2005年07月23日

フレンズ1-8その4

お葬式に行くために、モニカの部屋に集まるみんな。
フィービー: Hi! I'm sorry I'm late. I couldn't find my bearings.
(どうもー! 遅れてごめんね。ベアリングが見つからなくて。)
レイチェル: You mean your earrings? (イヤリング、じゃないの?)
フィービー: What did I say? (私、何て言った?)
bearingは「方角、方面」という意味で、lose one's bearingsは「道に迷う、方向がわからなくなる」という意味になります。
フィービーの言葉は、「道に迷った」とも取れるのですが、レイチェルの言うようにやはりイヤリングを言い間違えた可能性が高いです。

チャンドラー: Don't we look nice all dressed up? (みんなドレスアップして、いい感じに見えない?)
でもこれからお葬式に行くところ。
やはりアメリカでもこういうことを言うのは不謹慎なようです。
でも、みんなの服装を見ていると、確かに日本の喪服に比べておしゃれな感じ。

墓地を歩いている時、
フィービー: God, what a great day! ...What? Weatherwise.
(あぁ、今日はすっごく良い日ね! [みんなににらまれて] 何? 天気の話をしてるのよ。)
wiseは接尾語で、この場合は「・・・関連の」という意味になります。
ここでは、さきほどのチャンドラーと同じく、フィービーの不謹慎な発言をみんなが非難したのですが、天気のことだと言い訳するフィービーです。
いや、言い訳というか、実際天気が良いことを言おうとしただけなんでしょうけど、やはりお葬式にgreat dayという表現はまずいようで。

埋葬用の穴に落っこちて腰を打ったロス。
フィービーが診察しています(彼女はマッサージ師なので、その辺は専門だから?)
フィービー: You missed a belt loop. (ベルト通しを1個ぬかしてるわよ。)
missは「・・・を取りそこなう、乗りそこなう、見逃す」など、「・・・しそこなう」という意味です。
この場合は、ズボンについているベルトを通す所をひとつ、「通し忘れた」ということ。

ママに貰った痛み止めの薬を飲んだロスは、妙にハイになっています。
女性と話しているチャンドラーのそばへ来て、
ロス: I love you, man. And listen, if you wanna be gay, be gay! It doesn't matter to me. (愛してるよー。なぁ、いいか。もしゲイになりたいんだったら、なっちゃえよ。俺は気にしないからさ。)
アンドレア: [隣の女性に] You were right. (あなたの言ったとおりね。)
せっかく女性と親しくなりかけたのに、またゲイの話を持ち出されてしまった・・・と残念に思うチャンドラーですが、なんとその女性の友達も、チャンドラーのことをゲイだと疑っていたのでした。
ありとあらゆる人にゲイと思われるチャンドラーって一体・・・。

ハイになった勢いで大胆になるロスはレイチェルに
I love you the most. (一番、君が好きだよ。)
レイチェル: Well, you know who I love the most? You! (ねぇ、私が一番好きなのは誰か知ってる? あなたよ。)
ロス: Oh, you don't get it! (あぁ、君はちっともわかってない!)
レイチェルをデートに誘うのもなかなか勇気が出ないロスですが、薬の力ってすごいですね。
アメリカ人は、簡単にI love you.を口にするようなイメージがありますが、フレンズを見ている限りは、かなり相手のことを思うようになってからでないと使わないようです。
付き合ってすぐにloveという言葉を言っているのは、あまり聞きません。
I love you.と言われて、「私のことを、そこまで本気で思ってくれてるの? 軽い付き合いじゃないのね?」と感動するシーンが、後のエピソードでは何度か出てきます。
それほどの告白をしたロスですが、いかんせん、薬でヘロヘロになっているのが明白なので、レイチェルに真に受けてもらえず、ジョークで返されてしまったロス。なかなか前途多難です。
get itは「理解する」という意味です。
言っている意味を「つかむ、ゲットする」わけですね。

お葬式の食事会の最中なのに、フットボールの試合をラジオで聞いているジョーイ。
ロスのパパが近づいてきて、
パパ: What do you got there? (それは何をしてるんだ?)
ジョーイ: Just a hearing disability. (聴覚障害があって・・・)
パパ: What's the score. (スコアは?)
ラジオのことをとがめられると思ったジョーイは、聴覚障害だと言い、イアホンを補聴器だと思わせようとしますが、パパはフットボールの試合だと気づいていたようです。

おばあちゃんの話をするモニカとママ。
ママ: Do you know what it's like to grow up with someone who is critical of every single thing you say?
(自分の言う一言一句に批判的な人と、一緒に生活することが、どんな感じかわかる?)
モニカ: I can imagine. (想像は出来るわ。)
モニカは、自分も全く同じ境遇(モニカのママは口うるさい)なので、その気持ちは痛いほどわかるのです。が・・・

ママ: I tell you, it's a wonder your mother turned out to be the positive, life-affirming person she is.
(<そういう人に育てられた>あなたのママは、前向きで人生を肯定的に捉える人間になったなんて、驚くべきことね。)
モニカ: That is a wonder! (それは、驚きね!)
当のママはちっとも自覚症状がないようで、ママは自分が「人生を肯定的に捉える母親」であると思っていることに、モニカは驚いているのです。

(Rachのあくなき挑戦)
今回の記事を面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして、あなたの清き一票を投票して下さい。
人気blogランキング

posted by Rach at 09:13| Comment(17) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フレンズ3-11その2 のコメント欄で、
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471107.html#comment
この 1-8 のセリフに関するご質問がありましたので、こちらでお返事させていただきます。

チャンドラー: Don't we look nice all dressed up?
するとみんながチャンドラーを見る。
チャンドラー: It's stuff like that, isn't it?

