フレンズ1-3その1 のコメント欄 で、シーズン1 第3話 The One With the Thumb (モニカの彼はみんなのもの?)に関するご質問をいただきました。
質問件数が少ない場合、または少ない行数で説明できそうな場合は、コメント欄でお返事することも考えていたのですが、長くなりそうだったので、今回、記事にしました。
またもや、フレンズ2-8 解説が途中になってしまって申し訳ないのですが、疑問は早く解決した方が良いと思いましたので・・・。
(解決どころか、なおさら悩みが深まることになりそうな予感も・・・記事にすることで自分で自分の首を絞めてるのかもしれません・・・笑)
記事にした理由は他にもあります。
コメント欄は文字が小さくて見にくいので、細かい説明をするのに適していないこと。
それから、あくまで私が今考えた解釈なので、間違っている可能性も大いにありますから、記事にしてたくさんの方に読んでいただき、いろんな意見を伺いたい!という思いがあるからです。(だから、この記事は叩き台だと思ってください。)
それから、ぶっちゃけた話を言うと、記事にした方が、こちらの調査にも力が入る、というのもありまして・・・。(これはかなり自分勝手な理由ですが。)
せっかくいただいたご質問を1行か2行でお答えしちゃうのももったいないですし、やはり人が疑問に思う部分というのは何かしらひっかかる箇所がありますので、説明のしがいもあるのです(笑)。
同じような疑問を持たれた方もおられるかもしれませんしね。
ということで、いただいた質問を示し、それにお答えする形で、進めていきます。
(2006.1.17 補足と訂正)
最初に記事を投稿した際には、質問が一般的なものになるように、私が文言をかえさせていただいたのですが、やはり質問者ご本人の言葉をそのまま掲載することにしました。
その理由は「フレンズ1-3その5 ご質問2」の冒頭に詳しく書いてありますが、質問内容を変えてしまうと、質問のポイントがぼやけてしまうからです。(追記はここまで)
Q1、
ジョーイとチャンドラーがセリフを練習してるシーン
ジョーイ: "I just wanna go back to my cell. 'Cause in my cell, I can smoke." (独房に戻りたい。独房ではタバコを吸えるからだ。)
チャンドラー: "Smoke away." ([タバコを]吸え。)
Smoke awayを「すぐに吸え」だと思っていたのですが、もしかすると「離れて吸え」という意味でしょうか?
日本語音声は「ここで吸え」となってました。
私はこのセリフを聞いた時に、特にひっかからないままスルーしてしまったのですが、そう言われれば、"Smoke." だけでも通じるのに、どうして away がついているんでしょうね?
解釈その1
まず、私が考えたのは、タバコを吸う時の仕草です。
それは、「タバコを口にくわえてから一口吸い、その後、タバコを口から離して、煙をプハーッと吐く」という動作。
away というのはサッカーのアウェイという言葉でもわかるように、「離れて」という意味がありますよね。
だから、その「タバコを離して」「煙を口から出して」という行為の「プハーッ」って感じを表しているのか、と思いました。
解釈その2
away の「離れて」以外の意味を調べてみました。
そこで気になるものを3つ発見。
1.[行動の連続を表して]絶えず、せっせと
work away せっせと働く talk away 話し続ける
2.[命令文で]ためらわずに、どんどん
Ask away! 何でも聞いて。どんどん尋ねて。
3.[即時を表す」直ちに (これは right away として使うことが多い。)
この辺りのニュアンスを当てはめると、
「せっせと吸え、ひたすら吸え、吸って吸って!」と smoke という行為の連続を示唆している、
あるいは、「ためらわずに吸え、さあ吸って」と吸うことを許可している、歓迎している、促している、または、「直ちに吸え、いますぐ吸え」と”即時”を表している、
という感じのどれかでしょうか?
