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4:12
[Scene: Chandler and Joey leaving girls' apartment, carrying lasagna]
シーン:チャンドラーとジョーイがラザニアを抱えながら女子の部屋を出て行く。
ジョーイ: I love babies with their little baby shoes and their little baby toes and their little baby hands... (赤ちゃんって大好きなんだよな、ちっちゃな靴で、ちっちゃなつま先で、ちっちゃな手で…)
チャンドラー: Okay, you're gonna have to stop that... forever. (いいか、お前はそういうのはやめるんだ……永遠にな。)
[Joey opens door, throws keys on kitchen table, table falls over]
ジョーイはドアを開けて、台所のテーブルの上に鍵を放り投げる、テーブルが倒れる。
ジョーイ: Need a new table. (新しいテーブルが必要だな。)
チャンドラー: You think? (お前はそう思うのか?[(言葉にするまでもなく)当然そうだよな])
鍵を放り投げただけで、テーブルが倒れてしまいます。
Need a new table. 「(俺たちには)新しいテーブルが必要だな」と言ったことに対して、チャンドラーは You think? と返しています。
直訳すると「お前はそう思うか?」というところですが、これは当たり前のことを言ってきた相手に「そうか?」と皮肉っぽく返す時の表現。
Wiktionary には以下のように出ています。
Wiktionary: you think
you think?
(idiomatic) A sarcastic, rhetorical response to an obvious statement.
例)I reckon the trees are greener in spring than in winter. −You think?
つまり「(イディオム的)明らかな発言に対しての、皮肉っぽく修辞的な返答」。
例文は「冬よりも春の方が木々はより緑だと思うんだよ」「お前はそう思うのか?[当然そうだよな]」
今回の会話ではチャンドラーが You think? と言った後に観客の笑い声が起こっています。
テーブルが壊れたのを見てジョーイが「新しいテーブルが必要だな」という「あまりにも当たり前のことを言った」ことに対して、Yeah. 「ああ(そうだな)」と素直に返す代わりに、皮肉っぽく You think? と返したことになるでしょう。
You think? の単語のニュアンスを生かして和訳するとすれば「へえ、お前はそう思うんだ?」というところでしょうか。
「テーブルが壊れたから、新しいテーブルが必要だ」なんて、そんな当たり前のこと、わざわざ言わなくてもわかってるよ、と言いたい気持ちが出ているように思います。
4:43
[Scene: Carol's apartment. Knock at door]
シーン:キャロルのアパートメント。ドアにノックがある。
キャロル: Hey hey, come on in. (はいはい、入ってきて。)
[Ross enters, carrying lasagna]
ロスはラザニアを抱えて入ってくる。
ロス: Hey, hello. [kisses Carol] I brought all the books, and Monica sends her love along with this lasagna. (やあ、どうも。[キャロルにキスする] 例の本を全部持ってきた、それからモニカがこのラザニアと共に愛を送る、ってさ。)
キャロル: Oh, great! Is it vegetarian? 'Cause Susan doesn't eat meat. (まぁ、素敵! それってベジタリアン用(のラザニア?) っていうのは[なぜそんなことを尋ねるかって言うと]スーザンは肉を食べないのよ。)
ロス: [pauses] I'm pretty sure that it is. ([間があって] それはかなり間違いなくそう[ベジタリアン用]だと思うよ。)
キャロル: So I got the results of the amnio today. (それで、今日、羊水の結果が出たのよ。)
ロス: Oh, tell me, tell me. Is everything, uhh....? (あぁ、教えてよ、教えてよ。全部、その……)
キャロル: Totally and completely healthy. (全く完全に健康よ。)
ロス: Oh, that's great! That is great! [Hugs and kisses Carol. Then picks up a picture frame] (あぁ、それは良かった! それは良かった! [キャロルにハグしてキスする。それから写真立てを手に取る])
ロス: Hey, when did you and Susan meet Huey Lewis? (ねぇ、君とスーザンはいつヒューイ・ルイスに会ったの?)
