えたのは、「ファン・ボビーってあのファン・ボビー?」と当たり前のことを聞いてしまってジョーイに問い返されてしまった、照れ隠し的な返事なのかなと思います。

レイチェルはジョーイが注文したコーヒーを持ってきますが、ギリギリまでコーヒーが入っていて、ミルクを入れたらこぼれそうな状態。
There's no room for milk. は「ミルクの[を入れる]余地がない」。
room は「ルーム、部屋」ですが、「空き場所、余地」という意味もあり、There's no room for... は「…の余地がない」という決まり文句。
There's no room for doubt. なら「疑いの[疑う]余地がない」。

そう言われたレイチェルは、あふれんばかりのコーヒーをすすって、これでミルクを入れる空きができたわ、と言ってジョーイに返しています。
Now there is. は Now there is room for milk. 「今は、ミルクを入れる余地がある」ということ。

ロスは no-date evening と言う時に、両手のチョキを曲げるようなしぐさをしています。
これは引用符を意味するジェスチャー。過去記事 引用符ジェスチャーをする フレンズ1-3改その9 で詳しく解説しています。
ここでは、僕たちが約束した「ノー・デート・イブニング」ってやつ、のように、言葉ではそんな約束をしたけれど、実態が伴っていないという感じの「いわゆる」的なニュアンスが込められていることになります。
また、our no-date evening 「僕たちのノー・デートの晩」のように our 「僕たちの」を付けているのも、「”僕たちみんなで”デートなし、って協定を結んだよね」ということを思い出させ強調している感覚でしょう。

three of you は「君たちの中で3人」ですが、4人、5人とみんなが次々と名乗りをあげ、一人残ったロスは、あーあ、というように目のあたりを拳で覆っています。
catch an earlier flight は「(予定よりも)早い便の飛行機に乗る」。
hot single mom の hot は「セクシーな」という意味。

What's an elf to do? について。
"What's a 〇〇 to do" という形をネット検索すると、What's A Man To Do や What's A Girl To Do というタイトルの曲があるらしいことがわかりました。
このことからも What's a/an 名詞 to do? というフレーズは一般的に存在するようです。
そしてその意味は「〇〇がすべきことは何か? 〇〇は何をすればいいのか?」というニュアンスになるようです。
今回のジョーイのセリフも「エルフは何をすべきなの? エルフは何をしたらいいの?」ということでしょう。
「シングルマザーをナンパした」と言った後ですから「ナンパしたと聞いて驚いてるようだけど、だって(サンタと違って)エルフは特段すべき仕事もないんだし」というニュアンスで「エルフは何をしたらいいっての?(何もないだろ)」という意味で言ったのだと思います。

I'm gonna be the only one standing there alone when the ball drops? は「ボールが落ちる時(大晦日のボールドロップの時)、僕はその場にひとりぼっちで立っている唯一の人間になる」。
みんなには相手がいて、僕だけひとりぼっちなんだね、、と言うロスに、レイチェルは We'll have, we'll have a big party, and no one'll know who's with who. と言っています。
know who's with who は、know who is with who ということで、「誰が誰と一緒にいるかわかる」。
大勢の人が集まるパーティーだから、誰が誰とカップルだとか、誰がひとりぼっちだとか、そんなことは誰にもわからないわ、と言ったことになります。


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posted by Rach at 18:58| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月19日