この It's stuff like that, isn't it? のセリフはどんな意味でしょう?というご質問でした。

この It's stuff like that, isn't it? なんですが、難しいですねぇ。実はよくわかりません。

まず状況を見てみると、お葬式なのに、nice という言葉を使ったことで、みんなは「何てこと言うの?」みたいな目で見ているようです。そういう意味で nice のセリフは、「ひんしゅく、不謹慎」な発言なのだ、というイメージは私も持ちました。DVDの日本語訳は「不謹慎でした」となっていますが、It's stuff like that, isn't it? というセリフそのものに「不謹慎」という意味があるわけではないと思います。

stuff like that は「そんな感じのもの」、何かの名詞の後ろにつけると、「…とか何とか」みたいな意味ですね。
そのセリフを日本語に訳すと、「そんな感じ、だよね?」みたいなことでしょうか?
その前に言ったセリフをはぐらかしているようなニュアンスかな、とも思います。
「そんなこと言っちゃいけなかった?、ただの言葉のあやだよ。」みたいな意味で言っているのかなぁ??

「そんな感じだよ、だろ?」、「そんな深刻に捉えないでよ、ただ「おしゃれしてていいな」って言っただけで、深い意味はないよ。」「そんな感じのことを言ったまでだよ、だろ?」みたいなことかなぁ??

DVDを何度か繰り返し見てみたのですが、どうもそのニュアンスが掴みきれません。観客は結構笑っていますよねぇ。

ジョーイ以外の4人は nice という言葉を聞いた瞬間に、「それはお葬式にはそぐわない言葉でしょ。」みたいに空気が凍りつくのですが、ジョーイはそれには気付いていないようです。そして、チャンドラーが stuff like that のセリフを言った後で、ようやくその不謹慎さに気付いて、「そうだよ、それって不謹慎だよ。」みたいに指差しているように(何となく)見えました。ジョーイの表情や手の動きに非難の気持ちが入っているような気がします。

このセリフが「ゲイ」に関する意味があるか、ゲイのことを示唆したセリフかどうか、についてですが…。
look nice や dressed up という言葉を挙げる、そういうことを話題にするところが女性っぽい、というのはそうかもしれませんね。

このエピソードでは「チャンドラーはゲイ」説にみんな興味津々で(笑)、それらしい兆しがあった場合には、みんなで「それだよ、それ!」みたいに大笑いすると思うんです。ここで仮にチャンドラーが自分がゲイ的な発言をしたことを認めているのだとしたら、みんなはそれを聞いて笑うと思うのですが、観客はともかくフレンズたちは笑っていませんよね。そういう意味では、ゲイ関係のセリフではないような気はします。(よくわかりませんが)

ということで、あまり参考にはならない意見で申し訳ありませんでした。
他の方のご意見もお待ちしております(笑)。
Posted by Rach at 2008年02月06日 11:15
返答ありがとうございます。
よくDVDの字幕には異議ありな場合がありますが、いつもは
それをいう相手がいないんですよねー。

この場合をまたまたみていると、その場面の直前に、
パウロからの素敵な靴を見て喜んでいる場面があって、その直後に
look nice というくらいで不謹慎という目をするってのも
おかしい気がするんですよねー。

あと、日本人男性が(アメリカにいて)、知らないうちにゲイだと
思われていたっていうエピソードを昔聞いたことがあります。
噂に気づいた女友達が、アメリカの女性達にそう思ったか理由を聞いたら、
nice とか cute とかいう言葉を使うからっていう返事だった
ということです。

当時、その観点に立って改めて男性たちを観察してみました。
これカワイイでしょ?とか男の人に言わせようとしても、
なかなか言わない。
女性に合わせてシブシブ、自分からはほとんど言わないんですよね。
カワイイとか、素敵とか言わない。
車を見たときぐらいしか、いい感じとか言わない。
おしゃれして、どう?って見せても、ロマンチックな間柄以外は、
俺にきくかよ?って雰囲気の返事。
それが普通の男だわねと思いました。

その観察経験の結果に立ってこの回を見ると、

Don't we look nice..と言う始まりだけでも、え?って感じして、
we all dressed up と続くともう、いぃ???って。。。

チャンドラーのスタイルも、とってもおしゃれにマフラーして、
「ゲイらしい発言」をバックアップしている感じ。。
みんな、大笑いするはずかなぁ? 実はゲイかと思ったことがあるって、
聞かれるまでは黙っていたってことを考えると。

チャンドラーに慣れているジョーイだけが、気づくのが遅れたけど、
そうそう、それだって指さしてうなづいている姿に見えます。
また、それ不謹慎だよって非難は、実は試合に夢中なジョーイには
似つかわしくないし。。最後の観客の笑いっぷりからいっても、不謹慎だって自己批判では、たいして笑えないなーって思うんですよね。
もっときわどいジョークが好きだと思うんですよ。長くなりました(._.)
Posted by Ranch at 2008年02月06日 22:20
Ranchさんへ
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
Ranchさんのコメントを読んでいると、やっぱり「ゲイ」関係のことを言っているのかなぁ、という気もしてきました。

確かにその前に、パウロからのプレゼントの靴のことではしゃいでいますね。それで、チャンドラーのこのセリフだけが不謹慎だと言ってにらむ、というのも確かに変な気がします。
観客は「大爆笑」している感じで、確かに「不謹慎」という自己反省だけでは、ここまでは笑わないかもしれませんねぇ。
やはり、nice や dressed up が女性っぽい、ゲイっぽい言葉なのでしょうか??

これより随分後になりますが、
フレンズ3-7その30
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470983.html
ドクター・グリーン: Nice hair. ([ロスに]いい髪型だね。)
というセリフもあり、ロスやジョーイも nice という言葉は時々使っています。look nice という表現が女っぽい、ということかなぁ?
cute だったら確かに女性っぽい感じはしますが。

フレンズたちの妙な表情は、チャンドラーがゲイっぽい言い回しをしたので、「それやばいわよ。」「やっぱりチャンドラーはゲイなんじゃ…?」という意味で凍りついている、ということなんでしょうかね?
stuff like that が何を指すのかがよくわからないのですが、「フレンズたちが今頭の中で想像していること、チャンドラーはゲイである、または、今のはゲイっぽい発言である」ということ、「みんなが俺についてよく言っていること」みたいなことなのか??

このエピソードの最初の方で、どうして俺がゲイだと思うのか、という話になった時に、You just have a quality. 「チャンドラーにはただ単にそういう素質・資質があるのよ。」と言われていましたね。そういう a quality を指しているのか…。

今の自分の発言が、ゲイである可能性を余計に際立たせるものであったとすると、
This is why people think I might (be a gay)... とか、Is this the quality you were talking about? / Is this what you were talking about? みたいなセリフだったら、ゲイを示唆していることがはっきりするようにも思うのですが、It's stuff like that, isn't it? というのが何とも漠然とした表現なので、どうも私にはイメージが掴みきれません。

確かに「不謹慎」よりも「ゲイ」の話だと考えた方が、話やオチは自然になると思います。「そんな感じのもの」は、ゲイであることを暗に that とボカして、「今のは、ゲイっぽかったよね?」という意味、なのかなぁ?

私ももう少し考えてみます。お返事ありがとうございました。
Posted by Rach at 2008年02月07日 10:33
こんにちは、
It's stuff like that (that makes me sound like a gay) isn't it
ということではないでしょうか。
日本語で言うと「こういう言動のせいなんだな?(ゲイに間違われてしまうのは)」ということですよね。
昨夜長々と書いたんですが、投稿されていませんでした^^;
かいつまんで言うと、Ranchさんと同じ解釈を私はしました、という内容でした。
日本語訳が「不謹慎でした」となっているのは、短い間に軽く笑わせるためだと思います。字幕を考えるのって大変なんですよね、確か。
Posted by 長月 at 2008年02月07日 20:50
長月さんへ
一緒に考えて下さってありがとうございます。
また、「投稿されていませんでした」とのこと、夜は時々このブログが重たくなることがあるようです。ご不便をおかけして申し訳ありませんでした。

やはり解釈としては、「ゲイに間違われてしまうこと」を言っているようですね。長月さんの解釈では、that は「ゲイのように聞こえる、話すとゲイだと間違えられる」みたいなことでしょうか?

that を that のままで訳出しようとすると、「そういう感じのことなんだな?」みたいになるでしょうか? 何が「そういう感じ」かと言うと、「ゲイに間違われること、みんなが俺をゲイだと思うこと」ということなのでしょうね。

私はモニカの凍りついたような顔を見て「不謹慎な!」と思った、と勘違いしてしまったのですが、今回はそれは意訳だったようです。最初に違ったイメージを持ってそうだと思い込んでしまうと、そこから抜け出すのが難しくて(私のいつもの悪いクセなのですが…笑)

ご意見、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2008年02月08日 10:29
私のコメントが反映されていなかったのは、私の過失の可能性大なのです。紛らわしくてすみません。

私の解釈は、
that = Don't we look nice all dressed up?というコメント。
stuff like that = 彼の、自分を含む人々の容姿に対するコメント、態度、姿勢、とか色々
で、チャンドラーの台詞の省略された部分を補うと、
it's because of the stuff like the comment that makes people think i'm gay isn't it
という感じだとは思うのですが、、、

実は、消えた投稿に書いたんですが、このシーンを見たのは随分昔で、かすかに覚えている程度です。
実際にこのエピソードを見ながらこれを書いていないので、場の雰囲気的な要因を入れて考えた訳ではありません。
色んな解釈ができる曖昧な台詞ですよね。thatとstuffだけなんて、、、^^;

英語の勉強は難しいけど、こうしてみんなで意見を出し合うと楽しいですね、今までRomっていましたが、参加できて嬉しいです。

これからもよろしく。お返事ありがとうございました。
Posted by 長月 at 2008年02月08日 22:59
長月さんへ
こちらこそ、お返事ありがとうございます。うちのブログの不具合の可能性も結構捨てきれないと思いますので…(笑)。

It's because of the stuff like that, isn't it? 「今(言った)みたいなことが原因なんだな?」という感じなんでしょうね?
そういう because of のような感覚がなかなか私には掴めなかったのですが、今はおっしゃるニュアンスがよくわかります。ありがとうございます。

「こうしてみんなで意見を出し合うと楽しいですね」と言っていただけると本当に嬉しいです。他の方の書いたものを読んで情報や知識を得る、ということも楽しいですが、お互いの考えを伝え合って、より深く理解できるようになる、という効果は大きいな、といつも思っています。

こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2008年02月09日 08:39
Rachさん こんばんは。
It's stuff like that, isn't it?
今日はこの回をゆっくり勉強していて、ここにやはり?でした。
字幕の解釈で、うーん そういうものか・・・と思っていましたが
こちらのトラックバックの皆さんの意見に目からウロコです。
ありがとうございます! 
こういう発見があるからやめられませんね。
Posted by かつお at 2010年10月13日 23:05
かつおさんへ
コメントありがとうございます。

It's stuff like that, isn't it? みたいな簡単な単語ばかりのセリフの方が、ニュアンスを掴むのが難しい、ということはよくありますね。難しい単語の方が意味が特定されやすいですから。

「今、言ったみたいな感じのことだな(それがゲイに間違えられる原因なんだな)」「みんなが、quality って言うのは、今みたいなやつのことなんだな」と、自分の言動にその片鱗(笑)を感じたセリフ、なわけでしょうね。
自分一人で考えていると、どうしても視野が狭くなりますから、多くの方に読んでいただいて、ご意見をいただけるという、「双方向のツール」であるブログには本当に助けられています。こちらこそありがとうございます。また、一緒に楽しんでいただければ幸いです。
Posted by Rach at 2010年10月15日 13:18
Don't we look nice all dressed up?の解釈についてですが、私はゲイっぽいとう意味はないと思います。「俺たちびしっと決めてクールだろ?」という発言が、お葬式に行く前の発言としてはあまりに不適切なのでみんながだまりこんだという意味だけではないでしょうか?

(cuteはたしかにもっぱら女性が使う言葉ですが、)niceあるいはlook niceは私の経験上その言葉だけでゲイっぽいと思われることはまずないと思います。というのも昔ネットゲームでチャットをやっていた時に多くの男性がniceやlook niceを使っていました。そいつら全部ゲイということは天文学的な確率になってしまいます。私が何か提案したことに対してniceだったり、ゲームのアップデートがniceだったり、キャラクターの絵がlook niceだったりいろんな場面でです。dressed upにもゲイっぽい要素はないと思います。日本語でドレスアップというと女性が着飾るという意味ですが、英語のdressed upは女性が着飾るという意味もありますが、お葬式で使えば正装するという意味にとるのが普通なので別におかしくありません。

シーズン1の1から13のスクリプトを検索してみるとジョーイがniceを何度か使っています。全部抜き出すのは面倒なので男性の発言をいくつか下にコピペしました。チャンドラーはジョーイより少なく、女性と男性の使用率はほぼ同じでした。

シーズン1-3 JOEY: Even nicer when everyone gets to wear their underwear..
シーズン1-6 JOEY: Yeah? That's so nice! (THEY HUG)
シーズン1-10 JOEY: Nice shoes, huh? [He wiggles his foot and the bells tinkle]

シーズン1-11 Monica: He's coming. Be cool, be cool, be cool.
          [The guy walks past them]
         Guy: Nice hat.
         ↑この発言がゲイっぽければモニカもフィービーもキュンとはなりません。

シーズン1-13 Mr. Tribbiani: No, it's only been six years. I just wanted to put a nice memory in your head so you'd know that I wasn't always such a terrible guy. ...Joe. Y'ever been in love?

日本語の「かわいい」は女性が頻繁に使う言葉ですが、男性が「その服かわいいじゃん。」とか「かわいい犬ですね。」と言うことはいくらでもあります。これを「かーわいー!」とか「きゃわいい!」みたな言い方で言えばゲイっぽくなりますが、「かわいい」という言葉そのものでゲイっぽいと見られることはありません。それと同じことが言えると思います。

もしチャンドラーの言ったDon't we look nice all dressed up?がゲイっぽいのなら、この発言の瞬間に観客が爆笑しそうですがだれも笑っておらず、結構間が空いてから、It's stuff like that, isn't it?の発言で爆笑しています。このことからもDon't we look nice all dressed up?にゲイっぽい意味がないと判断できます。またDon't we look nice all dressed up?がゲイっぽいのなら、まわりの友人達のリアクションは笑い+指摘+からかいじゃないでしょうか?実際にはまじで不謹慎なのでみんなだまっているというリアクションになっています。この後でフィービーがWhat a great day!と言った時に、みんなが「それは不謹慎だよ」と言いたげにフィービーをにらむ感じの場面がありますが、これと同じリアクションです。(レイチェルの靴の場面は公衆の面前でもないですし、まだ”お葬式へ出発モード”になる前だから問題ないと思います。)

またチャンドラーのゲイっぽさは、使う言葉のように具体的な証拠を指摘できるものではないために、友人達も職場の女性も具体的な根拠を一つも挙げられず、"a quality"と言われています。お葬式の後のパーティのような集まりの場で、ある女性が友人らしき女性にチャンドラーのことを「きっとあの人ゲイよ。」と言ったと受け取れる場面がありますが、ここでもチャンドラーはごく普通の挨拶をしただけのようです。どこが悪いのかだれも具体的に指摘しようがないし、チャンドラーもわからないのでどうすることもできないまま、行く先々で誤解され続けるという設定に、このエピソード全体をつらぬく面白さがあります。(チャンドラーがIs it my hair?レイチェルがYes, that's exactly what it is.と言う場面がありますが、これはチャンドラーをからかって楽しんでいるだけです。exactlyがあるだけに、からかっている感じが非常に強く出ています。)

