シーズン1 第16話
The One With Two Parts -PartT (フィービーの双子対決)
原題は「パート1とパート2がある話−パート1」
とあるレストランで。
チャンドラー: This is unbelievable! It's been half an hour. If this was a cartoon, you'd look like a ham about now. (これって信じられないよ。30分も経ってる。もしこれがアニメだったら、今頃お前がハムに見えてるところだな。)
トムとジェリーなどのアメリカのアニメでは、お腹をすかせたネコのトムがネズミのジェリーを見ると、お皿に乗って湯気の出ているボンレスハムみたいに見える、というシーンがよくあります。
チャンドラーは、自分のお腹がすいてきたので、ジョーイがそんな風に見えると言っているのです。
その店でウェイトレスをしているフィービーを発見。
ジョーイ: How come you're working here? (どうしてここで働いてるの?)
フィービー: Because it's close to where I live, and the aprons are really cute. (だって住んでるところから近いし、エプロンがとっても可愛いし。)
How come・・・は「なぜ・・・なのか」という意味です。意味的にはwhyと同じです。
が、Whyだと"Why are you working here?"とWhy+疑問文の語順になりますが、How comeは上のセリフのように、How come+平叙文の語順になります。
チャンドラーとジョーイの質問に対して、トンチンカンな答えをするフィービー。
実は、フィービーと書きましたが、この人はフィービーの双子のアースラだったのです。
(そんな驚いた風に書かなくても、日本語タイトルの「フィービーの双子対決」を見れば、察しはつくでしょうが・・・ははは。)
アースラ(Ursula)は、ウルスラ、ウルズラとも読むそうです。
ウルスラと言えば、宮崎県の聖心ウルスラ学園高等学校が今年の夏の高校野球に出ていましたね。(2回戦で駒大苫小牧と対戦した学校です。)
この学校はカトリック系なので、聖女ウルスラから名前を取ったそうです。
ちょっとタイムリーなネタだったので、ここに書いてみました。
セントラルパークにいるフィービーを見ながら、
チャンドラー: Now tell me she doesn't look exactly like her sister. (今でも、フィービーがさっきの姉さんに似てないって言えるか?)
ジョーイ: I'm saying I see a difference. (俺には違いがわかるぞ。)
チャンドラー: They're twins. (二人は双子だぞ。)
ジョーイ: I don't care. Phoebe's Phoebe. Ursula's hot. (関係ないさ。フィービーはフィービーだし、アースラはホットだ。)
最初のチャンドラーのセリフは、「フィービーが姉さんに似てないって、今俺に言ってみろ。」という意味。
「フィービーを見ると、ますますさっきのアースラがフィービーにそっくりだと思うのに、フィービーを目の前にしても、お前は似てないって言えるのか?」、という意味です。
「フィービーはフィービーだけど、アースラはホットだ。」というセリフは、いかにもジョーイらしいような気もしますが・・・。
ホットは「セクシーな」という意味です。
ジョーイはホットな女性が好きなようで、ジョーイがhotという場合は、彼の中では最高の誉め言葉なのかもしれません。
姉のアースラの話を出してもそっけないので、レイチェルは尋ねます。
レイチェル: Pheebs, so you guys just don't get along? (フィービー、それじゃあ、あなたたちは仲が良くないのね?)
フィービー: It's mostly just dumb sister stuff, you know? (よくある、ダメな妹ってやつね。)
Everyone always thought of her as the pretty one. She was the first to walk, even though I did it later that same day. (みんないつも、姉の方が可愛いって思ってた。歩いたのも姉が最初、私が歩いたのも同じ日だけど、時間が後だった。)
To my parents, by then it was, "Yeah, what else is new?" (親にとっては、私が歩いた時は、「はいはい、何か他に新しいことはないの?」って感じで。)
get alongは「仲良くする、折り合う」という意味。
兄弟姉妹と比較されて、ねたむ、ひねくれる、というのはよくある話ですが、フィービーたちの場合は似ているだけに余計に大変だったよう。
"What else is new?"は、「他に新しいことは何?」、つまり、フィービーが歩いた時は、もうすでにアースラが歩いて、初めて歩いたー!!と大騒ぎした後なので、目新しいところがない、見飽きちゃった、と親は思ったのよ、と説明しています。
本当にそうだったのか、フィービーの姉に対する複雑な感情がそう思わせるのかは知りませんが・・・。
でも、確かに、一人目は、「わー、歩いたー!!」ですが、二人目になると、「わー、もう歩いてる!!」って感じで、初めてしたことに対する見方が違うのは、事実です、うん。
見方が違うから、愛情の度合が違うかと言うと、そういうわけではまったくないんですよ。
(↑誰に対して弁解してる?)
