昨日の予告通り、someplace nice (どこかいいところ、おしゃれな場所)で6人がオーダーするところの会話を、いくつか pick up して解説したいと思います。
ウェイター: Well, when you do, just let me know. I'll be right over there on the edge of my seat. (オーダーが決まりましたら、私にお知らせ下さい。私はあそこで自分の椅子の端に座ってますから。)
このウェイターもなかなか面白い人物のようです。
オーダーを取るのを待つのに、on the edge of my seat (自分の椅子の端に座って)待ってる、と言ってます。
呼ばれたら、すぐに飛んでくることができるように、椅子にどっかと腰掛けるのではなく、ちょっとお尻を浮かせ気味で(?)端っこに座っていると言いたいのでしょうか。まるでクラウチングスタートみたいに(笑)。
要は、早くオーダーを決めてくれ、ってことですね。
フィービー: Wow, look at these prices. (わー、この値段見てよ。)
レイチェル: Yeah, these are pretty ch-ching. (えぇ、かなり「チーン」って感じね。)
ジョーイ: What are these, like famous chickens? (これは何なんだよ、有名なチキンだとでも言うのか?)
ch-ching というのはレジの音が、「チーン」となるさまを表しているようです。つまり、お高くつく、という感じ。
有名なチキン、というのは、ただの鶏にしては値段が高すぎるから。
こんなに値段が高いってことは、何か由緒あるチキンだとでも言うのかよ!という感じでしょう。
例えば、イギリスのエリザベス女王がお育てになった鶏とか(そんなのいないか?)、すっごい血統書付きとか・・・。
ジョーイ: Yeah, I'll have the Thai chicken pizza. But, hey, look, if I get it without the nuts and leeks and stuff, is it cheaper? (あぁ、俺はタイ・チキン・ピザをもらおう。だけど、ねぇ、もしナッツとかリーキ(ニラネギ)とかそういうのがなかったら、もっと安くなる?)
トッピングをカットして、少しでもまけてもらおうとするジョーイ。
でも、さすがにチキンは外さないようですね。そこはやっぱりジョーイです(当たり前か)。
レイチェル: Ok, I will have the side salad. (えぇ、私は、サイドサラダを。)
ウェイター: And what will that be on the side of? (それで、そのサイドサラダは、何のサイドになるんですか?)
レイチェル: Uh, I don't know. Why don't you put it right here next to my water? (さあね。私の水の隣の、ここに置いたらどうかしら?)
サイドサラダをいきなり頼んだので、メインディッシュは何ですか?と聞くところ、ウェイターは遠回しに「何のサイドにしましょうか?」と尋ねていますね。
レイチェルは開き直って、「水のサイドに」と答えるのが面白いです。
チャンドラー: I will have the Cajun catfish. (俺は、ケージャン・ナマズをもらおう。)
ウェイター: Anything else? (他には何か?)
チャンドラー: Yes, how about a verse of Killing Me Softly. You're gonna sneeze on my fish, aren't you? (「キリング・ミー・ソフトリー」の一節はどうかな。[チャンドラーの悪乗りで気分を害したウェイターに]俺の魚にくしゃみするつもりだろ、あんた。)
この Killing Me Softly についてわからなかったので、フレンズ2-5その7 のコメント欄 で尋ねたところ、F.D.J.さんが解説して下さいましたので(いつもありがとうございます!)、以下に私なりにまとめてみました。
私は、ヘザー・グラハムとジョセフ・ファインズ出演の映画 Killing Me Softly (日本語タイトルは”キリング・ミー・ソフトリー”)のことかと思ったんですが、これは Killing Me Softly With His Song という歌のことらしいです。
この歌は、ネスカフェのCMソングにもなっていたので、聞いたことある方も多いはず。
私もF.D.J.さんに言われてから、iTMS(iTunes Music Store)で同名タイトルを検索して試聴してみました。
Macarthur Hewitt And Friends というアーティストの曲を聞くと、サビの部分が聞けて、わかりやすいと思います。(渡辺美里も「やさしく歌って」というタイトルでカバーしたらしいですよ。初めて紅白に出場するとかで今、話題になってますが。My Revolution とか、懐かしいなぁ。←話ずれてる(汗))
で、チャンドラーのギャグとしては、魚を注文したので、魚を乱暴に殺すのではなく、softly (静かに、優しく)殺してやってね、さらには、ウェイターが場違いな6人に対して冷たい視線を送っているので、俺たちもあんまり責め立てないでね、みたいな意味を込めて言っているようです。
F.D.J.さんもおっしゃっているように「別に深い意味はない、くだらないジョーク」のようなので、チャンドラーもそれを自覚して、ウェイターに「面白くないから、あんた怒ってるだろう?」という感じで、くしゃみの話を持ち出しているようです。
ところで、Killing Me Softly With His Song を日本語タイトルにすると、「やさしく歌って」になるようですが、やはり直訳の「彼の歌で私は優しく殺される(殺されている?)」ではマズイんでしょうね。
kill (殺す)と softly (優しく)という言葉の組み合わせの大胆さが魅力だとも思うのですが・・・。「激しさと優しさ」みたいな・・・。(←書いてて、恥ずかしいぞっ。)
(2013.6.28 追記)
以下の記事で、この 2-5 のエピソードの追加説明をしています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
All Cried Out フレンズ2-5その13
(追記はここまで)
(Rachからのお願い)
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この歌は,1970年代にアメリカで(日本でも)大ヒットした歌なので,劇中のキャラクターも観客も(おそらく)歌詞まで覚えていたのではないでしょうか?
で,調べてみたのですが,あまりぴんとくるものは見つかりませんでした.
ひとつだけ,"I felt he found my letters and read each one out loud." という一節があり,この "each one out loud" にかけて,それぞれがオーダーした料理すべてをいちいち復唱してみせようか,と皮肉を言っているのかとも思いました.
この解釈は我ながら無理矢理かなとも感じますが,他にいい解釈も思いつきません.
ただ,魚(それと自分たちを)丁寧に扱えというのも,かなり無理があるような・・・
どちらにしろ,簡単に答えが見つかるとも思えないので,「こういう解釈もある」程度に思ってください.
興味深いコメント、ありがとうございます。
おっしゃるように、a verse of... 「…の一節」と言っているので、そのタイトル部分の言葉とは限らない、とも考えられますね。
私も気になって、歌詞を一通り見てみたのですが、read each one out loud 「一つずつ声を出して読み上げる」というフレーズは、このメニューをオーダーしている行為と関係ありそうな感じは確かにします。
その後に続く歌詞の、"I prayed that he would finish. But he just kept right on." 「彼が(それを)終えるのを願ったけれど、彼はただそのまま続けた」という部分も私はちょっと気になったのですが、いつまでもしつこくネチネチとオーダーを取り続けるウェイターに対してチャンドラーが言いたい一言なのかな、とも思ったりもします。
「俺は、ケージャン・ナマズね」
「他には何か?」
「そうだなぁ、「キリング・ミー・ソフトリー」の一節で、「彼に(早く)やめて欲しいと思ったんだけど、彼は続けた」なんかはどう?」
と言うことで、「他には?とか聞かないで、さっさとオーダー取って、去って行ってよ」
と言おうとしたのかなぁ、とか。
チャンドラーの指しているものが、その歌の歌詞だとすると、あまりにも範囲が広すぎるので、どれと特定するのは難しいですよね。こういうのはまさに、「脚本家に聞かないとわからない」というものなんだろうと思います。
そうは言っても、それをあーだこーだと考えるのもまた、楽しくて面白いですよね。一緒に考えていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。
今回のこのチャンドラーのジョークについても全然分からなかったので、海外の友達に色々と聞いてみました。
100%納得した訳ではないけども大体の意味は掴めました。
上記にもあるように6人中、3人はお金が無く、注文を躊躇っています。
ウェイターもその中々進まないオーダーに対してとてもイライラしている様子(これがkilling me softlyにかかっているみたい)。
まさに場違いな者って感じで見てるのかもしれないですね。
言われて気づいたのですが、ウェイターとの会話よりも、彼の表情がまさにそれを物語っていますね(結構なしかめっ面をしてる)。
そしてその海外の友達が言うには、チャンドラーも多少なりともそれに気づいていて、そして彼自身も若干いらだちもある感じなのだそうです。ただ彼はいつもジョークを言って茶化します。それはつまり余裕が有るって意味なので、若干いらついてはいるけれども、まだまだジョークは言えるぞって感じ、そんな気分らしいのです。
で注文が遅いからkilling me softlyとかけて、「注文の遅さでいらだってるんだろ? その腹いせに魚にくしゃみでもするんだろう?」ってギャグを言ってるんだって、私は理解しました。
