2005年09月12日

フレンズ1-17その4

ドクターたちが手土産にワインを持ってきます。そのワインを見せて、
ミッチェル(ジョージ・クルーニー): How could we resist? (我慢できないよね。)
resisitは「抵抗する」ですが、「我慢する、こらえる」という意味もあります。
「魅力に抵抗する」ということですね。
このセリフは直訳すると、「どうやって我慢できるというのか?」なので、「我慢できるわけない。」という感じ。
I can't resist.で「我慢できない。」ですが、これはI can't wait. 「待てないよ。」とも言い換えられます。
どちらも、可能か不可能かの話をしているのではなく、我慢や待つことができないほど「楽しみにしている」ということです。

二人が入れ替わっていることをバラしたいレイチェルと、そんなことをしたらダメだというモニカ。
台所でケンカしてしまいます。
ドクターが二人について質問しますが、
モニカ: See, I was supposed to get married, but I left the guy at the altar.
(あのね、私は結婚することになっていたんだけど、花婿を式場に置いてきぼりにしちゃったの。)
Yeah, I know it's pretty selfish, but...hey, that's me! (えぇ、かなり自己チューだと思うわ。でも・・・そうよ、それが私よ!)
be supposed to...は「・・・することになっている」という意味で、過去形で使うと、「することになってた(けど、そうならなかった)」ということを暗に示しています。
レイチェルに怒っているモニカは、レイチェルを演じているのをいいことに、レイチェルの過去をバラしてしまうのです。

怒ったレイチェルも反撃し、二人の暴露合戦は続きます。
モニカ: I am so spoiled! (私は甘やかされて育ったの!)
レイチェル: And have I mentioned that back in high school I was a cow? (高校の時、私、牛みたいに大きかったって話、もう話したかしら?)
モニカ: I used to wet my bed. (昔はよく、おねしょをしてたわ。)
spoilは「台無しにする、だめにする、甘やかす」という意味があります。
wet one's bedは文字通り、「ベッドをおしっこでぬらす」ということです。

レイチェルのパパが電話してきて、レイチェルになりすましているモニカが電話に出ます。
モニカ: There's something I've been meaning to tell you. (ずっとパパに言おう言おうと思ってたことがあるの。)
Remember back in freshman year? (1年生の頃のこと覚えてる?)
Well, Billy Dreskin and I had sex on your bed. (私、ビリー・ドレスキンとパパのベッドでエッチしたの。)
mean toは「・・・するつもりである」なので、have been meaning to・・・は「ずっと・・・するつもりだった、・・・しようと思い続けていた」ということ。
日本語でも新人のことをフレッシュマンといいますが、freshmanは「新入生、一年生」。
4年制の大学では1年生から4年生までは、freshman, sophomore, junior, seniour。
3年制の高校では1年生から3年生まで、freshman, junior, seniorと言います。
レイチェルのパパは怒りっぽいので、この後、レイチェルは電話で必死に弁解することになります。
モニカは、してやったり、という感じかな?

ジョーイががっかりしながらモニカの部屋に入ってきます。
ジョーイ: Your sister stood me up the other night. (君の姉さんに、こないだの晩、待ちぼうけさせられたよ。)
stand upは「立つ」ですが、目的語を取って他動詞として使うと、「・・・に待ちぼうけを食らわせる、デートをすっぽかす」という意味になります。
つまり、「・・・を立たせたままにしておく」ということで、デートの相手が来なくて、時計を見ながらイライラして、待ち合わせ場所で立っている姿が目に浮かびますね。
(もちろん、座って待っていても、stand upは使えます。)

ジョーイをかわいそうに思ったフィービーは、アースラに話をしに行きます。
フィービー: You got a minute? (時間ある?)
アースラ: Yeah, I'm just working. (えぇ、ただ働いてるだけだから。)
勤務中だからダメだというのが普通なのに、全然気にしないアースラ。
それどころか、お客さんに運ぶはずだった料理を自分の机に置いて食べ、文句を言いに来た店主(あるいは同僚のウェイター?)に、サラダまで頼んでます。
ちょっとズレてるところは、さすがフィービーの双子というところですが、アースラの方が性格キツそうなだけに、インパクトは強烈ですね。

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posted by Rach at 14:58| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん
毎日、このブログで少しづつ英語勉強させていただいて、1-17まで来ました(笑)
文法や表現、時事ネタ、サブカルネタ大変勉強になります。ありがとうございます。
皆さんの熱心な質問にもなるほど〜と感心して読んでいます。
以前のTOEIC勉強は毎日が受験勉強のようで苦行でしたが、今はチャンドラーのギャクに笑いながら楽しんでやれています。これがまたTOEICに反映されればいいと思っています。

さて質問なのですが、
フィイビーが姉のアースラに会いに行って、ジョーイに電話しないの?って聞くところですが・・・
大体16:00あたりでしょうか?

