2005年09月11日

フレンズ1-17その3

フィービーの誕生日パーティー。みんなは隠れていて、ドアが開いた途端、
Surprise! (サプライズ!)
ところが、それはフィービーではなくて、ロス。
ロスはびっくりして、誕生日のケーキを落っことしてしまいます。
アメリカ人はパーティー好きですが、このように主賓をSurprise!と驚かすのは、よくある光景です。
そういうのをsurprise party(サプライズ・パーティー、びっくりパーティー)と言います。
たいてい、驚かされる側も、Surprise!と言われることを予期していますが、一応驚いて見せるのが礼儀のようですね。
部屋をきれいに飾り立てて、企画を考え、パーティーにはかなりの労力がかかっているようです。
子供っぽい感じもしますが、でも、見ているととても楽しそう。
何歳になっても、こんな風に盛り上がれるなんて、ちょっぴり羨ましいです。(パーティーの幹事になったら、大変そうだけど。)

ロスはパパとレストランで食事をしています。
ロスはパパも子供が生まれる前に、不安だったかを尋ねるのですが、
パパ: No. Your mother did the work. I was busy with the business. I wasn't around that much. (いいや。母さんがやることはちゃんとやってた。私は仕事で忙しかったから、あんまりそばにいてやれなかった。)
Is that what this is about? (そのことを言わせたくて、食事に誘ったのか?)
ロス: No, no. I was just wondering. (違うよ。ただ疑問に思ってるだけなんだ。)
パパ: There's time to make up for that. We can do stuff together. (その埋め合わせをする時間はある。一緒に何でもできるぞ。)
You always wanted to go to colonial Williamsburg. How about we do that? (お前は子供の頃、いつもウィリアムズバーグ時代村へ行きたがってたな。そこに行くのはどうだ?)
Is that what this is about?は「そのこと(そばにいてやれなかったこと)がこのこと(ロスがパパを食事に誘ったこと)の理由か?」という意味です。
つまり、今そんな話を持ち出したのは、そのことを言いたいために、食事に誘ったからなのか、と勘ぐっているのです。
Is that what this is about?にはいろんなバリエーションがありますが(フレンズ1-16その5 にも出てきました)、何かに気が付いた時に、「こういうことだったんだな。」というようなニュアンスです。
サスペンスドラマを見ていると、真犯人がわかったり、謎が解けたりした時に、「こういうことだったのね。」とヒロインが気付くシーンがありますが、そういう場合に、That's what this is all about.と言うと「今までのことはすべてこういうことだったのね。すべてここにつながっていたのね。」という意味になります。
make up forは「[損失の]埋め合わせをする」という意味。
colonial Williamsburgは、バージニア州ウィリアムズバーグにあります。
人々がヨーロッパからアメリカに渡ってきた頃の、まだイギリスの植民地だった時代を再現した村です。
日本で言うと、明治村か東映太秦映画村って感じでしょうか。

いつ父親の自覚が芽生えたのかを尋ねるロスに、
パパ: All of a sudden, you grabbed my finger with your whole fist and you squeeze it so tight. And that's when I knew. (突然、赤ちゃんのお前が私の指をつかんで、ぎゅっと握ったんだ。それが、父親だと自覚した時だな。)
それを聞いて、はっとなるロス。
パパ: So you don't want to go to Williamsburg? (ところで、ウィリアムズバーグ時代村には行きたくないのか?)
ロス: We can go to Williamsburg. (行ってもいいね。)
パパの告白に、ロスは何か感じるところがあったようです。
ちょっとずれたところのあるトンチンカンなパパですが、やはり人の親。
子供じゃあるまいし・・・といったんは断った時代村へ、パパと行ってみようかな、と思うロス。
父と子の絆を感じますね。

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posted by Rach at 14:04| Comment(10) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ!
このBlog、辞書に載ってない意味など細かく書いてあるので、
会話の中でわからない表現などあると、すんごく助かってます!
かなり英語の勉強に活用させてもらってます☆

ちなみに、自分の目標もTOEIC900点なんですが、
Rachさんは一日どのくらいの時間、勉強していましたか??

ぜひ、参考にさせてくださいm(__)m
Posted by くっきー at 2005年09月12日 13:36
くっきーさん、またコメントをいただきまして、ありがとうございます。「助かる」などと言っていただけて、とても嬉しいです!!

私も目標を900点においていた頃は、自分で一日2,3時間は英語を(ながらでも良いので)聞くように努力していました。受け売りですが、アルクのヒアリングマラソンは1年間で1,000時間聞く、というのを目標にしているそうで、やはりそれくらいは聞かないといけないのだろう、と自分で勝手に決めていただけなんですが。
それから、やはりTOEICである程度の点数を目指すには、テストの形式に慣れることも必要ですよね。
石井辰哉さんという満点保持者の方が書かれた参考書で900点をターゲットにしたものがいくつかあります。文法などがTOEICの視点から書かれていて、私にはとても参考になりました。
Posted by Rach at 2005年09月12日 15:17
レスありがとうございます!

やはり、一日2〜3時間しないと上達しないんですね。。。
今まで一日1時間ぐらいだったので、
今日から2〜3時間がんばってみようと思います!

このBlogは、本当にためになっています。
Rachさんもがんばって続けてくださいね!
Posted by くっきー at 2005年09月13日 12:32
くっきーさんから、そのような励ましのお言葉をいただけると、また頑張ろうという気持ちになれます。
本当にありがとうございます。
暖かく見守っていて下さいね(笑)。
Posted by Rach at 2005年09月13日 16:43
Rachさん、こんにちは。Chokoboです。ここまで順調に17話まできました。(^^)ノ
大分慣れてきたので、最近は上級者の2段階がかなりやりやすくなってきました。

さて質問なのですが、このエピソードでRossがSuprise!! で誤って脅かされてケーキを落とした直後の言葉 You scared the crap out of me.
の文法的解釈がいまいち理解できません。

1.うんちが out of me =でるほど驚かされた(=驚いた)という理解になるのか、2.うんちが僕からなくなるほど驚かされた(=驚いた) なのか…。

ネットを見ているとcrap の部分にはshit、the hell, the daylights などいくつか入るようですね。全部同じく、めっちゃ驚いたやん。って意味のようなのですが。

2の解釈の場合だと、the daylights が僕からなくなるほど驚いた、であれば何となく意味が理解できそうなのですが、crap や the hellが自分からなくなる=out of me のは個人的にはむしろHappyな気が…しないこともないのですが(笑)

よろしければ、Rachさんの解釈お聞かせいただけるとうれしいです。
Posted by chokobo at 2017年03月29日 23:31
Chokoboさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
順調にここまで進まれたとのこと、また、上級者の最速2段階に馴染んでこられたご様子、とても嬉しく思います。

ではご質問の You scared the crap out of me. について。
あれこれ書いていたら長くなってしまったので、またお時間のある時にでも読んで下さいね^^

この scare the crap out of someone という形は、scare the hell out of someone という形が基本形のようです。
かなり先のエピソードになるので、リンクをはるのは避けますが、フレンズ6-4その3 に、"Oh yeah, scared the hell out of me." というセリフが出てきます。

Macmillan Dictionary には、以下のように説明されていました。
frighten/scare/beat/kick the hell out of someone : (informal) to frighten or hurt someone very badly
つまり、「人を大変ひどく怖がらせる、または傷つけること」。

the hell out of someone と一緒に使われる動詞として「怖がらせる」「叩く、蹴る」などが使われるということですね。
このような the hell は、What the hell are you doing? などの形で使われるような強意語で、hell をこのような強意語として使うのは、あまり上品ではない言い方になりますね。

the hell out of のみが項目として載っている英英辞典もいくつかあって、
例えば、Cambridge Dictionary では、
the hell out of : very much
例)You scared the hell out of me!
Note: This may be considered offensive by some people.
つまり「非常に」の意味で、注釈・注記として「この表現を侮辱的・不作法とみなす人がいるかもしれない」と書かれています。

Merriam-Webster Dictionary では、
the hell out of : (informal + impolite) used for emphasis after words such as scare, frighten, and beat
つまり、「(インフォーマルで、不作法・失礼な表現)scare, frighten, beat などのような単語の後に強調のために使われる」。

一般的に使われるのは、その the hell out of で、そのバリエーションとして、今回の the crap や、例に挙げて下さった the daylights などもあるようです。
アカデミックな辞書であり、お下品な言葉がほとんど載っていない LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、the (living) daylights バージョンは載っていましたが、the hell out of は載っていないようですので、上に挙げた他の英英辞典で、offensive, impolite と説明されていたことと一致しますね。

そして、今回の the crap バージョンについては、the hell という強意語を、汚い言葉・下品な言葉で置き換えたパターンの、さらにお下品な表現になるだろうと思います。

そして、out of のニュアンスについて。
まずは the daylights の方から見てみると、daylight は「日光、昼光」という意味なのですが、研究社 新英和中辞典に興味深い説明が載っていました。
daylight=[複数形で]《俗》 意識、正気
beat [knock] the (living) daylights out of a person 気を失うほど人を殴りつける。
scare the (living) daylights out of a person 気を失うほど人をおびえさせる。

英英辞典には「意識、正気」という語義があまり載っていなかったのですが、
Wikipedia 英語版: The living daylights (idiom)
https://en.wikipedia.org/wiki/The_living_daylights_(idiom)
に以下の説明がありました。
引用させていただきますと、
The living daylights is an archaic idiom in English believed to be early 18th century slang for somebody's eyes that subsequently figuratively referred to all vital senses.

つまり、「the living daylights は、「人の目」を意味する18世紀初期の俗語で、それ以後は「すべての生命の感覚」が比喩的に言及された、英語の古風なイディオムである」。

all vital senses は「生きている感覚」みたいなことですから、「意識」という日本語に通じる気はしますね。
the (living) daylights=意識、なら「人から意識をなくすほど、殴る・怯えさせる」というのはしっくりきます。

ただそれを the hell, the crap に当てはめると、ちょっと合わない気がしますね。
それらの場合は、「人からそれがなくなる、取り除かれる」というよりも、「何かとんでもないものが飛び出てくるほど強く(動詞の行為が行われる)」のようなニュアンスなのかなぁ、と思います。

つまり、私の考えでは、the daylights の場合と、the hell, the crap の場合は、out of のニュアンスが違っていて、Chokoboさんの考察の、
2.「なくなるほど驚かされた」が the daylights で、
1.「でるほど驚かされた」の方が the hell, the crap に当たるのかなぁ、と。

out of の感覚を突き詰めようとすると上のような結果になり、out of のニュアンスの違いが気になってしまうところですが、私なりの考察を以下に書かせていただきますと、、
the hell out of がインフォーマルな表現であることを考えると、一番先に the daylights を使った表現があって、その強調表現のバリエーションとして、インフォーマルな the hell が使われたり、さらに下品な the crap が使われたり、という変化だったのかなぁ、と思ったりします。

使われている単語のニュアンスを厳密に出そうとすると、
the daylights out of 「意識をなくすほど」
the hell out of 「地獄が飛び出てくるほど」
the crap out of 「うんちが出てくるほど」
というところで、それぞれイメージできますが、the hell も the crap も元々の「地獄」「うんち」という意味を離れて、あくまで「強意語」として置き換えられた「キツく強い単語」のバリエーションの一つに過ぎないのかもしれない、それに関しては、out of との関連をあまり追求する必要はないのかもしれない、という気もしたということです。

これまではこの表現を深く追求したことがなかったので、今回いろいろ調べることができて、とても面白かったです。
興味深いご質問、ありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2017年03月31日 20:58
Rachさん、いつも丁寧なご回答ありがとうございます。

「一番先に the daylights を使った表現があって〜〜」の見解、なるほど、そういう考えもあるのかと思いました。

単にイディオムとして覚えればそれで良いのかもしれないのですが、こうやって紐解いたり、深く考える事で、より記憶に残っていき、定着して行くんでしょうね。Rachさんはそれをずっとやってこられているからこそ、今の英語力があるのだと改めて実感致しました。

ときどき、スルーしてしまうか、Rachさんに質問するか迷うことがあるのですが、これからもまた気になる事があれば、質問させて下さいね。
Posted by Chokobo at 2017年04月01日 19:16
Chokoboさんへ
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
「一番先に the daylights」の話は、あくまで私の考察に過ぎないのですが、「似たような表現なのに out of のニュアンスが違う理由」を考えるのは実に楽しかったです。

おっしゃるように「単にイディオムとして覚えればそれで良い」という考え方もありますよね。母国語の日本語だって語源を知らない言葉はたくさんありますし、それでも問題なく使えているのであればそれで良いわけですが、自分があれ? と疑問に感じたことであれば、それをあれこれ調べてみることも、正しい学習方法だと思っています。

また気になることがあれば、ご遠慮なくどんどんお尋ね下さいね。out of に注目した今回のお話も、とても興味深く楽しかったです♪
温かいお返事ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2017年04月02日 15:43
I wouldn't mind having a piece of this sun dried tomato business.
Five years ago, if somebody had said to me, here's a tomato that looks like a prune,I would say " get out of my office!"の解説をお願いしたいです。宜しくお願いします。
Posted by ふく at 2021年03月28日 14:05
ふくさんへ
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。

ゲラーパパ : I tell you one thing, I wouldn't mind having a piece of this sun-dried tomato business. Five years ago, if somebody’d said to me, “Here's a tomato that looks like a prune,” I'd have said, "Get out of my office!"

これを訳すと以下のようになるかと思います。

一つだけ言っておくが、私は、乾燥トマトのビジネス(の一つ・一部)をやっても構わないと(今は)思っているんだ。5年前、もし誰かが私に「これはプルーンのように見えるトマトです」と言ってたら、私はこう言っただろうがな、「私のオフィスから出て行け!」と。

最初の I wouldn't mind doing は「〜することを嫌だと思わないだろう」ということで、「〜してもいいと思うだろう」ということ。
wouldn't には「もしそのような状況になれば、そういう機会があれば」のような仮定のニュアンスが込められています。
その後、5年前の話をしているのは「今はやってもいいと思っているけれど、5年前ならこうだっただろう」という「過去の仮定」の話で、「プルーンみたいなトマトでビジネスするのはどうですか?」と誰かが言ってきていたら、その時の私は「そんなバカみたいな話を持ってくるな。出て行け」と追い返しただろう、ということですね。
Posted by Rach at 2021年04月07日 22:49
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