もちろん当たり前ですがそんなくしゃみなどする訳もないし、チャンドラーも分かっています。ただウェイターの表情にピンときて少しきついジョークを言う事で、一応お客だしもう少し客に丁寧に対応してくれっ て意味も含まれてるのかもしれませんね。
コメントありがとうございます。
「遅々として進まない注文」が、killing me softly という感覚につながる、というお話、よくわかります。ダイレクトにキツい言葉を言われたわけではないけれど、じりじりと意地悪されている、みたいな感覚ですものね。
それで、killing me softly というフレーズを使い、「君がいらいらしてるのはわかってるけど、ま、冗談みたいに軽く受け止めてみてよ」という感じでジョークにしてみたけれど、相手はさらにムッとした顔をしたので、「あれ、冗談通じない? 本気で怒っちゃって仕返しするつもりじゃないだろうな?」みたいに言ったのが、そのセリフなのでしょうね。
貴重なご意見、ありがとうございました。
(あ〜、やっぱりPCは書き込みがラクです^^)
Rachさんも最初はわからないままそれでも続けられて英語をモノにされたんだなぁ!と励まされて、初めて、一生懸命英語スクリプトとにらめっこし通せました。今までもチャレンジしたことはあったんですが、途中で「・・・ま、いっか。」となって、こちらの解説記事を読んで終わりにしていたんですよねぇ。。。
スクリプトを見てわからない単語や表現を調べたり、「この表現面白い!」ってところに色をつけてみたり、何度もDVDを英語で聞いたり日本語字幕を見たり吹き替えを聞いたり・・・してみました。
けっこう大変でしたが、やりきった!!って感じです(笑)
今回Friendsのみんなはお金のことでケンカになって、私は実際友達とそういうことでケンカしたことはないですけど、それでも稼ぎや金銭感覚の違いを感じることはあったので、すごく身近に思え、どっちのグループの考えもわかるなぁって感じでした。そのため、たまたまこの話から取り組んだんですけど、すごく楽しめました♪ラッキーでした。
わからないところもいっぱいあったんですけど、Rachさんの記事でほとんどカバーできて、感謝しております。
日本語訳もすごくわかりやすいし、何より感じが出ていますよね☆
何箇所かわからないところがまだあるんですが、たくさんあって、全部書くわけにいかないしどうしよう・・・・と思っているのですが・・・・
@チャンドラーが、ジェイドという女性にティッシュを渡して言ったセリフ'I'm all cried out today'がよくわからないです。
cry outで泣き叫ぶ、大声をあげる、抗議する…だと思うのですが。You can cry out… とかだとわかるんですが…
A風変りな?高級?レストランでウエイターがジョーイに言ったセリフ、"you'd think ,wouldn't you."というのもよくわからないです。「ジョーイが頼んだこと」を考えられたでしょう?って感じなのかなぁ・・・・結局ジョーイは具抜きのピザ食べられたのかしら!?フィービーのセリフの吹き替えは、具なしのちんけなピザ(笑)のような感じだったんです。って、じゃあ、抜いてもらえたんだ〜!?よかったねぇ、ジョーイと思っていました。となるとyou'd think・・・のところがやっぱりよくわからないです。。。
Bあと、チャンドラーのエボラウイルスギャグ(?)。That's gotta suck.もいまいち・・・・suckってよく出てきますよねぇ。ここではbe got toの意味もとれてないからよくわからないのかなぁって思っているんですが…。「エボラウイルスって、最悪でなけりゃならないよなぁ。」???
