2006年01月26日

ハートで感じる英文法(その1)

英語ブロガーなら誰でも一度は記事にする(?)ご存知、大西泰斗先生&ポール・マクベイ先生の「ハートで感じる英文法」について、今日はじっくり語ってみたいと思います。
堂々と記事のタイトルに持ってきたのは今回が初めてですね。
こうしてアピールすることで、今まで私のブログを見たことなかった方に、ちょっと覗いてもらえるかも・・・という魂胆も、もちろんあります(笑)。

この番組と大西先生については、年末の記事
自分のブログを振り返る(その1)自分のブログを振り返る(その2)
で少し書きました。
そのため、今日の記事も、それとかぶるところが多々ありますが、ご了承下さい。

年末の記事の時は、再放送の合計4回分を見ただけの感想でした。
それから、お正月の一挙再放送を見て、1月からの会話編はテキストも購入して見ています。
私はNHKの英語番組を決まって見ることはあまりしないタチで、TVがついていれば見るけど、毎週決まって見るのは今回が初めてです。
ましてやテキストを買ったのも初めて。
おまけに1月に入ってから、大西先生の本を2冊も買ってしまいました(笑)。
ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 →ちょこちょこ飛ばし読みしました。
ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力 →まだちっとも読んでません。早く読まねば。

まあ、要するに典型的な”にわかファン”なわけですが、何故に私がここまで一気に先生の理論に魅かれたか、というようなことを、今日は書きますね。

共感した部分と、斬新だった部分
「英語をイメージで捉える」というのは、私のポリシーでもあります。
カテゴリー DVD学習法 で、私のDVD5段階活用法について説明していますが、DVDの音声と字幕(その3) の記事では、「イメージ」について以下のように語っています。

大事なことは、「ニュアンス」「イメージ」です。
英語を英語として理解する、ということは、英語のセリフを「日本語に置き換えるのではなく」、観念的にイメージで捉える、ということなのです。


大西先生の、「大切なのは、日本語訳ではなく、”感覚”や”イメージ”だ」というお話が、その私のポリシーに似ているのを感じて、共感を覚えたわけです。(一緒にすんなー!というお怒りの声も聞こえてきそうですが、厚かましくも自分では「似ている」と思ってて・・・笑)

その私にとって斬新だったのは、大西先生が、「過去形」「-ing形」あるいは構文などもイメージに置き換えることができる、と言われた点です。
ネイティブのスピードについていける理解度なら、そういう構文も実はどこかでイメージが出来ているものかもしれませんが、私はその部分を”はっきりと人に説明できるほどの確固たるイメージ”で認識したことはありませんでした。
過去形はやっぱり「・・・した」、-ing形は「・・・している」という和訳以上のものはなかったのです。
構文についても、単語の並び方とその構文の日本語訳をただ覚え、それが出てくる度に、その和訳に当てはめていたに過ぎない気がします。

後で述べますが、名詞、動詞、形容詞、前置詞・・・などは、自分の中で「日本語訳」ではなく、「イメージ」で置き換えていた、という自負があったのに、それを文法的な要素にまで広げていなかった自分に気が付いたんですね。
私は「ハートで感じる英語」を常に心がけていたつもりなのに、やはり英文法の部分については「ハートで感じていなかった」、だから、先生の説明を聞いて、「なるほど!」と大きく頷いてしまったのです。
つまり、どうしても決まった形や和訳に当てはめてしまいがちな英文法を、イメージで捉えるということの斬新さが、一番魅かれた理由なんですね。

イメージに置き換える利点
大西先生の番組を見て、私が面白い!と思ったのは、イメージを「しぐさ」「動作」「一言の言葉」に置き換えているところです。
会話編ではそれに加えて、「1枚の絵」も出てきましたね。
先生のお話がとっつきやすいと思うのは、そのイメージを「これ」とはっきり示す形で提示されているところです。
英語を学んでいると、ある程度、自分の中で漠然とした単語や構文のイメージを持ってくるものですが、いざそれを人に説明しようとすると、これが結構難しい。
説明はできるけど、結構長々と語らないと、伝わらない感じがします。
それを先生は、いったん「何らかの形で、瞬間的に思い浮かべることのできるイメージ」に言い換えてから、そのイメージを後からじっくり説明されていますよね。(”瞬間”と表現したのは、先生が言葉にしてもしぐさにしても、どれでも一瞬で表現できるものを選んでいる、ということです。)

その「瞬間イメージ置き換え」というのは、英語を日本語の言語に置き換えるより、数段上のレベルだと思います。
そして、会話編のあの「絵」もそのイメージをパッと思い浮かべる良いアイテムだと思うんですね。

例えば、会話編の if の話で、if と聞くと、受験英語をした人なら反射的に「もし・・・なら」(あるいは「・・・かどうか」)と答えると思うのですが、そうやって日本語訳を思い浮かべてからイメージするよりも、あの道路標識の絵をパッと思い出した方がスッと英語に入っていけると思います。
先生は主に日本人が苦手とする英文法でその手法を使われていますが、それは単語ひとつひとつについても言えることで、例えば cockroach という単語を見たときに、「ん? コックローチ?あぁ、ゴキブリ・・・ゴキブリかっ!」とタイムラグがあるよりも、cockroach と聞いた瞬間、あの姿をパッと思い出し、日本語のゴキブリという単語を思い出す前にゲッ!と驚く、みたいな瞬時の対応ができないと、いつまで経っても英語を聞いた瞬間に理解できるようにはならないんじゃないかと思うのです。
もう cockroach という単語を見ただけ、あるいは聞いただけで、背筋が寒くなる、くらいの反射神経(?)が必要なのではないかなぁ、と。
つまり、間に「言語としての日本語訳」を挟む余地をなくして、ダイレクトにイメージする、というポリシーが、私には非常に納得できるわけですね。

私が英語学習法として使っているDVDの字幕切り替えは、切り替えた日本語訳のニュアンスの感じを「文字としてではなく」「イメージで捉えて」英語のセリフを理解しよう、というものです。
(”英語のセリフを日本語訳のセリフとイコールで結んで一対一対応で暗記する”、のではありません。)
さらにDVDを使うと、映像を見てさらに理解を深めることができる、という利点もあります。
その英語が話された場面の状況(緊迫しているか、リラックスムードか)や、本人の口調(きつい調子か柔らかい調子か)、本人の表情(怒っているか、笑っているか)などのたくさんの情報から、そのセリフの意味する全体のイメージを掴むことができます。
ただ、そのイメージというのは、なかなか口では説明しにくくて、もうDVDのその場面を見て感じ取って下さい、としか言えないんですよね。
ですから、大西先生が「このイメージはこれだ!」とはっきり名言されていることが、潔いし、受け入れやすいと感じるわけです。

以下は、自分の学習法の宣伝みたいになりますが・・・。
DVDを使って映像を見ることで、動詞や前置詞のイメージを掴みやすくなるという利点があります。
動詞は、その動詞が使われた状況、その人物が行った動作、しぐさを観察することで、その基本的なニュアンスを理解できます。
簡単な単語(get や take や put など)であればあるほど、いろんな場面で、いろんな意味に派生して使われているのに気付くことも出来ます。
文字だけ見ていれば何通りにも解釈できそうな簡単な単語でも、特定の状況では、常識的に判断するだけで特定の意味に限定され、双方誤解なく話が進んでいくのですね。
またよく動詞と一緒になってイディオムを形成する前置詞は、方向、位置関係などいろんなことを示す単語ですが、それもどんな動詞と使われて、どういう動作になっているかを見ることで、自ずとその前置詞そのもののイメージも確立してくると思います。

わー、またまた長くなっちゃった。(ここのところ、長い文章が続いて、皆さんもげんなりですよね。ごめんなさい。)
でも、もう少し言いたいことが・・・。
明日も続いて書きます。

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posted by Rach at 13:52| Comment(8) | 英文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは。

私も最近、仕事の合間に自分のPCでDVDを見るようになって、
Rachさんのおっしゃることを実感しています。セリフが洗練された
映画などを観ると、本当に勉強になります。「へえ〜、こんな
風に表現することもできるんだ!」って。DVDは英語の字幕も
ついていますし、ほんと、オススメの教材だと思います。

では、ポチ、ポチ、ポチ!
Posted by KopyKat at 2006年01月26日 16:53
私も、大西先生ファンです(*^_^*)
ハートで感じる英文法は、ビデオに録画しながら見てます。
大西先生が監修してる、DHCの通信講座「English Brain Force」も申込みました。

今日は木曜日、ビデオ準備万全で、大西先生待ちです♪
Posted by MISUZU at 2006年01月26日 18:57
じっくり語って頂いて嬉しいです(笑)。始めて「ハート」をみた時ビビビときた、あの感覚を思い出しました。私は先生を、英語だけでなく「言語の達人」だと思っています。国語が一番お好きだったようで、先生の日本語の文章はとても魅力があると思います。「は」と書くところをわざと「わ」にしてみたり、日本語でも自在に微妙なニュアンスを表現されて、日本語の使い方までも目からウロコだったりします(笑)。先生の英語学習書のほとんどは、わかりやすく親しみやすい口調で書かれていますが、中には固い口調で、先生が教授である事を思い出してしまうような(笑)本もあります。英語も先生も奥が深い〜〜。私の興味はどちらに対しても尽きません(笑)。
Posted by KIKKA at 2006年01月26日 21:24
「NHK3か月トピック英会話 」は私も買いました。ボチボチ読んでるところです。もう1冊の方も「買う予定の本リスト」には入ってます。

私が大西先生を気に入ってる理由は、もちろん教え方が分かりやすいからですが、じつは他にも理由があるんです。それは、ノリにのってる人が出すオーラを感じるから。あのオーラを見てるだけで元気を分けてもらえる気がしてるのです。一時期の(声に出して読みたい日本語の)斉藤孝にもオーラを感じました。斉藤孝物は多数読んでますが、勢いのある時期に書いたものからはオーラを感じます。

・・私も、今日は木曜日、ビデオ準備万全で、大西先生待ちです(笑)
Posted by sat at 2006年01月26日 21:26
KopyKatさんへ
こんにちは。そうですよね、DVDは英語学習に最適の教材ですよね。英語で理解するのと、それをまた映画的に洗練された日本語で見るのとで、随分印象が変わったりすることもありますし。やっぱり翻訳者の方はすごいです!(KopyKatさんもすごいです!)
それから、いつも応援して下さってありがとうございます。とっても光栄でーす!
Posted by Rach at 2006年01月27日 13:32
MISUZUさんへ
初めまして。MISUZUさんも大西先生ファンなんですね。通信講座もあるんですか。
毎週楽しみに待ってる方が、全国に何人くらいいるんでしょうね?著書もベストセラーになっていて、アマゾンで購入するのに「入荷が遅れる」って言われちゃいましたよ。
同じLOVELOG仲間として、大西先生を一緒に応援しましょう!
Posted by Rach at 2006年01月27日 13:33
KIKKAさんへ
私に大西先生のことを教えて下さったKIKKAさんからコメントいただけて光栄です。
私も先生のテキストや本を読みましたが、わかりやすく書かれているし、とても優しい感じがあふれてますよね。
私は先生をとても「可愛らしい方」だと思っているので、文章まで可愛らしいわ、とか思ってしまいます(笑)。

難しいことを難しく書くよりも、それを簡単そうに書くほうが難しいですよね。(←なんか、言葉遊びになってますが)
あと2ヶ月、どんな新しいことに気付かせて下さるのか、とっても楽しみにしています。
これからもお互いのブログで語り合いましょう!
Posted by Rach at 2006年01月27日 13:34
satさんへ
satさんも見ていらっしゃるというのは、KIKKAさんのコメント欄で読んで知ってました(笑)。
確かに「オーラ」を感じますね。絶好調の時というのは、何をやっても良い方向に転がるものです。著書がベストセラーになり、再放送は合計3回もされましたしね。
年始にまとめて再放送した後に、先週くらいにまた再放送してたのにはびっくりしました。それだけ、リクエストが多かったんでしょうね。
でも、どうせなら、12回分のうちの8回分だけを何回も再放送しないで、残りの4回の再放送をしてくれたらいいのに(泣)。
Posted by Rach at 2006年01月27日 13:36
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