2005年12月31日

自分のブログを振り返る(その2)

昨日の続きです。
今日の記事はやたら長いので、この押し詰まった日(?)に読んでもらうのは申し訳ない感じです。
(興味を持たれた方は、お正月にすることなくなった時にでも読んで下さい。)
さらに、NHKで今週再放送された「ハートで感じる英文法」の影響をモロに受けた文章になっていて、その番組をご存知ない方にはピンと来ない部分も多いと思います。
なにとぞ、お許し下さいませ。(と、いきなりのお詫び・・・)

私のブログの解説は、とにかくくどくどとしつこいですが、ボキャ貧の私がなんとかそのニュアンスを伝えようとあがくとこうなるわけで。
いろいろ書いてるうちのいくつかでも何かのヒントになれば、と思いながら書いています。

本当は、ニュアンスやイメージは実際の英語を浴びるように聞いて理解すべきだ、ということもわかっていますが、それには本当にかなりの量を聞きこむ、読みこむことが必要となりますよね。
私が勝手に師と仰いでいる(笑)、「やさたく」で有名な、ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさんという方がおられます。
(伊藤サムさんのことについては、DVD学習法、その他の学習法 の記事に書きました。)
サムさんが推奨する学習法は「やさしくたくさん」なんですが、そのたくさんの量がハンパじゃない!
あくまで「英語のプロ(英文記者)になる場合」の話ですが、「身長の2倍」の本を読むのが目標なんです。
本を平積みにして、ですよ! ひえぇぇー。
もちろん、私もサムさんのおっしゃる意味はよくわかりますから、常に少しでも英文に触れるように努力はしています。

例えば、日本人が苦手な a と the がありますよね。
簡単な英文でいいから、それをたくさんたくさん読んでいると、そのニュアンスを掴めるようになる、とサムさんはよくおっしゃっています。
日本語にはない概念だから、実際に英語の中で使われているものにたくさん触れないと、そのニュアンスを身につけることは出来ない、ということです。
ただ、サムさんの場合は「多読でニュアンスを掴め!」と突き放すだけではありません。
週刊STという英字新聞のコラム「これであなたも英文記者」を担当されていた時は、a と the の概念の違いを、それはもう、何度も何度も、図解したり、例え話を出したり、こういう日本語ならどちらを使うか、間違って使うとネイティブにはこう誤解されるということまで、ありとあらゆる方面から a と the のイメージを読者に理解できるように、説明に説明を重ねていらっしゃいました。
毎週出される課題も、a と the に関するものが、ずば抜けて多かったです。おぉー、また冠詞の問題が来たよ来たよ!って感じで(笑)。
あの当時のコラムの読者は、「サムさんに a と the については鍛えてもらったよね!」という感慨を持つ方も多いようです。

ということで、もちろん多読多聴で英語を浴びることは欠かすことのできないものですが、そのイメージ、ニュアンス、概念、感覚、を平たい言葉で説明してもらうことが、実は英語の理解を深める重要な要素になると思うのです。
その辺りは、今、話題になっている「ハートで感じる英文法」の大西先生の説明にも通じるところだと思います。(先生の人気に便乗しようと言うのではありません・・・笑)
やはり私は、日本人ならば、日本語でその概念を理解すること、日本語で説明できるようになること、がその英語が理解できたかどうかのバロメーターになると思います。

ここでまた、「日本語」というと、「英語を日本語に置き換えて理解していては、いつまでたってもネイティブ並みの英語が使えるようにはならない」とお叱りを受けそうなんですが、私が言わんとしているのは、自分が一番細かいニュアンスで考えることのできる母国語で、その英語のニュアンスがはっきりと認識できているか、ということなんですが・・・(私の言ってる意味、わけわかりませんかねぇ?)
ここで「日本語で説明でできる」というのは、「自分の頭の中で納得できている」という意味で使っています。
英語を英語で理解するということは、ネイティブのように、その英語のイメージが頭に浮かべばそれで良いのです。
が、やはりそのニュアンスや感覚をわかりやすいように人に説明できるということも大事だと思っています。
というのは、どうしてそういう英語になるかという説明に、「それが英語らしさだから」「そこが日本語と違うところだから」「そういうもんだから」「そうじゃないと英語として違和感があるから」という英語の感覚だけではなく、心の底から自分で納得できるものがないと、いつまで経っても英語がわかったという気持ちになれないと思うからです。
またそのニュアンスがわからないと、自分の気持ちを表現するところまで使いこなせないと思うのです。

私が知りたいと思っていることは、例えば日本語に訳した時に同じ訳になると思われている表現にも実はネイティブの中では明確な差があって、またどのようにその差を認識しているか、ということです。
ですから、先日の「ハートで感じる英文法」での must と have to の違いとか、can と could の違いとか、その違いを漠然としてではなく、自分で人に説明できるくらいに理解したいということなんです。
ここで、「日本語で」に語弊があるのならば、あのコーナーで街行くネイティブの人が語った英語の説明でもいいので、とにかく、違いやニュアンスをわかるように説明してもらえればそれで良いのです。
そして、その「わかるように説明する」時に、どうしても自分の得意な日本語で考えて表現することになるというだけのことかと。
例えば「和訳なんてどうでもいい」とおっしゃっている大西先生でも、命令形と Will you...? と Would you...? の違いを説明する時に、日本語で言うと、こんな感じ、という例えを出されていましたよね。
当然「その和訳が全てではない」のだけれど、説明の一環として、和訳のニュアンスを使って説明した方がピンと来る、ということが必ずあると思うのです。
やはり母国語が一番ニュアンスを表現しやすいですからね。

せっかくの英語のニュアンスを日本語で説明してしまうことで、その英語独特のニュアンスが消えてしまうということは、承知の上です。
日本語にない概念なら、ドンピシャの訳はできないだろう、というご指摘もごもっともです。
でも、日本語にない概念を「日本語に置き換える」ことは不可能ですが、「日本語で説明する」ことは可能だと思います。
特に、「イメージ」「ニュアンス」というつかみ所のないものを、明確な日本語で説明することの意義というのもあるはず。
大西先生の助動詞のイメージ、過去形のイメージなどは、漠然としたイメージではなく、誰でもがイメージできる明確な言葉を用いて説明されていますね。
例えば、これは、日本語の尊敬語と謙譲語の概念を、「相手の位置(地位)を高める」ことで尊敬の念を表し、「自分の位置(地位)を下げることで、相手の位置を相対的に高める」ことで謙譲の意味を持たせる、という明確さに似ていると感じました。
どの言語においても、ネイティブが漠然と持っている言葉のイメージというのがあるのだ、ということですね。

私個人に関して言うと、フレンズで学習してきて、自分なりにニュアンスをつかめるようになってきて、字幕なしでも笑って泣いて感動できるようになりました。
いざそれを、こうしてブログに書いて説明しようとすると、説明するのは本当に難しいのだと気付きました。
私も自分のイメージをなんとか文字にして、わかりやすく説明できたと思った時に、初めてそのニュアンスを理解できた気がしました。
日本語で説明できない間は、やはり自分の中でイメージが固まっていないのだと気付きました。
ですから、「こんな感じ」という叩き台の和訳を使って、まずは直訳することで英文独特の構文から理解する、文法的なアプローチから考えてみる、動詞が基本的な意味からこういう意味に発展したからこんなニュアンスになる、など、何とか自分でも納得できるように解説することを心がけてきました。
ですから、私のブログを読んで、「丁寧でわかりやすい」と言っていただけることは、本当に嬉しいのです。
少しでも私の感じたニュアンスが読者の方に伝わったのだと思えますから・・・。

「ハートで感じる英文法」がらみの話が多くなってしまったのは、自分の中でモヤモヤしていたものが、大西先生の話を聞いてちょっと晴れてきた気がしたからです。
ちょっと冷静さに欠ける長文駄文になったことをお許し下さいませ。

最後に、皆様にご挨拶を。
今年は、ブログを始めて、いろんな方と交流することが出来て、本当に有意義な一年でした。
ネットというと怖いイメージしかなかった私でしたが、いただいたコメントも好意的なものばかりでしたし、また皆さんのお人柄が感じられて、こういう人とのふれあいというものもあるのだなぁー、とネットに対する認識を新たにいたしました。
ブログを続ける意義が見えなくて「こんなことして何になるんだろう?」と煮詰まった時に、コメントが励みとなってまたやる気が出た、ということが何度も何度もありました。
子育てに追われバタバタと過ぎて行く毎日の中で、別の自分を再発見できた気がしています。
これまでは、専業主婦という選択が正しかったのかと何度も悩んだことがありましたが、このブログを始めて、「妻である私」「母である私」以外の、「”私という個性を持った”私」として、久しぶりに自由にのびのびと私らしさを満喫することができて、本当に嬉しかったです。

また、ランキングに関しましては、「みんなの英会話奮闘記」及び「にほんブログ村」で念願の1位になることができました。
それもひとえに、皆様の暖かい応援のお陰です。本当にありがとうございました。
来年もこの調子で(笑)頑張りたいと思っていますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。(最後までお願いかよ・・・笑)
人気blogランキング →12/28には7位までいったんですが・・・投稿前に見たら13位でした(笑)。まだまだ頑張ります!
にほんブログ村 英会話ブログ →1位をキープ中!
みんなの英会話奮闘記ランキング →1位をキープ中!(注:「みんなの英会話奮闘記ランキング」への参加は、2016年5月末日をもって終了しました)

