2023年05月20日

破片を拾い集める→事態を収拾する フレンズ1-12改その14

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16:43
[Scene: foosball table]
シーン:フーズボールテーブル。
フィービー: I think she took it pretty well. You know, Paolo's over there right now, so.... (レイチェルはかなりよくわかってくれたと思うの。ほら、パウロはたった今、むこうにいるから…。)
モニカ: We should get over there and see if she's okay. [switching places with Ross] Just one...second. Score! [Monica scores, high-fives with Ross] (私たちはあっちに行って、レイチェルが大丈夫かどうかを確かめるべきね。[ロスと場所を交代して] あとちょっとだけ(待って)。点決まった! [モニカが点を決め、ロスとハイファイブ[ハイタッチ]をする])
ロス: Game! Nice! [or Us!] (ゲームに勝った! ナイス![or 僕らが!])
モニカ: Come on, Pheebs. [Monica and Phoebe leave] (行くわよ、フィーブス。[モニカとフィービーは去る])
ロス: [wiping his brow] Ah...ooh! Well, looks like, uh, we kicked your butts. ([額の汗をぬぐいながら] あぁ、オー! ほら、僕たちが君らを叩きのめした、って感じだね。)
ジョーイ: No, no, she kicked our butts. You could be on the Olympic "Standing There" team. (いやいや、(お前らじゃなくて)彼女(モニカ)が俺たちを叩きのめしたんだよ。お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれるかもな。)
ロス: Come on. Two on one. (よし来い。2対1だ。)
チャンドラー: What are you still doing here? She just broke up with the guy. It's time for you to swoop in. (お前はいまだにここで何やってんだよ? 彼女(レイチェル)はたった今、あの男と別れたんだぞ。(今こそ)お前がさっと舞い降りる[颯爽と登場する]時だ。)
ロス: What, now? (何、今?)
ジョーイ: Yes, now is when you swoop. You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. She's gotta know that you're everything he's not. You're like, like the anti-Paolo. (そうだ、お前が舞い降りるのは今だ。パウロが退場する時、レイチェルが最初に見る男がお前になるようにしなくちゃならないんだ。お前は、やつが持ってないものすべてだと[お前はやつとは全く違うってことを]彼女が知らなくちゃならないんだ。お前はまるで、まるで、アンチ(反)・パウロだよ。)
チャンドラー: My Catholic friend is right. She's distraught. You're there for her. You pick up the pieces, and then you usher in... "The Age of Ross." [Ross and Chandler look off into the distance. Joey, wondering what they are looking at, looks in the same direction] (我がカトリックの友人(の言うこと)は正しいな。彼女はひどく取り乱してる。お前は彼女のためにそこ(彼女のそば)にいるんだ。お前が事態を収拾し、それからお前が導くんだよ……「ロスの時代」に。[ロスとチャンドラーは離れたところを見る。ジョーイは、二人が何を見ているんだろうと思いながら、同じ方向を見る])

take it well は「それ・その状況を、よく受け入れる・受け止める」ということなので「よくわかる、納得する」という意味になります。
Score! は初めてフーズボール・テーブルが登場したシーンにも使われていましたが、文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。

兄妹チームが勝ち、二人は喜び合っていますが、その時のロスのセリフについて。
媒体によって英語字幕が異なっており、

DVD / Blu-ray では
Game! Us!

(以前配信されていた時の)Netflix では
Game! Nice!

と表記されていました。

音声的にはナイスに聞こえる気がするのと、「勝った、僕たちが」というようなことを言いたいのであれば、Game! Us! よりもシンプルに We won! と言いそうな気がするので、(断言はできませんが、どちらかというと)Netflix の表記の Game! Nice! が近いような気がしました。

kick someone's butt は 「人の尻を蹴る」ということから「叩きのめす、やっつける」。
そう表現したロスに対して、ジョーイは No, no, SHE kicked our butts. と she を強調して返しています。
ロスが主語を we にして、僕とモニカの二人で君らをやっつけてやった、のように表現したことに対して、「やっつけたのは she 「彼女、モニカ」であって、お前は何も勝利に貢献してないだろ」と言ったことになります。

You could be on the Olympic "Standing There" team. は「お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれる」。
「その場に立ってるだけで何も貢献してない、って形ならオリンピックにも参加できそうだな」→「お前は勝った側のチームにいるけど、実際にはただ立ってただけだけどな」というようなことを言いたかったのだろうと思います。

Two on one. は「2対1、2人対1人(で)」。
バスケで3人対3人の「スリー・オン・スリー(3on3)」というものがあるように、「2on1」だと2人対1人になります。
モニカのおかげで勝てたみたいに言われたので、モニカが去った後、君ら二人と残った僕一人で再戦しようよということです。

What are you still doing here? は「お前はいまだにここで何やってんだよ?」。
言葉としては今やっていることを尋ねる形の疑問文ですが、今回のように非難っぽい口調で言うと、「お前は今ここでこんなことをしてる場合じゃないだろ」というニュアンスが出ます。

break up with someone は「(人)と別れる」という、恋愛における頻出表現。
It's time for you to swoop in. は「(今)お前が swoop in すべき時だ」ということですが、swoop は元々は「鳥が空から降りてきて獲物を襲う」という意味の動詞。
「急降下、急襲」のニュアンスで、パウロと別れて動揺しているレイチェルの元に、サーッと舞い降りて登場するんだよ、颯爽と現れるんだよ、と言っていることになるでしょう。

now is when you swoop は直訳通りの「今が、お前が swoop する時だ」。
少し前の It's time for you to swoop in. も含め、「今まさに〜すべき時だ」と言いたい場合には、It's time for you to do. / Now is when you do. という表現が使えるということです。

You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. について。
make sure that SV は「間違いなく・確実にSがVする(形になる)ようにする」。
that 以下に when節が入っているので、文が長くなっていますが、「パウロがそこを出ていく時に、レイチェルが見る最初の男がお前である」という形に確実になるようにする、ということ。

She's gotta know that you're everything he's not. は everything he's not という表現を的確な日本語に訳すのが難しいと感じますが、「お前は、彼ではないすべてである」→「お前は、彼が持っていないものすべてである」、つまり「お前は(クズ男の)パウロとは全然違う男だ」ということを言っていると考えられるでしょう。

You're like, like the anti-Paolo. について。
anti- は日本語でも「アンチ」という通り、「反」という意味。
ジョーイが anti-Paolo という表現を使った後、チャンドラーは My Catholic friend is right. のように、カトリックという単語を使っています。

キリスト教に関しては、antichrist 「反キリスト」という単語があり、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。

antichrist [noun] the Antichrist also the antichrist :
the great enemy of Jesus Christ who represents the power of evil and is expected to appear just before the end of the world

つまり「悪の力を象徴し、世界の終わりの直前に現れると考えられている、イエス・キリストの大敵」。

anti- という言葉自体は、「反対、敵対」の意味で、様々な単語と結びつく接頭辞ですが、今回、チャンドラーがカトリックについて言及したのは、Paolo という名前も関係しているかもしれない、と思ったりしました。

今回のフレンズのエピソードが放映されたのは1995年ですが、その当時のローマ教皇(法王、Pope)はヨハネ・パウロ2世でした。
ローマ教皇はローマ・カトリック教会の首長であり、ヨハネ・パウロ2世は英語表記だと John Paul II となりますが、イタリア語表記だと Giovanni Paolo II となります。
ジョーイが Anti-Paolo と表現したことが、「Anti-Christ のキリストを、ローマ教皇の名前パウロで置き換えた」という連想が働いて、チャンドラーは「カトリック」という言葉を使ったのかな、と思ったということです。

distraught は「ひどく取り乱した、錯乱状態の」。
LAAD では、
distraught : so anxious or upset that you cannot think clearly
例)He was distraught over the breakup of his marriage.

つまり「非常に心配したり動揺したりして、明瞭に考えることができない」。例文は「彼は自分の結婚の破綻にひどく取り乱していた」。

ロングマンの例文も、人間関係の breakup について語られているように、人と別れた時の動揺を表現するのに適した言葉だということになるでしょう。

You're there for her. は「お前は彼女のためにそこにいてやるんだ」。
フレンズのおなじみのオープニングテーマ(テーマソング)は、ザ・レンブランツ(The Rembrandts)の I'll Be There for You ですが、それと同じ形です。
歌のタイトルの I’ll be there for you. は「君のためにそこにいてあげるよ」という意味。

pick up the pieces は直訳で「破片を拾い集める」ことから、「事態などを収拾する、後始末をする」という意味になります。
LAAD では、
pick up the pieces (of something) :
if you pick up the pieces of a business, relationship etc. that has had serious problems, you try to make it work again

つまり「深刻な問題が起こったビジネスや(人間)関係などの破片を拾い上げるというのは、それがもう一度うまく行くように頑張るということ」。

壊れてバラバラになった破片を拾い集める、という表現が、問題が起こってしまった事態を元通りに収拾する、という意味になるのは、イメージ湧きやすいなと思います。

usher in は「〜の到来を告げる」。
今回の usher は動詞ですが、名詞では「(劇場などの)案内係」という意味になります。
過去記事、俺と契約したいんだな フレンズ1-6改その7 では、
チャンドラー: the usher gave me this to give to you. (お前に渡してくれって、案内係が俺にこれをくれたんだ。)
というセリフで、名詞「案内係」として使われていました。
usher が人を招き入れるように「〜を案内して通す」という意味から「〜の到来を告げる」という意味になったわけです。
usher in a new era なら「新しい時代の到来を告げる」となります。

「ロスの時代」と言いながら、お芝居風に遠くを眺めるチャンドラーとロス。
二人の様子を見たジョーイが「一体何見てんの?」というように、同じ方向を見るのが、フレンズっぽくて面白いです。


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posted by Rach at 16:38| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする