2006年02月14日

フレンズ2-10その2

自分には才能がないと嘆くジョーイに、
ロス: Come on, you're just paying your dues. (そんなこと言うなよ。ジョーイは今、経験を積んでるところなんだよ。)
due は「当然払われるべきもの」という意味で、dues と複数形にすると「税、料金、会費、使用料」という意味になります。
pay one's dues は「会費や料金を支払う」という意味から、「(一人前になるために)一生懸命働いて経験を積む、下積みの経験をする」という意味になります。

ジョーイ: It's not worth it. I quit. (こんなことやるだけの価値もないよ。もうやめる。)
worth it は「やりがいのある、時間や労力をかけるだけの値打ちがある」という意味。
not worth it は「やるだけ無駄、割りに合わない」という感じです。

ファン・ボビーを見て喜ぶロス。
Fun Bobby (ファン・ボビー、ネアカのボビー)は、フレンズ1-10その5 で初登場しています。

ロス: I'm psyched to hear you're back with Monica. (モニカとよりを戻したって聞いてハッピーだよ。)
psych は「・・・を不安にさせる、怖じ気づかせる」という意味ですが、be psyched で「すごく楽しみで、興奮して、ハッピーで」という意味になります。
心が平常心ではなくて、ソワソワしてる感じです。

ファン・ボビー: Public display of affection coming up. You can avert your eyes. (愛情を公衆の面前で披露するよ。視線はそらしてくれていいよ。)
public display of は「・・・を公衆に見せること」、coming up はそういうシーンがまもなく登場するよ、ということ。
"Coming up is..." だと「次(の登場人物、の番組)は・・・です」という意味になります。
コマーシャル前に使う表現ですね。
明るいボビーは、そうやってモニカとのキスもみんなと楽しむためのアイテムにしてしまうんですねぇ。

ワインの減りが激しいという話から、
チャンドラー: I had a mug full in this I-got-boned-at-the-Museum-of-Natural-History mug. (俺はこの「自然史博物館で骨を抜かれた」マグで、マグ1杯分のワインを飲んだよ。)
mug は「マグカップ、大型カップ」ですね。
a mug of で「マグ1杯の」という意味になります。
ここでチャンドラーはマグの説明をしています。
I から History までが −(ハイフン)で結ばれているのは、その部分全体が形容詞として、後ろの名詞の mug を修飾していることを表しています。
音声ではもちろんハイフンがついているのはわかりませんが、その形容詞の部分だけ、続けて一気に言うので、mug を説明していることがわかります。
つまり、このマグに"I got boned at the Museum of Natural History."と書いてあるということ。
bone はご存知「骨」で、動詞として使うと、「骨を抜く」という意味になります。
ですから、このマグに書いてある言葉は、「私は自然史博物館で骨を抜かれた」ということ。
恐らく、恐竜の骨格の絵がマグには描いてあって、「恐竜のボクは、この博物館で骨になって飾られてるよ。」という意味でしょう。

結局、モニカの彼のボビーがワインをたくさん飲んだことにみんなは気づき、ボビーが帰っていったドアの方を「あいつか・・・」みたいな顔で見てるんですが、ジョーイだけ気づかなくて、「みんなそっちの方向いて、何見てるんだ?」と覗き込むようにしてるのが面白いですね。
で、しばらくしてから、あぁ、と気づく、と。
いつものパターンです。

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posted by Rach at 14:31| Comment(8) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
I-got-boned
ですが、
友人によると、I got bonedという言葉はなく、意味を成さない、と言っていました。
ただ、博物館のマグカップでboneと言うと、多いに意味を持つような感じを受けるのでboneと使っていますが、本来は、これはhave sexという意味があるそうです。
だから笑えるのだとか。
Posted by ぷり at 2009年10月11日 18:27
ぷりさんへ
ご意見ありがとうございます。

チャンドラーはこのセリフを言いながら、その白いマグカップに書いてある絵と文字をみんなの方に見せています。はっきりとはわからないのですが、左に茶色の恐竜の絵(骨格の絵かもしれない)、右に黒文字でコピーみたいなものが書いてあるようです。
ですから多分、そのカップに I got boned at the Museum of Natural History と書いてある、ということだろうなぁ、と。

その I というのは、そこに書いてある恐竜のことで、そうすると、I got boned は「僕は骨を抜かれた」という意味になると思うのですね。

bone の動詞としての一般的な意味は、英和、英英ともに「…の骨を抜く」と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のようになっていました。
bone: verb [transitive] to remove the bones fish or meat
例) boned salmon
つまり「魚や肉から骨を取り除くこと」、例は「骨を抜かれたサーモン」。

bone という他動詞は本来「肉から骨を抜く」ということで、「骨が抜かれて肉だけになる」という意味になるのでしょうが、博物館の恐竜の話をしているという前提であれば(もちろんそれは一般的な表現ではないでしょうが)「骨だけの状態になっている」という解釈も可能かな、と私は思います。