次にIt's stuff like that, isn't it?の解釈についてですが、私の考える日本語訳は「ここはこう言う場面だろ、違った?」です。チャンドラーは重苦しい雰囲気をなごませるために、不適切なことは承知で言った一言だったのに、みんなから本物の非常識人として見られてしまったところに面白さがあります。

It's stuff like that, isn't it?の主語Itは場の状況を指すitでしょう。stuff like thatは昔アメリカでホームステイしていた時に、大人も子供もこのフレーズを連発していたのでよく覚えているのですが、多くは何かを列挙して最後に「何かしらそのようなもの」と言いたい時に使います。例えば「ガンダムとかマクロスとかコードギアスとかstuff like that」、「お父さんは実は未来から来たんだとか、お前は実は宇宙人から預かっていたんだとか、stuff like that」みたいな使われ方です。この場面のstuff like thatは、Don't we look nice all dressed up?と似たような文言(We are cool, aren't we?とかWe look great, right?)を指します。be動詞によってS=(あいまいな)Cを構成するので、直訳すると「この状況はそのような文言に値する。そうですよね?」となり、自然な日本語ににすると「ここはこう言う場面だろ、違った?」になるというのが私の解釈です。
Posted by 神田 at 2012年12月07日 08:41
神田さんへ
コメントありがとうございます。

私も上のコメント欄で、このセリフが「ゲイっぽいのかどうなのか?」ということについては、二転三転していますが、いただいたコメントを読ませていただいて、「この言葉がゲイっぽいということはない」という解釈が正しい気がしてきました。

おっしゃるように、Nice. は男性もよく使うんですよね。まさに日本語の「ナーイス!」みたいなニュアンスで、Nice! と言っているシーンもよく見かけますし。dressed up も、日本語の「ドレスアップ」だとどうしてもああいうヒラヒラした「ドレス」を想像するから女性っぽいのであって、英語のドレスの場合は、dress code のように「服装規定」などでも使うので、「正装」というニュアンスであれば、男性でも違和感のない単語ですものね。

>またチャンドラーのゲイっぽさは、使う言葉のように具体的な証拠を指摘できるものではないために、友人達も職場の女性も具体的な根拠を一つも挙げられず、"a quality"と言われています。

の部分は、非常に納得です。おっしゃるように、セリフとか言い回しでゲイかも、と思われるのであれば、その部分を本人が気を付ければいいわけですが、今回の場合は、何でいつもみんなにゲイだと思われるのか、その理由がわからない、というのがエピソードのテーマでもありますね。おっしゃる通り、そこが「エピソード全体をつらぬく面白さ」なので、セリフがゲイっぽい、みたいな、そんな見え見えの演出をしてしまったら、その面白さが台無しになってしまう、という気が私もしました。

また、私がずっとしっくりこなかった、It's stuff like that, isn't it? についても、「ここはこう言う場面だろ、違った?」という解釈がしっくり来る気がしますね。it/that のニュアンスも、it=場の状況、that=その(今の、前述の)発言、というのが合っている気がします。
「不適切を承知で言ったのに、「そんな不謹慎なこと言うぅ〜?」みたいに見られた、という面白さ」なんでしょうね。チャンドラーは、場を盛り上げようとして、みんなにヒカれてしまうことも多々あるので、これもそのパターンだということなのでしょう。

ちなみに、コードギアスは面白そうだなと思いながらも未視聴ですが、ガンダム、マクロスは(ほぼ)全シリーズ制覇しています。好きなアニメは?と聞かれたら、1位2位が、ガンダム、マクロスなんですよねぇ…中学時代はバリバリのアニメファンでしたから(笑)。
シーズン1を解説していた頃はアニメネタをちょこちょこ盛り込んでいたので、私の趣味がバレてしまった…のかなぁ…と思うと、恥ずかしいような嬉しいような^^
Posted by Rach at 2012年12月07日 15:05
ガンダムとマクロスは詳しい人と語れるほどのレベルではないですが、私もガンダム世代なので10代の自分に大きな影響を与えた作品でした。コードギアスはめちゃくちゃ面白いですよ。キャラクターの魅力、大どんでん返しの繰り返されるストーリー、ぶっとんだ世界設定など、見始めると止まらないです。実はコードギアス北米版をフレンズと並行して英語で見ているところなんですが、英語の吹き替えの声優は日本人よりうまいと思いますし、英語のスクリプトも翻訳のレベルが非常に高いので、こんなかっこいい言い回しがあるのかと感動することもしばしばです。コードギアスは↓のサイトにファンの起こしたスクリプトがあるので、フレンズのように確認しながら見られます。
http://animetranscripts.wikispaces.com/Code+Geass%EF%BC%9A+Lelouch+of+the+Rebellion+-+%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%AE%E3%82%A2%E3%82%B9+%E5%8F%8D%E9%80%86%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5
暇があったらぜひご覧になってください。

ところで本件に戻って追記ですが、niceをよく使った日本人がゲイみたいに見られたという話は、よほどの英語の達人でない限りよくあるタイプの誤解のされ方の一つかなと思います。日本人はどうしてもカタカナの発音から抜け出せない部分が残りますから、ネイティブから見たら発音が変で、しかもniceをよく使うということは形容詞のボキャブラリーが少ないということになります。日本語でイメージすると「素敵ねーん」ていう感じに聞こえ、それを一日に何度も言っているということになりますから、誤解されてもしょうがないでしょう。100%私の憶測ですが。

Posted by 神田 at 2012年12月08日 12:22
神田さんへ
お返事ありがとうございます。
「コードギアス」、私も設定やあらすじなどを聞いた時に、「見たら多分ハマるだろうな」と思っていました。元アニメファンの嗅覚で、そういうのはわかっちゃうんですよね(笑)。また、近いうちに是非見てみたいと思っています。

好きなアニメを北米版で見る、というのはかなり面白いでしょうね。ファーストガンダムの劇場版3部作は、DVDに英語字幕がついているのですが、それを見ながら、「ほぉ〜、そう訳すかぁ…」みたいに私は一人でウケていました^^

nice ばかりを使ってゲイに見られた、みたいな話は、神田さんの分析通りなのでしょうね。nice という単語自体は、フレンズでも男性陣が普通に使いますから、ノンネイティブが妙な発音でそれを連呼する、ということが、変なイメージを植え付けてしまう原因なのだろうと私も思いました。
Posted by Rach at 2012年12月10日 15:47
またもや古い記事にコメントしてしまってすみません。しかも流れに逆らうコメントです。。。
It's stuff like that, isn't it?の件、こちらのコメントは、ゲイに関係なし→関係あり→関係なし
に行きついたところで終わっていますね。
最後の神田様の解説、文章が見事で大変説得力があり、いったん納得していたのですが、
その後Yahoo.comで検索をし、これは「ゲイの件そのもの」であるような記事を多数発見。
長いですけどちょっと例を挙げさせてください。

(1)wikiaというエンタメ関係のwikiのようなサイトで、フレンズのチャンドラーの記事中
   ホモ疑惑に関する内容があり、その中で It's stuff like that. Isn't it?が挙げられています。
http://friends.wikia.com/wiki/Chandler_Bing
[Homosexual Innuendo]←上記の記事の中ほどにあります
Chandler often finds himself in difficult situations or making statements that make him sound homosexual. His friends and co-workers describe him as having a certain quality that makes people think he might be gay. He also often has long "gay" hugs with Joey. At one point, he entered a room full of his friends and asks, "Well, don't we look nice all dressed up? It's stuff like that. Isn't it?" 以下略

(2)ブログで、私の好きなコントを挙げた文中「チャンドラーの 'quality'について」と
   但し書きが付いたコントがまさに"Well, don't we 中略.. It's stuff like that, isn't it?"
http://misadventuresfromthebrink.blogspot.jp/
Best line:
"When my time comes, I want to be buried at sea 以下略 - Jack Geller on his death
"Well, don't we look nice all dressed up?... It's stuff like that, isn't it?" - Chandler on his 'quality'
"Not the first two, but the second two - Whoa!" - Ross on his happy pills

(3)ヤフー知恵袋のような中国サイト「百度知道」で同様の質問があり、回答は以下。
   悔しいですが、英語に関しての中国人の回答はいつも高レベルです。
   ※私は中国語も勉強しているのですが、まだ上手に訳せないのですみません。
http://zhidao.baidu.com/question/56202653.html
質問:“It's stuff like that,isn't it?”はどういう意味?
回答:It's stuff like that that makes me looks like a gay, isn't it ?という意味。
   それまで彼はgayだと判断される理由がわからなかったが、
   実はこのような行為(身なりを気にしすぎる行為)が原因だったとわかる。

(1)と(2)だけでは、"Well, don't we look nice all dressed up?"のどの箇所が
ゲイっぽいのかわからなかったのですが、百度知道での回答で、発話内容ではなく、
性格なのだと思い至りました。
日本人でも、例えば一緒に出かけたりする際に「ね、どう思う?この服いいだろ」と
自分の外見のことばかり気にする男性が居たらちょっと男らしくないなぁと思いますよね。
しかし、私たちはそれをゲイに結び付けませんが、アメリカの人たちはそう感じるのかも。

それでふと思ったんですけど、日本でゲイを見分けるのは言葉の内容よりも語尾なのでは。
「〜なのよ」「〜だわ」を付けると女言葉になりますが、英語にはそれがないので、
ゲイかどうかは「その状況でその発話内容」ということに限られてきますよね。
なので、日本では想像できないぐらい、内容が重視されているのかもと思うのです。

皆で出かける際、チャンドラーはまず最初に「俺たちって服装ばっちり決めてるよね」と。
これは、「気になるとこ、そこ?まるで女みたい」という表現なのではないでしょうか。
そういえば字幕も吹き替えも「"Well, don't we」の部分が、「俺たち」じゃなく「君たち」
になってますね。「自ら」の外観こだわる女々しいヤツ、というのがゲイである判断基準
だとすれば、「俺たち」(もしくは俺)じゃないとこのコント意味がないんです。

ということは、翻訳者さん達はすべて了解した上で、weをわざとyouにして訳し、
続く文章も不謹慎という、全然関係のないものにしたのではないかと思うのです。
それは、服装にこだわる=ゲイという図式が日本人の感覚にはないからでしょう。
rachさんはどう思われますでしょうか。
ranchさんはもうご覧になってないでしょうけど、ranchさんが正しかった可能性大ですよね?!
Posted by 三原 at 2013年07月19日 20:05
三原さんへ
コメントありがとうございます。セリフの解釈について、一緒に考えていただけてとても嬉しいです。

It's stuff like that, isn't it? の解釈については、私の意見も文字通り二転三転しておりました(笑)。私も神田さんの書かれたコメントの内容が非常に説得力があるものだと思えたので、それで納得していたのですが、三原さんが挙げて下さった事例はどれも、そのセリフを言ったことがゲイであることの証明、みたいに説明されていますね。

おっしゃる通り、日本人はオネエ言葉みたいな語尾で判断したりしますが、英語圏では語尾での判断は不可能ですよね。「外見、身なり、服装のことばかり気にする」という言動がゲイであるとの判断基準かもしれない、というのは確かにそんな気がしてきました。それで少し思い出したことがあります。

これよりずっと先のシーズン3に、男性が女性っぽい発言をしているセリフが出てきます。三原さんにはネタバレになってしまうかもしれないので、以下の記事は今の時点で読んでいただく必要はありませんが、シーズン3をすでに見た人には参考になりそうなセリフなので、ちょっと以下にリンクをはらせて下さいね。

フレンズ3-18その3
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471383.html

そのエピソードで、誰のセリフかは伏せますが、ある男性が女性に向かって、"That is a stunning blouse." というシーンがあります。
その男性が女性っぽくなっていることを示すセリフだったわけですが、その時は、表情、言い方、しぐさが女性っぽかったために余計にわかりやすくなっていました。ただやはり、「男性が女性の服装を褒めることはまずない」という暗黙の了解もあったわけでしょうね。

その記事でも引用させていただいたのですが、イギリス人のクリストファー・ベルトンさんのメルマガで、
★ 男が絶対に言わないこと
の一つに、
Those shoes match your dress perfectly. その靴は君のワンピースにぴったりだね。
というのが挙げられていて、イギリスでもそんな風に女性の服装を褒める男性は珍しいらしいこともわかります。

ですから、dressed up とか nice とかの「言葉の選択」ではなく、「服装を気にする・褒めること、おしゃれの話ばかりしたがること」がゲイっぽい、ということなのでしょうね。

改めてその問題のセリフの前後のやりとりを考えてみると、

フィービーがイヤリングが見つからなくて遅れた、と言って入ってくる。
レイチェルがパウロがイタリアから送ってくれた靴を自慢。
ロスは、アメリカにだって靴くらいあるだろ、と言う(これは、男だから靴なんか興味がない+ヤキモチを示唆)。
ジョーイは、「おはよう。準備できた?」と軽い挨拶。
チャンドラーは、開口一番、「俺たちみんなドレスアップして決まってるよね〜」的発言。

フィービーのイヤリングの話はあまり関係ないかもしれませんが、レイチェルとモニカがパウロがくれた靴のことで盛り上がっていた、という「いかにも女子の会話」的な前振りがあって、ロスやジョーイがそれに絡んでくることはないけれど、チャンドラーは入ってくるなりファッション系の話をした。それが「チャンドラーは女子かっ!」と言いたくなるような感じで、チャンドラー自身もそれに気づいて、It's stuff like that, isn't it? と言った、という流れのような気がしてきました。

話の流れ的に考えた場合、チャンドラーの発言が不謹慎かどうかについては、その前にレイチェルが靴の自慢をしている、それも今回亡くなった人の孫であるモニカに対して自慢している、モニカもその話に乗っているし、誰も「お葬式だっていうのに、靴の話で盛り上がるか?」みたいな非難はしていない、、ということを考えると、靴の話もおしゃれの話も不謹慎ということにはならないことになりますね。

今回のエピソードは、上の神田さんのお話にもありましたが、「チャンドラーにはゲイの quality がある」という、つかみどころのない漠然とした言い方をされてチャンドラーがそれを気にするが、はっきりしたことがわからないのでどうすることもできない、というのがこのエピソードのポイントですよね。ですから、"Don't we look nice all dressed up? It's stuff like that, isn't it?" が、女子のようなオシャレ系の話をして、みんなにヒカれて、これが例の quality ってやつか、みたいな意味だと捉えてしまうと、「quality って何なのかわかんないという面白さ」を台無しにしてしまう、という気が私もしたので、一度は「不謹慎」という解釈を選んだのですが、「ゲイっぽい特質を示した事例の一つ」がこれかもしれない、とみんなが思った、と考えるのが妥当な気がしてきました。このことで、これが quality だ、とはっきりわかったわけではないけれども、ゲイだと思われる原因の一つはこれかも、とフレンズたちが気付いた、という程度の事例かなぁ、と。

その quality についての流れを時系列で並べると以下のようになります。

フレンズたちに、You have a quality と表現される。
同僚のシェリーにも、quality という言葉で納得される。
「みんな、おしゃれして決まってるよね」で、みんなにドン引きされる。
お葬式の集まりで、初対面の女性にゲイだと思われる。
本物のゲイ(笑)のローウェルに、「チャンドラーにはゲイの quality はない」と否定される。

フレンズたちも、一体何がどうだからゲイっぽいのか、というのがわからないので漠然とした言い方をしたのでしょうが、女子のおしゃれの話に入ってきたみたいなチャンドラーを見て、これだと思った。チャンドラーも、みんなが言ってる quality ってのはこういう感じのこと?と思って、そこで一瞬納得した。
でも、ラストシーンで、正真正銘のゲイのローウェルに、「僕らに言わせると、君にはそんな quality はないよ」と否定され、ゲイでない人が想像するようなレベルではない、同類の人にだけわかる quality というのが存在するんだ、という奥の深さ(?)を感じさせて話が終わる、というところですね。結局、quality って何なのか、わからずじまいだった面白さと言いましょうか。
さらに言うと、quality はない、と否定されながらも、「俺にだってブライアンくらいの男ならゲットできるさ」と言いながら去っていくチャンドラーでジ・エンドにしたことで、やっぱりそういう quality をチャンドラーは持ってるんじゃないの?みたいな印象も残したまま終わっているのがまた面白い気がしますよね。

参考になるご意見、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2013年07月23日 10:47
> 男性が女性に向かって、"That is a stunning blouse." というシーンがあります。
> 「男性が女性の服装を褒めることはまずない」という暗黙の了解
> ★ 男が絶対に言わないことの一つに、Those shoes match your dress perfectly.

おぉ、興味深いですねぇ。
実は私は少し違ったように考えていまして、服装は服装でも「自分の服装」にこだわるのが男らしくない、という風に思っていたのです。しかし上記の例を見ますと、相手の服装をほめるという行為も女性的であるような気もします。
ただ、この次の「フレンズ1-9感謝祭」の中で、ジョーイが昔仕事で一緒だった美女に、香水をほめて口説いているシーンがありますね。これはまさに男が女に口説く文句です。ですので、同じほめるにも何かオネエ独特のほめ方があるのかもしれません。たとえば、上記例のシューズにしてもブラウスにしてもほめ方が細かい。ただきれいとか素敵というのではないですよね。

あるいはほめるタイミングに何かあるのなら、チャンドラーの場合は「入ってくるなりファッション系の話をした」ことが変なのかなぁ。もしくは最初私が感じていたように、自分自身も含めてほめたことが変だったとか。いずれにせよ、それらオネエを特定するナニカはネイティブにとっても割りとあいまいなのではないでしょうか。(日本語だったら明確な言葉の法則があるのですけど)

それはまさにRachさんのおっしゃる通り「ゲイのqualityって何なのかわからずじまいだった面白さ」とつながるんじゃないかと思うんです。つまり、どんな感じがゲイでどの辺がゲイでないかというのはアメリカ人にとってはもともと具体例を示しにくいのかも知れないということ。

だからチャンドラーのドレスアップ発言も、フレンズ達には一瞬ゲイ発言とは思えなくて、「コイツ妙なこと言うなぁ」という程度だったのではないかしら。あの発言の瞬間、皆、固まったのではなく、「あれ?」という表情だったように思います。そしてチャンドラー自身の「あ、qualityってこれのこと?」発言。その直後、よく見ると、ジョーイが「そうだ、そうなんだよ!それかもしれない!」と言ってるような感じ。あるいは「そんなはずないだろ、ゲイがどうのというよりお前が変なんだって」とか言ってるような気もしますし。
結局、qualityって何なのかわかんないような終わり方ですよね。

だから、今回の stuff 発言をゲイのことだと解釈したとしても、決して、「quality って何なのかわかんないという面白さ」を台無しにしてしまうことにはならないと思います。
ゲイだけでなく、上下関係や男女の別や大人と子供の関係などすべて、日本語では語尾や言葉の選び方ですべて決まってしまいますよね。しかし、英語ではそれを特定する語尾や言葉なない、と今まで思っていましたが、案外「その状況でこの会話をする」などと言う私たち日本人にはなじみのない曖昧なナニカで上下関係などがわかるようになっているのかも知れませんよね。

Rachさん、お忙しいのに、しかも無料で公開してくださっているだけでもありがたいブログなのに、こんな面倒くさいコメントにも親切にお答えくださり本当にありがとうございます。
ネタバレのことにまで気遣ったコメントで感激しました。
(Rachさんが提唱されている「1回目はネタばれ禁止で見る」という方法、すごくいいです)
考えるのってとっても楽しい〜〜嬉しいきっかけを与えてくださったことに感謝です。
Posted by 三原圭子 at 2013年07月24日 19:45
三原圭子さんへ
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。

そうですね、三原さんは、don't we look nice の we の部分に注目されていましたよね。俺の恰好も決まってるだろ?というアピールは、確かにゲイっぽいのかもしれません。レイチェルがわざと靴を見せびらかしたのと通じる部分もある気がしますしね。

結局、エピソード全体としては、「ゲイの quality とは何か?」については、はっきりとはわからずじまいで、ただ、その問題のシーンについては、「もしかしてこれかな?」みたいな空気が流れたという描写だったのでしょうね。チャンドラーが自分が言った発言に対して、何か気付いた風だったので、このエピソードのテーマを考えると、やはりゲイに関することだと考えるのが妥当なんだろうと思います。ですから、他の多くのサイトで、このセリフがゲイっぽさを表すものだと認識されているのでしょう。

それから、私やこのブログに対する温かいお言葉の数々、ありがとうございます。私の方こそ、ずっと昔に取り上げた初期のシーズンのセリフのことで、こうして意見を交換できることが、本当に嬉しくありがたいです。

「考えるのって楽しい」という部分に共感していただけると、ますます励みになります。ネタばれ禁止状態で見て、自分でいろいろなことに気づけた時の喜びは、何物にも代えがたいですよね。そういうことの積み重ねが、「英語がわかるようになってきた」という自信にも繋がって行くのだろうと思います。
これからもよろしくお願いします!
Posted by Rach at 2013年07月26日 13:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。