2025年02月12日

シュリンクにしてはそんなにシュリンクっぽくない フレンズ1-13改その2

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01:54
フィービー: Isn't he great? (彼って素敵じゃない?)
レイチェル: He's so cute. And he seems to like you so much. (彼って素敵ね。それに彼はあなたのことがものすごく好きみたいね。)
フィービー: I know. I know. He's so sweet. And so complicated, you know? And for a shrink, he’s not too shrinky. You know? (そうなの、そうなのよ。彼はとっても素敵なの。そしてとっても複雑なのよ。それから精神科医にしてはそれほど精神科医っぽくないのよ。わかるでしょ?)
モニカ: So you think you'll do it on his couch? (それで、彼は自分のカウチでエッチすると思う?)
フィービー: Oh, I don't know. I don't know. I think that's a little weird, you know. It's vinyl... (あぁ、どうかしら。わからないわ。それってちょっと変だと思うの、ほら、ビニールだから…)

complicated は「複雑な、理解が難しい」。

shrink は「精神科医、精神分析医」。
精神科医には phychiatrist という単語もありますが、口語では shrink という単語がよく使われます。
shrink は「縮める」という動詞で、妄想で大きくなった頭を縮める人という意味の、head-shrinker からできた言葉です。
アメリカのドラマでは精神科医がよく登場するので、shrink はいろんなドラマで耳にする単語でしたが、少し前までの日本人英語学習者にとっては、あまり知らない単語だった気がします。
ただ日本でも近年では、『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』という人気漫画があり、それを原作とする中村倫也さん主演のドラマもつい最近(2024年8〜9月)放送されていたので、shrink の意味を漫画やドラマで知った、という方も多いのではないでしょうか。

And for a shrink, he's not too shrinky. について。
shrinky は、shrink(=精神科医)の語尾に -y を付けることで、形容詞っぽくした感覚になるでしょう。
not too shrinky は「ものすごく(いかにも)精神科医って感じじゃない」ということ。
for a shrink の for は「〜にしては」ということで、一般的な人と比べてどうかの話ではなく、「精神科医にしてはそんなに精神科医っぽい感じはない」と言っていることになります。

you'll do it on his couch の do it は「エッチする」という意味。
「カウチに上でする・やる」と表現してもそのニュアンスは伝わるでしょう。

vinyl は日本語の「ビニール」の元になった単語ですが、発音は「ヴァイナル/ヴァイヌル」という感じ。
レジ袋のようなビニール(ビニル)袋を指す場合は、vinyl ではなく、plastic という単語を使って、a plastic bag といいます。
包装に使われるビニール袋にはリサイクルのための「プラ」マークが入っていますが、それは「プラスチック製容器包装」だからです。
英語の vinyl は plastic よりも頑丈で強い感じの素材を指すようです。
今回もカウチの素材を指していますので、日本人がイメージするいわゆるビニールよりはもっと丈夫なものを指していると考えられるでしょう。
近年、昔のアナログレコードの人気が再燃というニュースを耳にするようになりましたが、あの黒いプラスチックのレコードのことを「ヴァイナル」や「バイナル」と表記しているのもよく見かけるようになりました。

フィービーはカウチの上でするかどうかの質問に対して、weird 「変(だ)」と言っていましたが、ベッドではなくカウチでエッチするのが weird だという話ではなくて、その vinyl の素材の感触が weird だと返したことになります。


02:16
(They all move to join Chandler, Ross and Rog on the couch.)
フレンズたちはチャンドラーの方に移動し、ロスとロッジ(ロジャー)はカウチにいる。
レイチェル: Okay. Any of you guys want anything else? (さてと。あなたたちの誰か、他に何か欲しいものは?)
チャンドラー: Oh, yes. Could I have one of those... (あぁ、そうだね。例のあれを一つ貰えるかな…)
レイチェル: No, I'm sorry. We're all out of those. Anybody else? (いいえ、ごめんなさい。うちではそれを全部切らしてるの。他の人は?)
チャンドラー: Okay. (わかったよ。)
ロジャー: Did I, did I miss something? (僕は、僕は何か見逃したのかな?)
チャンドラー: Nah, She's still upset because I saw her boobies. (いいや、彼女はまだ怒ってるんだよ、俺が彼女のおっぱいを見たから。)
ロス: Whoa, what, what d... What were you doing seeing her boobies? (おい、何、何を…彼女のおっぱいを見るとか何やってんだよ?)
チャンドラー: It was an accident. It's not like I was across the street with a telescope and a box of doughnuts. ((偶然の)事故だったんだよ。俺が望遠鏡とドーナッツ1箱用意して、通りの向こうにいた、みたいなことじゃない。)
ロジャー: (Laughs loudly) [大声で笑う]
レイチェル: Okay. Okay. Can we change the subject, please? (よし、いいわ。その話題変えていいかしら?)
フィービー: Yeah, cos, hello, these are not her boobies. These are her breasts! (そうね、だって、ほら、それは彼女のおっぱいじゃないわ。それは彼女の胸よ!)
レイチェル: Okay, Pheebs, I was hoping for more of a change. (ねぇ、フィービー。私はそれ以上の変更を望んでたんだけど。)

ウェイトレスのレイチェルは、フレンズたちに注文を聞いています。
チャンドラーは、one of those を使って、「例の…の一つを貰おうか」と言いかけますが、those の後の具体的な名前を聞く前に、レイチェルは、No. と即答します。
out of は「…を切らして、…がなくなって」。
「あれ、あるかな」と言おうとしたら、「あぁ、“あれ”はもう、一つもないわ。全部ないわ」とその品物が何かを言おうとする前に却下しているということです。
つまり、あなたが何を注文しようが、「どれも切らしてるわ」と言ってそれを給仕するつもりはない、あなたのお願いは一切聞かないわ、という意思表示をしていることがわかります。
このセリフから、レイチェルがチャンドラーに対して何か怒っていることが見て取れます。

Did I miss something? の miss は「…を見逃す、聞き逃す」で、「僕は何かを見逃したかな? 聞き逃したかな?」。
上のやり取りを聞いて、レイチェルがチャンドラーに対して何か怒っていることには気づいた、でもその原因がわからないので、僕の知らない事件やもめごとが何かあったのかな? と尋ねていることになります。

boobies, boobs は女性の胸(breasts)を指す幼児語。
ですから、日本語ではやはり「おっぱい」という感覚が近いでしょう。

What were you doing seeing her boobies? について。
What were you doing seeing... と、-ing 形が2回続いていますが、これは、「…を見るなんて、一体お前は何をやってたんだ」という感覚。
この What were you doing には、あきれや驚きの気持ちが込められています。

telescope は「望遠鏡」、a binocular telescope だと「双眼鏡」です。
ドーナツは、アメリカでは「警察官に付き物」の食べ物のように言われがちで、「警察官が好きな食べ物と言えばドーナツ」というステレオタイプなイメージがあります。
そういう警察官のイメージからの連想だとすると、across the street with a telescope and a box of doughnuts というのは、向かいのビルから望遠鏡(双眼鏡)を持って、容疑者の張り込みをするみたいに、ずーっとレイチェルの一日を追っていたわけじゃない、四六時中見張っていたわけじゃない、という感覚になるでしょうか。
あるいは(ドーナツ→警官、という連想ではなく)、ストーカーが、手軽に食べられるドーナツを片手に持ちながら、もう片方の手で双眼鏡を持ち、ずーっとレイチェルの様子を観察していた、というニュアンスかもしれません。
It's not like を使い、「通りの向こうで、望遠鏡とドーナツ持って」みたいなことじゃない、と言っているので、たまたま、事故で見てしまっただけで、見ようという意図があったわけじゃない、と言いたいことがわかります。

change the subject は「話題を変える」。
それを聞いて、「そうよ、おっぱいだなんて。それは胸って言うべきよね」と言うフィービー。
hope for は「…を期待する」で、more of a は「(…より)いっそう、(…より)もっと」。
この場合も、比較級の後ろに、than that が省略されていると考えると良いでしょう。
つまり、I was hoping for more of a change than that. ということで、レイチェルは、change the subject 「話題、主題、テーマ」を変えましょ、と言ったのに、フィービーは「あれは、boobies じゃなくて、breasts って言わなきゃだめよ」と、話題となっている対象の言葉についてだけ言ったので、呼び方を変えるだけじゃなくて、私はそれよりもっと変化を求めていた、言葉の言い換え以上の変化を求めていた、つまり、話題そのものを変えてしまうことを求めていたのに…と言いたいことがわかります。


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posted by Rach at 16:14| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする