2005年08月14日

フレンズ1-12その1

シーズン1 第12話
The One With the Dozen Lasagnas (おなかのベビーはどっち?)
原題は「12皿のラザニアの話」

モニカ: If you'd told me vegetarian lasagna...I would've made vegetarian lasagna. (ベジタリアン用ラザニアって言ってくれてたら、ベジタリアン用を作ったのに。)
The meat's only every third layer. Maybe you could scrape. (お肉はたったの三層だけだから、剥がせるんじゃない?)
ラザニアとは、ミートソースとラザニア用パスタとチーズを重ねて焼いた料理です。
「そのミートソースの部分を剥がせば?」とモニカは言っているようですが、それではパスタとチーズだけになってしまうのでは?
(2006.9.13 追記)
読者の方からご指摘がありました。
every third layer と every がついているので、「三層ごと」ですね。ですから、
The meat's only every third layer. Maybe you could scrape. (お肉はただ三層ごとにあるだけだから、剥がせるんじゃない?)
が正しい訳となります。
そうかぁ、三層だけあるよりも、三層”ごと”にある方が剥がすの大変ですよね。
そんな面倒くさいことできっこないのに、「ミートソースに文句があるなら自分で剥がせばいいじゃない?」と簡単そうに言ってるのがおかしいわけですね。なるほどぉ・・・。
ご指摘下さった方、ありがとうございました。
(追記はここまで)

ところで、現在WOWOWで放映中の、フレンズのスピンオフ「ジョーイ」13話にも、ラザニアの話がでてきたそうですね。
私がリンクさせて頂いているブログまるせるのひとりごとベジタリアン用ラザニアで、そのエピソードについての話を書かれていますので、興味を持たれた方は是非どうぞ。

ところで、スピンオフというのは、あるドラマからその設定を引き継いで別に作られたドラマのことです。
アメリカでは人気ドラマのスピンオフのドラマが多くあります。
最近は日本でも、「踊る大捜査線」のスピンオフ「交渉人 真下正義」、さらには「容疑者 室井慎次」というのがありますね。
私がリンクさせて頂いているフレンズファンサイトのMarcel's Friends Pageには、フレンズはもちろんのこと、「ジョーイ」に関する情報も載っていますので、「ジョーイ」に興味を持たれた方は是非ご覧下さいね。
Marcel's Friends Pageは、1997年から開設されているという、フレンズファンサイトの老舗[しにせ]です。(老舗という表現、フレンズのイメージとずれてるかしら? ごめんなさい、Marcelさん!)
私がフレンズで勉強を始めた頃から、ずっと拝見させていただいているサイトで、このサイトにあるBOOKS(フレンズ専門書[洋書]の紹介)を読んで、私もフレンズの洋書を集めたんですよ。(懐かしい思い出・・・)

(英語の説明に戻ります)
scrapeは「削り取る、こすり落とす」という意味。
ちょっと古いですが、プリプリ(Princess Princess)のヒット曲ダイアモンドで、「見上げるスカイスクレイパー」という歌詞がありますね。
あのスカイスクレイパーは、そびえ立つビル、「摩天楼」のことです。
「摩天楼」という日本語自体がskyscraperを直訳したもので、天を摩する(まする=こする、近づく)楼閣(高い建物)、という意味です。
sky(空)をscrape(削り取る)するという表現は、ニューヨークなど(東京もそうですが)のビル群を見た時のイメージにぴったりですね。

レイチェルとパウロが週末をポコノスで過ごすと知り、ショックのロス。
ロス: Wasn't this supposed to be just a fling? (ただの軽いお遊びのはずじゃなかったのか?)
Shouldn't it be flung by now? (もう今頃はどこかにポイされてるはずじゃないの?)
flingは「短期間の浮気、長続きしないロマンス」という意味です。
次のセリフのflungはfling(ものを投げる、放り出す)の過去分詞形です。
(単語としては同じ単語です。同じ綴りの別の単語ではありません。)
ロスは、fling(お遊び)だから、flung(放り出されている)はずじゃないか、とflingをかけているのです。
ちなみに、ポコノスはペンシルベニア州にあります。

ロス: What am I supposed to do? Call immigration? I could call immigration.
(僕はどうしたらいいんだ? 入国管理局に電話する? 入国管理局に電話できるな。)
このロスの怒りの勢いから見ると、本当に電話しかねませんね。
パウロは英語がほとんどしゃべれないので、不法入国者かも、と言いたいのでしょうか

キャロルの部屋を訪れるロス。そこに置いてある写真を見て、
ロス: When did you and Susan meet Huey Lewis? (君とスーザンは、いつヒューイ・ルイスに会ったの?)
キャロル: That's our friend Tanya. (それは私たちの友達のターニャよ。)
ヒューイ・ルイスは、80年代、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとして活躍。
Sportsなどのアルバムがヒットしました。
1985年には、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーの主題歌The Power of Loveを歌っていましたね。
AmazonでSportsというCDのジャケット写真が見られます。
Sports (ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース)

眉毛の濃い、かなり男っぽい人ですから、ターニャはその人と見間違えるほど男っぽかったということです。
ちなみに・・・DVDの吹き替え版では、ターニャをアーノルド・シュワルツェネッガーと見間違えていましたし(字幕ではヒューイ・ルイス)、WOWOW初回放送時の日本語版では、マイク・タイソンと見間違えたそうです。
このことは、Marcel's Friends PageのFriends Quizに挑戦した時に知りました。
第1シーズンは、WOWOW版とDVDでは、日本語訳が大幅に変更されており、Friends QuizはWOWOW初回放送時の日本語版を元に作成されているそうです。
他の人に例えているのは、ヒューイ・ルイスって言っても、ピンと来ない人もいるから? (ファンの人、ごめんね。)
それにしても、シュワちゃんやら、タイソンやらに例えられる、ターシャって・・・。

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posted by Rach at 16:47| Comment(11) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBだけでなく、こんなにまで触れていただいて
本当にありがとうございます。
ここ一ヶ月で急に忙しくなり、ホームページの更新が
止まってしまって中なので申し訳ない気も…。

ターニャを誰と見間違えていたか、って話は初耳でした。
3人も候補があったのですね。
もう一度DVD見直してみます。
Posted by Marcel at 2005年08月15日 00:55
Marcelさん、コメントありがとうございます。
Marcelさんのサイトを見て、洋書を集めたという話を書きましたが、当時のページをプリントアウトしたものがあって、日付を見たら、2001年12月20日でした。
その当時の私は、サイトを見させていただくだけで、掲示板に参加させていただくことはありませんでした。(結構ウブだった? というより、ネットの知識が少なかったので対応できなかっただけかな・・・)
それが今、このように自分のブログとリンクさせていただけて、こうしてコメントなどでお話できるようになるとは感無量、という感じです。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2005年08月15日 13:05
随分前の記事ですが、コメントつけさせていただきます。(^^;


こちらの記事を参考に、フレンズの洋書購入しました。到着するのが、楽しみです。

ヒューイ・ルイス最高っすよ!『SPORTS』には沢山の名曲が収録されていますが、中でも【IF THIS IS IT】はシビレマス。
Posted by 海外移住希望 at 2005年12月14日 21:48
こんにちは!私もヒューイ・ルイス好きですよ。骨太のアメリカン・ロック!という感じですね。

日本の視聴者にわかりやすい名称にすりかえることが見ているとときどきありますね。2−14でチャンドラーがもらったブレスレットの文句をいっていて、ジョーイとけんかをして言い訳をするセリフのあとに「お前も得意なマルセル・マルソーのものまねをしろよ」といっていたのですが、吹き替えではチャップリンってなってましたね。
Posted by agathe at 2005年12月15日 11:15
あ、Rachさん

調べなくていいですよ!2−14になるまで待ってますから。
では、またー。
Posted by agathe at 2005年12月15日 11:23
海外移住希望さんへ
過去の記事にコメントいただくと、とても嬉しいです。ありがとうございます。
フレンズの洋書、いいですよ。最近出た本2冊(FRIENDS…'TIL THE ENDとTHE OFFICIAL TRIVIA GUIDE)はファイナルを迎えたということもあって、日本語訳も出ていますが、それ以外は洋書でしか手に入らないと思います。
写真がいっぱいの本なら、写真集みたいにうっとり見れますし(笑)、何より、やはりフレンズのメンバーには英語の活字が似合いますね。
ヒューイ・ルイスはバック・トゥ・ザ・フューチャーの曲しか知らないんですが、パワフルでいい声してますよねぇ。
Posted by Rach at 2005年12月15日 20:18
agatheさんへ
agatheさんも、ヒューイ・ルイスお好きなんですね。お二人のコメントを見る限りは、ヒューイ・ルイスの例えでも、「男っぽい」ってことがわかる人が多そうな感じ。
agatheさんのおっしゃる通り、人物名は本当によく置き換えられます。これはコメディの宿命みたいなものかもしれません。聞いた瞬間にパッとイメージが浮かばないと、笑えませんからね。シリアスなドラマなら、これほど置き換えなくても良いのかもしれませんが。
その固有名詞の選択は、ギャグのセンスにもつながりますので、出来れば原文で使われたニュアンスを理解できた方が、よりセリフを楽しめると思います。2−14では、その辺のところも調べて書いてみますね。お楽しみに(笑)。
Posted by Rach at 2005年12月15日 20:20
Rachさん、こんばんわ

いつも優しいコメントと解説ありがとうございます。
今回もよろしくお願いします。

レイチェルとフィビーとの会話
F) Should I not have told you?
R) Trust me,it's much better that I Know.
But I just liked it better before.
It was better.
の、itの指すものですが、 レイチェルの最初のitはフィビーが告白
したこと、ですよね? で、2番目のliked it のit は日本語では
「でも知らない時は幸せだった」とあるのですが、こちらは前の文を受けたitではなくて、その前の会話で「パオロがフィビーに手を出したことを知らなかった時のこと」を指しているのでしょうか?
itはすぐ前の言葉や文を受けていると思っていたのですが、何度読んでもピンと来ません。(もしその前のことを指しているのなら
どのitだ?と思わないのかなぁ・・・) 
よろしくお願いします。
Posted by やっちん at 2013年02月14日 22:04
やっちんさんへ
ご質問ありがとうございます。

このレイチェルのセリフは、better が3回出てきていて、その better にポイントがあるようですね。
今回のやり取りを、訳を簡単につけた上で、以下に書いてみます。

フィービー: Should I not have told you? (私はあなたに言うべきじゃなかったのかしら?)
レイチェル: No, trust me, it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. (いいえ、信じて。知る方がずっとベターよ。あぁ、ただ、前の状況・状態の方が、もっと好きだった。前の方が良かった。)

それぞれの it の指すものですが、まず、it's much better that I know. の it は、it = that I know だと思われます。
It's much better that I know. の that I know は、that 節 (名詞節)で、「私が知ること」になりますね。
That I know is much better. 「私が知ることはずっと良い(ベターである)」の that 節を後ろに回して、それを形式主語の it にした構文が、レイチェルのセリフになります。

そして、2番目の liked it の方ですが、この it は、「状況」を漠然と指している感覚かな、と思います。like it better before は「前の方がより好きだった」ということになるでしょうか。その後の、It was better. も、過去のその時の「状況」を指していると思います。「あの時の方が、より良かった」ということだろうと。

DVDの日本語訳は以下のようになっていましたね。
(字幕/音声)
私のせい?/言わないほうが良かった?
教えてもらってよかった/ううん。そんなことないわ。ほんと、教えてもらえてよかった
でも知らない時は 幸せだった/あぁ、でも知らなかった時の方が、幸せだったわね。

「知らなかった時の方が、幸せだった」というのは、「before の時の it (状況)」、つまり、「知らなかった時の方」が「より好きだった」という意味で訳してあるのだと思います。
ですから、レイチェルのこのセリフは、「フィービーが真実を教えてくれて良かった」と客観的に自分に言い聞かせながらも、でも知らなかった時の状況(it before)が、like better 「(知った後の今の状況)より好きである」→「前の知らなかった時の方が良かった」と自分の正直な気持ちを主観的に述べていることになるでしょう。

それぞれ何を比較しているかと言うと、
パウロがフィービーに手を出したことについては、知らないよりも知る方が良かった、知って良かった、教えてくれて良かった。
ただ、状況としては、知ってしまった今よりも、知らなかった昔の方が良かった、幸せだった。
ということですね。
Posted by Rach at 2013年02月18日 15:08
Rachさん、またまた丁寧に解説してくださってありがとうございます。

ニュアンスとしては判るものの、でもこのitは何を指している?と
考えてグルグル思考に嵌りました・・・ 細かく追及し過ぎですかね?
でもお蔭で毎回モヤモヤがスッキリしています。本当にありがとうございます。私の場合完全5段階を(いまこちらでやっています)もうちょっと繰り返した方がいいのかなぁ〜と考えています。あとはそのまま日本語にとらわれ過ぎないことかなぁ〜 英語を英語のまま理解する、って難しいですね! 頑張ります。またよろしくお願いします。 
Posted by やっちん at 2013年02月19日 15:33
やっちんさんへ
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。

it が何を指すか、というのは、結構難しいんですよね。そういうものは、ドラマや映画などの生きたセリフにたくさん当たって、ニュアンスを掴んでいくしかないのだろうと私は思っています。

DVDの日本語訳は、大きなヒントになりますが、コメディということもあって、意訳されている、または、全く別のジョークに置き換わっていることもありますよね。エピソードを進んでいくにつれて、日本語訳の利用のしかた、みたいなものも掴めてくると思います。

とにかく楽しんで続けていただけることを願っています。こちらこそよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2013年02月20日 15:22
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