2021年05月22日

じゃあまたどこかで会おう フレンズ1-11改その18

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18:07
モニカ: I got you the foot massager. (私はあなたに足マッサージ器をあげたのよ。)
フィービー: You know who shaved you? That was me. (あなたのひげを剃ったのは誰だと思う? それは私だったのよ。)
モニカ: I read to you. (私はあなたに(新聞を)読み聞かせしたわ。)
フィービー: I sang. [To Monica] Hah! (私は歌った! [モニカに] ハッ![どうよ!])
昏睡男: Well, thanks. (あぁ、ありがとう。)
モニカ: Oh, my pleasure. (あぁ、どういたしまして。)
フィービー: You're welcome. (どういたしまして。)
昏睡男: So I guess I'll see you around. (それじゃあ、またどこかで。)
フィービー: What? That's it? (何? それだけ?)
モニカ: "See you around"? (「またどこかで」?)
昏睡男: Well, what do you want me to say? (あぁ、君たちは僕に何て言ってほしいんだ?)
モニカ: Oh, I don't know. Maybe, um, "That was nice." "It meant something to me." "I'll call you." (あぁ、わからないけど、多分その、「ありがたかったよ」「僕にとっては意味があったよ」「電話するよ」(とか))
昏睡男: Alright. I'll call you. (わかった、電話するよ。)
フィービー: I don't think you mean that. (その言葉を本心から言ってるとは思えないわ。)
モニカ: This is so typical. Y'know, we give, and we give, and we give. And then we just get nothing back. And then one day, it's just, you know, you wake up, and "See you around." Let's go, Phoebe. (これってすっごく典型的ね。ほら、私たち(女)が、与えて、与えて、与えて。それでその後、私たちに返ってくるものはないの。それからいつか、ただ、ほら、あなたが目覚めて、そして「またどこかで」って。行きましょ、フィービー。)
フィービー: Y'know what? We thought you were different. But I guess it was just the coma. (ねえ? あなたは違うと私たちは思ってた。でもそれはただ昏睡のせいだったみたいね。)

I got you the foot massager. は「私はあなたに足マッサージ器をあげた」。
got you something が「あなたに〜をあげた」という意味になります。
「買ってあげた」ということなので、buy+人+物で「人に物を買ってあげる」という形で 動詞 buy を使うことも可能ですが、お金を出して買ったというニュアンスを出さない場合には、あなたにゲットしてあげた、という感覚で I got you something. という表現を使うことが多いです。

shave は「シェーバー」「シェービング・クリーム」などから連想できるように「ひげ・毛を剃る」という動詞。
日本語だと「あなたのひげを剃る」となるところですが、英語では shave someone のように人を目的語に取る形で「(人の)ひげ・顔・頭を剃る」という意味になります。
わざわざ「ひげ」と言わなくても「人を剃る」という形で英語では成立するということです。

read to someone は「人に(本などを)読んで聞かせる」。
I read to you. の read は過去形(発音はレッド)です。
今回のエピソード、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 では、モニカが彼に新聞を読んであげているシーンがありましたが、その時のト書きも、
It starts with Monica reading Coma Guy a newspaper. (モニカが昏睡男に新聞を読んであげるところから始まる。)
と表現されていました。
自分で本を読む場合は基本、黙読ですが、「人に(本・新聞を)読む」場合は黙読では伝わらないので(笑)、「声に出して読んで(相手に)聞かせる」という意味になるわけです。

My pleasure. / You're welcome. はどちらもお礼に対する返事で「どういたしまして」。

See you around. は「じゃあまたどこかで会おう」。
次に会う予定を具体的に決めていない場合の別れの挨拶。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
see you around : (spoken) used to say goodbye to someone when you have not made a definite arrangement to meet again
つまり「(口語)もう一度会うための明確な約束をしなかった時に、相手にさよならを言うために使われる」。

英英辞典の語義にもこのように「次に会う約束をしていない」という説明が入っているのがポイントと言えるでしょう。
こういう挨拶をしていることから、特に次回に会う予定を決めるつもりはないこともわかりますので、二人は「それだけ? See you around ですって?」と言っているわけです。

Well, what do you want me to say? は「じゃあ、僕に何て言って欲しいわけ?[僕は何って言ったらいいの?]」。
mean something は「意味がある」。
mean a lot to me 「私にとってものすごく意味がある」という表現もあります。

"I'll call you." とかの言葉はないの? と言われ、彼はオウム返しのように "I'll call you." と言っています。
I don't think you mean that. は「あなたがそれを本心から言っているとは思えない。本心で言ってないと思う」。
言葉をただ機械的に繰り返しただけで心がこもってない、本当はそんなつもりもないくせに言えって言われたから言ってるだけね、ということ。
It means something to me. / I don't think you mean that. のように動詞 mean が連続して使われていますが、前者は「意味がある」、後者は「本気で言っている」という意味の違いがあることに注意しましょう。

This is so typical. は「これってすごく典型的だわ」。
いかにもって感じ、よくあるやつね、というニュアンス。

we give, and we give, and we give はまるで日本の演歌にあるような「尽くしに尽くす」という感覚になるでしょう。
we give を3回繰り返すところに「尽くして、尽くして、(さらに)尽くしたのに」という感じが出ています。
女が男に尽くしても、何も返ってこない、それはいつものパターンだわ、と嘆いているということです。

We thought you were different. But I guess it was just the coma. について。
We thought という過去形で、「そう思っていたけれど、実際は違っていた」という感覚。
「あなたは(他の男とは)違うと思ってたのに」と語尾に「のに」を付けると、そのニュアンスが出るでしょう。
昏睡していた状態だったから素敵に見えたけど、起きてこうやってしゃべってみれば、やっぱりあなたも他の男と同じだったわ、という捨て台詞。

But I guess it was just the coma. を直訳すると「でも、それはただ昏睡だった、って私は思う」となりますが、この It is just the coma. のような It's は「昏睡のせいだ、昏睡が原因だ」というニュアンスで理解すると良いでしょう。
この it はここで話題の焦点となっていることを指し、それが「昏睡」だった、ということですから、この場合は「あなたは別の男とは違うと思っていた、というその原因が」昏睡だった、と言っていることになります。


★「フレンズ」関連のニュース
フレンズのメンバー6人が再集結する特別番組「フレンズ・ザ・リユニオン」(Friends: The Reunion)の予告動画が 5月20日に YouTube で公開されました。
その動画はこちら↓(ドラマ本編のネタバレシーンあり! ネタバレ避けたい方はご注意下さい!
Friends: The Reunion | Official Trailer | HBO Max

2分10秒の動画となっており、英語字幕がついているのも嬉しいところ。
予告編公開から2日で、1,400万回視聴、33万いいね、1万8千件のコメントがついています。
「フレンズ」がそんなにも多くの人々に愛され続けていることを改めて感じることができ、ファンの一人として私もとても嬉しいです♪
本国アメリカでは、ワーナーの動画配信サービス HBO Max で5月27日から配信開始とのこと。
日本ではいつ、どのような形で見られるようになるのかはわかりませんが、期待して待ちたいと思います(^^)


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posted by Rach at 16:46| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月08日

エッチ・ア・スケッチ フレンズ1-11改その17

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17:33
[Cut to the hospital. Monica bursts in, closely followed by Phoebe. There is no sign of Coma Guy- his bed is empty]
病院に画面がカット。モニカが突然(病室に)入ってきて、すぐ後にフィービーが続く。昏睡男の形跡がなく、彼のベッドはカラである。
フィービー: Alright, what did you do with him? (いいわ、あなたは彼をどうしたの[彼に何をしたの]?)
[There is the sound of a flushing toilet and Coma Guy emerges from the bathroom]
トイレを流す音がして、昏睡男がバスルーム(トイレ)から出てくる。
モニカ: Oh! You're awake! (まぁ! あなた、目覚めたのね!)
フィービー: Look at you! How do you, how do you feel? (あなたのその姿![元気そうね!] どんな、どんな感じ?[体調はどう?])
昏睡男: Uh, a little woozy, but basically okay. (あぁ、ちょっと頭がぼんやりしてるけど、基本的には大丈夫だ。)
モニカ: Gosh, you look good! (まぁ、あなた、元気そうだわ!)
昏睡男: I feel good. Who are you? (元気だよ。君は誰?)
モニカ: Oh, sorry. (あら、ごめんなさい。)
フィービー: I'm Phoebe Buffay. (私はフィービー・ブッフェ。)
モニカ: I'm Monica Geller. I've been taking care of you. (私はモニカ・ゲラーよ。私がずっとあなたのお世話をしていたの。)
フィービー: Well, we both have. (まぁ、私たち二人が、ね。)
昏睡男: So, the Etch a Sketch is from you guys? (それじゃあ、そのエッチ・ア・スケッチは君たちから(のプレゼント)?)
フィービー: Well, actually, it's just from me. (そうね、実は、それは私からなの。)

昏睡男の病室に、モニカとフィービーが駆け込んできます。
過去記事、関係代名詞で情報を付け足しながら話す英語の感覚 フレンズ1-11改その14 で、セントラルパークでのフィービーのライブの最中にモニカがこっそり抜け出そうとしたのを見て、フィービーはライブを切り上げてモニカを追いかけて行きましたが、その二人が走ってきて、今、病院に到着したということです。