来年が、皆様にとって、素晴らしい一年になりますように。
そして、英語学習をされている方にとっては、英語の力が飛躍的に伸びる年になりますように。(私も含めて、ね・・・笑)

posted by Rach at 17:18| Comment(6) | 英語学習のコツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かにそうですよね、
ニュアンスは日本語で説明される方が分かりやすいです。
大西泰斗先生の本を読みました。
本当に分かりやすいのですが、やはりTVなどの映像を
通した方がシックリくると言うか、分かりやすかったです。
言葉マジックですかね??
さすがプロ。
今月の3日の午前11:30から3時間ほど、
「ハートで感じる英文法」が一気に放送されるらしいですよ!
それでは最後に、1年間お疲れ様でした☆
Posted by Yasu at 2006年01月01日 21:13
Yasuさんへ
暖かいコメント、ありがとうございます。
私は大西先生の本はまだ読んだことがないんですが、絶賛されてる方は多いようですね。
やはり、英語は言葉ですから、実際に話している雰囲気や表情を見ながらの方が、わかりやすいと思いますので、あの番組は非常に効果的だと思います。
3日の一挙再放送、私も楽しみにしています!
先週4日間の再放送のうち、私は後の2日分しか見られなかったので・・・。
Posted by Rach at 2006年01月02日 14:14
昨夜、Johnny Depp の Blow の前に「ハートで感じる、、」をちょっと見ましたよ。まぁ、共感というか、ほとんどマンマですよね。 私は日本語の解説がダメというのではなくて、例えば TOEIC700以上の人達が文法を学ぶのに日本語の解説って必要なのかが疑問なのですね。 そのくらいになると英語で書かれた文法書で学んだほうが確かだし、同時にリーディング学習にもなって効果倍増ではないかと。別に高価な文法書を購入せずともネット上でいくらでも探せますし。
Posted by F.D.J. at 2006年01月04日 13:47
なるほど、F.D.J.さんにとっては、やはりあの解説は「まんま」ですか。(F.D.J.さんなら「目新しいことは特にない」という感想になると、予感してました(笑))
前半の完了形などは、ビデオをまだ見てないので何とも言えませんが、私が先週見た分の助動詞の話などは、私にとって「目からウロコ」でしたので、その辺りがF.D.J.さんと私が決定的に違うところなんですね。
その「まんま」だと思われることすら、私は知らなかったわけです。
(知らなくてもTOEICがこれくらいは取れるんです。)

自分の経験から言うと、TOEIC800点台の頃でも、日本語での文法解説で得ることはたくさんありましたよ。やはり、日本人の発想から来る間違いや勘違い、理解しがたいこと、を克服することで、英語に近づくという方法もあると思うのです。「日本語の解説」を私が欲しがる理由は、(英語が母国語の人なら何も感じないが)日本人なら感じる疑問や違和感を説明してくれるんじゃないかという期待があるからです。

日本語に凝り固まっている頭を少しでも英語に近づけるようにほぐすためには、まず日本語との違いからアプローチするのも”一つの”方法なんじゃないかな、と。
「そんなことより、とにかく本物の英語に触れる量を増やす方が、正攻法だろう」とF.D.J.さんならおっしゃると思いますので、私もそれが一番正しい方法だと、ここで支持しておきますね(笑)。
Posted by Rach at 2006年01月04日 16:16
>>日本人の発想から来る間違いや勘違い、理解しがたいこと、を克服することで、英語に近づくという方法もあると思うのです。

そうですね。
おっしゃることはよくわかります。 なんだかんだ言って私も書いているんですから(苦笑)。 今回、レイチさんに読んでいただこうと同格について書き始めました。 結構長くなると思います。 また暇なときに「するどいつっこみ」を入れて下さいね、期待しています。 あと、一度私の書いた「冠詞」のやつも暇なときに読んでみて感想をお願いします。 お願いばかりですみませんねぇ、、、。 とにかくお互いこのスタンスを保ちながら今年もがんばりましょう。
Posted by F.D.J. at 2006年01月06日 16:06
F.D.J.さんへ
お返事ありがとうございます。スタンスの違いは歴然としているのですが(笑)、とりあえず、私の考えがどのようなものかをわかっていただきたくて、いつもくどくど書いてしまうんですね・・・すみません。

「同格のお話」は、読ませていただいてますよ。コメントを入れられなかったのは、私がその部分に今まで注目したことがなかったからです(笑)。おぉ、そういう着眼点もあるんだ!と驚いたのですが、自分の考えがまだまとまっていなくて・・・。
F.D.J.さんにツッコミを入れられるほどの力はありませんが、素人なりの考えを書いてみたいと思っていますので、もうしばらくお待ち下さいませ。
Posted by Rach at 2006年01月06日 20:05
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