キャロル: Uh, that's our friend Tanya. (あぁ、それは私たちの友達のターニャよ。)
ロス: [surprised, chuckling nervously] Of course, it's your friend Tanya. [looks up frightenedly] ([驚いてナーバスに含み笑いをして] もちろん、君の友達のターニャだよね[ヒューイ・ルイスなわけないよね]。[怯えたように目を上げる])
キャロル: Don't you wanna know about the sex? (セックスについて聞きたくない?)
ロス: [chuckles nervously] The sex? [chuckles] Um, I'm having enough trouble with the image of you and Susan together. When you throw in Tanya... I'm... Aah. ([ナーバスに笑って]セックス? [笑う] あのー、君とスーザンが一緒にいるイメージだけでも十分大変なんだよ。そこにターニャも放り込んだら……あぁ……)
キャロル: The sex of the baby, Ross. (赤ちゃんのセックス[性(別)]よ、ロス。)
ロス: You know the sex of the baby? Oh, oh oh oh! (君は赤ちゃんの性別を知ってるの? あぁ、あああ!)
キャロル: Do you want to know? (知りたい?)
ロス: No, no, no. No, I don't want to know. Absolutely not. I think, you know, I think you shouldn't know until you look down there and see, "Oh, there it is..." [pauses] or isn't. (いやいやいや。いや、僕は知りたくない。絶対に知りたくない。ほら、僕は思うんだよね、下のほうに視線をやって、「あぁ、それがある…」(間を置いて)または、ない、ってわかるまで性別は知るべきではないって[それがある、または、ない、ってわかって初めて性別を知るべきだって]。)
Monica sends her love along with this lasagna. を直訳すると「モニカがこのラザニアと一緒に愛を送る(って)」。
これはモニカが愛を込めて作ったラザニアで、モニカがよろしく言っといて、ってさ、くらいのニュアンスでしょう。
vegetarian は名詞で「菜食主義者、ベジタリアン」という意味ですが、ここでは「ベジタリアン用の」という意味の形容詞として使われています。
名詞の場合は可算名詞なので、You are a vegetarian? 「あなたはベジタリアンですか?」のように不定冠詞 a がつくことになります。
it は(人ではなく)その前の this lasagna 「このラザニア」を指していることからも、人を意味する「菜食主義者」という名詞ではないことが想像できます。
Is it vegetarian? 'Cause Susan doesn't eat meat. の 'Cause は Because の短縮形。
「なぜなら」というのは「なぜそんなことを尋ねるかって言うと」というニュアンス。
Susan doesn’t eat meat. は「習慣・習性を表す」現在形。
「スーザンは肉を食べない人だ」、つまり、スーザンは菜食主義者だということです。
それを聞いたロスは、少し沈黙した後、I'm pretty sure that it is. と言っています。
it is vegetarian であることは、pretty sure だよ、ということで、pretty は sure を強調する「かなり」という意味の副詞。
sure であることは「かなり」の度合いであるということで、ここでは「ほぼ間違いなくそうだ」というニュアンスになります。
このエピソードの冒頭での、モニカとシルおばさんとの電話の会話の中で、「ベジタリアン用ラザニアと言ってくれていたら、私はベジタリアン用ラザニアを作ったでしょうに」という発言があった通り、大量に余ってしまった「ベジタリアン用ではないラザニア」をロスが持ってきたことが想像されますので、ロスは、ベジタリアン用ラザニアではないと知っていて、「ベジタリアン用なのはほとんど間違いないよ」と嘘を言っていることになります。
キャロルとの会話からスーザンがベジタリアンということがわかり、ロスにとってスーザンは元妻を奪った恋敵のような存在ですから、間違えてそれを食べて気分が悪くなっても僕の知ったことか!みたいな気持ちが込められているのですね。
このエピソードの最初のモニカの電話の会話で、ラザニアがベジタリアン用ではないことがわかっているからこそ、ここでのロスの意地悪に笑えるという流れです。
amnio は amniocentesis「羊水を採取して、胎児の病気など、胎児が病気でないかを調べるテスト。羊水検査」の略で、羊水は amniotic fluid となります。
つまり、I got the results of the amnio today. は「今日、羊水検査の結果が出た、結果をもらった」ということ。
Huey Lewis は「ヒューイ・ルイス」で、アメリカのロックバンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)のボーカル。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主題歌「パワー・オブ・ラヴ」(The Power of Love)などで有名です。
その映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、ヒューイ・ルイスは以下のシーンでカメオ出演もしています。
ダンスパーティーに出演するバンドのオーディション。大音量でノリノリで演奏するマーティのバンド。ところが、拡声器を持った審査員がこう言います。
審査員: I'm afraid you're just too darn loud. ((残念ながら)君ら(のバンド)は音が大きすぎる。)
この審査員が、ヒューイ・ルイスでした。
(「フレンズ」の解説に戻ります)
ヒューイ・ルイスは、男っぽさ全開という感じの男性なので、キャロルとスーザンの友達であるターニャの見た目が男性っぽいことが想像できるやりとりになっています。
その後、キャロルが Don't you wanna know about the sex? 「sex について知りたくない?」と言って、ロスがあわあわするシーンについて。
have trouble with は「〜で苦労する、〜で大変である」なので、have enough trouble with は「〜で十分大変である」ということ。
直前にちょうど、ターニャの話題が出て、二人の友達にはこんな男っぽい女性もいるんだ、、、とびっくりしている時に、the sex の話題が出たので、ロスはてっきりレズビアンの sex つまり、「エッチの行為」についての話かと勘違いしたことになります。
キャロルとスーザンがエッチしている姿を想像するだけでも大変なのに、そこにその写真に写っているターニャも入ってくるとなるともう混乱しちゃうよ、と慌てているわけです。
ターニャの話は、ロスが写真立てに気づいたことで話題に上がったわけですが、キャロルとしてはあくまで赤ちゃんの羊水検査の話の続きとして the sex の話を持ち出したわけで、sex と言えば赤ちゃんの性別に決まってるでしょ、というところだったでしょう。
「羊水検査の結果が出た」→「たまたまロスがターニャの写真を発見」→「the sex について知りたい?」という流れから、キャロルとロスの間でそれぞれ、the sex という言葉で連想するものが違ってしまったというちぐはぐ具合が、この会話のポイントであり面白さともなっています。
「赤ちゃんの性別を知りたい?」と聞かれたロスは I don't want to know. Absolutely not. と答えています。
Absolutely not. は「絶対に〜ない」と全否定を強調するニュアンスで、ここでは「知りたいなんてことは絶対にない、絶対に知りたくない」ということ。
I think you shouldn't know until you look down there and see, "Oh, there it is..." or isn't. について。
このセリフでは look down there and see のように「見る」を意味する動詞 look と see が使われています。
look は「目をやる、視線を向ける」。
see は「見える、(自然と)目に入る」というニュアンスであり、またそこから「わかる」という意味でも使われるので、このセリフを直訳すると「下のほうに視線をやって、「あぁ、それがある」…またはない、とわかるまで、(性別を)知るべきじゃないと僕は思う」という感じになるでしょう。
赤ちゃんの性別を知る方法としては「”あれ”がついているか否か」で判断するのが一般的で、このロスの発言からもそれをイメージすることができます。
「下のほう(赤ちゃんの下半身)を見て、あるかないかを見るまでは性別を知るべきじゃない」というのは「それがついているかどうかを見て、初めて性別を知る」というのがロスにとって理想的な姿であることがわかります。
なお、このロスのセリフでは you が使われていますが、この you は、ロスの話し相手である「君=キャロル」を指しているのではなく、「一般の人々」もしくは回り回って「自分自身」を指しているものと考えられます。
このような you はあえて主語をはっきり訳さない方が良いでしょう。
仮にこの you をキャロルについて語ったものだと考えると「君は下を見て初めて性別を知るべきだと思う」と言ったことになりますが、キャロルはすでに性別を知っていることを考えると、キャロルがどうやって知るべきかを説いていると考えるには違和感があるでしょう。
赤ちゃんの性別を知る方法としては「生まれる前の超音波検査で知る」か「生まれた後であれがついているかどうかで知る」かのどちらかで、ロスは後者の方法を選びたいと語っているわけですから、「(自分も含め、人は)あれがついているかついていないかわかって初めて、赤ちゃんの性別を知るべきだ、と自分は考えている」のように語っていると考えればよいかと思います。
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