killing me softlyもこちらで解説読むまでよくわからなかったですが、Mr.Roperも誰!?と思いました。ネットで調べてたら、TV番組か何かの昔のキャラクターっぽいなぁ〜と思ったんですけど、よくわからなかったです。
ま、「よくわからん」って置いておいてもいいところかなぁ〜って思って、おいとくことにしました(*^^*)
う〜ん・・・・初めて英語に関係する質問をしたので、ちゃんと伝わるか心配ですが・・・・
いっぱい質問しすぎて申し訳ないです。。。(>_<)
もし、他の学習者の方にも参考になりそうだ、ってところがあれば、Rachさんのお考えお聞かせ頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいします。
コメントありがとうございます。
私も、どこかのサイトを読む場合には、iPhone で見ることも多いですが、ブログを書くのは絶対にPCですね。iPhone で書き込むのは未だに苦手です。
私が書く解説はやはり、「私が気になったところ」でしかないんですよね。ですから、解説で触れていないところが気になる方も当然いるだろうし、そんな風に「自分が気になるところ、わからないところをつぶしていく」作業が、一番自分にとって効果的な学習になると思うわけです。
さて、いただいたご質問について、私なりの見解を書いてみたところ、文章がめっちゃ長くなってしまいましたのでw、今日、以下の記事として投稿させていただきました。
All Cried Out フレンズ2-5(その13)
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388472094.html
とにかく、だだ長いので、またお時間のある時にでも、お気軽に読んでいただければ結構です。書いているうちに私の中でいろいろ納得させたいことが出てきた結果、長くなってしまったので、ひとりよがりな説明になっているところも多々ありますがご了承下さいませ。
その説明の中で、2-5 より後のエピソード、2-22 へのリンクがはってありますが、ネタバレにならないように、2-22 到達時に改めて読んでいただけたら結構です。
それから、「何箇所かわからないところがまだある」とのことですが、それもまたご遠慮なく書いていただいて結構ですよ(^^) 誰かが疑問に思った部分というのは、その人以外の人も同じように引っかかったりするものです。kさんが書いて下さった通りで、kさんのご質問に、ブログのコメント欄でお返事することで、「他の学習者の方にも参考になる」ということは必ずありますから。また、それに対する私のお返事が必ずしも「正解」とは限らないのですが、私が何か書くことでそれがたたき台になって、またより良いご意見をいただけることもあります。どうかこれからも、ご遠慮なくお尋ね下さいね。
[way out of line here]がしっくりしません。
特に[here]がどこのことなのか・・・
22:18 Listen, Bob.
I’m probably way out of line here.
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
out of line というのは「ライン(線)の外に」ということですから、「線・路線からはずれて」という意味です。「通常・本来の路線から外れる」ということから「正しいことから外れる、不適切である」という意味になるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
out of line : if someone's behavior is out of line, it is not appropriate in a particular situation
例)I thought what Kenny said was way out of line.
つまり「ある人の行動が out of line であるとは、ある特定の状況で適切ではない(不適切である)ということ」。例文は「ケニーが言ったことはかなり不適切だと思った」。
ここでは相手がボブだと思って電話をかけてきた女性が、自分の言動が尋常ではないことを「外れている、不適切である」と表現したことになるでしょう。
way は名詞「道」ではなく、out of を強調する副詞で「ずっと、かなり」。これまでのフレンズにも、way too の形でよく出てきました。
そして問題の here ですが、「今ここで」のような軽い意味だと思います。この後「別れて3年になるし、あなたはもう誰かと付き合ってるだろうと思うけど、もしあなたと一晩一緒に過ごせたら」という「かなり不適切なこと」を切り出すことになるので、それを言う前に「こんなことを言い出すなんて変だと思われるだろうけど、今の私はかなり「まともじゃない」状態なのよ」と前振りした表現になるでしょう。
この here は特に訳さなくてもいい単語になると思いますが、あえて訳すとすると「今ここにいる私は、多分、かなり「適切とは言えない」状態なのよね」と言っている感じだろうと思います。
毎回全力の回答感謝します。
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございました。
おかげさまで大変勉強になっています。何より四半世紀もの前の作品を未だに愛し続けて分析していらっしゃる事に甚だ感心させられています。
"a verse of Killing Me Softly" に関してですが、全く別の説として、曲の題名や歌詞は一切関係がなく「他に何をしましょうか」と言ったウェイターに対して単に「ちょっとした歌でも歌ってくれよ」というニュアンスで言っただけなのかなぁとも思いました。
文化も時代さえも全く違う作品のジョークを追うのは難しいですね…。
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙ブログを見つけて下さり、解説を読んで下さっているとのこと、ありがとうございます。また「大変勉強になる」と言っていただけたこともとても光栄で嬉しいです♪
今年はフレンズ放送開始25周年ということでいろいろなイベントも行われているようですが、「四半世紀」と表現するとさらにその年月の長さが強調されますよね^^ 多くのファンの方が愛し続けているフレンズを、私もファンの一人として愛し続けることができるのは本当に幸せなことだと思っています。
「ちょっとした歌でも歌って」という意味で「〜の歌の一節を」と言うことはありますよね。とにかく人を笑わせたいチャンドラーなのでそこに何かしらの意味があるはずだと勘繰りたくなってしまうのですが(笑)、おっしゃるように文化も時代も違う作品のジョークは実に難しいと思います。
温かいコメントありがとうございました<(_ _)>