シーズン1 第8話 The One Where Nana Dies Twice (陽気なお葬式)
原題は「おばあちゃんが2回死ぬ話」
チャンドラーは会社で同僚のシェリーと話をしています。
シェリー: I met somebody who would be perfect for you. You want a date Saturday? (私、あなたにピッタリの人見つけたわ。土曜日、デートしたくない?)
チャンドラー: Yes, please. (うん、お願い。)
同僚: He is cute. He's funny. He's... (彼は可愛いし、彼は面白いし、彼は・・・)
チャンドラー: He's a he? (「彼」って、男?)
シェリー: Well, yeah. Oh, God! I just... I'm gonna go flush myself down the toilet now. (えぇ、そうよ。あら、やだ。私はただ・・・私、今から自分をトイレに流してくるわ。)
チャンドラーはデートをセッティングしてくれるというので喜びますが、なんと紹介された相手は男!
同僚は、チャンドラーをゲイ(同性愛者)だと思っていたようです。
やばいと思った同僚は、去っていきますが、「自分をトイレに流してくる」というのは面白い表現ですね。
日本語では、恥ずかしい時、「穴があったら入りたい」とは言いますが・・・。
今度、気まずいことがあった時は、この「トイレに流す」を使ってみよう、うん。
みんなにゲイに間違えられた話をするチャンドラー
Can you believe she actually thought that?
(彼女、本当に俺をゲイだと思ってたなんて、信じられるか?)
レイチェル: When I first met you, I thought maybe...possibly...you might be.
(私も最初にあなたに会った時、もしかして、ゲイかもって思ったわ。)
実は、少なくとも女性陣はみんな最初の頃、チャンドラーをゲイだと思っていたことが発覚。
チャンドラー: So what is it about me? (俺に一体なにがあるっていうんだ?)
フィービー: I don't know. Because you're smart, you're funny... (わからないわ。あなたは賢いし、面白いし・・・)
チャンドラー: So is Ross. You ever think that about him? (ロスも賢いし、面白いよ。ロスもゲイだと思ったことある?)
みんな: Yeah, right! (まさか!)
ゲイの人は「賢くて面白い」というのが、アメリカ人の共通した概念なのかもしれません。
アリーmy Loveでリチャードという弁護士が、「ゲイの人は、小さい頃から「自分は他の人たちと何か違うかも。それは何故だ。」と理由を探すために、いろんな本をたくさん読んで勉強してるから、賢いんだ。」とか言っていました(それが真実かどうかは知りませんが・・・)。
Yeah, right!は直訳すると、「はい、その通り!」となるように思いますが、実は、「そんなはずはないよ。」という逆の意味になります。
みんなの表情や声のトーンを聞いていると、ちょっと小バカにした感じがします。
バカバカしい話を聞いた時に、ジョーイが"Yeah, right!"と言っているのをよく聞くように思います。
ニュアンスとしては、「はぁ、その通りだよね、全く!」と言いながら皮肉っているのです。
モニカ: You just...You have a quality. (チャンドラーはただ・・・そういう資質があるのよ。)
qualityは「資質、特質」。
理由を聞いても、「ゲイの資質があるから」と言われては、反論のしようもありませんね。
どうする、チャンドラー!
Nana(おばあちゃん)の具合が悪いと電話連絡を受けたロスとモニカは、慌てて病院へ。
ロス: How's she doing? (おばあちゃんの具合は?)
おばさん: The doctor says it's a matter of hours.
(お医者さんは、時間の問題だ、って。)
Nanaは「おばあちゃん」という意味です。
辞書をひいてもあんまり載ってないんですが、スタートレックでもドクター・クラッシャーが自分の祖母をNanaと呼んでいたように思いますので、よく使われる表現のようです。
a matter of hoursは「時間の問題」、つまり、あと何時間かくらいしかもたない、ということ。
It's a matter of time. 「それは時間の問題だ。」というふうにも使います。
母: What's with your hair? What's different?
(あなたの髪、どうしたの? どこか髪型変えた?)
モニカ: Nothing. (何も変えてないわよ。)
母: Oh, maybe that's it. (あぁ、それでだわ。)
また母に、「いつもと一緒だから、変な髪形なのね。」と言われてしまう、かわいそうなモニカ。
ロスに母の仕打ちを訴えますが、
ロス: We are gonna be here a while, it looks like. We still have boyfriends and your career to cover. (僕らはしばらくここにいなきゃならないようだ。まだまだ話題として取り上げる、ボーイフレンドネタとか仕事ネタがあるんだぞ。)
careerは日本語のキャリアですが、発音は、カリアで、リにアクセントがあります。
かなり日本語のキャリアとは発音が違うので、注意が必要です。
(Rachからの感謝の言葉)
今日(7月20日)、DIONのLOVELOGの「学問」カテゴリで、このブログが20位にランクインしていました!! (やったぁー!)