What did you do with him? は「あなたは彼に何をしたの? 彼をどうしたの?」ということで、ベッドがもぬけの殻になっているのを見て、私の知らない間に彼を移動したとか、私に隠れて何かしたんじゃないの? と疑っているセリフとなります。

ベッドで眠っていた昏睡男(Coma Guy)がトイレから出てきたのを見て、モニカは You're awake! 「あなたは目覚めたのね!」と言い、フィービーは Look at you! と言っています。
Look at you! の直訳は「あなたを見て!」ですが、これは「ほらあなたのその姿!」というようなニュアンス。
今回は昏睡から目覚めて、普通に行動している姿に感動している言葉。
ドレスアップしてきれいになった相手などに使ったりもしますし、逆に、げっそりしていたり、あまりにもひどい恰好をしている時に使ったりもします。

woozy は「頭がふらふら、くらくらする、頭がはっきりしない、ぼんやりした」。
Gosh は Oh, my God. の God を言い換えた婉曲語。
神とは無関係な状況で神の名をみだりに唱えることは不謹慎とされているために、よく似た音で代用される婉曲語ですが、目覚めたこの男性によく思われようと、少し上品な言葉遣いをした、ということかもしれません。

I've been taking care of you. の have been taking は「ずっと〜していた」という継続を表す現在完了進行形。
その次のフィービーの we both have は、we both have been taking... が省略されたもので、「私がずっとあなたのお世話をしていたのよ」と自分一人をアピールするモニカに対して、「ずっとお世話をしていたのはモニカだけじゃないわ。私たち二人でお世話してたのよ」と主語を言い換えた形になります。

Etch a Sketch は「エッチ・ア・スケッチ」。
このシーンでモニカとフィービーが部屋に入ってきた時から、ベッドの足側にある机の上に、赤い四角で、白いダイヤルが2つ付いているものが映っていますが、それが「エッチ・ア・スケッチ」です。
左右のノブ・ダイヤルを動かして、一筆書きの要領で絵を描くおもちゃで、日本でも「エッチ・ア・スケッチ」の名前で販売されています。
日本では、磁石のついたペン(マグネットペン)でスクリーンをなぞると絵が描け、レバーを動かすとそれが消える、というタカラトミーの「せんせい」という名前のおもちゃがありますが、それがペンではなくて、ノブ・ダイヤルを動かして書く、というのが「エッチ・ア・スケッチ」の特徴。
美術で「エッチング」というものがありますが、それは「銅板の表面を化学処理で腐食させて絵を描く技法」のこと。
またそこから、etch という動詞は「鮮明に、くっきり描く」という意味にもなります。
Etch a Sketch という名前は -etch の部分が韻を踏んで、覚えやすいネーミングになっています。
もう死語になってしまいましたが70年代くらいに流行った言葉で「エッチ・スケッチ・ワンタッチ」というのもありました。
それも韻を踏んでいるのがポイントでしたが、それと同じ雰囲気のある名前と言えるでしょう。

映画「トイ・ストーリー」にも、エッチ・ア・スケッチが登場しています。
[5:28] から始まるシーンで、ウッディがエッチ・ア・スケッチとすれ違った後、振り返ってこう言います。
ウッディ: Hey, Etch. Draw!
ウッディはエッチに対して銃を構えるふりをする。エッチは白い左右のダイヤル(ノブ、つまみ)を素早く動かして、拳銃の絵を描く。
ウッディ: Oh! Got me again. Etch, you've been working on that draw. Fastest knobs in the West. (あぁ! またやられた。エッチ、お前はそのドローをずっと練習してたんだな。西部一速いノブだよ。)

ウッディが Etch 「エッチ」と呼び掛けていることからも、これが「エッチ・ア・スケッチ」であることが確認できます。
このウッディのセリフは動詞 draw の2つの意味を使った、言葉遊びのような面白さになっています。
draw は一般的に「引く」の意味で、「銃を抜く、刀を抜く」時にも使います。
また「ドローイング」のように「描く、絵を描く」という意味でも使えます。
保安官のカウボーイ人形であるウッディは、すれ違いざまに相手に「銃を抜け」と言って、銃の早抜き・早撃ち競争を挑んだ形になっており、相手のエッチの方は「銃を抜く」のではなく「(拳銃の)絵を描く」ことで draw し、拳銃を素早く描いたエッチがウッディに draw 競争で勝った、かのようなやりとりになっているわけです。
エッチが拳銃を描く(draw)のが白いノブ(knob)なので、(西部劇風に)「西部一速いノブだ」と褒めた流れになっているのも面白いシーンでした。


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posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする