2006年03月10日

フレンズ2-11その10

レイチェルのママがエッチの話を持ち出したのは「ママはパパ以外の男性を知らないから」というのが理由らしい。
そんな親子の会話に対して、モニカは知らないふりをします。
モニカ: I'm dicing. I'm dicing. I don't hear anything. (さいの目に刻んでるの。さいの目に刻んでるの。何も聞こえないわ。)
この歌のようなひとりごと、 ing で韻を踏んでるようですね。
dice は「さいころ」です。最近は日本語でも「ダイスを振る」と言いますね。
それを動詞として使うと「(野菜を)さいの目に刻む」という意味になります。
さいの目とは「さいころの各面に書いてある数、さいころの形」という意味なので、日本語も英語も同じ使い方をしているんですねぇ。

パパとの離婚を考えている上に、そんなエッチの話を持ち出したママに、とうとうレイチェルはキレてしまいます。
レイチェル: You know what? I cannot have this conversation with you. You come here and drop this bomb on me before you even tell Daddy. Do you want my blessing? Want me to talk you out of it? Then what do you want? (いい? 私はママとこんな会話はできないわ。パパには言いもしないで、ここに来てこんな爆弾を私に落とすのよ。私に賛成してほしいの? 私がママを説き伏せてこんなことを思いとどまらせればいいの? それじゃあ、何が望みなの?)
ママ: I guess I figured you would understand. (あなたなら理解してくれると思ったのよ。)
レイチェル: Why on earth would I understand this? (こんなことをどうして私が理解するっていうの?)
ママ: You didn't marry your Barry, honey. But I married mine. (あなたはあなたのバリーと結婚しなかったわ。でも、私はパパと結婚したのよ。)
drop a bomb は「爆弾を落とす、爆弾発言をする、ひどく動揺させる、衝撃を与える」という意味。このニュアンスは日本語と同じですね。
blessing は「恩恵、祝福」ですが、この場合は「賛意、賛成」という意味です。
talk someone out of... は「(人)に・・・しないように説得する、(人)を説き伏せて[説得して]・・・することをやめさせる、思いとどまらせる」という意味。
talk (話す)ことで out of (・・・から抜け出す、・・・から出る)ようにする、という感じですね。
反対の意味の「(人)を説得して・・・する気にさせる」は、talk someone into です。

パパと相談して決めたことでもないのに、一方的に自分の意思を告げるだけのママに、レイチェルはキレてしまったようですね。
私に何を求めてるのか?と問い詰めるレイチェル。
「別れちゃえば。」と言って欲しいのか、「ママ、そんなことはやめて、パパのところに戻ってよ。」と言って欲しいのか、ママの真意が見えないということです。
だいたい、女というものは、相手に相談しつつも、心の中ではある程度答えが決まっていたりするもので、このレイチェルのセリフは、その女の本質を突いていますね。
離婚を後押ししてくれれば思い切って踏み出せるのか、あるいは必死に止めてくれれば我慢して今の結婚生活を続ける決心がつくのか、どちらのつもりでここに来たんだとレイチェルは聞きたいのですね。
your Barry は「あなたのバリー」。
それに対してママはパパのことを mine と言っています。
これは your Barry が「あなたの婚約者だったバリー」という意味だけではなく、「結婚することになっていたけど、愛してなかった人」という意味も含んでいるのだと思います。
だから、mine は my Barry としてもいいのかもしれません。(レイチェルのパパのドクター・グリーンは Dr. Leonard Green という名前なので、実際は my Leonard でしょうが。)
あなたは「愛してない人」とは結婚しなかったけど、私は「愛してない人」と結婚したのよ、あなたがたどったかもしれない道を選んだのよ、ということです。
結婚式当日になって「愛してない人とは結婚できない」と悟ったレイチェルなら、ママの気持ちがわかるでしょう?と言いたいのですね。
結局、ママは自分でもどうしたいのかはっきりわかってないのかもしれません。
レイチェルと話すことで何か気持ちの決着がつくかも、と期待していたのかもしれません。
でも、この最後のセリフで、とにかく、私の今の気持ちをわかって欲しい、一番わかってくれるのは同じ道をたどろうとしていたあなたよ、ということだったのがわかります。

(ここから変な話になります。男性の方にはちょっとわからない話かも・・・気分を害されたらごめんなさいね。)
とにかく「わかって欲しい」というのも、女性がよく言うセリフですね。
ただ、相手にグチを聞いてもらいたいだけ。「そうそう」と言ってもらえたらすっきりする、というのがあります。
男性は女性がグチったり悪口言ったりするのを嫌いますが、そうやって吐き出すことでふっきれるということがあるんですよね。
男性と女性の違いを取り上げた番組で、女性がグチると、男性は「じゃあ、どうしたいんだよ。どうして欲しいんだよ。」と対策を考える方向に話を持って行こうとする、と言ってました。
でも、女性はただ聞いて欲しいだけ。
「ふーん。それは大変だったねー。わかるよ、その気持ち。」とか「それはむかつくね。俺も腹が立ってきたよ。」って言ってもらえると、それだけで充分だったりするのです。
そもそも、対策が立てられることならば、それなりに対処してるでしょう。どうしようもないから、グチってるんですよね。
レイチェルのママも、この気持ちをただ誰かに話したかっただけ。
レイチェルみたいに最後に思い切った決断が出来なくて、こういう状況を招いてしまったと言われると、その後の言葉が出ないレイチェルでした。

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posted by Rach at 15:21| Comment(12) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後の女性はただ話を聞いて欲しいだけ、アドバイスは求めていないというのはその通りですね。私も若いころはそうでした。夫にただ話を聞いて欲しくて相談してたのですが、意見されて腹が立つ・・というようなことを繰り返してましたね。すごく勝手なんですけど、それが女性というものです(笑)。今はそういう意味では夫に何かを相談するということはないですね。誰かに愚痴をいうということもなくなりましたね。(悩みがないというわけではないのですが、話してもむだなことは話さないという感じ)。母親になってすっかりたくましくなってしまいました。
Posted by agathe at 2006年03月10日 21:39
お久しぶりです。「最後の話」は大変参考になりました。
Posted by ほんだ at 2006年03月10日 22:35
「最後の話」は今なら理解しています。
でも当時は全然理解できなくて、大変でしたよ。真剣に受け答えして逆ギレされて、本当に本当に本当に大変でした(笑えないけど、笑っとこうw)
今なら、もっと賢く対処できるんですけどね・・(笑)
Posted by sat at 2006年03月11日 00:32
agatheさんへ
agatheさんなら、わかっていただけると思ってました(笑)。
女性が集うと、「そうそう!」「わかるわかる!」「私も!」みたいなことで大いに盛り上がっちゃいますよねぇ。それでストレス発散できちゃうんですよ。
私も主人に「相談」はあまりしないです。自分で意見を決めてから、「私はこうしたいけど、いいかな?」って許可を得るパターンがほとんどです。
私はオタクの特性上(笑)、こだわる部分はとことんこだわるけど、どうでもいいことは本当にどうでもいい、って人間なので、私が強く主張するところは反対してもしょうがないと彼はわかってるし、その分、私は興味無いことは主人に一任するし、で、何とかバランスが取れてるんじゃないかな、と思うんですよね。(勝手な見解だけど・・・笑)
だから、私も愚痴はほとんど言わないですし、主人もあまり仕事の愚痴は言いませんね。でも会話がない夫婦なわけじゃなくて、つまらん話で二人で盛り上がって、時々息子が仲間外れにされて怒ってますよ。(・・・ノロケか?)
Posted by Rach at 2006年03月11日 18:34
ほんださんへ
お忙しそうですね。体調崩してないですか? 久しぶりのコメント、ありがとうございます!
「参考」と言っても、個人差があるので(笑)、全ての女性がこうだ!と言い切れないのかもしれませんが、まぁ、少なくとも、私を理解するのには参考になると思いますよ(!?)
きっと、ほんださんは、私がこういう人間だと、うすうす感づいてるとは思うけど・・・(笑)。
Posted by Rach at 2006年03月11日 18:41
satさんへ
女というのは、誰に対しても自分の話を聞いて欲しい!と思ってるわけではなく、やはり「自分の大事な人にはわかって欲しい!」と思ってるはずなんですよ。
私は八方美人だから、普段はあまり自己主張しないですが(会社でも結構「温和な人」で通ってた)、自分が大切に思っている人には、やはり自分の本音を知っていて欲しい、自分の考えをわかって欲しい、と思うんですね。
それは女の本音なんですが、ただ、相手にそれをぶつけるだけ、というのも、相手を困らせるだけになる、ということも学びました。(でも時々、それを忘れて本能で生きてる時もある・・・笑)