それもこれも、私のつたないブログを読んで下さり、応援して下さった方々のお陰だと、心より感謝いたしております。
これからも頑張りますので、どうかよろしくお付き合い下さいませ。
あの〜、フレンズってストーリーに連続性があるんでしょうか?
見るならシーズン1から見た方がいいのかな?
(ちなみに「24」はシーズン1から見ないとわかりにくいです。笑)
フレンズは基本的に一話完結形式です。
が、たまに前後編がありますし、シーズンをまたぐ場合には、次のシーズンへの期待を高めるため、わざと「これからどうなるの?」というシーンで「続く」の文字を出す、というパターンも多いです。(これは「クリフハンガー」というそうです。)
もちろん大きな流れとしては連続性がありますが、どのエピソードから見てもついていけるという点で、フレンズをオススメする人が多いようですね。
個人的には、どこから見ても大丈夫だと思いますよ。
4-1(笑) 他のシーズンは1が借りられてた…
やっぱり途中からでもシーズンの初めから見たいし。。
頑張って書いてる甲斐がありました。
シーズン4も面白いですよ!
このブログがシーズン4まで行くには、まだまだ遠い道のりですが・・・。
その頃まで、ちゃんとやめずにブログ書いてるだろうか、私は。
http://www.myjellybean.com/dream-dictionary/dream-dictionary-toga-torpedo
トイレ
夢の中でトイレを見るというのはあなたの感情を開放したり、暮らしの中で役に立たない何かから解放される必要があることを意味しています。
もしあなた自身がトイレの水に押し流される夢を見るなら、精神的にずっと打ちのめさせてきたある状況についての感情をもはや隠すことはできないでいます。
トイレを使っているのを見られるという夢を見るのは十分なプライバシーを得たいという欲求不満の表れです。それはまたあなたが古い感情を忘れるのに困難を生じていることを意味するのかもしれません。あなたがもしこの感情を打ち明けると周りの人が判断を下してあなたを批判するかもしれないとあなたは恐れているのです。詰まったトイレの夢を見るのは解放され気持ちを伝える必要のある感情が抑圧されているか未解決のままであることを象徴しています。
こういう夢判断のような内容はいろいろな形でかなり広まっているような気がします。
なぜかユーチューブにこのフレーズを映像化したものがあります。
あまり見たくない夢ですが。
コメントありがとうございます。
トイレの夢についての夢判断のお話、面白いですね。「解放される」という話もなるほどなぁ、と思います。いかにも、夢分析の対象になりそうな行為であるともいえますね。
flush myself down the toilet という表現、私もこの記事を書いた当時、面白いなぁ、と思っていたのですが、少し前に別の作品を見ていて、これに似た表現に出会ったことがありました。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で、未来にタイムトラベルしたマーティが、老人になったビフにマーティ・ジュニアと間違われて、「お前の親父(つまり、マーティ本人)は負け犬だ」などと言われるシーン。
老人ビフは、マーティのことを、
The man who took his life and flushed it completely down the toilet. (自分の人生を、完全にトイレに流してしまった男だ)
と言っていました。
日本語で言うところの「人生をドブに捨ててしまった」みたいな感覚なのでしょうね。
私はこの映画を大学生の頃に見たのですが、ただ映画館で見ただけで、その当時は英語のセリフを確認するということはしませんでした。(パート1はスクリプト本を買って勉強したのですが…)
最近になって改めて見てみると、チャンドラーの同僚シェリーが言っていたのとよく似た表現が出てきたので、「この作品にこんなフレーズが出ていたのか!」と驚き、それがわかったことがとても嬉しかったです。
早速ですが・・・(笑)
おばあちゃんのお葬式にみんなで出掛ける時に、チャンドラーが言った
セリフ It's stuff like that,isn't it? 字幕ではこれに「不謹慎
でした」と出ていましたが、どうしてそうなるのかいまひとつピンと来ません。stuffをいろいろ調べてみたら、That's the stuff で その通りだ、いいぞ というのと Stuff like that でそれに類したもの、と
見つかりました。 2つ目のがこれかなぁ・・・と思うのですが・・・
やっぱりどうして不謹慎となったのか判りません。
解説していただけると嬉しいです。
ご質問ありがとうございます。
It's stuff like that, isn't it? については、
フレンズ1-8(その4) のコメント欄
