アンドリューのところに行くというオーロラに
チャンドラー: I know there'll be many moments when I'll regret asking the following question, but...And Andrew is...?
(次の質問をしたことをこれから何度も後悔することになるだろうってわかってるけど・・・でも、アンドリューって・・・?)
オーロラ: He's new. (彼は、新しい恋人よ。)
チャンドラーは、自分の予想が当たってるだろうと思うのですが、それでも聞かずにはいられない、その悲しさが伝わりますね。
このまま楽しく過せればいい、いやいや、こんな関係には早くピリオドをつけるべきだ、と心の中で二人の自分が葛藤しているというチャンドラー。
オーロラ: So which one of the two guys will you listen to?
(それであなたはどっちの自分の意見を聞くつもり?)
チャンドラー: I have to listen to both. They don't let each other finish.
(どっちの意見も聞かなきゃ。二人とも相手にしゃべる隙を与えないんだ。)
let someone finishは「・・・に話を最後まで言わせる」という意味。
つまり、心の中の二人のチャンドラーは言い争いをしていて、相手の言うのが終わらないうちから、自分がしゃべってしまい、どちらの言うことも相手に伝わっていない、ということです。
Let me finish.は「最後まで話を続けさせて。最後まで言わせて(聞いて)。」という意味で、"Let me finish." "Let me finish." (私の言うことを聞きなさいよ。あんたこそ。)と口論しているシーンをよく見かけます。
この場合、2文目ではmeを強く発音します。「私の方こそ」最後まで言わせてよ、という感じ。
落ち込むジョーイ
I got fired! (クビになった!)
fireは「解雇する、クビにする」という意味です。You're fired!だと「お前はクビだ!」
逆にhireは雇うという意味ですが、You're hired.(君を雇おう。)とYou're fired.(お前はクビだ。)って、発音も似てるのに、正反対の意味なんです。まぎらわしいですね。
ジョーイ: I told everybody about this. (もうみんなにこのこと言っちゃったのに。)
というジョーイに、
レイチェル: No one will be able to tell. (誰もあなたのお尻かどうかわからないって。)
ジョーイ: My mom will. (ママはわかるよ。)
チャンドラー: There's something so sweet and disturbing about that. (素敵なようだけど、ちょっと不安にもさせる話だな。)
tellは「見分ける、わかる」という意味です。
ママならわかるとあっさり言うジョーイに、チャンドラーはちょっと「ひいて」しまってます。
フィービーが励まします。
You've gotta keep thinking about the day that some kid will go "I got the part! I'm gonna be Joey Tribbiani's ass!"
(こんな日が来るって思ってればいいのよ。どこかの子が「役貰えた。ジョーイ・トリビアーニの尻になれるぞ!」って言う日をね。)
assはbuttの卑語です。あんまり人前では使わない方がよろしいようで。
フィービーはボケたことを言って、みんなを煙に巻くことが多いですが、今回は、傷ついたジョーイにとてもsweetな言葉をかけて、優しい一面を見せてくれました。
(2007.3.27 追記)
この部分に当たるセリフのやり取りについて、この記事から1年8ヵ月後に(笑)、
フレンズ1-6その5 という、解説の追加記事を書きました。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)
みんなに几帳面すぎると言われるのがイヤなモニカ。わざと靴を片付けないで寝てしまいますが、ベッドの中で一人で悩んでいます。
If it bothers you that much, just go out and get the shoes.
(そんなに気になるんなら、出て行って、靴を取ってきたらいいのに。)
But then everyone will know. (でも、そしたらみんなにバレちゃうわ。)
Unless I get them, and then wake up really early and put them back.
(それとも、今取ってきて、朝すっごく早起きして、元の場所に戻しとけばいいのよ。)
I need help! (誰か、助けて。)
みんなに細かいと思われるのもいやだけど、出しっぱなしの靴も気になるモニカです。
このモニカの性格はこの後もずーっと続きます。
最近英語の勉強を始めてみて、リスニングの練習にフレンズが向いているということを聞いてこのサイトを見つけました。
いつも参考にさせていただいております。
御質問なのですが、アローラとの会話でチャンドラーが
「 But there's this other guy. Actually it's the same guy that wells up every time that Grinch's heart grows three sizes and breaks that measuring device」
と言っています。
字幕や日本語セリフでは「悪玉が成長すると出てくるお助けキャラなんだけど…」といった内容です。
このなかでGrinch's heartが悪玉に相当する部分だと思うんですが、なぜGrinch's heartで悪玉なのでしょうか?
後のthree size and breaks that measuring device
もよくわかりませんでした。(three size??って感じです・・・)
突然の質問で恐縮ですが、お答えいただけると幸いです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙ブログを参考にしていただいているとのこと、光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
さて、ご質問のセリフ、
But there's this other guy. Actually it's the same guy that wells up every time that Grinch's heart grows three sizes and breaks that measuring device.
について。
まず、Grinch's heart というのは「グリンチのハート(心)」。そのグリンチというのは、ドクター・スース(Dr. Seuss)の有名な児童文学「グリンチはどうやってクリスマスを盗んだのか」(原題:How the Grinch Stole Christmas!)に出てくる、クリスマスを嫌っているキャラクターの名前です。
2000年には、ジム・キャリー主演で映画化もされました。今回の フレンズ1-6 放映時(1994年10月)にはまだその映画は公開されていませんでしたので、チャンドラーはジム・キャリーが演じた映画の話ではなく、有名な児童文学の話をしていることになります。ドクター・スースの名前や作品は、フレンズ1-24 や、フレンズ2-18 にも登場しており、アメリカ人の間では誰もが知っている有名な作品、ということになるようです。
ちなみに、私は「フレンズ」を見るまでは、ドクター・スースのことはほとんど知らなかったのですが、「フレンズの基礎知識」(笑)として必要だと思い、何年か前に、絵本(英語版、日本語版)を読んで、ジム・キャリーの映画も見てみました。
そのため、自分の頭を整理し、情報をまとめる目的もあって、以下の説明が随分と長くなってしまいました。すみません。お気軽にさっと読んでいただければそれで結構ですので^^
そのドクター・スースの絵本の中で、グリンチは、his heart was two sizes too small と表現されています。そのようにハートの小さいグリンチが、街にクリスマスが来ないようにと街中のクリスマスプレゼントを盗むのですが、人々は楽しそうに歌を歌いクリスマスを祝っている姿を見て、グリンチがクリスマスの真の意味を悟る場面があります。その時に、
the Grinch's small heart grew three sizes that day
というフレーズが出てきます。グリンチのその小さなハートが大きくなったという描写で、このフレーズは、ジム・キャリーの映画にも出てきます。
また、この grew three sizes の意味については、絵本の日本語訳や、DVDの日本語訳で、以下のようにいろいろな訳され方をしています。
(絵本の日本語版)
その日 グリンチの きゅうくつな ハートが
3インチばかり ひろくなったと いわれてる!
(映画グリンチの日本語字幕)
フーたちの話では− 彼の小さなハートは
3サイズ大きくなったそうな
(映画グリンチの日本語音声)
フーのみんなが伝えるに、その日、その時、グリンチの
心はかつての3倍に、大きく膨れ上がったと
私も最初は「3倍に成長した、大きくなった」かと思ったのですが、英語は「3サイズ成長する」になっているので、「3倍」ではなく「サイズ(のランク)が3サイズ分、大きくなった」ということなのかなと今は思っています。日本語訳がそれぞれ異なるのは、子供向けの作品で「雰囲気重視」の面があるため、とにかく「あのグリンチの小さな心が大きくなった」ということがわかればいいから、3倍と表現してみたり、もしくは「3サイズ」ではピンと来ないから「3インチ」にしてみたり、という細工がされているということなのだろうな、と。
今回のチャンドラーのセリフを日本語に訳すと、
「でも(俺の心の中には)別の男もいるんだ。実際、それは、グリンチのハートが3サイズ成長して、測定装置を破壊するたびに、湧き上がってくる(現れる)のと同じ男なんだよ」
になるでしょうか。
このチャンドラーのセリフは、「俺の中には二人の男がいて、一人は「今の状態、最高じゃん」と言っている。そしてもう一人の男は「こんなの大変だから、逃げ出せ」と言っている」という流れですね。「こういう関係は良くないから、早く関係を断つんだ」と言っている男がいわば「善玉、お助けキャラ」なわけですが、、、
ちょっとここで気になるのは、「小さなグリンチのハートが3サイズ大きくなる」というのは、ちっちゃな心しか持たないグリンチが大きな心を持つ、という意味で「改心という善への傾向」を表している気がします。
上に書いて下さったように、DVDの日本語訳では、「そいつは悪玉キャラが成長すると、必ず登場してくるお助けキャラみたいなやつなんだけど」と訳されていましたが、その場合は「グリンチのハートが3サイズ成長」→「悪玉キャラが成長」だと解釈されたことになりますね。「3サイズ成長」の後に、「測定装置を破壊する」みたいに言っているのが、確かに悪玉の身体が大きくなっている様子を連想させるのですが、本来の原作では「心が3サイズ大きくなった」というのは、改心の場面に出てくる言葉なので、実際にはどっちを指しているんだろう?と悩んでしまうわけです。
マンガチックな描写としては、例えば誰かを好きになってハートがどんどん大きくなって、計測不可能になって計器が爆発!みたいなこともあり得ますし、「測定装置を壊すほどハートが大きくなる」ということが、愛や善などの良い方向の心の成長を示す描写にもなり得る気もするわけです。
「グリンチのハートが3サイズ大きくなり、測定装置を破壊」したことが「悪玉の成長」を語っているとすると、「そのたびごとに湧き上がる、現れる男」というのは、その悪玉を阻止するために彼に対峙する形で出てくる男になるでしょう。
「3サイズ成長」の話が「善玉になる、良い人間になる」ことを言っているとすると、グリンチのハートが大きくなることで、グリンチ自身の中に善き人格が現れる、あふれ出てくる、という意味になるように思います。
今の私の見解では、「グリンチのハートが3サイズ大きくなる」というのは善の表現で、チャンドラーの心の中に善の自分(天使と悪魔で言うなら天使)が出てくる様子を、「グリンチの心が大きくなって、グリンチの中に善きグリンチが生まれた様子」に例えたのが、今回のセリフになるように思います。
なるほど児童文学のセリフが元ネタだったのですね。こういった派生的な知識も身につけていけたら素敵ですね。
自分の中では、元ネタとは違ってGrinch's heart=悪玉で、それが成長する(grew three sizes )お助けキャラ(one guy's going 'Shut up! This is great!)が出てくる。
といったことなのかなと思いました。
あと、heart=胸(バスト)なので、3インチや3倍よりは3サイズ大きくなる、っていうのがしっくりきました。
ありがとうございました!
今後も英語の勉強の一環でフレンズを見ていくつもりです(最近は勉強というよりは、ただ楽しくてみている感じですが笑)。
またわからないことがあったらご質問させていただくかと思いますが、御回答いただけたら幸いです<(_ _)>
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。私が書いた長すぎる説明(笑)をきちんと読んでいただけたことに感謝します。
「グリンチ」は、ジム・キャリー主演で映画となったこともあって、日本でも有名のようですが、私自身、公開当時にその映画を観なかったため、フレンズでこのセリフを聞いた時も、「何かグリンチに関係するネタみたいだけど、、」というだけで終わっていました。こういうブログを書き続けるようになって、「せっかくだから元ネタをきちんと確かめてみたい」と思ったのが、こうしてお役に立てて、とても嬉しいです(^^)
grows three sizes というのが、意外と「?」ってなってしまうところでしたが、私もいろんな訳の中で、今では「3サイズ大きくなる」が一番しっくり来る気がします。
楽しく見続けられる、というのが何よりですよね。また疑問に思われたところなどありましたら、お気軽にご質問なさって下さいね。