よく考えてみると、このチャンドラーの "Smoke away." は看守のセリフで、「独房に戻ってタバコを吸いたい」と言った囚人へのセリフなんですよね。
ということは、「独房に戻らなくても、そんなに吸いたいならここで吸えばいいさ。」という意味で、「促している」のが近いような気がします。
ですから、今の時点では「解釈その1」は違うと思います(笑)。
はっきり言って、よくわかりませんので、ご意見お待ちしております(笑)。
Q2、
フィービーの口座に知らないお金が振り込まれているシーン
フィービー: and there's five hundred extra dollars in my account. (私の口座に500ドル振り込まれてるのよ。)
チャンドラー: Oh, Satan's minions at work again... (あぁ、また魔王の手先が○○○・・・)
例えば、Satan's minions work again.なら分かるのですが、atが入っているので文の形が分かりません。
文としては完結してないけど、口語だからOKと言う感じでしょうか?
at work には「運転中で」「(人が)働いて、仕事をして、活動中で」「職場で」などの意味がありますが、この場合は「活動中で」ということでしょう。
この文の構造は・・・
解釈その1
Satan's minions (are) at work again. と be動詞が省略されている。
掲示に使われる文章に、Men at work. 「工事中」というのがありますが、それと同じかなぁ、と。
解釈その2
boss at work 「職場の上司」、one's colleagues at work 「職場の同僚」のように、at work が前の名詞を修飾している形。
ここでは at work が「職場での」ではなく、「活動中の」という感じで、「活動中の手下が、また(出てきたよ)」という感じかなぁ。
どちらか判断つきません。
Q3、
上の続きのシーン
フィービー: I'd never be able to enjoy it. It would be like this giant karmic debt. ([勝手に振り込まれたお金を]喜ぶことなんでできないわよ。まるで、○○○○○みたいじゃない。)
字幕では「来世でバチが当たるわ」となっていたのですが、
「大きな借金を負う運命みたいじゃない!」と言う理解で合っていますか?
それとも、どちらでも良いのでしょうか?
karma は仏教やヒンズー教の言葉で「カルマ、業(ごう)、因縁、宿命」などの意味ですよね。
つまり、現世での行動が来世に影響を与える、という考え方です。
だから、「巨大なカルマの借金」を背負うことになる、というのは、貰ういわれのない大金を手にして幸せになることで、来世では、そのプラス分をチャラにするほどの不幸な出来事が起こってしまう、来世の運を現世で使いつくしてしまって、来世では不幸のどん底に落ちてしまう、という意味になるのだと思います。
「来世でバチが当たるわ」という字幕も、それと同じ意味でしょうね。
実は質問はQ8までありますので(笑)、ひとまず今日はここまで。
今日のQ1からQ3までの解釈に対してのご意見をお待ちしております。
(Rachからのお願い)
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smoke away, smoke one's awayで「タバコを吸って時を過ごす」という意味があるみたいです。だから「(そんなに言うなら)タバコ吸えよ」みたいな感じでしょうか?
Q2について:
僕はRachさんの解釈1かなぁと思うのですが。
Q3について:
Rachさんの解釈で良いのではないでしょうか。
フレンズ2−8(その11)でのRachさんの最後のコメントに対する返事:
僕もピカード船長とデータ少佐が大好きです(笑)
私はてっきり「タバコを吸いに行け」「あっちに行って吸え」ってことだと思いこんでました。ふ、深い・・・
Q2について:
私も解釈1で理解しました。
Q3について:
Rachさんの解釈に同意です。
eat awayだと「好きなだけ食えよ」みたいな感じですよね。
だから、smoke awayも「遠慮しないでどんどん吸えよ」みたいな意味かと思うのですが…。
Q3は今のところ、私の見解で問題なさそうですね。Q2もやはり be動詞省略の方が素直ですね。
そして、やはり問題は Smoke away. でした(笑)。(私が選択肢をたくさん書きすぎて、却ってややこしく見せているところもあるような・・・)
質問者のninoさんも、「すぐに吸え」「離れて吸え」で悩まれたようですね。さらに日本語音声は「ここで吸え」になってたので混乱されたとのこと。
(私が質問をアレンジして却って、質問の意図がわかりずらくなってしまったので、先ほど、質問の文章を、ninoさんが書かれたそのままに戻しました。)
melocotonさんも、離れて、の意味で「あっちに行って吸え」だと思われたんですね。私なんか、away に注意を払うことすらしませんでした(笑)。
皆さん、よく注意して見ていらっしゃいますよね。
例えば、"Smoke away from me." なら、「俺から離れて吸え。」になりますよねぇ。Smoke away. だけだとどうなんでしょう?
ほんださんの解釈なんですが、私も調べてみました。smoke away では見つからなかったんですが、smoke one's time away は確かに「タバコを吸って時を過ごす」という意味があるようですね。(one's の後に名詞が抜けてるのは、タイプミス?)
この away の使い方では、dream time away 「時を夢うつつで過ごす」や、idle one's time away 「時間をつぶす、ぼんやり時を過ごす」などがあるようです。
away の「離れて、去って」というニュアンスから、時間が自分のそばから「離れていく、去っていく」感じがするので、動詞+one's time away で「・・・して時を過ごす」という意味になるんでしょうね?
これも、(one's) time があると間違いないんですが、smoke away だけでもこの意味が成り立つんでしょうか???
成り立つとしたら、「吸いたいなら、ここでゆっくり吸え」「タバコをゆっくり楽しめ」という感じが出るかもしれませんね。
ハルさんの投票(笑)して下さった、その2の2もかなりいい線行ってますよね。
そういう「好きなだけ、思いきり、気の済むまで」という感じが近いような気がします。命令文で使われているという共通点もあるし。
私はいつも議論をすると、自分なりの結論を出して本文に書くことが多いですが、今回の質問では、このようにコメント欄で議論を重ねていって、いろんな可能性を確かめたいと思っています。(ですから、本文中に追記をする予定はありません。)
また、何か気が付いたことがあれば、いつでもコメント下さいね。
ちなみに・・・つまらない話ですが、smoke away でGoogle検索していたら、Smoke Away という商品を発見してしまいました。
http://www.smokeaway.com/
禁煙のための商品のようです。
これがもし「タバコを好きなだけ吸って、禁煙しよう」というポリシー(←ダイエットで、「食べても食べても太らない」みたいな感じで?)なら、ズバリ「遠慮しないでどんどん吸え」になりそうだったんで、一瞬「おぉっ!」と思ったんですが、サプリメントとプログラムを用いた禁煙システムのようですので、「どんどん吸え」ではなかったようです(笑)。
これはまさに、煙から away 「離れる」という意味(タバコよ、さようなら!って感じなのかな?)のネーミングのようですね。(紛らわしいぞ!)
最後に、ほんださんへ
いいですよねぇ、ピカード艦長とデータ!(笑)。艦長は私の理想の上司だし、データは・・・いや、ここで延々この話をするわけには・・・(笑)。またスタートレックネタが出てきた時に、じっくり語り合いましょうねっ!
Q1
みなさん迷うようで、安心しました
Q2
解釈1、be動詞省略っぽいですね。
Q3
>現世での行動が来世に影響を与える
納得しました。
Q1、smoke awayは芝居のセリフなので、
他のエピソードで出てたthy cheekのような特殊な表現かもしれませんね。
それと、
>work away せっせと働く
>Ask away! 何でも聞いて
>dream time away 「時を夢うつつで過ごす」
勉強になります。こうやって語彙を広げていけば、忘れられません(笑
文法音痴の私にはQ2の解説はとても有難いです
>at work が前の名詞を修飾
とか。
あと、Q2解釈1で「ただ単に字幕でアポストロフィを入れ忘れている」
ということは考えられますか?
minions at work
minion's at work
minion is at work
どうでしょう?
JOEY: "Warden, in five minutes my pain will be over. But you'll have to live with the knowledge that you sent an honest man to die."
最後のいっぷく、にふさわしい言葉ではないのでしょうか? エピソード自体覚えてないので、どのように言ったか、がわからないのですが、慈悲的な感じではないですね。和訳は不可能、としてはどうでしょう? このようなフレーズの「意味」は背景と状況に左右されますので、背景と状況から判断されては? 完全な推測ですが、「最後の一服を吸いきれ」のような感じと、Go away をかけてるのでは?
Smoke away は悩みが深まりますねぇ(笑)。セリフなので、普通に相手に言う場合とはニュアンスが異なる、という可能性はあるかもしれませんね。(F.D.J.さんがその辺を示唆されているようですが。)
私も away を調べて、いろいろ勉強になりました!
「アポストロフィの入れ忘れ」というのも可能性としてはあるかも。実は私、DVDの字幕などを確認してないんですが、DVDもネット上のスクリプトも、どちらも minions at work だったんですよね?(時々、2つが食い違ってることがあります)
Satan's minion's at work again. なら、一人の手先(手下)がまた活動中だ(活動を開始した)という解釈も可能ですよね。
お金を振り込んだだけだから、複数のminions are じゃなくても良さそうだし(笑)。
実際、耳で聞くと、minions か minion's かの違いはわかりませんから、あり得ない話ではないと思います。
そう言えば、5分後に無実でありながら死刑となる男、とその看守のやり取りで、かなりシリアスで暗いお芝居なんですよね。
だから、吸うことを許可してるのは同じなんでしょうが、「吸え吸え!」という感じじゃなくって、もう少し重苦しい感じなんでしょうかね。
この一言に看守の気持ちを込めてる、みたいな。
この後、ゴホゴホと咳き込んでセリフの練習は終わってしまうので、それからのセリフの展開がわからないのですが、そういう「最後の」感じと、away で「去っていく」感じもかけているのかもしれませんね。うーん、なるほど・・・。
言葉を調べているうちに面白くなってきましたので、追記させてくださいね。
ハルさんが仰っていた
eat away(どんどん食べて) 案もありそうだなぁ。。。
と思いましたので、eat away やask awayを辞書で調べました。
で、web英辞郎で
Let him ask away. (彼に質問させてあげて。)
を発見。そこで、これを変形させて、
I'll let you ask away.
I'll let you smoke away.
(I'll let you) smoke away.
いかがでしょうか。
結局はF.D.J. さんの仰るように、状況から判断になりそうですね。
例えば自分が道でタバコを吸っていて、
外国人に"smoke away!!"と言われたら"あっちで吸ってよ"のように。
Rachさん、他の記事も詳しく書いていただき、ありがとうございます。
後日で済みませんが、必ずコメントいたします。
喧嘩にならないなら(笑)、議論は面白いですね。私も自分ひとりでフレンズ学習していた頃より、こうしてブログにして他の方の意見も聞ける方が、ずっとためになるし、面白いです。
「言葉を調べているうちに面白くなってくる」というのも、よーくわかります。そうやって調べたのは忘れませんしね。
Smoke away. は命令文ですが、命令文も、言い方や状況によっては、いろんな意味に取れますよね。
ここでは本人が吸いたがっているのですから、「吸え。」という命令や強制のニュアンスではなく、「(吸いたいなら)吸ってもいいぞ。吸うのを許す。」という感じに聞こえるでしょうね。
そういう意味では、I'll let you 「・・・するのを許してやる」のようなニュアンスが含まれている、と解釈できるかもしれません。
ただ、ここでは、I'll let you が省略された形というより、そういう優しいニュアンスの命令文になっていると考えた方がいいかもしれませんね。
例えば、何か人に物をあげるときに、Keep it. 「とっとけよ。お前が持ってろよ。」と言いますが、これは「お前が欲しいと思ってるだろうから、あげるよ。」という感じになるみたいに。
状況から判断する、というのは必要なことでしょう。場面場面によって Smoke away. の意味が違う可能性はあります。
このチャンドラーのセリフでは、やはり死を前にした死刑囚に、最後の温情をかけてやった、と捉えるのが妥当かな、と思います。
Rachさんが例として挙げていた「work away」「talk away」「ask away」などの用法を見ていると、この場合の「away」は「〜しまくる」という日本語が一番ぴったりくるような気がしました。つまり、「働きまくる」「しゃべりまくる」「訊きまくる」というように。その論でいうと「smoke away」も、直訳すれば「吸いまくれ」というニュアンスなのかもしれません。死刑を目の前にした男に対して「好きなだけ吸え」という温情は理解できます。
そういえば、ストーンズの「ギミーシェルター」という曲の最後、ミックは「kiss away, kiss away,…」と絶叫してます。いま初めてその意味が判ったような気がします。(^^)
色々ありがとうございます。
>そういう優しいニュアンスの命令文になっていると考えた方
なーるほど。Rachさんの説明を読んでいると、まったくその通りだと思います。
>Go ahead, you can smoke all you want
これまたなるほど。ハルさんはnativeの先生がいてうらやましい・・・
なんだか、上からずっと読んでいると、学校で机くっつけて
「班で話し合ってください〜」というのを思い出しました。^^
本当にありがとうございます!!