アースラ:He? why?(彼に?なんで?)
フィービー:You got me.(何でもよ)

となっていています。

このyou got meっていうのがよくわからなくて・・・
辞書引くと、悩ますとか、困らせるとか
あと傷つけるっていうのがあります。

そうするとあなたはわたしを困らせるわ。
みたいなのが元の意味なのでしょうか?

こういうさりげないセリフがけっこうわからなかったりします。

お手間とらせてしまい申し訳ありません。お時間のあるときにでけっこうです、お答え願えたらと思います。
ありがとうございます。
Posted by katuo at 2016年06月08日 12:51
katuoさんへ
コメントありがとうございます。
「大変勉強になる」と言っていただけること、とても光栄で嬉しいです。コメント欄での皆さんからのご質問やご意見には、私も多くのことを学ばせていただきました。そういうコメント欄まできっちり目を通していただけていることも、とても嬉しく思います。

試験対策のような勉強は、苦行のようになりがちですよね。楽しくフレンズ学習を続けられる中で、TOEIC という目に見える点数の形の成果に繋げていただければと思います。

さて、ご質問についてですが、おっしゃる通り、You got me. のような言葉は、意外と難しいですよね。
You got me. というフレーズはいろいろな意味で興味深いので、ちょっと長くなってしまいますが、以下に私の見解を述べさせていただきますね。

それから、ご質問をいただけることは本当に嬉しいことですから、「申し訳ありません」などと恐縮していただかなくても結構ですよ(^^)
私の方も、自分のペースで無理せずお返事させていただいておりますので、どうかこれからもお気軽にご質問下さいね。

それでは、本題に入ります。
「あなたは私をゲットした」ということですが、get という超基本単語ほど、いろいろな使われ方をするので、意味をこれだと限定することが難しくなってきます。

You got me. というフレーズを英英辞典で調べてみますと、
まずは、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
you('ve) got me : used to say you do not know the answer to something
例) "Why did he attack him?" "You got me."
つまり、「何かに対する答えがわからない、と言うために使われる」。例文は、「どうして彼は彼を攻撃したの?」「わからない」。

英英辞典のマクミランに載っているのも、「わからない」という意味でした。

それ以外には、直接 You got me. ではないけれど、例文に似たフレーズが出てくるものとして、研究社 新英和中辞典の以下の語義が挙げられるでしょうか。

《口語》〈…を〉理解する、のみ込む
Do you get me? 私の言うことがわかりましたか。
I got you. 君の言うことがわかった。

〈人を〉困らせる、苦しめる、いらいらさせる
This problem gets me. この問題には困った[参った]。

〈人を〉やっつける、復讐する
I'll get you for this. この仕返しは今にしてやる。
Boy, did we get him! うわーい、やつをとっちめたぞ。

(katuoさんが挙げられた「悩ます、困らせる、傷つける」などの語義には、やはり目が行きますよね)

英辞郎では、
You got me?
(私の言うことが)分かった?
というのも載っています。

get の意味としては「主語が目的語を”手に入れる”」という感覚が真っ先に挙げられるでしょうか。
その「手に入れる」というニュアンスが広がって「わかる、理解する」という意味になったり、「主語が目的語より優位に立つ」というような意味で「困らせる、やっつける」という意味になったりもする、ということでしょう。

過去のフレンズのセリフでは、
フレンズ1-8 で、おばあちゃんの遺品の写真を見ているシーンで、
チャンドラー: Who are those people? (この人たちは誰?)
ロス: Got me. (わからないや。)
というのもありました。
これは、Got me. = You got me. で、最初に挙げた「わからない」という意味ですね。

次のエピソード、フレンズ1-18 では、勝負事をしている時のセリフで、
You got me. 「負けたよ、やられたよ、降参」
というニュアンスで出てきます。

また、ずっと後のエピソードだと、フレンズ3-11 や 4-5 などで、You got me. 「図星だ」「あぁ、わかってしまったんですね[その通りです]」のような意味でも出てきます。

様々な使われ方の紹介が長くなってしまいましたが、上に書いたことを総合すると、You got me. の訳の可能性としては、

・(相手の言っていることが)わからない。
・あなたは私の言うことがわかった。図星だ。わかってしまったんですね。
・負けた。やられた。降参。

などに分けられるでしょうか。
改めて今回のご質問のやりとりを見てみると、

フィービー: Joey. You know, um, he's really nutsy about you. (ジョーイのことよ。ほら、彼はあなたにものすごく夢中なのよ。)[フィービーは少し微笑んでいる]
アースラ: He is? Why? (彼が。どうして?)[アースラは、そんなこと言われても別に嬉しくない、興味ない、という顔]
フィービー: You got me. (???) [いらっとした、むっとした顔で]

このフィービーの様子を見ていると、「ほら、ジョーイはあなたに夢中なのよ」と普通なら喜びそうなことを言ってあげたのに、アースラが「そんな人全然興味ない」みたいな顔をした上で、「私のことが好きなの? どうして?」と他人事みたいな対応、ジョーイの気持ちなど全く考慮していない様子を見せたので、「どうして?」という質問に対して答える気にもならず、「さあね(どうしてなのかは、私にはわからないわ)」と答えを拒絶して、このやり取りをとりあえず終えたような気がしました。

DVDの日本語訳は、「彼が? 何で?」「何でも」となっていましたが、これも「何で?」などと返してきたアースラに対して、いらっとした気持ちで「説明する気にもならない」という気持ちで答えている感じが出ているように思います。

語義説明で最初に挙げたロングマン(LAAD)の例文が、
"Why did he attack him?" "You got me."
となっていましたが、今回のアースラとフィービーのやりとりもそれと同様の、"Why?" "You got me." になっていますよね。
You got me. はさまざまなニュアンスで使われますが、Why? に対しての You got me. であれば、辞書通りの「なぜ?」「わからない」という意味で解釈するのが、一番自然かなと思います。
ただ今回の場合は、「なぜと聞かれたけど、私には答えがわからない」という純粋な意味ではなく、「何で?」と聞いてきた相手にいらっとして「さあね」と返した、というニュアンスなんだろうと思いました。

上に書いたことで、またわかりにくいところがありましたら、どうかお気軽にお尋ね下さいね(^^)
Posted by Rach at 2016年06月08日 19:25
Rachさま

早々の、そしてご丁寧なご回答ありがとうございます!
さすがですね・・・読み応え満点でした(笑)!
you got meだけでも
文脈で使い方が色々なんですね。
フィービーはもうこの姉に言ってもしようがないってサジなげてるっていう感じの「わからない・・・」なのですね・・・こうなると英文解釈というか文学的解釈の領域ですね(笑)
(そのあと(アースラのふりをした)フィービーがジョーイとお別れのキスをして、フィービーが「やった〜」(オーマイゴッドって言っているようでしたが・・・)顔しているのは大笑いしてしまいました)
ありがとうございます。勉強になります。

ちょこっと調べるだけだとこれだけでてきませんね。。。こういうRachさんの調べこむ姿勢というかattitudeも勉強になります。あとアーカイブの作り方というか・・・
ありがとうございます。

これも以前の記事か、本に書いてあったかと思いますが、
特にRachさんがお気に入りのロングマン英英辞書はコンピューターのソフトをお使いなのでしょうか?
わたくしのはかなり古い紙媒体のロングマンなので、getを引いてもyou got meまでたどりつけませんでした(笑)。。。
あと英辞郎も有料のをおつかいですね?
やはり使う辞書は英語力を示しますね。

調べたもののファイルの仕方も今は紙でさっと書いているので、これを本で紹介しているようにエクセルなどで(PC苦手なんです・・・汗)整理するのも考えないとですね。

徐々にフレンズ勉強モードにシフト(笑)していければとおもいます。
今後ともよろしくお願いします。

Posted by katuo at 2016年06月10日 14:26
katuoさんへ
こちらこそ、ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。
「読み応え満点」と言っていただけて良かったです^^

回答は簡潔に書いて欲しい、と希望される方も多いだろうことは承知の上で、katuoさんは、ここまでのエピソードの、「いろんな方々との長いコメント欄のやりとり」を楽しんで下さったご様子だったので、今回のようにじっくりたっぷり書かせていただくことができました。
ご質問に対する回答であると同時に、私自身の頭の中を整理して、You got me. についての全体像をまとめることもできるので、またどこかで You got me. が出てきた時に、ここで書いたことが役に立ってくれるんですよね。
私としてはそういう気持ちで書いているわけですが、それを「調べこむ姿勢、attitude、アーカイブの作り方」として評価して下さっていることは、本当に光栄で嬉しく思います。ありがとうございます!

ロングマンで、特に私が気に入っている LAAD (Longman Advanced American Dictionary) は、お察しの通り、パソコンに入れたソフトを使っています。CD-ROM付きの紙の辞書を買って、インストールしたもので、紙の辞書も手元には置いていますが、パソコンを立ち上げるのがめんどくさい時(笑)くらいしか、紙の辞書は使わないですね。
それから、英辞郎も、有料のもの(パソコンにインストールしたもの)を使っています。

パソコンのソフトの LAAD だと、you got me で検索したら、you('ve) got me がすぐにヒットしてくれました。項目としては、動詞 get の項目に載っているのですが、get のような基本単語は特に語義が多くて、紙の辞書だと目的の意味を探しだすのがなかなか大変ですよね。
ソフトだと検索もすぐですから、その分、辞書を引くのもおっくうではなくなるため、関連語も併せて調べてみたりなど、学習の幅が広がった気がします。

これからもフレンズで楽しみながら学習を続けていただければと思います。こちらこそ、今後ともよろしくお願いします(^^)
Posted by Rach at 2016年06月10日 17:03
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