ジョーイ: That one's Ben! Remember he had that cute little mole by his mouth! (あっちがベンだよ! 口のそばに可愛い小さなホクロがあったのを覚えてるぞ!)
チャンドラー: Hey, Ben! Remember us? Okay, the mole came off. (はーい、ベン!俺たちを覚えてる? あぁ、ホクロが取れた。)
mole は「ホクロ」です。
別の単語ですが、同じ綴りで、「モグラ」という意味もあります。
ピンチを何とか乗り切ろうと焦る二人。
ジョーイが覚えていた記憶もかなりいい加減ですね。(やっぱりね、って感じ(笑))
コインで決めることにした二人。(←それって、どうよ!!)
表が出ましたが、表ならどちらの赤ん坊にするかを決めていなかったので、結局決められません。
チャンドラー: We have to assign heads to something! (ヘッド[表]だったらどちらか、って割り当てとかなきゃいけないだろ。)
ジョーイ: Right! Ducks is heads because ducks have heads. (わかった。アヒルがヘッドだ。だって、アヒルにはヘッド[頭]があるだろ。)
チャンドラー: What kind of scary-ass clowns came to your birthday? (お前の誕生日には、どんな”恐ろしい尻だけのピエロ”が来たんだよ?)
assign は「(人に)(仕事などを)割り当てる」という意味です。
assignment だと「宿題、仕事、職」という意味になります。
コインの表は heads、裏は tails です。
ジョーイは、アヒルには頭があるから、ヘッドが出たらアヒルだ、と決めようとしますが、じゃあ、ピエロは?
もちろん、ピエロは人間の形をしているので、頭がありますよね。
そこを、「何言ってるんだよ、ピエロにも頭があるだろ!」と突っ込むのではなく、「じゃあ、お前が見たピエロは、頭のない尻だけのピエロだったのかよ」とイヤミなツッコミをしているのですね。
表で路上ライブをしていたフィービー。
レイチェル: Look at you! You did pretty well. (フィービーすごい! なかなかやるじゃない。)
フィービー: $8.27. But not really, because I put in the first two. (8ドル27セント。でも、本当は違うのよ、最初の2ドルは私が入れたから。)
Look at you! は「あなたを見て!」ですから、この場合は、何かすごいことをした「あなた」を見てみてよ、すごいあなたが見えるわよ、というニュアンス。
また、自分が惨めな境遇の時などに、Look at me. 「ほら私を見てよ。私はこんなに今惨めな顔をしてる。」と使ったりします。
儲けたお金の一部は、最初から見せ金として入れていたもの。
確かに全然入ってないと入れにくいですよね。
行列してる店があると入りたくなるけど、閑古鳥が鳴いてると、ちょっと避けてしまうのと同じです。
(Rachからのお願い)
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We're gonna flip for the baby というのも笑えません? ここからの一言一句が一番面白いとこではないですか? あとこのシーンのパンチラインのジョークですが、嫌味な感じはないと思いますよ。と、いいますかチャンドラーのジョークに嫌味を感じたことはないのですが。 チャンドラーというキャラに対してはちょっと誤解されてませんでしょうか?