そこまで詳しく聞いていただいて、さらに丁寧に説明していただいて、嬉しいです。
ninoさんもおっしゃってますが、いいですよねぇ〜、そうやって疑問をぶつけることの出来るネイティブの先生がいらっしゃるということは。
それからやはり、「状況から判断する」というのは不可欠ですよね。
away=「しまくる」説、納得しました(笑)。
ストーンズは詳しくないんですが、あのsexyなlipsで Kiss away.と連呼されたら、う〜ん、困っちゃいますねぇ(笑)。
この記事のコメント欄は、すごく盛り上がりましたね。それぞれがいろんな意見を持ち寄って、とても素晴らしいものができた、という感じです。
皆さん、前向きに解釈を考えて下さって、私にもとても良い刺激になりました。
質問者であるninoさんにもコメント欄で積極的に参加していただけたのも、とても嬉しかったです。
やっぱり英語は”深い”ですよね。
smoke away は 「煙のように立ち去れ!」と時代がかった
言い方とたばこの smoke をかけているのかなと感じました。
ここのやり取りなんですが、私はあまり「時代がかっている」ようには感じませんでした。
ジョーイは演技がうまくない俳優という設定で(笑)、チャンドラーは「ど素人」なので、二人とも演技が大仰しい感じはありますが…。
この away の感覚は、動詞の後ろについて、その動詞の意味を強める、もしくはなにがしかのニュアンスを付け加えるような効果があるのかな?と思います。私自身も漠然としていて、うまく説明できませんが。
ロングマンで言うところの、
away:
9. used to emphasize that an action continues
10. used to say that someone spends the whole of a period of time doing something
辺りが近いような気がするのですが、未だによくわかりません。
日本人がイメージする、「アウェイ=離れて」という意味がこの場合はないように思います。
away には「人目もはばからず」という意味があり、日本人にはあまりなじみがないけど、ネイティブの間でよく使われる表現だそうです。マーク・ピーターセンさんの著書で、映画「ローマの休日」の中のセリフを例に解説していました。
こちらのブログ「英語学習帳」でも解説されています。
http://blog.livedoor.jp/y-46/archives/cat_724463.html
マーク・ピーターセンさんのご著書は、「日本人の英語」と「続 日本人の英語」の2つを持っています。(どちらも素晴らしい本です!)
「日本人の英語」の p.91 には、「away がもつ共通の意味」として、「関係ない、つながりのない場所(状態)へ」という説明がされています。ただ、その本には残念ながら、「ローマの休日」のセリフの例が載っていません。(上の2つとは別の本に載っている、ということなのでしょうね?)
教えていただいたリンク先のブログも拝見しました。ローマの休日では、snooze away という表現が出てくるのですね。
英英辞典でもなかなかそのニュアンスの語義を発見できないのですが、上のコメント欄にも挙げた LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) の語義、
away:
9. used to emphasize that an action continues
10. used to say that someone spends the whole of a period of time doing something
がやはり近いような気がしますね。
snooze away に、上の英英の語義を当てはめると、snooze という行為が続いていることを強調、snooze して多くの時間を過ごす、ということになりますね。
何かに没頭、意識が集中していて、その行為に関係ない人間からは遠く離れている感じ、周りが見えていない感じが、「人目もはばからず」というような日本語のニュアンスになる、ということなのでしょうか。没頭しすぎてその瞬間、俗世を離れているような、世間のしがらみや周りの目から超越した感じでしょうか。
そういう感覚だと、ピーターセンさんの「関係ない、つながりのない場所(状態)へ」という説明にも繋がる気がします。
今回の Smoke away. にその感覚を当てはめてみると、「人の目など気にせずに、周りのことなど気にせずに、好きなだけ吸え、とことん吸いまくれ」みたいな感じなのでしょうかねぇ?
英英辞典の語義では、行為者の行動しか書かれていませんが、そこに「他人がどう思おうと、他人の目を気にせず」みたいな説明も書かれているとありがたいのですが…残念ながらそういう記述はありませんね。
今後は「動詞+away」の表現に注目していきたいと思います。
図書館から借りて該当箇所を読んだときに、もしかするとこの smoke away にも当てはまるかもと思いました。
日本語音声の「ここで吸え」というのも、「俺の目の前でも気にせず、ここで吸え」ということかなと思ったのですが、いかがでしょう。
「日本人の英語」も「続 日本人の英語」も本当に素晴らしい本ですよね。「心にとどく英語」でも、映画の名作のセリフを例に英語の微妙なニュアンスの違いが説明されていて、楽しい本ですよ。
本のタイトルを教えて下さり、ありがとうございます。辞書には載っていないニュアンスを知ることができるのはとても貴重なので、近いうちにその本を読んでみたいと思います。ピーターセンさんのような日本語の非常に堪能な方が、日本語で詳しく説明して下さる、というのがとてもありがたいですよね。
セリフの流れを見てみると、「独房に戻って吸いたい」と言ったことに対する答えが Smoke away. なんですよね。ですからDVD日本語音声の「ここで吸え」も、「俺の目の前でも気にせず」というニュアンスが入っているという可能性が高いですね。
やはり先に出た「日本人の英語」の方が有名なようですが、私は(どちらも好きですが、あえてどちらかと言うと)「続 日本人の英語」の方がお気に入りなんですよ。「続 日本人の英語」も映画のセリフがたくさん取り上げられていますよね。私もこういうブログを書いているので、参考になる部分、共感できる部分がとても多くて、非常に楽しく読めました。
コメントありがとうございます。
フランス語スクリプトで学んでおられるのですね。素敵です。フランス語でどう訳されているか、というのは、確かに参考になりそうですね。
いろいろなコメントのやりとりがあった中で、smoke away については最終的に、「(最後のたばこになるから)好きなだけ吸え」というのが一番しっくりくる気がするなぁ、と思っていたのですが、そのフランス語の訳がそのような意味であるのなら、英語の smoke away にも、pass away のような「この世を去る、この世から消える」的な意味も持たせていたのかもしれませんね。普通の囚人ではなく、死刑囚であることを考えると、away という言葉にそういうイメージを持つのもありうるように思いました。
貴重なご意見、ありがとうございました。
仏語訳者もRachさんのように、セリフの解釈に苦しんだりしたのだろうな、というところもあり、一方で、仏語だとうまく洒落が効いてるな!という訳者の遊び心も加わっているところもあります。だからイコールではないかもしれません。いずれにせよ、元の英語についてじっくり考えることができるのも、このブログのおかげです。長く続けていらっしゃって、本当にありがたく思っています!
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
「このブログがあったからこそ、教材にFriendsを選んだ」と言っていただけたこと、本当に嬉しいです。ありがとうございます!
「英語に戻って」というのがかっこいいですね(^^)
「イコールではないかもしれない」というのは確かにおっしゃる通りなのでしょうね。ですが、それぞれの言語での翻訳のプロが訳された言葉というのは、学習者にとっては勉強になる部分が多いと思います。特に二言語を学んでおられる igrekkaさんにとっては、比較することでますます言語学習が楽しくなるでしょうね(^^)
この記事は 2006年のものですねぇ。ほぼ8年も前の記事にこうしてコメントいただけること、セリフの解釈について一緒に考えていただけること、光栄で嬉しいです。私の方こそ、本当にありがたく思っています!
これからもよろしくお願いします(^^)
huluはDVDと違って英語字幕がないので、
@「英語、字幕無し」を見る
A「シットコムで笑え」で意味を確認。気に入ったフレーズをメモ。
B「日本語、字幕無し」を見る。
というペースでやっています。
さてawayですが、「まわりを全然気にしない」というawayの使用法があります。
The students talked away during the lecture.
は授業をしているのに「平気で」喋っている。
Nero fiddled away while Rome burned.
皇帝ネロはローマが火事なのに、「平気で」バイオリンを弾いていた。
You are snoozing away
道ばたで「周りを気にせず」眠りこけている。
ですので、smoke awayは
「まわりを気にせず」タバコを吸え。
が正確な意味だと思います。
以上の例文はマーク・ピーターセン教授の新書のどこかにあったものをメモしてあったものです。ご参考までに。
引き続き、このブログとともに勉強させてもらいます。
コメントありがとうございます。
Hulu の「フレンズ」は、英語字幕が付いていないのが残念ですが、セリフのニュアンスをちょっと確認したい時などには DVDよりもお手軽なので、私もよく利用しています。
それから、away についての情報ありがとうございます。
教えて下さった新書は、マーク・ピーターセン教授の「心にとどく英語」(岩波新書)ですね。実は、2009年に読者の方からいただいたコメントで、その本の中で「ローマの休日」のセリフを使って、away のニュアンスが説明されていたと教えていただいたので、私もその本を読ませていただきました。
p.58 に「人目をはばからない away」として説明されていて、ゆいさんが挙げて下さった例文も載っています。それらの例文をきちんとメモされていたとのこと、素晴らしいです!
ゆいさんのおっしゃる通り、Smoke away. は、
「まわりを気にせず」タバコを吸え。
で間違いないですね!
拙ブログで勉強して下さっているとのお話、とても光栄で嬉しいです。こちらこそ、引き続きどうかよろしくお願いします。
コメントありがとうございました!(^^)