テーブルから物を払いのけるタイプの男 フレンズ1-10改その8

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8:24
[Scene 3: Max and David's lab. David is explaining something to Phoebe with the aid of a whiteboard.]
シーン3: マックスとデビッドの研究室。デビッドはホワイトボードを使って、フィービーに何かを説明しているところ。
デビッド: But, you can't actually test this theory. Because today's particle accelerators are nowhere near powerful enough to simulate these conditions. (でも、実際にはこの理論を検証することはできないんだ。なぜなら現代の粒子加速器は、この状況のシミュレーションをするに足るほどのパワーには遠く及ばないんだ。)
フィービー: Okay, alright. I have a question then. (わかった。それじゃあ、質問。)
デビッド: Yeah. (うん。)
フィービー: Um, were you planning on kissing me ever? (私にキスしようと考えてた?)
デビッド: Uh, that's definitely a, uh, valid question. And, uh, the answer would be [Writes YES on the board] yes. Yes, I was. But, see, I wanted it to be this phenomenal kiss that happened at this phenomenal moment because, well, 'cause it's you. (あぁ、それはまさに正当な質問だね。そして、答えは… [ホワイトボードに YES と書く]イエスだ。そう、僕は君にキスしようと思ってた。でもほら、僕はそれを、素晴らしい瞬間に起こる素晴らしいキスにしたいと思ってたんだ。なぜなら、君だから。)
フィービー: Sure. (確かに。)
デビッド: Right. But, see, the longer I waited, the more phenomenal the kiss had to be. And now, we've reached a place where it's just gotta be one of those things where I just like... sweep everything off the table and throw you down on it. And, uh, I'm not really a, uh, sweeping sorta fella. (そうなんだ。でも、ほら、僕が長く待てば待つほど、そのキスはより素晴らしくならないといけなくなったんだよ。そして今、よくあるパターンのところまで来ている、テーブルからすべてのものを払いのけて、君をテーブルに押し倒すっていうやつの。そして、僕はそんなに「払いのけるタイプの男」じゃないだろ。)
フィービー: Oh, David, I, I think you are a "sweeping sorta fella." I mean, you're a sweeper trapped inside a physicist's body. (あぁ、デビッド。私はあなたが「払いのけるタイプの男」だと思うわ。ほら、あなたは物理学者の身体の中にとらわれたスイーパー(払いのける人)なのよ。)
デビッド: Really? (そうなの?)
フィービー: Oh, yeah, oh, I'm sure of it. You should just do it. Just sweep and throw me. (ええ、そうよ、それは確かだわ。ただそうしたらいいのよ。ただ、払いのけて私を押し倒して。)
デビッド: ...Now? Now? (…今? 今?)
フィービー: Oh, yeah, right now. Just.... (ええ、そうよ、今すぐ。ただ(そうして)…。)
デビッド: Okay, okay, okay. [Gets ready to sweep, and then picks up a laptop computer] Y'know what? This is just really expensive. Okay. [Puts it down elsewhere. Then picks up a microscope] And I'll take- this was a gift. [Moves it] (わかった、わかった、わかった。[(机の上を)一掃する準備に取り掛かる、そしてラップトップ・コンピュータを持ち上げる] ねえ。これは本当に高価なんだ。よし。[そのコンピュータを別の場所に置く。そして顕微鏡を持ち上げる]そして僕はこれを…これは贈り物だったんだ。[それを動かす])
フィービー: Now you're just kinda tidying up. (あなたはただ片付けてるだけって感じだわ。)
デビッド: Okay, what the hell, what the hell. [Sweeps the remaining papers off the desk and grabs Phoebe] You want me to actually throw you or you-you wanna just hop? (わかった、どうでもいい、どうでもいい。[残っている用紙をデスクから払いのけて、フィービーを掴む] 僕が君を押し倒した方がいい? それとも自分で飛び乗りたい?)
フィービー: I can hop. [She hops onto the table] (自分で飛び乗れるわ。[フィービーはテーブルの上に飛び乗る])
[They kiss, finally]
ついに二人はキスする。

particle accelerator は「粒子加速器」。
be nowhere near を直訳すると「〜の近くにはいない」なので「〜には遠く及ばない」。この状況をシミュレートできるほどのパワーを持つとは到底言えない、というニュアンス。
plan on doing は「〜する予定である、するつもりである」。
valid question は「正当な・妥当な質問」。
phenomenal は「驚くべき、驚異的な」ということから「素晴らしい」という意味でも使われます。
phenomenon (複数形 phenomena)は「現象、事象」「驚異的なもの」。
素晴らしいを表現する形容詞にはいろいろありますが、「現象」の形容詞形を使っているところに、彼の科学者っぽいところが見えていると言えるでしょう。
「素晴らしい瞬間の素晴らしいキスにしたかった」、つまり、そのキスを特別なものにしたかった、と言った後、デビッドは 'cause it's you と言っています。
It's you. は「君だ、君なんだ」ということですが、この場合は「君だから、君とのキスだから」というニュアンスで使われています。

