2005年09月05日

フレンズ1-16その2

ロス: I've gotta go. I've got Lamaze class. (僕、行かなくちゃ。ラマーズ法のクラスに行かなくちゃいけないんだ。)
チャンドラー: And I've got earth science, but I'll catch you in gym? (俺は地学の授業に行かないといけないんだ。後で体育館で会おう。)
Lamaze classとは、Lamaze method(ラマーズ法)という陣痛の痛みを少なくする呼吸法を学ぶ授業・クラスという意味です。
出産前によく病院などで行われる母親学級のようなものでしょうね。
ロスがクラス(授業)に行かないと・・・と言っているのが、チャンドラーには学生のノリに思えたんでしょう。
学生の会話のようなセリフを言って、後で会おうと言っているのです。
gymはgymnasiumの略だと「体育館、ジム」、gymnasticsの略だと「体育(の授業)」という意味になります。
実は、このセリフはどちらなのかわかりません。体育館で、だとin the gymとなるように思うし・・・。
ラマーズ法と地学にそれぞれ出席した後、次の体育の授業で会おう、という意味なのかもしれませんね。

ラマーズ法の教室で自己紹介することになったロス
ロス: Susan is Carol's... Who's next? (スーザンはキャロルの・・・。次は誰?)
ここでもまた、元妻のレズビアンの恋人スーザンのことをなんと説明してよいか困ってしまい、次のカップルへ紹介の順番を回そうとします。

せかされて、
ロス: Susan is Carol's friend. (スーザンはキャロルの友達です。)
スーザン: Life partner. (ライフパートナーよ。)
ロス: Like buddies. (友達みたいなもんですよ。)
スーザン: Like lovers. (恋人みたいなもの、よ。)
ロス: You know how close women can get. ([他の出席者に] 女性ってどれほど親密になれるか、ご存知でしょう?)
なんとか友達といって誤魔化したいロスでしたが、気の強いスーザンにはっきりと宣言されてしまいます。
「二人はあまりにも仲の良い友達なので、ちょっと度を過ぎて仲良くなりすぎちゃって。」みたいに
なんとかその場を取り繕おうとするロスでした。

チャンドラーのオフィスにニナという部下がやってきます。
ニナの仕事上のミスを注意するのですが、
ニナ: Won't happen again. I wouldn't want to do anything to hurt your WENUS. (これからは気をつけます。もう傷つけるようなことはしたくありませんから・・・あなたのウィーナスを。)
Won't happen again.は「もう二度とこんなことは起こりません。」、つまり、「以後はこんなことが起きないように気をつけます。」という意味です。
前回のエピソードでも説明したのですが、WENUSとはWeekly estimated net usage system(一週間分の概算純益処理システム)の略語(もちろん、チャンドラーの会社内だけの専門用語)。
発音がweenie、weener(おちんちん)に似ている点がポイント(!?)です。ニナも最初、この専門用語がわからず、聞き返しましたが、その後、上のセリフを思わせぶりな表情で言っていますので、WENUSがweenieなどとかけてあるのは、間違いないでしょう。
ところで、ニナが入ってくる前に、チャンドラーはパソコンの黒い画面で髪を整え、引き出しから、オスカー像みたいな金色の像を取り出して机に置いてます。
それってどんな意味が? 貫禄でも出るんですか、それを置くと!?

ニナが可愛いとみんなに説明するチャンドラー。
ロス: It doesn't matter. You don't dip your pen in the company ink. (そんなこと関係ないよ。会社にインクに自分のペンを浸けちゃいけない。)
dip one's pen in the company inkは「会社のインクに・・・のペンを浸す」という意味なので、「会社のもの(人)に手を出す、会社の人と親密な関係になる」ことを指しているようです。
「会社の備品に手を出すな。」という感じの比喩ですかね。

モニカ: Ross. Your little creature's got the remote again. (ロス。あなたの小動物がリモコンをまた取ったわよ。)
creatureは「生き物、動物」。
a pretty creatureで「かわいらしい女の子」という表現もあるようですが、モニカはマルセルのことを、ペットというよりも、生き物・動物と言ったニュアンスで使っているんでしょう。
きれい好きのモニカは部屋じゅうを荒らしまくるマルセルが苦手なようです。
remoteはremote control(遠隔操作、リモートコントロール)の略。
日本語ではリモコンと略しますが、英語ではリモートになります。
この後、マルセルがリモコンを触っているうちに、二ヶ国語放送副音声のスペイン語に切り替わってしまいます。
画面にSAPと出ているのは、副音声(SAP: Secondary Audio Program)の略です。
アメリカでは、メキシコなど中南米からの移民が多いですが、その人たちはスペイン語を話す人が多いので、副音声はスペイン語なのでしょう。

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posted by Rach at 13:50| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんはじめまして

フレンズで英語学習をするようになって、いつもお世話になっています!
ロスの「You don't dip your pen in the company ink」について、元ネタかな、と思う資料を見かけたので、見ていただけると嬉しいなと思いコメントいたしました。
http://www.disneyhistoryinstitute.com/2013/09/walts-field-day-1938.html

これによると、ディズニーの祝賀パーティから起こったようです。
私の解釈としては、当時アニメーターの部署と着色の部署はそれぞれ男性と女性の専任のようになっていて、職場では男女が分離されていた。ところが、男女が一同に集うパーティの前に、ロマンスを促すようなメッセージがばら撒かれ、コントロール不可能な状況になるのを避けるために、ウォルトらが返したメッセージだった、というところでしょうか。pen(アニメーターの男性陣)と ink and paint(着色担当の女性陣)という、部署をイメージさせる単語を用いて、「アニメーターのペンは着色担当のインクに浸すことにはなっていない」と言い、淫らに男女の関わりを持たないように、と言っているのかなと捉えました。

よければRachさんの解釈や考察をお聞きしたいです。
Posted by koroke at 2021年05月02日 07:10
korokeさんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
「いつもお世話になっています」と言っていただけて光栄です。

You don't dip your pen in the company ink. の元ネタについての情報、ありがとうございます。紹介していただいた記事、とても興味深いです。

書いて下さった通り、アニメーターの男性陣(men in animation)に対して、彩色担当の女性陣(ink and paint girls)に手を出すなと言った言葉が元ネタのようですね。

この表現は広く使われるようで、Wiktionary にも出ていました。
https://en.wiktionary.org/wiki/you_don%27t_dip_your_pen_in_company_ink
you don't dip your pen in company ink
One should avoid romantic relationships in the workplace.
つまり「人は職場では恋愛関係を避けるべきである」ということですね。

pen は pen*s の音に近いですし、インクにペンを浸すというのは行為を連想させる表現でもありますから、そのフレーズを聞くとそれ系の意味だろうなぁと想像はつくのですが、それが「アニメーターには男性が多く、彩色担当には女性が多かった」というディズニーの職場環境と関係していたとわかると、その表現がより面白く感じられます。
Wiktionary には元ネタ・起源は載っていなかったのですが、Q&Aサイトの Quora で、ウォルト・ディズニー・スタジオのその話が起源だと書いてあるページもありましたので、それが元ネタであり、korokeさんの解釈で間違いないようです。

興味深い情報ありがとうございました。
Posted by Rach at 2021年05月09日 00:44
とうにご承知のことばかりだと思うのですが、びっくり&うれしい発見をして、つい書き込んでおります。
1-16に入り、今はHuluで勉強しているのですが。
時々、英語字幕が正確ではありません。このことは、レイチさんとこで見ると違ってるのが分かります。
また日本語字幕は、これは訳者としては当然のテクニックではありますが、時々、凄くアレンジしてあるのは知っており、1-16でも、
Ninaを呼び寄せて、チャンドラーのセリフ
I’ve just been going over your data here, and little thing,
you've been postdating your Friday numbers.
の、postdatingですが、
Hulu日本語字幕では“金曜の数字が入っていない”
なのですが、明らかに意味が違うのは分かっても、真意が分からない。
レイチさんとこで検索しても、そこはパスされておられる。
仕方なくGoogle検索すると、
「海外ドラマフレンズ:英語と字幕面白比較」という題名のブログで、この部分を解説されていて、
真意は、“金曜日に入力するべき数字をそれより後の日に入力してる”だと分かって、また、Huluでの英語字幕が、
「I was going over your data here and a little thing」
となっていますが、正しくは、
「I’ve just been going over your data here, and little thing」
だったことが分かったのですが、
このブログ内では、よく、“ト書き”という言葉が出てきて「何のこと?」。
調べると、どうも、この方、次のサイトを参考になさってるらしい。
Crazy For Friends - Scripts
初めて発見しましたが、私にとってはこの英語サイト、凄いんです。
Hulu英語字幕がどうも違うなと思う時や、セリフや行動の真意が分からない時でもト書きがあるので、解決できる可能性が増え、
「レイチさんのとこで検索して出ない時でも、ここ見ると、かなり悩みが救われる」と、もう、プチ感動しました。
以下、余談ですが、
チャンドラーが慌てて金色のトロフィーを引き出しから出す意味が全然分からなかったのですが、
女子社員の気を引くためだったんですね。
さらに些末な事なのですが、
英語サイトScriptでは、and little thing
Hulu字幕では、and a little thing
チャンドラーの音声は、“a”を入れてる“間”(ま)はないのですが、
どっちが文法上、正しいのか?
実際に、脚本家は、and little thingと書いて、チャンドラーも、そう言ってるのか?
あるいは、Hulu字幕が全ての点において正しく、チャンドラーの音声も、a little thingと言ってるつもりなのか?
不勉強のまま大人になった私には超悩ましいのでした(笑)。
長文になり失礼いたしました。ご返信は特にはご無用でございます。
Posted by JB at 2024年05月13日 14:23
JBさんへ
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり申し訳ありません。

私の記事では解説を飛ばしてしまっておりましたが、確かに postdate は「(小切手などの)日付を実際より遅らせる」という動詞で(対義語は predate)、
英辞郎にも
postdate=【他動】実際より後の日付にする[を記入する]
という意味が出ていました。
入力日が正しくないためにエラーが出た、ということですね。

DVD/Blu-rayや動画配信サービスでは、実際のセリフよりもはしょられて表記されていることがありますが、そういう場合にはもれなくセリフを書き起こしてくれているネットスクリプトの存在はありがたいですよね。
改シリーズになる前の、初期のブログ記事では、フレンズ2-22から私もネットスクリプトを利用するようになりました。
改の分は1-1の最初から、ト書きを含めてネットスクリプトを使わせていただいております。

DVD、Blu-ray、配信サービス、ネットスクリプトでそれぞれ表記が違うということはよくあって、いろいろ比較検討してみている記事などもありますが、音を可能な限り拾っている(省略していない)のはネットスクリプトで、スペルの正しさは公式であるDVDなどが信頼できるように思っています。
Netflix の英語字幕が、一番、実際の発音されている英文に近い、と常々感じていましたが、数年前にネトフリでのフレンズの配信が終了してしまい、残念なことだと思っています。
Posted by Rach at 2024年06月15日 10:33
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