シーズン2 第9話
The One With Phoebe’s Dad (パパをたずねて)
原題は「フィービーのパパの話」
フィービー: Ugly Naked Guy is decorating his tree. You should see the size of his Christmas balls! (裸のブ男がツリーを飾ってるわ。彼のクリスマスのボールのサイズを見てよ!)
このセリフを聞いて、ロスがびっくりしたような顔をしてますね。
このフィービーのセリフ自体は、ただ単に例のブ男氏がクリスマスツリーの飾り付けをしている、というだけのようですが、それが木だとか玉だとかという単語を使っているので、「あるもの」(笑)を指しているようにも聞こえますね。
それでロスは「ボールのサイズ」と聞いて、ピクっと反応してるわけ。
ジョーイ: How much did you tip the super? (管理人にいくらチップを渡した?)
super は superintendent の略で、「アパートなどの管理人」のことです。
このように、super と省略して呼ぶことの方が多いようですね。
日本でスーパーというと、supermarket のことですが、英語では super とは言いませんのでご注意を。
モニカ: Money is so impersonal. Cookies says someone cares. (お金だと非個人的だわ。クッキーなら誰かが心を込めたってことが伝わるでしょ。)
impersonal は personal 「個人の」の反対語です。
意味は「非個人的な、個人の感情を交えない、人格を持たない」ですが、ニュアンスとしては、「その人の姿が見えてこない、他の人との区別がつかない、個性がない」という感じでしょうか。
よく日本のODAなどの国際援助は、「顔が見えない(顔の見えない)援助」だと言われますね。
英語では顔が見えないは invisible, faceless と訳されるようですが、ニュアンス的には impersonal に似てるんじゃないかな?と私は思うのですが。
impersonal というのは、そういう「相手の顔が見えない、相手がどんな人かわからない、誰からもらっても同じ」という意味なんじゃないかなぁ?
実はある方から、なぜ "Cookies says" となっているんでしょう?というご指摘がありました。
つまり、cookies (複数)+ says (3単現のs )になっているのは変じゃないか、ってことですね。
私が上に書いたのはDVDの字幕ですが、ネット上のスクリプトでも、"Cookies says someone really cares." と really は入っていますが、同じように、"Cookies says" と書いてあります。
指摘を下さった方によると、cookie (cookyとも綴る) says と言ってるように聞こえるとのこと。
私も頑張ってリプレイして聞いてみましたが、確かに cookie says と言ってるように聞こえるような・・・(ちょっと自信ない・・・泣)
私が思うに、cookies says と cookie says との違いは、クッキーズのズが聞こえるかどうかというより、クッキーとセズの間隔が長いか短いかで、決まるんではないかと。
極端にカタカナで表すとすると、長い(クッキィー(ズ)セズ)だと cookies says で、
短い(クッキィセズ)と cookie says だという感じかな?
私が聞いた限りでは、間隔が短く感じるので、恐らく cookie says と言っているのだと思います。
そして、モニカが cookie says と言っているとすると・・・。
cookie は可算名詞なので、単数形で無冠詞なのはちょっと違和感を感じます。
普通は、上のように複数形になるか、単数形の場合だと a か the がつくものですよね。
ここで、無冠詞 cookie として使っているのは、Money is... との対比かな?と思います。
(money は不可算名詞で、特殊な場合を除いては冠詞がつかないので、money is が自然な形。)
「お金というものは・・・で、クッキーというものは・・・」と抽象的に使われているので、cookie が無冠詞になっているのでは?と思うのですが。
(名詞は無冠詞だと抽象的な意味になるんですよね。)
さて、真相はいかに?!
(Rachからのお願い)
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これは私はある程度分かるので書いてみますね。
実際にDVDではCookies saysと言っています。
本来であれば、
Giving cookies to someone means that you really care.
となるのですが、それをsayで表す言い方をしています。
でも、cookieが実際に何かを言うわけではないので、これはcolloquialな言い方です。つまりちゃんとした言い方では、もともと、ないので、Cookies saysだろうがCookies sayだろうがあまり大差はないのです。
文法的にはCookies sayですが、Cookies saysも別に間違いではないです。
Cookie saysになってしまうと、クッキーという名前の人が何かを言っている、という意味になってしまうので言わないでしょう。それに、クッキーは普通複数であげるのでCookiesと考えるのが普通です。
おっしゃるように、「クッキー(をあげること)は…を意味する」というニュアンスで、say が使われていますね。
それは口語表現なので、say でも says でも大差はない、というお話は、私もなるほどなと思いました。
そういえば、クッキーという名前の人、ジョーイの姉妹にもいましたよね。
貴重なご意見、ありがとうございました。
またまたよろしくお願いします。
今回のエピソードの中で、ロスがパーティで管理人に交渉する時の
セリフ
You know how you say I never seize the day?
Even though he's your super, I'm seizing
なんですが、このhowの使い方が判りません。(またまた)関係副詞?とか思ってthe wayと置き換えてもピンと来ないし、何かが省略されている?とも思うけど? seize the dayの意味は「その日をつかむ、今しか出来ないことをやろう、今を生きよう」となるということで言いたいことは判るんですが・・・
ちなみに悩みつつ先に進んでいたらこの次のエピソードの解説で
(2-10 その3)《did you notice how he always starts his stories の how については、「どんな風に話を始めるか」という感覚だと思います。with 以下で説明されているフレーズを使ってボビーが話し始める「様子」に、みんな気づいてた?という感覚でしょう。このように、that の代わりに how を使う用法は、フレンズなどのドラマのセリフではよく登場します。》というのを見つけたんですが、ここもthatと置き換えると良いんでしょうか?
私は最初how ではなくてwhatで名詞節として括った方が判るかも?と思ったんですが、それも自信がないし・・・
Rachさんの解説お待ちしています。
ご質問ありがとうございます。
文法的に分類すると、「名詞節を導く関係副詞」に当たるようですが、that を使うところを how にして、臨場感を出しているような感覚が近いのだろうと思います。
仮にこの how の代わりに what を使うとすると、what は「先行詞を含む関係代名詞」なので、その名詞の要素となる部分が後に続く文章で「抜けている」必要があります。
例えば、I know what you mean. のように、you mean something の something の部分を前に出して、「君の意図すること」のように言ったのが、what you mean になりますよね。
今回のセリフでは、how 以下の文の要素はすべて揃っているので、それを what で置き換えることは不可能、ということになるはずです。
I never seize the day だと君が言う”こと”を君は知ってる、ならば、You know that you say となり、I never seize the day だと君が言う”様子”(どんな風にそう言うか)を君は知ってる、だと You know how を使う、ということになるでしょう。
このような、「that の代わりに how を使う用法」は、辞書には以下のように説明されています。
研究社 新英和中辞典では、
how 【副】[関係詞][名詞節を導いて]
《口語》 …ということ
用法:接続詞ともいえる
I told him how I had read it in the papers. それを新聞で読んだのだと彼に告げた。
用法:how を that の代わりに用いるのは, 特に物語風の調子でしばしば込み入った事情などを述べる場合
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
how
7. INTRODUCING A FACT : used like "that" for referring to a particular fact, an event, or a situation
例) It's amazing how they've managed to do the work so quickly.
つまり、「事実を紹介する。ある事実、出来事、または状況を言及するために、that のように使われる」。
例文は、「彼らがそんなに素早くその仕事を何とかやり遂げたのはすごい」。
that だと「…したこと」を淡々と説明している感じとなり、それを how にして「その様子」と表現すると、「こんな感じで…したわけだよね」みたいに、話し手聞き手双方に、事情や状況がよりリアルにイメージされやすくなる、ということかな、と個人的には思っています。
上の説明でわかりにくい部分がありましたら、ご遠慮なくお尋ね下さいね。
書き込み遅くなりました。
解説ありがとうございました。例文も合わせて丁寧に教えて下さってとっても判りやすかったです。でも・・・ここ、ホント難しいですね〜
(私だけ?)名詞節を導く関係副詞How は聞いたことがあったけど、ピンと来ていませんでした。躍動感を出す、なんですね。
英語は好きなんですが、文法は完全に高校辺りから躓いています・・・
文法書も何度も目を通しているけれど、こうして実際に使われている表現に出会わないと体に沁みないみたいです。フレンズは大好きなので、ここで出会った表現はホントに忘れない!
最近Rachさんのはしょる3段階に切り替えて観ています。
判らなかった表現の所は理解出来た後更にじっくりと観ることにしていて、今はこのやり方が気に入っています。
またよろしくお願いします。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
上で説明したような、「that の代わりに how を使う」というのは、私もこのブログでセリフの解説を書き続けているうちに気づいたこと、なんですよね。実際には、辞書にも載っていたわけですが、生きたセリフでそういうものに出会わないと、正直ピンと来なかったと思います。
私は学生時代から、英文法が結構好きだったのですが(古文も漢文も好きだったので、そういう「言葉の文法」系全般が好きらしいw)、英文法を学ぶための例文ばかりを見ている間は、なかなか「使える英語」にまで発展させるのは難しいだろうと思います。実際に使われている生きたセリフから、文法書に戻って確認する、というのが、結局、英文法を学ぶ一番効率の良いやり方だという気がしています。そのような形で学んでいただけるような記事が書けるよう、これからも頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
Rachさんもこの用法(that の代わりに how を使う)はこうして
フレンズを通して身に着けたんですね〜 実は私の持っている本、辞書
片っ端から調べてみたんですが、この解説が載っているものには出会いませんでした・・・(調べ方悪かったのかなぁ〜)
本当に文法書で判るのと、使えるのとには凄いギャップがあるんだなぁとしみじみ感じています。これからもいっぱい判らない表現に出会うことになるので、ますます頼りにしています♪ よろしくお願いします。
お返事ありがとうございます。
こういう how の使い方は、フレンズで学んだものの典型ですね。物語の流れの中で理解しないとわかりにくいニュアンスのものだからだと思います。こういうものが何回か出てくることで、「あぁ、そういう感じのことかー」とわかってくるわけですね。
頼りにしていただけると、ますます頑張れてしまいます♪
こちらこそよろしくお願いします。
当初、
Cookies says someone cares.
について、文法的には誤りですか?、なんて尋ねてみようかと思いましたが、
コメント欄を拝読すると、そんな単純なことではないようで、
結局、私の頭の中では、「ネイティブの実際の用法では、教科書文法は必ずしも正しくないんだ」という、極めて都合のいい整理です。
でも、モニカの、一連のセリフって変ですよね。
Cookies says someone cares.
と言ったなら、最後の、
cookies do say that.
は、
cookies does say that.
とすればいいのに、なんて思ってしまいました。
たぶん、ネイティブというのは、“言いやすい”ように言ってるんじゃないかなと思いました。
なお、cookie か cookies かについては、
ジョーイの“cookies”に始まって、モニカの最後の“cookies”まで、cookiesで繋いでいるだろうと思うのと。
Huluの英語字幕も cookies になっていることと。
実際に聞いてみて、cookie の時のアクセントと、cookies の時のアクセントが微妙に違うはずで、私の英検2級の耳では、cookies のアクセントに聞こえることと。
総合して、
脚本家は、Cookies says someone cares.と書き、
Courteney Coxは、そのまま、Cookies says someone cares.と言っているように思いました。
既に“長い”のに、以下、余談を続けるとさらに長くなってしまうのですが(笑)。
若い頃の6人が揃って映っているシーンを見るたび、“時の移ろい”を実感させられ、感慨深くなってしまいます。
今も、“活躍している”と思えるようなのは女性二人だけ。
一人は亡くなってしまいました。
6人の中では、最も才能に恵まれた人だったように思います。
他の5人は、もし違う俳優だったとしても、あの“フレンズ”は成り立っただろうと思いますが、チャンドラーなしでは、“不滅の名作コメディー、フレンズ”はあり得なかっただろうと思います。それぐらい頭の回転の速そうな人でした。
Robin Williams、Philip Seymour Hoffmanらと似ていて、いわゆる天才肌。
才能がありすぎると、心のバランスを保つのが難しいのかなと思います。
いつも、コメントしようのないコメントを書いてしまいすみません。
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
文法という基本のルールはありますが、「言いやすいように言っている」ということは日常会話ではあるような気が確かにします。
この Cookies says のセリフの謎は、未だによくわからないですね、、、
マシュー・ペリーさんの訃報は本当にショックでした。
チャンドラーのジョークを解説したくてこのブログを始めた、と言っても過言ではないので、キレのあるジョークを生み出してくれたチャンドラーがいなくなってしまったこと、本当に悲しいです。
あの6人の姿が揃うことはもうないのかと思うと、残念で寂しくてなりません。