2005年07月21日

フレンズ1-8その2

おばあちゃんのことを話す家族たち。
ロス: You know what I love? Her Sweet'N Lows. How she was always stealing them from restaurants.
(何が懐かしいと思う? おばあちゃんのスウィートンロウ(ダイエット甘味料)だね。いつもレストランからくすねてたろ。)
父: Not just from restaurants, from our house.
(レストランだけじゃない。うちの家からもだ。)
Sweet'N Lowと言えば、第1話で、ウェディングドレス姿のレイチェルが、これを使っていました。
おばあちゃんは、ダイエット甘味料フェチなのか?

おばあちゃんが亡くなり、別れの挨拶をしていると、おばあちゃんがピクっと動いてびっくり!!
ロス: She's not passed! She's present! She's back!
(おばあちゃんは亡くなってないよ! 今ここにいるんだ! この世に戻ってきたんだ!)
父: She may have died. We're looking into it.
(いったんは死んだのかもしれない。目下調査中だ。)
passは「通過する、過ぎ去る」という意味です。そこから、「亡くなる」という意味にもなります。
普通はdie(死ぬ)の婉曲語として、pass awayという形で使います。
may have diedは、may+have+過去分詞で、過去についての不確実な推量を表します。
look intoは「・・・を調査する、詳しく調べる」という意味ですが、パパはこのおばあちゃんとは血のつながりがないので(ママのママだから)、ひとごとみたいで、緊迫感に欠けています。

病院からセントラルパークに戻ってきた二人。
ロス: I know she's gone, but I just don't feel... (おばあちゃんが亡くなったのはわかってるんだ。でも、なんかそういう感じがしなくて・・・)
フィービー: Maybe she's not really gone. (多分、おばあちゃんは亡くなってないのよ。)
ロス: No, no, she's gone. (いや、死んだ。)
モニカ: We checked. A lot. (チェックしたんだから。何度も。)
goneも死ぬ、という意味です。あちらの方へ「行ってしまった」という感じ。
ロスとモニカは、ちょっと不謹慎ですが、「生き返った」騒ぎで、精魂尽き果ててしまったのでしょう。A lot.「たくさん(チェックした)。」という単語に二人の、「もう勘弁してよ。」という気持ちが見えますね。

フィービー: No, I mean, maybe no one ever really goes. Ever since my mom died, every now and then...I get this feeling that she's, like, right here, you know? (いいえ、多分誰も本当には死なないのよ。私のママが死んでからも時々、感じるのよね、ママが、ほら、ちょうどここらへんにいる、ってね。)
ギョッとした顔で、「ちょうどここらへん」から離れるチャンドラー。

フィービーの死生観は続きます。友達のデビーは死んだけど、
フィービー: I always get this strong Debbie vibe...whenever I use a little yellow pencil. (いつも強い「デビーの霊気」を感じるの・・・ちっちゃい黄色の鉛筆を使ってるとね。)
vibeはvibrationの略で、霊気や精神波などのことです。
フィービーはちょっと霊感が強いタイプで(本人がそう思ってるだけかも)、この手の発言は多いです。

現実的なジョーイは
I think when you're dead...you're dead. You're gone. You're worm food.
(人が死んだら、確かに死ぬんだ。どこかへ行っちゃうんだ。虫のエサになるんだよ。)
ここでのyouは他の5人を指しているのではなく、世間一般の人を指しています。
「あなたを含んだ一般の人」というニュアンスです。
友達の身内の死があったばかりなのに、あまりに不謹慎な発言で、みんなににらまれるのでした。

デビーを思い出すフィービーに、レイチェルは自分の持っている黄色い小さな鉛筆を貸してあげますが、
フィービー: I don't know who this is, but it's not Debbie. (これは誰だか知らないけど、デビーじゃないわ。)
デビーじゃない、だけならいいんですが、やっぱり誰か知らない人のvibeは感じるらしい。
鉛筆をこわごわ受け取るレイチェルでした。

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posted by Rach at 12:29| Comment(8) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは。
最近シーズン1に戻って見直しています。
そこでこのお話について質問させてください。

ロスの台詞の
How she was always stealing them from restaurants.
のHowの使い方がよくわからないのですが、これは強調しているのでしょうか?ぜひ教えてください(^^♪

余談ですが、最近になって日本版のDVDにはカットされているシーンがあるというのを知りました。
Rachさんの過去の記事を読ませていただいたらRachさんもその話題をコメント欄でされているのを見つけました♪
勉強するときにスクリプトのサイトを見ていたら知らない台詞があって、こんなのDVDにはなかったのにどういうことなんだろう!?
と思って調べたのがきっかけです。
アメリカに今月行くので、未公開シーンを見たい私はアメリカ版DVDを買ってきてしまいそうです笑

Posted by proy at 2007年11月01日 12:16
proyさんへ
記事中に私が書いた日本語訳は、
ロス: You know what I love? Her Sweet'N Lows. How she was always stealing them from restaurants. (何が懐かしいと思う? おばあちゃんのスウィートンロウ(ダイエット甘味料)だね。いつもレストランからくすねてたろ。)
ですが、その日本語には、how のニュアンスがはっきり出ていませんね。
昔は、今よりも日本語訳が大雑把でした…というか、雰囲気で書いてるみたいなところがありまして(笑)。

You know what I love? で「僕が愛する・好きな”もの・こと”は何だと思う?」と言っています。
その後に続く、Her Sweet'N Lows と How she was ... はどちらも、love の目的語、つまり、その「好きなこと」の内容を述べているのですね。
つまり、I love her Sweet'N Lows. I love how she was always... ということだと思います。
How she was always stealing them from restaurants は「どんな風に、それをレストランからいつもくすねていたか」ということで、how は「そのさま、その様子」という感じでしょうか。
how は「どんなふうに、どのようにして、どのような手段・方法で、いかにして」ということですね。

ですから、ロスがおばあちゃんのことで何を懐かしがっているかと言うと、「おばあちゃんで懐かしいと思い出すのはあれだよね。おばあちゃんの大好きなスウィートンロウ。そして、それをくすねている姿だよ。」
ロスの頭の中には、いつもおばあちゃんがレストランにあるそれをこっそりふところにしまっていた(?)姿が思い浮かんでいる、という感じかな、と私は思いました。

随分後のエピソードになるのですが、フレンズ3-6その4
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470912.html
に、
ロス: Yeah, y'know how I have you guys? (あぁ、ほら、僕は君たちみたいな友達を持ってるだろ?)
というセリフがあります。
y'know how I have you guys? を直訳すると、「僕がどんな風に君たちを持っているか知ってるだろ?」ということで、それは「こんな風にいつも一緒に時間を過ごして仲良くしている様子」を説明しているのだと思います。

私もコメント欄で教えていただいたのですが、フレンズ1-1 (パイロット版)はかなりカットされているようですね。(他のエピソードにもカットされているものがあるのかしら?)
今月アメリカに行かれるんですか。いいですねぇ…。
北米版はDVDのリージョンコードというのが違うので、通常の日本のプレーヤーでは見られないそうです。私は北米版を見られるプレーヤーを持っていないのですが、アメリカに行ったら、絶対に記念に買ってきちゃうと思います(笑)。
Posted by Rach at 2007年11月02日 10:20
こんにちは!
とてもわかりやすい回答ありがとうございました(^^♪


どうやらどのお話も少しずつカットされているようなんです(゜_゜)
私は特にシーズン6の最終話が大大大好き笑、なもので、アメリカ版見てみたいんです〜!!!
スクリプトを確認したときに知らない台詞があったので、やはり日本版はカットされているんだぁとそのときに思いました。
リージョンフリーのプレイヤーをもっていまして、年末はアメリカ版フレンズで年を越したいなんて考えております笑
初めてのアメリカなので、きちんと見つけられるか心配です^^;

それともう一つマニアックな質問をさせてください。
ロスとフィービーは大晦日に喧嘩とかなにかトラブルを起こしたことはありますか?
何度見ても理解できない会話があるんです(;O;)気になってしまって…
もしよかったら教えて下さい(^^♪


Posted by proy at 2007年11月02日 12:34
proyさんへ
「どのお話も少しずつカットされている」のですか!?
シーズン6の最終話かぁ…あれは本当に素敵な話でしたよね。私、あれを見てボロボロ泣いてしまいましたよ(笑)。
私もリージョンフリーのプレーヤー買おうかなぁ、あぁ、きっとそのうちに買っちゃいますね(笑)。

えーっと、その「マニアックな質問」なんですが、その「理解できない会話」というのは、フレンズ7-5 のロスとフィービーの会話、でしょうか?
そのエピソードで二人は言い合いをしていて、大晦日の話も出てきます。

もしその会話のことじゃないとしたら、どのエピソードのことか教えて下さい。
もし、その会話のことでしたら、ネタバレにならない程度に説明できるとは思います。
Posted by Rach at 2007年11月03日 08:08
私も泣いてしまいました〜!!他の回の数倍は見ていると思います笑
アメリカ版を買ってこれたら本当にカットされているシーンがあるかお知らせしますね(^^♪

はい、そうです、そうです!まさにその回の二人の会話です。
7−5とわかってしまうRachさんがすごいですね〜!!その回を初めて見たのは6月頃だったのですが、ネットで調べたり何度が見直したのですが、やっぱりわからずで…
ネタバレになってしまうかなと思い質問するのを控えていたのですが、気になってしまい質問させていただきました。
どうぞよろしくお願いしますm(__)m
Posted by proy at 2007年11月03日 09:51
proyさんへ
なぜ 7-5 だとわかったかと言うと、スクリプトで New Year’s Eve というフレーズで検索して見つけただけなんですよね(笑)。

ネットスクリプトではそのやり取りは以下のようになっています。
フィービー: Yeah well, she certainly knew what she was doing New Year’s Eve 1997.
ロス: (angrily) I knew you were gonna throw that in my face!! That was three years ago! She apologized and she apologized! What more do you want?!!