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470052.html#comment
で、いただいたご質問に答える形で、他の読者の方々と意見を交換しています。
以前にもそのフレーズで他の方からご質問いただいたことがあるように、多くの方が「この意味は何?」と引っ掛かってしまう部分のようですね。
かく言う私も、最初にご質問をいただいた時、よくわからないですね、みたいな返事をしていたのですが、その後、いろんな方からご意見をいただいて、その都度、自分なりの最新の解釈をコメント欄で書かせていただきました。
もしお時間があれば、上のリンク先の、フレンズ1-8(その4) のコメントを一通り読んでいただければありがたいです。私の意見が二転三転している様子もわかっていただけるかなと思います。
一応、(その4) でのコメントのやりとりを下に簡単にまとめさせていただきますと…。
最初は、
「今、言ったみたいな感じのことだな(それがゲイに間違えられる原因なんだな)」「みんなが、quality って言うのは、今みたいなやつのことなんだな」
という解釈でいったんは納得していたのですが、その後、いただいたご意見で、「何でいつもみんなにゲイだと思われるのか、その理由がわからない、というのがエピソードのテーマでもある」ということから、「今みたいに、服装を nice と褒めたりするのがゲイっぽいっていうんだな?」ということでは、「言葉の言い回しがゲイっぽい」ということになってしまう、それだと、「理由はわからないがなぜかゲイと間違えられてしまう」というエピソードの主旨とずれてしまう、ということになるので、やはりその解釈は違うのかなぁ、と思うようになりました。
今も「絶対にこれだ!」と断言できるわけではないのですが、最新の私の考えでは、最後にもらったご意見の「ここはこう言う場面だろ、違った?」という解釈が一番近いような気がしています。お葬式だとわかっていながら、あえて場をなごませようとして、「みんな、今日はおしゃれだね」みたいに不適切を承知で言ったのに、「そんな不謹慎なこと言うぅ〜?」みたいに見られてしまった、という面白さなんだろうと思うということです。
日本語訳としては、「そんな感じのことだろ?」になるわけですが、「何が”そんな感じのこと”なのか?」が漠然としすぎていてわかりにくいため、私を含め皆さんを悩ませることになっている気がしますね。
合わせて、皆さんとの意見交換読ませていただきました。
当たり前ですが、会話のやり取りが続く中でのこの言葉なので、
ず〜っと繋がっていたんですね。英語を聴いて字幕で確認して、
だけの作業ではないこと、改めて感じていました。
(ゲイの話にまで遡っていたなんて、ビックリです)
でも「フレンズ」を観て、それぞれに感じた思いや疑問点について
意見交換出来るって凄いことだし、本当に勉強になります。
話している時の表情や仕草などには、あんまり注意払っていなかったかも・・・でもそういうところもじっくり観て どういう気持ちで話しているのか、とかまで読み込むことでさらに奥深いものになるなぁ〜と思っています。
ますます「フレンズ」にのめり込みそう・・・(笑)
これからもドンドン質問させてくださいね。
どうぞよろしくお願いします。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
コメント欄の(長い…笑)やりとりも読んでいただきありがとうございました。
「話している時の表情や仕草」というのは、実はかなりのヒントになることが多いのです。私もセリフの「文字」ばっかりを追い過ぎてしまって、読者の方に後からご指摘を受けたことも何度もあります。
そんな風に、表情や動きと共に英語を学べるのが、ドラマを使った英語学習法の醍醐味ですよね。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
私は、1−8が結構好きです。
冒頭の「Hey Gorgeous」が、字幕では「色男さん」となっていて、面白いなと思いました。
こんな呼びかけもありなのでしょうかね。それともあまり品は良くない言い方なのか・・・
Nanaがおばあさんのこと、というのも初めて知りました。
私には孫が2人いるのですが、「Grandma」と呼んでもらっているんです。
Nanaにすればよかったかしら、なんて少し思いました。
こんにちは。コメントありがとうございます。
私も 1-8 は大好きなんですよ! すごく面白いエピソードですよね。
gorgeous は「素敵な、素晴らしい」という意味で、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも以下のように出ています。
gorgeous [adjective] (informal) : extremely beautiful or attractive
例) Liz is absolutely gorgeous.