この辺りのやり取りはそのまままるごと取り上げた方が良かったのかもしれませんが、セリフにはすべて和訳を付けるというこのブログの形式上、「コールしろ」「ヘッド!」「ヘッドだ」という細かいやり取りを書くと、だらだらなるかと思って省いてしまいました。コメディはセリフの流れとテンポが大事なので、つまみ食いするのは良くないとはわかっているのですが、その辺りはご勘弁下さい。(F.D.J.さんのブログのように、スクリプトをまとめて書く形式なら出来たと思いますが。)
言われてみて気付きましたが、私はよく「イヤミ」をいう言葉を使ってますね。ご指摘のとおり、チャンドラーのpunch line(オチ)は「嫌味」と呼ぶのはおかしいような気がします。私は「癇に障る」とか「不快な感じを与える」という意味で使ったわけではないのですが、「嫌味」と書くとそう聞こえますよね。
モニカの母ジュディが、モニカに言うセリフなんかは「イヤミ」でいいと思いますが、確かにチャンのジョークはそれとは異なりますね。
私はチャンドラーのこういうツッコミは「頭の回転の早い人の絶妙なツッコミ、軽妙な切り返し」という風に感じていて、悪い風に捉えているのではないので、要は私の言葉の選び方が間違っていたということですね。自分で「イヤミ」という語句でBlog内検索してみたら、かなりヒットしたので、「ボキャ貧」なんだと思います(泣)。
以後、気をつけます。(いつも長々と弁解してすみません。)
Urban Dictionary によると、scary-ass は「とても怖い」という表現で、この ass はピエロの尻を指しているわけではないようです。「尻だけのピエロ」だとピエロと認識することも難しくなってしまうので、「首なしのピエロ」と考えるのがよいと思います。
こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに Urban Dictionary に frightening という意味が出ていますね。
scary-ass-clown で画像検索したら、恐ろしげなピエロの画像がたくさんヒットしましたので、「超怖いピエロ」を表現するフレーズとして広く使われているようです。
ですから ass clown を「尻だけのピエロ」とした私の解釈は間違っていたということですが、ただここで scary-ass という表現を使ったのは、やはり「尻」という意味を連想させたかったからではないかと思いました。
コインの heads / tails の tail は「尾、しっぽ」で、そこから「尻」という意味もあります。
「アヒルには顔がある」→「じゃあ、ピエロには顔がないっていうのか?」という流れなので、「顔がないような、そんな”恐ろしいピエロ”が来たのかよ?」という意味に加えて、tail = ass という連想から、「恐ろしいを意味する、ass が含まれたフレーズ」である scary-ass という形容詞を選んだ、というダブルミーニング的なものではないかと思いました。
日本語のダジャレ的に言うと「恐ろ尻(おそろしり)ピエロ」みたいな感じで、「顔がなくて恐ろしい」の「恐ろしい」に「尻」を含ませたような表現にしたのかな、と。
整理しますと「尻だけのピエロ」という意味ではないけれど、「恐ろしい」という表現に scary-ass という表現を使うことで、ass 「尻」という tail の同義語を含ませた。「アヒルが顔って言うのなら、ピエロは尻なのか?」のように head と ass を対照的に使った、チャンドラーらしいジョークなのかなと思いました。
このギャグでは、コインフリップにからめて一方にだけ tail がある組合せがシャツの柄として選ばれています。アヒルとピエロなら、アヒルに tails を割り当てるのがふつうなのに、アヒルに heads を割り当ててしまった段階で、視聴者はジョーイを笑うことになります。最初に tail の有無について両者の対比が意識されているので、ピエロの ass から tail を連想するのは難しいように思います。
アメリカ映画を観ていると、よく、子供のお友だち達を家に呼んで、それらが庭で遊んでいると、横で余興をやっているピエロを見ますが、clown というのは、あれのことなんでしょうか?
私も scary clown で画像検索したら、怖いピエロがたくさん出てきました。
画像検索は、私も最近よく使います。 経験のない分野や、外国特有の文化から来る事物は、いっくら調べても、やっぱり文字だけからは“分かりません”。しかし画像検索すると、一発で解決する場合が多いので、皆さんにもお勧めです。
コメントありがとうございます。
「アヒルとピエロなら、アヒルに tails を割り当てるのがふつう」というのはおっしゃる通りだと思います。それなのにアヒルに heads を割り当ててしまったジョーイに笑ってしまうのもその通りですが、Clowns have heads, too. 「ピエロにも頭はあるだろ」のように指摘するのではなく、「お前の知ってるピエロには頭がないのか?」という意味で次のセリフを返しているはずなので、「頭がない」に繋がるような表現が必要になると思うのですね。
「頭がない・首がないピエロ」は確かに「怖い」ですが、「怖い」という表現だけで「首なし」であることまでは表現できない気がします。
「怖い」と言いたいだけなら、
What kind of scary clowns came to your birthday?