また、おっしゃるように、bone には「エッチする」という意味があるようですね。
Urban Dictionary で、boned, bone などを調べてみたのですが、やはりそういう意味が多く載っていました。
元々、bone という名詞に penis の意味があるようですね(英辞郎にもその意味は載っていました)。骨のように硬くなることからの連想みたいですが。
ですから、get boned と受身になると、「(女性が男性に)エッチされる」(というか実際はもう少し過激なニュアンスでしょう)みたいな意味になるようです。

また、Urban Dictionary の以下のリンク先では、「アルコールの大量摂取(の後、酔っ払う?)」のような語義も載っていました。
Urban Dictionary: Boned
http://boned.urbanup.com/384764

もしこの言葉が実際にマグカップに書いてある言葉だとすると、got boned がエッチをすぐに連想させる言葉であれば、子供も来る可能性が高い博物館でのお土産に書いてある文言としては不適切な感じもします。
もし「骨」以外の何かの意味とかけているのであれば、「酔っ払った」の方かも?とも思います。
「自然史博物館で骨を抜かれた(or 骨だけになった)」と「自然史博物館で(このカップでお酒を飲んで)酔っ払っちゃった」とをかけているということなのかなぁ、と。

もちろん、Urban Dictionary で got boned にエッチの意味があるとたくさん出ていたわけですから、その言葉にはそういう意味もある、ということを「大人」は認識していて、そういう面白さから買う大人も多いのかもしれませんね。
本来のコピーの意図としては「骨格が飾られているという恐竜の立場からの独り言」的なものではないか、それに「酔っ払った」とか「エッチされた」みたいな意味も何となく漂わせているコピーなのかな、と思いました。

ご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年10月12日 07:54
Rachさんは素晴らしいですね〜
いつも感動して拝見しています。

言葉少なくてゴメンナサイ。
私も、絵は恐竜が骨を抜かれたような絵が描いてあるんだと思います。
Rachさんの言うとおり、大人が分かる言葉遊びなので、面白いのだと思います。

色々調べていただいたようで、本当にありがとうございます。
Posted by ぷり at 2009年10月29日 15:45
ぷりさんへ
お返事、そしてお褒めの言葉、ありがとうございます。

やはり「大人が分かる言葉遊び」ということなのでしょうね。
自分なりに調べてみて、どうして get boned がそういう意味になるのか?などがわかった気がするので、私自身、大変勉強になりました。こちらこそ、興味深いコメント、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年10月30日 10:55
いつも全力の解説ありがとうございます。
下記の[still]の意味合いがはっきりしません。
よろしくお願いします。
03.13 It still works!
03.19 I'm still gonna go.
Posted by Tamashiro-OB at 2019年04月19日 21:32
Tamashiro-OBさんへ
ご質問ありがとうございます。

03:13 It still works! について。
これは、落ち込んでいるジョーイを、ファンボビーが「高い高い」してあげた時のセリフですね。
直訳すると「まだ効く、効き目ある」というところで、ファンボビーに持ち上げてもらっても俺の元気は戻らないよ、と思っていたのに、やっぱり高い高いされたら何だか元気になってきて、「ファンボビーの高い高いは、俺がこんな状態でも”以前と変わらずやっぱり”効き目あるんだな」と言った感覚だろうと思います。

03:19 I'm still gonna go. について。
「僕が行く前に(before I go)、他にも高い高いしてほしい人いる?」と尋ね、みんなが手を挙げたところでボビーが言ったセリフですね。
直訳すると「僕はいぜんとして(前と変わらず)行くよ」という感じでしょうか。
その前に before I go と言っていて、みんなが手を挙げたので、「みんな一人一人を抱っこしてあげる時間は残念ながらないよ」というニュアンスで「さっき行くと言っていたように、やっぱり僕は行くよ」と表現したのだろうと思います。

still の基本的なニュアンスは「前の状態が今もまだ続いている」という感覚なので、works の方は「以前と変わらず、俺(ジョーイ)が落ち込んでる状態でも効き目ある」、gonna go の方は「みんなからリクエストがあったけど、少し前に行くと言ったようにやっぱり僕は行く」という感覚になるということですね。
Posted by Rach at 2019年04月23日 21:06
Rachさんへ
今回もたいへんわかりやすい解説、ありがとうございます。
質問ばかりで恐縮ですが、次回もよろしくお願いします。

Posted by Tamashiro-OB at 2019年04月24日 18:28
Tamashiro-OBさんへ
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。
こちらが書かせていただいたコメントを読んでいただければそれで十分ですので、お礼についてはどうかお気になさらず(^^)

それからどうか恐縮などされませんように。
ご質問をいただけると、ブログ記事で欠けていた部分の補足解説ができ、私としても大変ありがたいですので。

お返事をお待たせしてしまうこともありますし、解釈に自信がない場合などもございますが、どうかこれからもお気軽にご質問下さいね♪

こちらこそよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2019年04月24日 22:12
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