ネタバレにならないように日本語訳はつけないでおきますね。
これは、フィービーとロスがそれぞれ、別の人たちの間に起こった出来事について語っているようです。大晦日に喧嘩、トラブル、事件が起こったのは、ロスとフィービーの間に、ではなくて、その「別の二人」の間に起こったことだったんですね。
ロスはある女性から、フィービーはある男性から、それぞれその事件について話を聞いていて、それぞれの友人の立場に立って、つまり、それぞれの意見を代弁するような形で、事件について語っているのです。事件の当事者は、セリフに出てくる She と(上のセリフには出てきませんが) He の二人になります。

ロスの I knew you were gonna... というセリフは、「僕は彼女の代弁者として、彼の代弁者である君がその話を持ち出すだろうと思っていたよ。」という意味で言っているのですが、まるで一瞬、その彼女がロスに乗り移ったみたいに、「あなたはきっとその話を持ち出すだろうと思っていたわ!」と、自分のことのように怒りながら語っているのが面白い、ということのようです。
他人の喧嘩なのに、いつしか自分たちがその当事者であるかのような気持ちになって口論している、ということですね。

具体的にその大晦日に何があったのか、ということはあえて詳しくは語っていません。とにかく、何かモメごとがあったということだけが観客にはわかるようになっています。ロスとフィービーは他人の話なのに、その事情を深く知っていて、多くを語らずとも、「またそのこと? その件についてはもう何度も謝ったのに。」みたいに即座に反応しているのがおかしいのですね。
他人のことなのに、どうしてそこまで詳しいねん!?みたいな面白さがあるわけです。

proyさんの疑問点にお答えできていると良いのですが。
説明にわかりにくい部分があれば、また、proyさんの疑問点は別のところにある、ということであれば、おっしゃって下さいね。
Posted by Rach at 2007年11月04日 07:24
詳しい回答を本当にありがとうございました<(_ _)>
会話が始まったときの流れのまま、この会話は終了しているんですね!!

Rachさんが載せてくださったスクリプトのあとに

Phoebe: (gets up and starts to leave) We want the last six years back!!

Ross: So do we!! So do we!! (Ross notices a couple has been staring at them.) I’m sorry you had to see that.


と続きますよね。ここでの2人のやりとりは感情移入しすぎていて、ロスとフィービー自身のことを話しているように思えました。
他人の喧嘩なのにそれだけ感情移入してしまっている二人の姿がここではおもしろいということなんですね。

今思いましたが、お互い主語がWeになっていますね。
ここで気づくべきでした。まだまだ調べ方が甘くて、すみませんっ(;_:)

6人での会話もおもしろいですが、2人ずつにわかれての会話もおもしろくて好きです。特にフィービーが入っていると笑ってしまいます。

お忙しいところ細かく回答してくださり本当にありがとうございました。また英語の質問などさせてください♪
Posted by proy at 2007年11月04日 09:04
proyさんへ
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
そうですね、私もその「他人の喧嘩なのにそれだけ感情移入してしまっている」ところが面白いのだと思います。

あくまでも彼と彼女の話を代弁しているだけならば、
フィービー: He wants the last six years back!! (彼はこの6年間を返せ!って思ってるわ。)
ロス: So does she!! So does she!! (彼女だってそうさ、彼女だってそうさ。)
となるのでしょうね。
それがここでは、フィービーとロスがそれぞれ、自分の友人の肩を持っている、「彼はこの6年間を返せ!と思っているし、私も返せ!って言いたいわ。」「彼女もこの6年間を返せ!と同じことを思ってるさ。僕だって返せ!って言いたいよ。」みたいな感じで、ここでは「彼も彼女も、フィービーもロスもみんな、その「彼と彼女の6年間は無駄だった」みたいに思っているということですね。
フィービーとロスは、彼と彼女のそれぞれの立場から詳しい話を聞いていて、自分のことのように相手に腹を立てているから、We = He and I または She and I という言葉が出てきたのでしょう。
ロスにとってもフィービーにとっても、全く関係のない出来事なのに、まるでその6年間の修羅場を見てきたかのように怒っているのが面白いのでしょうね。

フレンズが面白いのは、会話にいろんな人数のバリエーションがあるからでしょうね。それぞれがキャラ立ちしていて、「いかにも言いそうなことを言ってくれる」楽しさがあるのですが、それでもまだ「思いもよらないジョーク」なども出てきて、見ている方を飽きさせません。

また何か気になる部分があれば、ご遠慮なく質問して下さいね。私がわからなくても、きっとまたアドバイスをくれる方がおられると思いますので。
Posted by Rach at 2007年11月05日 11:18
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