(Rachからのお願い)
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の "dumb sister stuff" はダメな妹というより
「よく世間にある、くだらない兄弟姉妹のいざこざ」って感じでしょうか?
この場合はフィービーとアースラの二人の姉妹のことを言っているわけですが、もし「姉妹のいざこざ」ということなら、(dumb) sisters' stuff と sisters' (複数形の所有格)にするような気がします。
私は、ここの dumb は stuff にかかっているのではなくて、よくある、dumb sister ってやつよ、みたいな感じに思いました。
その後のセリフでも、アースラが何でも全部先にやってしまって、妹は損だ、みたいな話になっています。英語の sister 自体は、姉か妹かはわかりませんが、フィービーはいつも自分が dumb sister の役回りであった、ということを怒っている、そのことが原因でなかなか仲良くなれないと言っているような気がします。
正直よくわからなくなってきました(笑)。
辞書に載っていなくても、sistery が sister の形容詞だということはわかりますから、そういう造語は結構頻繁に目にしますよね。
また、ハイフンを入れずに sister を形容詞的に使う、ということもあり得ると思います。
何となく私のイメージで「姉妹”間”のもめごと、姉と妹のもめごと」と言いたい場合には、sisters という複数表現が必要なのではないか、みたいなイメージがあったから、上のように書いたのですが、sister stuff や sistery stuff でも、「姉のこと、妹のこと、女きょうだいがらみの話」みたいな意味でいわゆる「兄弟(姉妹)げんか」を指すことも可能なような気がします。
また、dumb という形容詞は、stupid という意味で、もちろん
"What a dumb question."
のように物事にも使いますが、何となく私のイメージでは、人間に対して「ばかな、愚かな」と使うことが多いように感じたので、dumb stuff ではなくて、dumb sister だと捉えたようです。
これがもし、dumb とよく似た感じの、damn 「ひどい、最低の」という強意語だったとしたら、damn 'sister stuff' 「あのいまいましい sisiter stuff」だと解釈していたかもしれません。
今日、改めてDVDを見直してみたのですが、dumb sister stuff の部分、フィービーは sister の部分にアクセントを置いて3語を続けてしゃべっている感じです。
もし私が最初に思ったように、「ばかな妹のこと」という意味だったら、'dumb sister' stuff のように、つまり、dumb sister を続けて、その後、一瞬、気持ち、間が空いて stuff と言う、みたいな感じで発音するかもしれないなぁ、と思いました。指で引用符を作って、"dumb sister" ってやつよ、と言う感じになるでしょうか。
今回は音声を聞くとそういう感じには聞こえなかったので、やはり、dumb 'sister stuff' のような気がしてきました。
ちなみに、DVDの日本語は
字幕「すぐ比較されるからよ」
吹替「いっつも比較されたせいよ、そういうのよくあるでしょう?」となっていました。
私はいつも比較されて「負けている、劣っている」ということを彼女は言いたいのかと思ったのですが、「姉妹はそうやっていつも比較されるものだ」ということを sister stuff と表現している、ということかもしれません。
その後のセリフで「姉の方が可愛い」みたいな話が出てきますが、dumb だとそういう見た目で負けている、ということまでは表現できていない気がしますし…。
ということで、「姉妹によく起こる、ばかばかしい愚かな事柄」みたいな意味で言っているのかなぁ、と思います。
話が二転三転して申し訳ありません。興味深いお話をありがとうございました。
私も正直よくわからなくなりました(笑う)
ここは英語というより、解釈の違いかもしれませんね。
たぶん私の中に、たとえ親の目には姉の方が優れて見えていたとしてもフィービーが自分の事を"dumb"と言うかな?むしろそうした事で
疎遠になっている状態を"dumb"と思っているのでは?という
思い込みがあったのだと思います。
いずれにしてもRachさんのご意見が聞けて楽しかったです。
ありがとうございます。
私には最初からその dumb が「人が劣っている」ことを表現している「ばかな」という意味でしか見られていなかったので、stuff にかかる、ということが思い浮かばなかったのです。「できの悪い妹」のことを言っているだという思い込みがあったのですが、やはり上のコメントで書いたようにいろいろ考え直してみると、確かに自分のことを dumb とそこまで卑屈に表現するのもおかしいですから、「よくある愚かなこと」という感じの dumb なんだと今は思っています。
Helpです!(笑)
セントラル・パークで、アースラに会ったジョーイがフィビーに
言ったセリフ
Not from where I was standing. 字幕では「俺の目には合格だな」と
ありましたが、今一つこのニュアンスが判りません。そのままだと
「自分の立っているところからは離れていない」??って・・・
つまり自分の守備範囲、みたいなことなのでしょうか?
このまま入れてググッて見たら、すご〜くいっぱい出るんですが、この言葉をズバリ解説してくれているところはなくて、でも結構歌詞にも出てくるようなんで、余計に気になっています。
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
ご質問のやりとりは以下のようになっていましたね。問題となっているセリフは、まずは直訳っぽく訳してみます。
フィービー: Hmmm? Yeah. So, uh, is she fat? (ふーん、そう。で、あのー、アースラは太ってる?)
ジョーイ: Not from where I was standing. (俺が立ってたところからは、太ってないよ。)
フィービー: Where were you standing? (あなたはどこに立ってたの?)
where I was standing は、the place where I was standing という感じで、「俺の立っていたところ」ですよね。
from where は「その俺の立っていたところから」、not は from where を否定しているのではなく、その前のセリフの、Is she fat? を受けて、She is/was not fat と言っていることになります。
ですから、「俺の立っていたところからは、彼女は太っていない」という感じになるのですが、「俺の立っていたところからは」というのは何かというと、「俺の見たところでは、俺の思ったところでは、俺の印象では」みたいな意味になるわけです。
このフレーズは、英英辞典の LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に以下のように説明されています。
from where I stand, from where I'm standing : according to what you know or feel
例) Well, from where I stand, it looks like you've found a good job.
つまり、「自分の知っていること、または自分が感じたことに従うと」。例文は、「そうだな、俺が思うに、君は良い仕事をゲットしたように見えるよ」。
フィービーは意地悪っぽく、「ジョーイはアースラに会ったのね。で、アースラは太ってる?」と尋ねたわけですが、ジョーイは「フィービーはどう思ってるか知らないけど、俺の印象では、俺が見た限りでは、アースラは太ってないよ」と答えたことになります。
それに対してフィービーは、Where were you standing? と返していますが、これは、ジョーイの使った比喩を、マジ聞きした、というか、言葉通り受け止めて、「俺が見てたところ、って言ったけど、それは一体どこなの?」みたいに尋ねたことになるでしょう。見た場所によって、たまたま太ってるように見えなかっただけじゃないのー?とケチをつけてみた感じなのかな、と思います。
またまたお助けありがとうございます。
from where I stand, from where I'm standing : according to what you know or feel これ、知りませんでした。
(オックスフォードではこれは見つけられませんでした)
結構いろいろなところで使えそうな表現ですね!
(歌詞にもいっぱい出てくるわけ判りました)
俺の見たところでは太ってないよ→合格!なんですね。
判らないところはいろいろとググッてみていますが、「フレンズ」からの引用が出てくるのでホント凄いなぁ〜って思っています。
またよろしくお願いします。
お返事ありがとうございます。
オックスフォードの方には載っていなかったのだとすると、ロングマンには載っててくれて助かりましたね(笑)。
英英の説明を読むと、「俺の立っているところから」→「俺の見たところでは、俺の目から見ると」という感覚もしっくりきますね。
私もわからないフレーズが出てくると、よくググってみるのですが、フレンズのセリフがよくヒットします。他の国でも、英語学習の教材として使っている方も多いらしいことが、その検索結果からもわかったりして興味深いです。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。