the longer I waited, the more phenomenal the kiss had to be. は「The+比較級(A), the+比較級(B)」の形で、「Aすればするほど、ますますB」という意味。
「より長く待てば待つほど、そのキスはより素晴らしくならないといけなくなった」ということ。

sweep everything off the table and throw you down on it は「テーブルからあらゆるものを一掃して、君をテーブルの上に押し倒す」。
throw は「オーバースロー」などのように「投げる」を意味する動詞ですが、「素早い動きで激しく動かす」ニュアンスがあり、「人を〜の状態に投じる、陥らせる」という意味でも使われます。
throw someone down を「投げる」の意味で訳すと「人を投げ下ろす、下に向かって放り投げる」のような意味になってしまいますが、今回は喧嘩のように相手にケガをさせてしまうほど高いところから人を投げ下ろすわけではないので、「荒々しく押し倒す」のようなイメージが近いでしょう。
日本語の「押し倒す」を英訳すると push someone down になりますが、今回の throw someone down も「人を素早い動きで down の状態にする」ということなので「押し倒す」に近い感覚になるということです。

sweep は「掃除する、(ほうきなどで)掃く」で、この場合は、テーブルの上に乗っているものを、手でサーッ、バーッと落としてしまう様子で、「さっと払いのける、払い落とす、なぎ払う」という感じになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、、
sweep : PUSH SOMETHING SOMEWHERE
to move something to a particular place or in a particular direction with a brushing or swinging movement

つまり、「ものを、ある場所へ、またはある方向へ動かすこと、払いのける、または、揺り動かす動きで」。

I'm not really a sweeping sorta fella. は「僕はそんなに、テーブルのものをバーっとどけるようなタイプの男じゃない」。
not really は部分否定で、「それほど・そんなに〜ではない」。
sorta = sort of で「〜のような、〜みたいな」。
fella = fellow で「やつ、野郎」。guy と同じニュアンスの単語です。

physics は「物理学」で、physicist は「物理学者」。
you're a sweeper trapped inside a physicist's body. は「あなたは、物理学者の身体の中にとらわれたスイーパー(sweep する人)なのよ」。
自分ではそういうタイプじゃない、って言うけど、外側の見かけが真面目な物理学者なだけで、本当のあなたは机のものをバーッと払いのけちゃうような sweeper なのよ、自分でそれに気づいていないだけよ、とフィービーは言っていることになります。
I'm sure of it. は「自信があるわ。確信しているわ」「そうよ、間違いないわ」というニュアンス。

情熱的な状況では、何かを壊してしまっても構わない! みたいな心情になりそうなところ、デビッドは一つ一つ品物を確認して、これは高価だ、これはもらいものだ、と言いながら、場所を移動させています。
それを見たフィービーは、Now you're just kinda tidying up. と言っています。
tidy up は「片付ける、整頓する」。
あなたがやっているのは sweep じゃなくて、ただ tidy up してるだけだわ、ということですが、「払いのけてるんじゃなくて、片付けてるだけ」という意味を表すと同時に、「ほうきで掃くように掃除してるんじゃなくて、物を移動して片付けてるだけ」のように、「掃除と片付け」のような同じジャンルの言葉を使っている面白さもあるのかな、と思ったりしました。

その後、デビッドは、what the hell と言いながら、残った紙を払いのけています。
What the hell! は「一体全体どうなってるんだ」という意味でも使われますが、この場合は「どうということはない、大したことではない、かまうもんか」というニュアンス。
Macmillan Dictionary では、
what the hell : used for showing that something does not matter
例)I'm supposed to be on a diet, but what the hell!

つまり、「何かが重要ではない、と示すために使われる」。例文は「私はダイエット中ってことになっているけど、でも、でもそれがどうしたの?[どうってことないわ]」

hop は「ホップ・ステップ・ジャンプ」のように日本語になっていますが、「ひょいと跳ぶ・飛ぶ」という意味。
hop on/onto... だと「…の上にひょい・ぴょんと飛び乗る」になります。
「あなたは sweep して throw me down するような人なのよ」と言っていたフィービーですが、「僕が throw you down するか、君が自分で hop するか」と言われたフィービーは、「私が hop した方が早そうね」という感じで I can hop. と言い、自ら机に飛び乗るのも面白いです。


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posted by Rach at 20:41| Comment(9) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月08日

思ってもないことを言ってしまった フレンズ1-10改その7

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(遅ればせながら)明けましておめでとうございます。
本年もどうかよろしくお願いいたします。


7:13
[Enter Joey. His shoes have bells on, which jingle as he walks. He is wearing a long coat.]
ジョーイ登場。ジョーイの靴にはベルがついていて、彼が歩くたびにチリンチリンと鳴る。彼は長いコートを着ている。
ジョーイ: Hi. Hi, sorry I'm late. (やあ、遅くなってごめん。)
[He removes the coat to reveal an elf costume]
ジョーイがコートを脱ぐと、エルフのコスチュームが現れる。
チャンドラー: Too many jokes. Must mock Joey. (ジョーク多すぎだよ。お前はジョーイの真似をしてバカにしてるに違いない。)(→訂正:(思いつく)ジョークが多すぎる。ジョーイに(ジョークを言って)からかわないと(頭がパンクしてしまう)。訂正ここまで)
ジョーイ: Nice shoes, huh? [He wiggles his foot and the bells tinkle] (いい靴だろ、な? [足を小刻みに揺らすとベルがチリンチリンと鳴る])
チャンドラー: God, you're killing me! (あぁ、お前を見てると笑い死にしそうだよ。)

Too many jokes は「あまりにも多すぎる冗談」ですから「冗談やりすぎ、冗談にもほどがある」という感じでしょう。
Must mock Joey. は、主語の You が省略された形。
must は「〜しなければならない」ではなくて「〜に違いない」という意味。
mock は「〜の真似をしてばかにする、からかう、ふざける、あざける」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mock : verb (formal) to show that you think that someone or something seems stupid or amusing, by laughing at them, making jokes about them etc. in an unkind way (SYN: make fun of)
例)The other boys started mocking his accent (= copying it in a way that makes it seem funny.)
つまり「誰かまたは何かが愚かである、または面白いように見えると自分が考えていることを示すこと、意地の悪い方法で、それらを笑ったり、それらのことをジョークにすることなどによって」。例文は「他の少年たちは彼のアクセントをばかにし始めた(=面白く思えるような方法でそれを真似する)」。

この例文からも、アクセントをからかうために、それを面白おかしく真似る、というニュアンスがよくわかると思います。
ですから、You must mock Joey. は「お前は、ジョーイの真似をしてジョーイをばかにしてるに違いない」。
ジョーイが elf 「エルフ、小さな妖精」の格好をしているのを見て、「ジョーイがエルフの真似をしてる」のではなく「エルフがジョーイの真似をしてる」と言ったことになるでしょう。
ただ真似するのではなく、「ばかにした感じで真似る」ということですから、ジョーイのエルフのコスチュームがバカげた恰好だと言っていることにもなります。
You're killing me! の kill は「殺す」ですが、ここでは「死にそうになるほど笑わせる」ということ。
(2020.1.22 追記)
Too many jokes. Must mock Joey. の解釈について、コメント欄でご意見を頂戴しました。
この must は「〜に違いない」ではなく、「〜しなければならない」の意味でした。
コメント欄にて追記しておりますので、併せてご覧いただけると幸いです。
(追記はここまで)


7:37
[Marcel knocks over some kitchen tools]
マルセルがキッチン用具を倒す。
モニカ: Ross! He's playing with my spatulas again! (ロス! マルセルがまた私の調理べらをおもちゃにしてるわ!)
ロス: Okay, look, he's not gonna hurt them, right? (わかったよ、ねぇ、マルセルはそれを傷つけるわけじゃないんだから、だろ?)
モニカ: Do you always have to bring him here? (ロスはいつもマルセルをここに連れてこないといけないわけ?)
ロス: I didn't wanna leave him alone. Alright? We- we had our first fight this morning. I think it has to do with my working late. I said some things that I didn't mean. And he- he threw some feces. (彼を一人にしておきたくなかったんだよ、わかるだろ? 僕たちは今朝、初めての喧嘩をしたんだ。僕が遅くまで仕事しているのと関係があるんだと思う。僕は本気でそう思ったわけではない(思ってもいなかったような)ことをいろいろと言ってしまった。そしたら彼は、彼はうんちを投げてきたんだ。)
チャンドラー: Y'know, if you're gonna work late, I can look in on him for you. (なあ、もしロスの仕事の帰りが遅くなるなら、お前のために俺が彼の面倒を見てやることもできるぞ。)
ロス: Oh, that'd be great! Okay. But if you do, make sure it seems like you're there to see him, okay, and you're not like doing it as a favor to me. (さぁ、そうしてくれるとありがたい! よし、でももしそうしてくれるなら、彼に会うためにそこに来たように、そして僕のためにそうしているんじゃないと見えるようにしてくれ。)
チャンドラー: Okay. But if he asks, I'm not going to lie. (わかったよ。でももし彼が尋ねてきたら、俺は嘘はつかないぞ。)

spatula は「調理用のへら」。
play with は「〜で遊ぶ」ということで「もてあそぶ、おもちゃにする、いたずらする」。
hurt は「傷つける」で、もてあそんでるだけで壊すわけじゃないんだから、ということ。
「毎度毎度うちに連れてこないといけないわけ?」と言われて、ロスは事情を説明しています。
「彼を一人にしておけない、一人残しておけない」と言った後、we had our first fight this morning. と続けます。
「同居して以来、初めての喧嘩」のように、まるで一緒に暮らし始めた恋人同士のような説明になっており、その後もずっとそんな感じで説明が続いていくのが笑いのポイントです。
have to do with は「〜と関係・関連がある」。
work late は「遅くまで働く、残業する」ですから、my working late は「僕が遅くまで残業すること」。
喧嘩の原因は僕が仕事で遅かったことに関係あると思うんだ、ということ。
mean は「意図する、〜のつもりで言う、本気で言う」なので I said some things that I didn't mean. は「自分が意図しなかったことを言った、そんなつもりで言ったわけじゃないようなことを口にしてしまった」。
喧嘩する中で、つい思ってもいないようなひどい言葉を言ってしまったんだ、ということです。
feces は「うんち」で、発音は「フィーシィーズ」という感じ。

look in on は「人をちょっと訪ねる、様子を見に訪れる」。
That'd be great! は That would be great! ということで、相手が何か良い提案をしてくれた時に、「そうだとうれしい。そうだと(そうしてくれると)ありがたい」というニュアンス。
「もしそうしてくれるなら」「そうであれば」という仮定の意味が、would に含まれています。
make sure (that) SV は「必ずSがVするように取り計らう、間違いなくSがVするようにする」。
as a favor to me は「僕への親切・好意として」。
マルセルを訪ねるのは、チャンドラーの意志でやっていることで、僕に頼まれたから僕のためにそれをやっていると思われないように気をつけて、ということ。

チャンドラーが来たのはあくまでチャンドラーがマルセルに会いたかったからってことにしといてくれよ、と言われたチャンドラーは、Okay. But if he asks, I'm not going to lie. と返します。
猿であるマルセルが質問するはずもないのに、もし聞かれたら俺は正直に答えるぞ、ということ。
人語を解さない猿のマルセルに「僕に言われて来たって思わせないように気を付けて」などと注意を払うことはないんじゃないの? と言いたいということです。


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posted by Rach at 22:01| Comment(6) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする