2005年06月29日

フレンズ1-4その1

シーズン1 第4話
The One With George Stephanopoulos (レイチェルの憂鬱)
原題は「ジョージ・ステファノポロスの出てくる話」

もし全能になれたら何をしたいかの話をしていて、
フィービー: I would want world peace, no more hunger, good things for the rain forest. And bigger boobs. (望むことは、世界の平和、飢餓がなくなること、熱帯雨林に良い環境になること。それから、もっとおっきい胸ね。)
boobsとは、「(女性の)胸、おっぱい」。breastsとか他にも表現がありますが、フレンズではboobsがよく使われます。

チャンドラーは、
If I were omnipotent for a day, I'd make myself omnipotent forever. (もし全能になれるなら、自分を永久に全能であるようにしておくね。)
レイチェル: There's always one guy "If I had a wish, I'd wish for three more wishes." (「もし一つ願いがかなうなら、その願いを3倍にしてって願うね。」とかいう男って、どこにでもいるのよねぇ。」
チャンドラーの願いも、レイチェルのあきれた意見も、日本でもよくありがちなシチュエーションですね。
願いを3つかなえてやると言われて、何にしようか迷っているうちに、部外者がつまらない願いを言ってしまい(ラーメン食べたい、とか)、それであっという間に3つの願いがなくなってしまった、というギャグもよくあるパターンかと。
(はっきり覚えてないけど、うる星やつらでそんな話があったような?)

(2008.7.23 追記)
下のコメント欄でご指摘いただいたのですが、three more wishes は、「願いを3倍」ではなくて、「願いをあと3つ」という意味になります。
(追記はここまで)


モニカがジョーイに、
What would you do if you were omnipotent? (もし全能になれたら、何をする?)
ジョーイは深刻な顔で、
Probably kill myself. If little Joey's dead, then I got no reason to live. (多分、自殺するよ。もし、俺のムスコが死んじゃったら、生きている理由がないから。)
ロス: Joey, omnipotent. (ジョーイ、「全能」って言ったんだけど。)
ジョーイ: You are? (お前が不能なの?)
このやりとりは、ちょっぴりエッチで、なかなか面白いけど、日本語訳にするのは非常に難しい。
ジョーイだけ何か勘違いしてるようですが、これはomnipotent「全能」という単語を、まずimpotent(性的に不能)と勘違いしています。
それで、もう生きている甲斐もないとか、プレイボーイのジョーイらしいことを言うのですが、
さらにその間違いを指摘したロスのセリフ、
Joey, omnipotent. (ジョーイ、omnipotent(全能)だよ。)と教えたのを、今度は、
Joey, I'm impotent. (ジョーイ、僕が不能なんだよ。)
とさらに聞き間違ったので、
You are (impotent)? (お前、不能なのか?)
と聞き返しているのです。
ロスはジョーイにomnipotentという単語を教えるときに、ゆっくり発音していますが、
アムニパテントが、アイムインパテントに聞こえた、というわけ。
ロスは、脚本上、ジョーイが聞き間違えたのがわかるように、ゆっくりまぎらわしく発音してるようです。

家からセントラルパークまで何歩か計ってるジョーイに
チャンドラー: You got way too much free time, man. (お前、暇な時間ありすぎるんじゃないか。)
wayと言えば道のwayを思い出しますが、ここでのwayは、「ずっと、はるかに」、と副詞・前置詞を強める働きがあります。
too(非常に)とくっついて、way too「あまりに、はるかに、すごく」という意味でよく使われます。

hockeyという単語、日本語ではホッケーといいますが、英語ではハキーって感じに聞こえますね。

10月20日だと知ってパニクるロスに、
チャンドラー: Eleven days before Halloween? All the good costumes are gone? (ハロウィーンの11日前だから、もうレンタル屋には良い衣裳が残ってない、って心配してるのか?)
ハロウィーンには子供たちは仮装して、"Trick or treat!"(お菓子くれないといたずらするぞ。)と言って、近所の家を回りお菓子を貰います。
後にフレンズでもハロウィーンのエピソードが出てきます。

お給料日で喜ぶレイチェル
My first paycheck! Look at the window! There's my name! Hi, me! (私の最初の給料よ! この窓を見て! 私の名前が載ってるわ。はーい、ワタシ!)
paycheckとは給料支払小切手のこと。
アメリカでは、普通、小切手(check)で給料が支払われます。
給料日のことはpay dayと言い、2週間ごとにpay dayがあります。

フィービー: I remember when I got my first paycheck. There was a cave-in in a mine, and eight people were killed. (私も初めてのお給料のこと覚えてるわ。鉱山で落盤事故があって、8人も死んだのよ。)
モニカ: You worked in a mine? (フィービーって、鉱山で働いてたの?)
フィービー: No, I worked a t a Dairy Queen. Why? (いいえ、デイリー・クイーンで働いてたけど。何で?)
「何で?」って聞き返されても、給料日に落盤事故があったっていったら、職場での事故かと思うでしょ、という。
フィービーはただ単にその日にあったニュースを語っているだけなのでした。

給料が少ないとボヤくレイチェル、最初はこんなもんだと慰めるみんなですが、
ロス: By the way, great service today.(ところで、今日は、サービス良かったよな。)
とみんながチップをあげます。
やっぱり、カンパしたくなるほど、レイチェルのお給料は少なかったということで・・・。

レイチェルの友達(ちょっとオハイソな人たち)がセントラルパークに来て、レイチェルと再会を喜び合います。
手をバタバタ、キャーキャーという甲高い声を挙げて大騒ぎする様子を見て、
モニカ: I swear I've seen birds do this on Wild Kingdom. (私、「野生の王国」って番組で鳥があんな風にしてるの、見たわ。)
「野生の王国」と言えば、昔、TBS系で金曜日夜7:30から放送していた30分のドキュメンタリー番組だったと思います。(わっ、歳がバレる!)
モニカが言及してるところを見ると、もともとはアメリカの番組で、それを日本語に吹き替えて放送してたんでしょうか。

レイチェル: Tell me all the dirt. (いろんなゴシップ聞かせて。)
dirtは「汚れ、土、ごみ」という意味ですが(形容詞はdirty「汚い」)、「うわさ話、ゴシップ、スキャンダル」という意味もあります。
また、dirtyには、「汚い」以外に、「エッチな、みだらな」という意味もあり、フレンズでも時々使われています。
posted by Rach at 12:59| Comment(16) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
絶好調ですね。面白いです。フレンズは、第4話までしか持ってないんですよね。どうにかしないと、話についていけなくなりそう。困ったw
ところで、私はこのくらいの分量を書くと、3時間くらいかかりますけど、Rach さんはどうですか?

Posted by sat at 2005年06月30日 01:39
私もかなり時間かかってます。
最新投稿は、2時間30分くらい。
でも、実はネタ帳があるんですよね。昔、DVDを見始めた頃に、知らない単語とか、このセリフはこういう意味じゃないかとか、メモ程度にWordに書き溜めてあったんです。
でも、いざ、ブログとして書こうとすると、もっとちゃんと調べなきゃ、とかいろいろ気になって。人に読んでもらおうと思うと、文章も選んじゃいますしねぇ。
ブログ始めたばっかりで、ちょっと気負い過ぎてるのかも。
Posted by Rach at 2005年06月30日 14:34
やっぱり、そのくらいはかかりますよね。でも、その苦労は報われてますよ。読み応えのある作品に仕上がってます。だけど、毎日2時間以上は生活に無理が来ますよね。大丈夫ですか?
あまり無理の無いくらいで、長く続けてくださいね!
Posted by sat at 2005年07月01日 00:15
優しいお心遣いありがとうございます。(うるうる)
投稿時間からわかるとおり、私は専業主婦なのですが、
最近はブログどっぷりって感じで、ちとやばいかも。楽しいからいいんですが。

お勤めされていて、毎日ブログを更新されてる方って、すごいなー、って関心しちゃいます、本当に!!
時間がいっぱい欲しいですよねぇ。(私でもそう思いますから。)
Posted by Rach at 2005年07月01日 12:00
Rachさんって女性だったんですね(*_*)
  ・・・スミマセン、男性だと思って話してました。
なんで勘違いしたか、深〜く考えてみました。最初は名前がレイチェルの略で女性かなとか思ったんですが、「スタートレックのファン」とあったので、男だと思い込んだみたいです。一度思い込むと「Rachは麗一かなんかの略だろう」くらいに思ってました。
本当に失礼しましたm(__)m




Posted by sat at 2005年07月03日 18:54
いえ、別に謝っていただかなくても・・・。
「スタートレックのファン」なのをご存知なのは、ブログを隅々まで読んでいただいている証拠ですから・・・(笑)
確かにRachはRachelの略なんです。
フレンズの仲間たちがRachと呼んでいるのが、かっこいいなーと思ったもので・・・。
Posted by Rach at 2005年07月04日 12:54
シットコムで笑え!購入しました。
目からウロコです。
今まで無理してず〜〜〜と英語だけで見てました、、いろいろ。
それなりにわかっていたつもりでした。
でも日本語吹き替えでみるのもいいもんですね。
勘違いもたくさん見つけました。
こうしないと自分の物にならないんですね、だからいつもブロークンなんだなぁ、、

古いことですが 上のthree more wishesはあと3つ、って感じじゃないですか?3倍ではなく




Posted by こばたま at 2008年07月21日 11:02
こばたまさんへ
拙著を購入して下さったとのこと、ありがとうございます。嬉しいです!
また「目からウロコ」との言葉もいただけて光栄です。
確かに「英語だけで見る」というのは、英語力を伸ばすのに繋がるのですが、私自身が学んで来た感覚で言うと、最初から「英語だけ」というのは辛い気がするのです。結局わからない部分があやふやで「何となくわかった」気になってしまう、というか。かなり英語力がついてきた、と自信がついた時に、「英語だけ」に切り替えると、そこでものすごく伸びるような気はしています。

英語を学ぶことは「日本語に訳す」ことでは決してないけれど、「英語のニュアンスを深く理解するために、母国語である日本語を使う」ことは悪いことではない、というのが私の持論です。

それから、間違いのご指摘ありがとうございます。
ほんとですね、私、「その願いを3倍にしてって願うね」って訳していますね。完全な間違いです。「あとさらに3つ」で、お願いを合計4つにしてくれ、って言っているのですね。
また間違いがありましたら、よろしくお願いいたします。ありがとうございました!
Posted by Rach at 2008年07月23日 16:11
いや驚きました。
DVDで観た限りでは鉱山の会話、
さっぱり訳わかんなかったです。
「自分の会社かと思ってしまう」
これが補えるセンスってスゴイ!
拍手!拍手!パチパチパチパチ!
やはり一読の価値がある。
和訳であれ、英文であれ、
省略してある箇所は徹底的に
フォローしてもらいたいですね。
たいへんでしょうが、
がんばってください。
応援してます。


Posted by 福山似 at 2011年01月17日 18:44
福山似さんへ
コメントありがとうございます。
鉱山のセリフ、面白いですよね。当のフィービー以外は一瞬みんなポカーンとして、しばらくしてから納得する、その間もたまらないです。

センスを褒めていただき、一読の価値がある、と言っていただけて大変光栄です。
今回はたまたまわかっただけかもしれませんが(笑)、できるだけそういう部分を解説し、フォローしていけたらなと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2011年01月18日 15:19
where’s there’s
遂に正体を突き止めました!

目立つ表記なので確信犯の気がしてました。
先日、本屋を散歩して見つけた「日本人の英語」。
良く売れたのでご存知かもしれませんね。
この著者ピ−ターセン氏、他大学から自分のクラスに
英語を教えに来てくれていました。
それで思い切ってメールしてみると、返事を頂けました。

colloquial corruption
日本語だと「うろ覚え」が「うる覚え」と使われるものなど。
ただ話し言葉では使われず、文章で散見されるとのことです。

やはり正しくは、あなたのおっしゃるとおり
where there’s です。

1週間100円のレンタルで家庭内留学。
しばらく西海岸(フルハウス、Lの世界)に行って、
ふたりのレーチェルに会いたくなったら、
またニューヨークに戻ってきます。

ここに来られて楽しみが増えました。
ほんとにラッキーでした。

Posted by 福山似 at 2011年01月19日 19:31
福山似さんへ
貴重な情報ありがとうございます。

フレンズ1-2 で、DVD字幕が where's there's となっていた件、ただの間違いだと思っていたのですが、「うろ覚え」が「うる覚え」になる感覚、と言われると、なるほどなぁ、と思いました。
ついそんな風にタイピングしてしまう人がいる、という感じなのですね。やはり、あれだけ字幕で堂々と(?)書かれているので、そういう間違いをする人が結構いて、チェックの目もスルーしてしまった、ということなのでしょうね。

それから、ピーターセンさんからメールのお返事が来た、というお話、すごいですね! それにピーターセンさんに英語を習えるなんて羨ましい限りです。「日本人の英語」と「続 日本人の英語」は、私のお気に入りの本ですから。拙ブログの記事でも、コメント欄でも、何度もピーターセンさんのお名前を出させていただいています。どちらの本でも、ネイティブの感覚を、正しく美しい日本語で書いて下さっているので、本当に勉強になります。

「家庭内留学」、まさに私もそんな気分で学んでいます。「レンタル可能」という部分が実は結構大きいんですよね(笑)。英語教材は「高い」のが当たり前、という中で、ドラマや映画という「本物の英語」を教材として使う方法を身に付ければ、その教材が安くレンタルできちゃうわけですから。DVD学習法(あくまで、自分なりの、ですが)を確立した今となっては、もうそういう、ちまたの「高い英語教材」には全く興味が湧きませんし、そういうものに心を動かされることもありません。

「フルハウス」も面白いですよね。「Lの世界」は「見たいものリスト」には入っていますが、まだ見ていません。西海岸の作品には、有名かつ面白いものがたくさんありますが、また、たまにはニューヨークにも戻ってきて下さいね。(ふたりのレイチェル・・・とは言うものの、一人は大阪在住ですが…爆)

「楽しみ」「ラッキー」と言っていただけて光栄です。そのお言葉を励みに頑張ります! これからもよろしくお願いします。西海岸、楽しんで下さいね。
Posted by Rach at 2011年01月21日 14:46
Rachさん、こんにちは。

最後のほうで子供にパックをとられた子供に対してロスが言うセリフ、"I'm rubber, you're glue."(字幕は「相手見て、もの言えよ」)のニュアンスがよくわかりません。カードゲームでも使われている決まり文句のようですが、お分かりになりますか?
Posted by けろね at 2011年06月19日 18:03
けろねさんへ
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
そのフレーズにつきましては、フレンズ1-4 の追加記事2つで取り上げさせていただいています。

フレンズ1-4その4 ご質問
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470162.html
その言葉そっくり返すよ フレンズ1-4その5
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471518.html

初期のシーズン1の頃は解説が淡泊すぎて(笑)、後から追加記事の形で補足説明をしていることが多々あり、その分、目的の記事が探しにくくなってしまっていると思います。ご不便をおかけして申し訳ありません。
ざっと探していただいて見つからない場合は、どうかお気軽にお問合せ下さい。すでに解説済みのものであれば該当記事を案内させていただきますし、解説していない箇所であれば、また改めて説明させていただきます。

また、上記2つの記事の説明でわかりにくい箇所などありましたら、何なりとご質問下さいませ。
Posted by Rach at 2011年06月20日 15:25
Rachさん

ご回答ありがとうございました。

既に記事になっていたんですね。
きちんと探していなくて、お手数をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。

なるほど〜、おもしろい表現ですね。
カードゲームで使われているのも納得しました(この呪文?を唱えると相手に攻撃されたときと同じダメージを与えることができるのだと思います)。

自分だけで解決できないものを、すっきりと解説していただいて感激です。
ありがとうございました。
Posted by けろね at 2011年06月22日 00:13
けろねさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。感激と言っていただけてこちらこそ感激です。

記事を書いた本人(私)も、「確かどっかで書いたような…」くらいの記憶しかない場合もありますので、読者の方々に目的の記事を探していただくのはなかなか大変なことだと思います。記事数と文字数がやたらと多いブログですし…(そう言えば、今日の投稿で、投稿件数 1,600件目でした…笑)。
ですから今後もお気軽にお問合せ下さいね。
Posted by Rach at 2011年06月22日 16:09
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