2006年02月13日

フレンズ2-10その1

シーズン2 第10話
The One With Russ (2人のロス)
原題は「ラスの話」

ジョーイの芝居の批評が新聞に載るというので、みんなが新聞のスタンド(newsstand)に集まっています。
newsstand は通りや駅などにあって、新聞や雑誌を売っている売店のことです。
フレンズを見ていると、よく街を歩くシーンに写っていますよねぇ。
ドラマでは、このスタンドを結構見かけるので、アメリカでは新聞は newsstand で買うことが多くて、日本のように毎日家に配達されるということは少ないのかなぁ?とか昔は思ってました。
でも、やっぱり個別配送も行われているようです。
インデペンデンス・デイという映画では、主人公の一人ヒラー大尉(ウィル・スミス)が朝起きて、
I'm gonna go grab the paper. 「新聞を取りに行って来る。」
と言うシーンがありました。
新聞は家の前の道の上に、紐でくくってポンと置かれてました。
日本のように郵便受けには入っていないようです。
分厚くて入らないという話を聞いたような気もします。
このフレンズ冒頭のシーンは、いろんな新聞の批評を読みたいのでスタンドに行った、ということなんでしょうね。

ジョーイ: "The only thing worse than the mindless adolescent direction was Joseph Tribbiani's disturbingly unskilled portrayal of the king." (思慮に欠ける未熟な演出よりも悪かったのは、ジョセフ・トリビアーニの不安にさせるほど未熟な王の演技だけだった。)
チャンドラー: Okay, look. That is one guy's opinion. All right? Pheebs, read yours. (わかった、いいか。それは一人の人間の意見だ。いいな? フィービー、君のを読んでくれ。)
フィービー: "The only thing worse than the mindless, adolescent direction..." (思慮に欠ける未熟な演出よりも悪かったのは・・・)
チャンドラー: Anybody have a different paper? (誰か違う新聞持ってないのか?)
ジョーイが読んでいる記事は演劇の批評なので、難しい言葉が並んでいますね。
容赦のない単語が並んでいることに気付きます。
direction は「方向」ですが、この場合は演劇の話なので「演出」という意味になります。
direct (演出する、監督する)人だから director (演出家、監督、ディレクター)と言うのですね。
ディレクターという外来語は知っていても、ディレクションに演出という意味があるのを知らない場合もあるかと思うので、カタカナ英語から連想して単語を覚えることも大事かと思います。(覚えられるなら、どんなことでも使え!というのが私の主義。)
この批評文は、強調するために倒置の形をとっています。
文の基本的構成は、「ジョーイのportrayal (演技)は未熟な direction (演出)よりも悪い唯一のことだった。」となります。
そして、それを倒置にすることによって、「悪かったのは、ジョーイの演技だ。」と強調しています。
さらに、演出を mindless (思慮に欠ける)、adolescent (未熟な)と酷評しているにもかかわらず、それよりも「悪い唯一のこと」、つまりそのひどい演出よりも悪かったことがさらにある、それはジョーイの演技だ、とけなしているのですから、これはジョーイには、かなりショックな記事ですね。
チャンドラーはこれはあくまでこの新聞の批評だから、他の記事では誉めてるかもしれないとフィービーに読ませますが、読んだのは同じ新聞。
同じ新聞なら、載ってる記事は同じですってば。気付けよ、フィービー(笑)。(これは完全に吉本新喜劇のノリだ・・・)

レイチェル: Joey, they don't know what they're talking about. (ジョーイ、批評家は自分たちの言ってることがわかってないのよ。)
レイチェルはジョーイを慰めようとしています。
これは直訳すると、「批評家というものは、自分たちが話している話題について、何も知らない。」、つまり、「わかったようなえらそうなこと書いてるけど、演劇の本質なんて何もわかっちゃいないのよ。」ということです。
批評家をけなすことで、ジョーイに対する評価は間違いだと言いたいわけ。
人に自分の行動を非難されて、"I know what I'm doing." (私は自分のやってることはわかってるわ。これは、わかってやってることなの。私には私の考えがあってこうしてるの。)と自分を弁護する表現がありますが、それと似ていますね。

