進化論を否定されたロスは、とうとう化石を持って現れます。
ロス: Some of these fossils are over 200million years old. (この化石のいくつかは2億年以上も前のものだ。)
years old は「〜歳」という意味ですが、生き物だけに使うわけではなく、このように無生物の化石や建物などにも使えます。
This building is 10 years old. だと「この建物は築10年です。」という意味になります。
化石の証拠まで使ってフィービーを説得しようとしたのですが、逆にフィービーがロスに訴えます。
フィービー: Didn't the brightest minds in the world believe the Earth was flat? (世界で最も優秀な頭脳の持ち主が、昔、地球は平らだって信じてなかった?)
And up till 50 years ago, you thought the atom was the smallest thing until you split it open and this whole mess of crap came out. (それから、50年前までは、人は原子が一番小さいものだって思ってたでしょ。原子を割って開けて、このなんだかぐちゃぐちゃのものが出てくるまではね。)
Are you telling me that you are so unbelievably arrogant that you can't admit that there's a teeny, tiny possibility that you could be wrong about this? (あなたが「このことについて間違ってるかもしれないという可能性がほんのわずかならあるかも」ということを認めることができないほど、あなたはすごい傲慢だって言うわけ?)
mind は「心」ですが、「知性、頭脳」という意味もあり、また「・・・な知性の持ち主」という意味もあります。
a great mind なら「偉人、賢人」という意味になります。
このフィービーの説得は、やけに論理的です。
確かに、昔の人は、地球は平らで、端っこに行けば海が滝のようになっていて、船が落っこちてしまうとか、そういう絵を描いていましたね。
私たちだって、いろいろと教科書や本で習ってるから知ってるだけで、この地面を見てる限り、地球が丸いとかって簡単には認識できませんもんね。
また、科学とかには疎そうなフィービーなのに、原子が最小の単位ではなく、その中にまた別のものが入っている、と述べています。
原子の中は、確か、原子核を中心にして、その周りを電子が回っているんでしたっけ?
そして、最後のフィービーのセリフ、これが非常に長いんですが、非常に説得力のある演説です。
フィービーに言わせると、科学の歴史は、当たり前だと信じられていたことが実は間違いだったことを証明してきた歴史でもあるのだ、と。
だから、今信じていることは絶対に間違いじゃない、とロスが断言することは、昔の間違いを認めなかった古い科学者たちと同じだと言いたいのです。
うーん、フィービーってすごい!
それにしても、この最後のセリフは that が4回も出てくる非常に長いセリフですが、これをこの語順で聞いて理解できるようになれば、もう英語のリスニングはかなりの実力がついたと言えるでしょうね。
日本人は、学校の文法で関係代名詞を習うときに、「・・・するところの」と、訳す時に前に戻るクセがついてしまうんですが(今でも、そんな風に教えてるのかな?)、そういう風に英語の語順に逆らって訳すのは、英語が長文になるにつれて不可能になってきます。
このフィービーのセリフも、前から訳していかないと、ついていけなくなります。
あなたは・・・と言ってるの? → あなたはすっごく信じられないほど傲慢だ、って。 → ・・・を認められないくらいに → ・・・という可能性がほんのちょっぴりあるということ → このことについてあなたが間違ってるかもしれない。
という語順になりますね。
日本語でこう書くと何だかわからないので、セリフの日本語訳は後ろから訳し上げましたが。
英語は常に言いたいことをまず言って、その後、補足説明をする、という形を取ることが、このセリフではっきりすると思います。
Are you telling me that... まで聞くと、「あなたは言ってるのね」、何を? → 「that 以下の内容を」、と常に次の文章へ意識が移って行くようになると、この語順で理解できるようになると思います。
常に、何を? 何を? と思いながら気持ちを文章の先へ先へと向けて聞くように心がけると良いと思いますね。(えらそうなこと言って、すみません。)
(Rachからのお願い)
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全くその通りですね。今、大学で少人数の学生さんたちに英語読解を教えているのですが、内容を素早く理解する時には、Rachさんが言うように「前から訳していって」と言っています。実際に和訳を書く時には今回のブログの解説の様に「訳しあげる」ように教えています。大学院試験を意識した学習なので、内容・文法ともに理解していることをわかってもらうには、やっぱり「訳しあげる」方法が一番ということになり、若干英語学習のひずみを感じる時があります。
ネイティブのように理解するには、ネイティブのように前から順番に読むしかないですよね。それをそのまま日本語にしようと思うと、何だか短い文章がぶつぶつ切れたみたいになってしまいます。それだけ英語と日本語は文章の構成が異なっている、ということですよね。
受験の時は日本語らしく「訳しあげる」クセがついていたのですが、ドラマを聞いたり、TOEIC向けの勉強をしてる間に、日本語に直すのが面倒くさいと思うようになり、英語を英語の語順のままで理解できるようになりました。だから、このブログで自然な日本語のセリフに訳すには「訳しあげる」必要が出てくるので、解釈を考えるよりも、かえって難しいです。
同時通訳の方などは、英語のまま理解した上で自然な日本語に直しておられるのだと思いますが、頭の中はどうなってるんだろう?といつも不思議に思ってます(笑)。
フィービーの意見ベタ褒めしてますけど、ほんのわずかならあるかもしれない事を信じる方が傲慢じゃないかな・・
昔の人が間違ってたのも仮説だったからですし
こういう意見を聞くといつも思うんですけど、「宝くじなんて絶対当たらない」と言っている人と、「当たるかもしれないじゃないか」と言ってる議論と同じように聞こえる。
ありえなさそうな夢を信じたくなるのは人間の性かな
コメントありがとうございます。
おっしゃるようにその方が傲慢、ということもあるかもしれませんね。
実際、私自身は、宝くじのように限りなく可能性が低いものは、可能性がゼロだと思って手を出さないタイプです。
ご意見ありがとうございました。
先月初めぐらいに偶然シットコムで笑え!本を書店で見つけ購入し、それ以来このサイトを拝見しつつ楽しんで英語勉強させていただいてます!
今回のthat節を前から読むときに【何を?】と意識する方法は目からうろこでした!
はじめまして。ご訪問&コメント、ありがとうございます。
また、拙著をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。とても嬉しいです!
上の記事に書いた、「何を? 何を? と思いながら気持ちを文章の先へ先へと向けて聞くように心がける」という話は、英語を聞く時、読む時に強く意識したい部分だと思います。意識が先へ先へと向くようになって、予想される言葉を待ち構えるくらいになると、「英語のスピードについていけない、リーディングのスピードが遅い」という問題も解決されると思っています。
本から、拙ブログを知っていただけてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。