2006年01月15日

フレンズ2-8その13

セントラルパークで、自分の失敗を悔いるチャンドラー。
チャンドラー: My diary! Brilliant! If I said it was my diary, she wouldn't have made me read it. (俺の日記だ! いい考えだろ! もし俺が、あれは俺の日記だって言えば、レイチェルはそれを読めとは言えなかったはずなのに。)
モニカ: That's true. You'd be a great person to have around after an emergency. (まったくね。あなたって、緊急事態の後なら、そばにいてくれるとありがたい人なんだろうけど。)
she wouldn't have made me read it は「レイチェルがリストを読むことを俺に強制することはなかっただろうに」という意味で、暗に「実際は、レイチェルに強制されて、リストを読むことになってしまった」とことを表しています。
have someone around は「人をそばに置いておく、人が周りにいる」という意味。
a great person to have around なら、「そばにいてくれると嬉しい人、頼りがいのある人」という意味でしょうが、after an emergency (緊急事態の後)だったら would be(そうだろうけど)、と言われているということは、つまり肝心の緊急事態には何の役にも立たなくて、後からそんな名案を思いついてもどうにもならないわよ、とモニカは皮肉を言っているのですね。

ロスがそんなリストを作るなんて・・・と驚くフィービーですが、
ジョーイ: Hey, cut him some slack. It was Chandler's idea. (おい、ロスのこと、わかってやれよ。あれはチャンドラーのアイデアだよ。)
cut someone some slack は「人を勘弁してやる、人に理解を示す」という意味。
slack は「ゆるい、たるんだ、ゆるみ、たるみ」という意味で、「(人に)ゆるさを与える」、つまり、「厳しい(きつい)ことを言わずに、寛大になってやる」という意味のようです。
slack の複数形の slacks は「スラックス、上着と対になっていないゆったりしたズボン」という意味です。

リストはチャンドラーのアイデアだと聞いて、モニカとフィービーは責め立てます。
チャンドラー: Let's get some perspective here. These things happen for a reason. (ここではちょっと大局的にものを見ようよ。そういうことが起こるには理由があるんだ。)
perspective は「見方」ですが、「物事を見通す釣り合いの取れた見方」という意味もあります。
発案者の俺ばかりを責めるなよ、はやし立てたジョーイにも責任があるし、何より、リストを作ることを認めたロスにも責任があるだろう、とチャンドラーは言いたいのですね。

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posted by Rach at 17:46| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おかげさまでフレンズ漬けの日々です。前の記事で解説してくださってるシーンでやっとRossの気持ちが届きましたね〜〜!!
It's always been you.は心の英語ノートにばっちりメモしときました(使う場面が来るのか謎ですが)。
ここは観客の歓声込みで名シーンですね。


場面変わってチャンドラーが後悔してるセリフで質問です。If I said it was my diary, she wouldn't have made me read it. に関してですが、何度聴いても「・・・should have told・・・never・・・」と聴こえます。
英語字幕が英語セリフと異なるのは存じ上げております。
辞書でshouldを調べると(if節の帰結節で)〜したであろうに、とありました。辞書の用法には見覚えがあります。今回のセリフのようにif have p.p節自身の中にshouldが使われることはよくあるのでしょうか?

If I should have told it was my diary, she would never have made me read it.
(もし僕が自分の日記だと言ったはずだったら、彼女は僕にそれを読ませなかっただろうに。)
・・なんとなく日本語で意味がとりにくいんですがshouldを含んで訳すとしたらどんな感じになりますか?
そもそもshouldって言ってないよという結論になるかもしれませんが。笑

お時間があればさらっと見返していただけると幸いです。
Posted by rie at 2015年07月28日 12:48
rieさんへ
コメントありがとうございます。
「フレンズ漬けの日々」を楽しんでおられるご様子、何よりです(^^)
It's always been you. は、本当に素敵なセリフですよね。It's you. 「君だ。君なんだ」というフレーズはよく使われますが、それが「継続を表す現在完了形」になっていることで、「ずーっと君だった」というニュアンスが出るところに、このセリフの良さが感じられる気がします。

そして、いただいたご質問について。
その部分のセリフですが、やはり、英語字幕と実際に発音されたセリフは異なっていたようですね。
ネット上に存在するネットスクリプト(ファンがセリフを書き起こしたもの)で、
Crazy For Friends - Scripts - Lives in a Box
というサイトがあるのですが、その 2-8 のスクリプト
http://www.livesinabox.com/friends/season2/208list.htm
では、以下のように表記されていました。

CHAN: My diary! My diary, that's brilliant. I should have told her it was my diary, she never would have made me read her my diary.

実際に DVD を見直して、聞き直してみたのですが、このネットスクリプトの通りに発音していると思います。
ですから、rie さんの
何度聴いても「・・・should have told・・・never・・・」と聴こえます。
という聞き取りは大正解だった! ということですね(^^)

英語字幕では If が入った文章になっていますが、実際の音声では If は言っていないようです。
英語字幕は以下のように書いてあり、
If I'd said it was my diary, she wouldn't have made me read it.
それを訳すと、「もし俺が、それは俺の日記だと(あの時)言っていたならば、レイチェルは俺にそれを読ませようとはしなかっただろう(に)」という感じになりますね。

実際のセリフの音声は、
I should have told her it was my diary, she never would have made me read her my diary.
で、それを訳すと、
「俺はレイチェルに、それは俺の日記だ、と言うべきだったのに。レイチェルは決して俺に、俺の日記を読まさなかっただろうに」
になるでしょう。
and などの接続詞がなく、2文がただ並んでいるみたいなセリフになっていますが、それが「生きたセリフっぽい」と言える気もします。
それを「意味を汲んで、文章にしたもの」が、DVDの英語字幕になっているというところで、その2文の因果関係をはっきりさせるために、字幕では If節の形で表現してみた、ということになるでしょう。

If S should という形は、実現の可能性の少ない仮定として、「もし万一〜ならば」という意味で使われることがありますが、今回は、If S should ではなく、I should have told 「俺は(あの時)〜と言うべきだったのに(実際には言わなかった)」という「後悔」のニュアンスを表す should have p.p. として使われている、ということですね。

今回の例のように、「DVDの英語字幕と、実際のセリフの音声とが異なっている」ということがよくあったので、この後、もう少し先のエピソードになりますが、フレンズ2-22 から、ネットスクリプトに書かれたセリフをベースとして解説するように、方針転換しました。今のこの記事は フレンズ2-8 なので、2-22 に到達するまでは、また「字幕と音声の不一致」が出てきてしまうと思います。
わかりにくいところなどございましたら、どうかお気軽にご質問下さいね(^^)
Posted by Rach at 2015年07月29日 18:38
とても丁寧な解説ありがとうございます!

ifは言ってなかったんですね。。この辺の聞き取りが今一歩でした。
質問を書いた後で、そういえば「仮定法過去完了」に近いなぁ、そんなことも習ったなぁなんて思い高校生の頃の文法書をひっぱりだしていたところです。今回のでもしifがついてたら仮定法現在完了とでも言うんでしょうかね。。

話がそれちゃいますが、フレンズ観始めて、向こうのひとはwill、canよりもwouldとかcouldとかshouldの方をよく使うなぁともぼんやり感じます。
まだ自分で使いこなすレベルへは達していませんが、参考書からは、この辺のネイティブ同同士の会話のニュアンスは気付けなかったので、DVD学習法の効果ですよね(^^)

続けて頑張ります。
そして今後はネットスクリプトを自分でも確認するようにします!!

Posted by rie at 2015年07月30日 14:21
rieさんへ
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます!

If S had p.p., S would/should have p.p. の形は「仮定法過去完了」ですね。If 節の方に should がつく If S should だと、「実現の可能性の少ない仮定」を表すわけですが、「過去の事実に反対の仮定」(もしあの時〜だったとしたら)のように、実際に過去に「起こってしまった」話を「実現の可能性が少ない仮定」(もしあの時、万一〜だったとしたら)のように表現することはないように思うので、If I should have told her it was my diary, のような if 節は、文法的には成立しないような気が(私には)します。

それから、フレンズなどの海外ドラマのセリフでは、おっしゃるように、would/could/should が頻繁に出てきますよね。特に would の使用頻度がとても高いと思うのですが、そういう感覚はなかなか、文法書だけでは捉えることが難しく、生きたセリフで学ぶ効果は大変大きいと感じます。私もずっとフレンズで英語を学んできて、自分で書いたり話したりする英語の中に、自然に would/could などが盛り込めるようになったことで、自分の成長を感じたものでした(^^)

ネットスクリプトもまた確認していただいて、これからもどうか楽しみながら続けて下さいね♪
Posted by Rach at 2015年07月31日 20:18
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