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posted by Rach at 12:56| Comment(11) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アメリカで新聞を家まで配達してもらってました。日本と同じところは、購読割引があるところです。でも、配達をしてくれる人にチップをつけないといけないです。で、違うところは、Rachさんのおっしゃる通り、郵便受けに入れてくれないところです。お家によっては新聞受けを郵便受けとは別においていて、そこに入れてもらっている人もいるみたいです。それから、新聞配達は車で回っています。
後、週末(特に日曜日)の新聞はとても分厚いです。何が書いてあったのか良く覚えていないけど、やたら分厚い上に山の様な広告、後忘れてならないのが、割引クーポンの冊子。これは重要です。以外に使えるクーポンがたくさん入っていて、結構利用させて頂きました。
もう一つ重要な違いが。アメリカの新聞の多くは(少なくとも僕がとっていた新聞は)、新聞休刊日がありませんでした!!正月もクリスマスも毎朝配ってました。それでいて一日50セント(日曜版は1.75ドル)でした!!
Posted by ほんだ at 2006年02月13日 14:30
僕もアメリカでは新聞は配達されないものだと思ってたんですが、1-16の「フィービーの双子対決」にロスのこんなセリフがあって、考えを改めました。

And then, like three days in a row he got to the newspaper before I did and pee-ed all over the crossword.
(マルセルは三日連続でロスより先に新聞を取りにいって、クロスワードにオシッコをした)

これって、新聞が毎朝ロスの家まで配達されると考えないと、うまく説明がつきませんよね。
Posted by ハル at 2006年02月13日 15:58
うちは新聞を取っていません。アメリカの新聞ってかさばるし、インクが手に付くし、インターネットでニュースが読めるので、現在は取っていません。同じような理由で、購読者が減っているので、新聞社もたいへんなようです。
 買いたいときは、ニューススタンドもそうですが、スーパーマーケットや道端(お金を入れて取り出せるボックスから)でも買えます。買うとしたら、やはり日曜版がほとんどですね。クーポンが入っているので。バカにならないのですよ、これが(笑)。
 あと、近所に来る配達の人が、新聞が余ったとき私の家の driveway に一部置いていってくれます。たぶん、宣伝になるからサンプルとしてくれるのではないかと思います。
Posted by KopyKat at 2006年02月13日 17:17
ほんださんへ、そしてKopyKatさんへ

お返事くっつけちゃってごめんなさい。
いつもお二人からは、貴重な現地情報をいただき、本当にありがとうございます。
こういうことをいろいろ教えてもらえるのがブログのいいところですねぇ。新聞のことを冒頭にいろいろ書いたのは、私もどういう感じなのかよく知らないので、誰かご存知の方が詳しく教えて下さるのを待ってた節もありまして・・・。
私の気持ち、通じました?!

ほんださんのチップの話にはなるほど!です。そういえば、最近書いた記事のフレンズ2−9(その2)でも、チップの代わりにクッキーをあげたので、新聞配達員が怒って仕返しをした・・・というエピソードがあったばかりでした。

KopyKatさんがおっしゃるようにアメリカでも購読者が減っているのですね。日本でも、取ってない人増えてますよね。コメント下さったハルさんも取ってないんですよね? 確かにネットニュースの方が断然早いですから、新聞見て驚くことはあまりないですよねぇ。

driveway 「(建物や車庫から道路までの)私道」にやっぱり置くんですね。インデペンデンス・デイでもそんな場所に置いてありました。
日本でも昔は他の新聞をおまけにくれたこともあったような気がしますが、最近は不景気からか、全然ないです。

お二人のコメントに共通して出てくるクーポンにはびっくり。
「日曜日の新聞と言えばクーポンだよね!」というのがアメリカ生活経験者の共通認識なんだぁ。
すごく参考になりました。これからもよろしくお願いしまーす!!
Posted by Rach at 2006年02月14日 14:41
ハルさんへ
そうですね、そんなセリフありましたねぇ。(私の解説では飛ばしてるようですが。)
直接配達される場面を見なくても、そうやってセリフから推測することで、いろんなことがわかりますよね。
ハルさんも配達されないと思ってらっしゃったんですか。私もどうしてそう思ってたか自分でもわからないんですが、結構長い間、そう思ってましたよ。

ところで、ハルさんが最新のフレンズ解説記事にコメント下さるのは珍しいですね。自分がまだ見ておられないエピソードは、ネタバレを防ぐために、あえて読まないようにしておられる・・・と思っていたんですが、今回はたまたまセリフの解釈とは関係なく新聞の話が書いてあったので、読んでも問題ないと判断されたんですか?(と、ちょっと細かいことを気にしてみる・・・笑)
Posted by Rach at 2006年02月14日 14:43
具体的な英文が書かれてる部分は、後のお楽しみのために取ってあるんだけど、最初のマクラとか最後のオマケの部分は、Rachファンの一人として極力読むようにしてます。(^^)

新聞配達が日本だけのものと思った原因は、たぶん新聞社がかつて「日本の古き良き伝統である新聞の配達制度をなくさないためにも再販制度は必要」というキャンペーンを張ったせいだと思います。いやー、新聞社にすっかり騙されてましたね。
Posted by ハル at 2006年02月14日 18:19
新聞といえば、配達員も配達者も販売店も見なかったのが不思議だったなぁ。新聞記者には会えるんですけどねぇ^^;

全然関係ない話で申し訳ないんですけど、paperで忘れられないのが「老人と海」の一節。
無事帰還したじーちゃんが、少年に言います。

"Bring any of the papers of the time that I was gone."

単純なようでいて、とても深いです。
冠詞の使い方、anyの使い方、the time that I was goneという表現。文法的に疑問な部分もあるんですが、とっても自然でクリアな表現方法ですごく気に入ってます。
日本語から訳したんじゃ、絶対こういう英文にはならない気がします。

英語の楽しさを教えてくれた一文です。
Posted by ほっとあーるぐれい at 2006年02月14日 20:37
ハルさんへ
ファンだなんて言われたのは何年ぶりだろう・・・(笑)
オマケを読んでいただいてたら、私がただの「オタクのおばさん」だとばれてしまうので、困ってしまいますが。(どの道、ばれるからいいですが・・・。)
私も何だか、新聞配達を日本独特のシステムみたいに思ってましたね。そのキャンペーンのせいかどうかは記憶にないけど(笑)。
Posted by Rach at 2006年02月15日 16:27
確かに「販売店」のイメージはないけど、何故に「新聞記者には会える」んですか??(何か事件でも起こしましたかっ!?)

any of the papers っていうのは、「どれでも構わないからとにかくどれかを」って感じが出ていていいですねぇ。
私も日本語からは想像できないような英文を見て、センスを磨かなくっちゃね!
Posted by Rach at 2006年02月15日 16:31
バーで飲んでると、三日に一回は新聞記者に会います。
単に酒が好きなのか、ドラマで見たように本当に情報収集してるのか、はたまた”自称”新聞記者なのかは知りませんが(笑
決して悪いことをしたわけじゃありません(キッパリ
Posted by ほっとあーるぐれい at 2006年02月16日 22:26
バーに出没してるんですか?(ほっとあーるぐれいさんが、じゃなくて、新聞記者が、ね?)
ほっとあーるぐれいさんは、バーで何か有用な情報をその新聞記者に流してみたりするわけですね。結構そのバーでは、「あの日本人の情報はあなどれない!」とか言われてたりして(笑)。
Posted by Rach at 2006年02月17日 12:50
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