のように形容詞は scary だけでもいいはずですが、「ジョーイの発言だと、ピエロには頭がないってことになるけど?」という矛盾を指摘したい意図がチャンドラーにはあるはずなので、scary ではなく scary-ass を使うことで「尻」という言葉を入れたのだと私は思ったということです。
tail に「尻」の意味があることは普通の英和辞典にも載っていて、尻尾はお尻についているものですし、ass から tail は割と容易に連想できそうに思います。
mqさんに scary-ass は「scary の強調表現の形容詞」であると教えていただいた後、すべてが腑に落ちた気がしました。私は scary "ass" clown のように ass という単語が先に目について、「tail だから ass なんだ」と思ったのですが、clown を形容する言葉として scary-ass という形がよく使われるという前提があった上でのこのジョークだったのだと。
赤ちゃんや幼児の役を双子の子役が演じているというのはアメリカドラマの恒例で、そっくりさんが二人いることで作られる話もよくありますよね。
「フルハウス」s4-1 でもミシェルのそっくりさんが出てくる話がありました(「リアルな英語の9割は〜」の p.44 のイラストのシーン)。
今回の「ベンのそっくりさんがいてどちらかわからなくなり、コインフリップで決める!」という話も「子役が双子ならではのエピソード」と言えますが、「どっちが heads で どっちが tails か」を決めるのに、scary-ass clown という表現を tail 側のジョークとして使えるのではないか? という発想が一番先にあって、そこから逆算してこのやりとりが出来上がったのではないか? とさえ今は思っています。
かわいいピエロだったら赤ちゃんのお洋服でありがちな柄、もう片方は普通にテイルがある動物にして、テイルの有無で決めようと普通ならなるところを、おとぼけジョーイが真逆のことを言い出し、「確かに scary "ass" clowns っていうもんな」とか「まさか scary "ass" clowns とでも言うつもりか?」みたいなジョークにしたのだろうと。
以上が私の見解ですが、あくまで私の解釈に過ぎませんので、参考までにお聞きいただければ幸いです。
愛読者さんへ
ベストセラー1位へのお祝いコメント、ありがとうございます!
clown というのはまさにそういうピエロのことですね。アメリカのドラマでもピエロ恐怖症のキャラクターがいたりして(「BONES」にそういう人が出てきます)、アメリカの clown は身近な存在のようです。
画像検索は本当に便利ですよね。特に今回のような scary-ass clown や scary clown のような「形容詞+名詞」の場合は「まさにそれ」と表現できるようなドンピシャな画像がたくさんヒットしてくれることで、理解をものすごく助けてくれると思います。
scary clown の件もありがとうございます。今回の場合だと、scary-ass clown と scary clown はどちらも同じように「恐ろしいピエロ」であることが画像検索でわかりますよね。
画像検索は実に役立つツールだと私も思います。
実はアヒルに heads を割り当てても赤ちゃんを決めることはできます。シンボル的な一致があった方がわかりやすいというだけで、一致していなくてもコインで決めることには支障ありません。したがって、ジョーイが理由を示さずに「アヒルが heads」とだけ言ったとしたら、「ピエロにも尻尾があると思っているのか? 」という指摘は、やや的外れに聞こえます。
ジョーイの「アヒルには頭があるからアヒルが heads」というボケは、少し見え透いた感じがします。これは、ピエロの尻尾を問題にすることが難しいことと関係があるように思います。ともあれ、ピエロにも頭があることに気が回っていないところがツッコミどころということは、視聴者にもわかるでしょう。チャンドラーがどのようなひねった台詞を言っても、「お前の知ってるピエロには頭がないのか?」というツッコミのバリエーションとして了解されると思います。
Friends では、この他に a smart-ass remark, somebody's dumb-ass rooster という例があります。また、ホラー映画には scary-ass や creepy-ass という形容がよく使われているようです。これらの -ass に慣れてくると、 チャンドラーの台詞の見え方も変わってくるのではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
「アヒルが頭? じゃあ、ピエロが尻(尻尾)なんだな?」というほどの直接的な意味ではなく、scary-ass という形容詞を使うことで「それとなく(heads じゃない方の)ass をイメージさせた」という程度かもしれません。ただいずれにしても、scary-ass という形容詞を使ったのは ass という単語と関係あると私は思っています。
smart-ass や creepy-ass など、ass を付けた形容詞がよく使われているのはおっしゃる通りで、その場合は ass=尻、という意味はありませんが、そのように「なにげに ass が入っている形容詞」を使うことで、ここでのテーマ heads or tails 論争の tails にかけた、ということだろうと。「怖いピエロ」の「怖い」を意味する形容詞はたくさんありますが、heads or tails の話題なので「あえて scary-ass を使った」ということであり、前にも書きましたが scary-ass という形容詞からの逆算で、このやりとりが生まれた可能性もあると思っています。
これはあくまで私の解釈に過ぎませんので、それを押し付けるつもりは毛頭ありません。今の私にはこの解釈が一番納得できるもので、これ以上続けても平行線のままだと思いますので、後はそれぞれの読者の方のご判断にお任せしたいと思います。