つまり、「(インフォーマル) きわめて美しい、または魅力的」。例文は「リズはものすごく美しい」。
ロングマンでは、see thesaurus box at attractive/beautiful と書いてあって、attractive/beautiful の類語ボックスを参照するように指示してあるのですが、そこを見てみると、
gorgeous/stunning : used about anyone who is very attractive
と説明されています。attractive や beautiful の類語であり、「非常に魅力的な誰かについて用いられる」ということになります。インフォーマルということなので、会話調の口語体、くだけた表現ということにはなると思いますが、純粋な褒め言葉ですね。
今回の会話では、そういう極上の褒め言葉をわざと使って、くだけた感じで呼び掛けてみた、というところでしょうね。
nana については、Macmillan Dictionary に以下のように出ていました。
nan / nana :
a name for your grandmother. This word is used mainly by children or when speaking to children.
つまり、「自分の祖母に対する名前。この言葉は主に子供によって使われるか、または子供に話す時に使われる」。
グランマという響きもいいですが、ナナというのも素敵ですよね(^^)
たくさんのことを教えていただいてありがとうございます。
Rachさんの調べる力に感心するだけでなく、自分でも調べたりしないといけないですね。
Rachさんに投げかけると多くのことが返ってくるので、つい甘えてしまっています。
でも、Rachさんとのやり取りが楽しく、フレンズを見たり、英語に取り組むモチベーションになっているので、許してくださいね。
こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございます。
「投げかけると多くのことが返ってくる」と言っていただけて光栄です。私も一人で一方的に記事を書いているだけではなく、コメントやご質問を投げかけていただけることが、本当に楽しく嬉しいのです。
これからもどうかご遠慮なく、どしどしご質問なさってくださいね(^^)
1ヶ月程前からフレンズで英語の勉強を始めて、いつもこちらの解説を大変参考にさせていただいております。
1-8の冒頭のチャンドラーの台詞に、
Dehydrated Japanese noodles under fluorescent lights. Does it get better than this?
とあります。この2文目のDoes it〜?の部分ですが、日本語訳では「元気がでると思う?」「これって元気に見えるかな?」となっていました。
直訳すると、これ(蛍光灯の下でカップ麺)より良くなることがある?となり、実際は逆の意味で言っているんだな〜となんとなくの文の意味はわかるのですが、この文のitはどういう用法で使われているのでしょうか?
程度の低い質問で申し訳ないですが、もしお時間あれば教えていただきたいです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙ブログの解説を参考にして下さっているとのこと、とても光栄で嬉しいです♪
それでは早速、ご質問について。
英語の it のニュアンスは、ノンネイティブの日本人には理解するのが難しい部分ですから、「程度の低い質問」などということは全くありませんので、どうかご安心下さい(^^)
Does it get better than this? の it は「漠然とした状況を it で表している」と考えれば良いと思います。日本語には敢えて訳さない方が良い it ですね。
この部分の会話は以下のようになっていました。
シェリー: Hey, gorgeous! How's it going?
チャンドラー: Dehydrated Japanese noodles under fluorescent lights. Does it get better than this?
シェリーが「調子はどう?」と尋ねているセリフも、主語が it になっていますが、これも「状況」だと考えれば良いでしょう。
How's it going? = How is it going? ということで、直訳すると「it (漠然とした状況)は、どんな感じで・どんな風に進んでる?」というところです。そこから「状況はどう? 調子はどう?」のような意味になるのですね。
その同じ it を受ける形が、チャンドラーの Does it... の文章になると思います。
チャンドラーのセリフを直訳すると、「これ(蛍光灯の下でカップ麺食べてる状況)よりも良くなることがあるだろうか?」で、「これ以上良くなることがある(と思う)?」というのは、「これ以上のものがないくらい最高」であることを示していますが、これは Umiさんのご推察通り、「実際は逆の意味」で、「蛍光灯の下でカップ麺を食べているという、全然イケてない自分の状況」を、自虐的な皮肉として「これ以上最高なことってないだろ」みたいに表現しているわけですね。
フレンズ1-6 で、could she BE more out of my league? というセリフが出ていましたが、このような「より〜なことがあるだろうか?(いや、ない)」という「比較級+疑問文で、反語的に最高であることを示す」のは、チャンドラー独特の言い回しっぽいもので、今回の 1-8 のセリフもそれに似たものと考えて良いと思います。
Does it GET better than this? と動詞 get の部分を強調して話しているところが、could she BE more... のように動詞を強調しているのに通じる部分がありますよね。
How's it going? と聞かれて、It's good/great. It's bad. などと答える感覚の it と同じことになりますが、先に「蛍光灯の下でカップ麺」という言葉を出したため、シェリーの質問とチャンドラーの答えとの間に余計な一文が入る形になっていることと、It's great. 「最高」のような意味で Does it get better than this? 「これ以上よくなることがある?」と回りくどい言い回しを使っていることの両方で、この it はわかりにくくなっていると思います。
貴重なご質問、ありがとうございました(^^)