ジュリーとロスを残して、みんなは帰ろうとするのですが、レイチェルはロスたちを二人きりにしたくないので、何とか話を延ばそうと頑張ります。
レイチェル: Let's start with your childhood. What was that like? (あなたの子供時代から始めましょうよ。どんなだったの?)
ジュリー: In a nutshell... (一言で言うと・・・)
レイチェル: Nah, uh, uh, uh... (だめ、だめ、だめ・・・)
nutshell は「nut(木の実)のshell(殻)」という意味です。
in a nutshell で「簡潔に言うと、要するに、一言で言うと」という意味になります。
時間を稼ぎたいレイチェルは、一言で済まされてはたまらないので、詳しく話を聞こうと頑張っていますね。
とうとう、レイチェル以外のみんなは、あまりの眠たさにロスの部屋から帰っていきます。
ジョーイ: Boy, that Julie's a talker, huh? (もう、あのジュリーはおしゃべりだよな?)
talker には「おしゃべりな人」という意味もあります。
本当はレイチェルが話を延ばした結果なのですが、ジョーイにはジュリーがおしゃべりに思えたらしい。
もしくは、そんなレイチェルの不自然さにも気付かないほど、みんな眠たくて疲れていたのかもしれませんね。
レイチェルは帰り際、ロスと廊下で話をしています。
レイチェル: Maybe you were on the right track with that whole "spontaneous" thing. (多分あなたは、その「自然の成り行きにまかせる」って方向にちゃんと進んでいたのよ。)
track は「通り道、進路、軌道」なので、on the right track は「正しい方向に進んで、的外れではない、妥当だ」という意味になります。
spontaneous は「(強制ではなく)自発的な、自然に起こる」という意味。
ここでは、あらかじめ計画しておくのではなく、その場の雰囲気や流れに合わせて行動する、という意味で使っています。
レイチェルはロスにアドバイスをします。
レイチェル: I don't know, catch me off guard with a really good kiss. (そうねぇ・・・。すっごく素敵なキスで不意をつくのよ。)
off guard は「ガードがない状態で、警戒を怠って、油断して」という意味なので、catch someone off guard は「人の隙をつく、油断につけ込む」という意味になります。
こうして、レイチェルは色っぽぉーい目でロスを見つめて、ロスをその気にさせようとします。
ロスもうっとりしていて、「おぉー、いい感じじゃん!」と思ったのですが、ロスはお礼を言って、くるりと自分の部屋の中に入ってしまいます。
レイチェルとの話で、レイチェルの魅力に気付いて欲しかったところですが、今のロスはジュリーのことで頭がいっぱい。
レイチェルの試みは失敗し、この後のロスの情熱を高めてしまう結果になってしまったようです。あぁ、逆効果・・・(泣)。
(Rachからのお願い)
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F.D.J.さんのフレンズの記事は、豊富な背景知識から、サラリと書いていらっしゃるようにお見受けしたので、「こんな風にいろんなことを知ってたら、フレンズを深く理解できて楽しめていいなぁー。」とうらやましく思っていました。そのF.D.J.さんでも、いろいろとリサーチをされているんですね。それを知ってホッとしました。
固有名詞が出てくるギャグを理解するには、その固有名詞をどういう意味や例えで使っているかが重要ですよね。最近、それを調べるのがすごく楽しくて、謎解きをしているみたいで面白いです。
[wiped]の辞書的な[拭く、掃く]
ではしっくりしません。
解説よろしくお願いします。
16.15 This has been great,
but I’m officially wiped.
ご質問ありがとうございます。
wipe は「拭く」ですが、この be wiped は「ひどく疲れている」という意味だと思います。
研究社 新英和中辞典では、
wipe=《俗》〈人を〉ひどく疲れさせる、〈人を〉ひどく(麻薬に)酔わせる (注:受身で用い、「ひどく疲れている[(麻薬に)酔っている]」の意になる)
この意味では be wiped out のように out がついた形でよく使われるようで、ジーニアス英和辞典では以下のように出ています。
wipe out=[be wiped] (人)を疲れさせる
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも wiped out の形で出ていました。
wiped out [adjective] [not before noun] : (spoken) extremely tired (SYN exhausted)
つまり「(名詞の前には付かない)(口語)非常に疲れている(同義語:exhausted)」
ですから、このセリフの be wiped も「ひどく疲れている」ということで、「疲れたからそろそろ帰るね」という意味で言っていることになると思います。