satさんが「真剣に」受け答えされたのも、出来るだけそれを受け止めてあげようとした結果なんだと思いますし、それに対して反発されたことで、satさんが大変な思いをされたのもよくわかります。
うちの主人は、真剣に聞くどころか、どちらかというと、「私の話を笑い飛ばす」傾向があって、最初はムッとしたんですが、まぁそんな風に対処されることで、悩んでる自分があほらしくなってきて、悩むのをやめちゃった、ってこともありましたので、そういう荒療治もありなのかなぁ、とか。

「うちの主人は私のことをちっともわかってくれない」と思うよりも、「男ってのは、女の気持ちがいつまで経ってもわかんないもんだ」と思っていた方が、気が楽なので、今はそう思うことにしています。逆もまた真なり。きっと男性の本音は、私には一生わからないと思います。
Posted by Rach at 2006年03月11日 18:58
のろけてくれて、有り難うございます!ちなみにうちも負けないくらい仲がいいですよ(笑)
Posted by agathe at 2006年03月12日 15:16
すみません、のろけて(笑)。たまにはノロけたい時もあるんですよね、何故か。

agatheさんも、仲の良いご夫婦だろうな、と思ってましたよ!
agatheさんのように、毎日おいしそうなご馳走をきれいに盛り付けた夕食を出されているのは、可愛い子供さんのためはもちろんのこと、やっぱり”愛する”ダンナさまのため、というのもあると思いますので。(きゃー、はじゅかしいー!)

「こんなところかな」と落とし所(?)がわかってきたら、あんまりモメなくなりますよね。慣れてくると、きっと相手はこう言うだろうってわかってきますしねぇ。
その慣れが心地好かったりしますが、そこでスリルを求め出すと、心が外に向いちゃってヤバいかもしれませんね。(私は今のところは大丈夫だけど、彼はどうなんだろう・・・?!)
Posted by Rach at 2006年03月13日 11:57
Rachさんに言われてどうというより、今まで生きてきたなかで、「まさにそれそれ」という経験をしてきたもので・・・(爆)
個人的な話ですが、後11日で引っ越しです。部屋も仕事も片づかないです(泣)
でも、飲み会は皆勤です(爆)
Posted by ほんだ at 2006年03月16日 14:42
「まさにそれそれ」体験・・・(笑・・・って笑いごとじゃないですね。)
すべての女性は自分が愚痴ってる理由を男性にわかってもらえずイライラし、すべての男性はそういう女性の気持ちがわからずイライラし・・・という経験をしてきてるんでしょうね、きっと。
あ、だから、私がグチっても、軽く受け流して下さいよー。

それから、引っ越し大変ですね。忙しい時はいろんなことが重なるもんねー。でも、飲み会は皆勤なら、体調は良いんだね、きっと。
飲み会を休むようになったら、ほんださんの身に何か起こったってことだし・・・(こんな書き方すると、知らない人に、どんな飲兵衛かと思われちゃう!?)
Posted by Rach at 2006年03月16日 20:33
こんにちわ、レイチさん。就活に苦しみながらも息抜きにフレンズとこのサイトを見てリフレッシュさせてもらってます。
最後の女の子の話は僕もよく女の子友達から聞いていたので、相談された際は特に何も言わずに「うん、うん」と話を聞くことを心がけてたんですが、ある日「話を聞くぐらいなら誰でもできる。何かアドバイスしてよ。」と言われ、それからどうしたらいいのか分からなくなりました笑
Posted by ひろ at 2014年04月24日 00:55
ひろさんへ
コメントありがとうございます。
就活でお忙しい中、拙ブログを見て下さっていること、ありがとうございます。少しでもひろさんのリフレッシュになっているとしたらとても嬉しいです(^^)

女性というのはたいてい「話を聞いてほしいだけ」だと思っていたのですが(私がそういうタイプなものでw)、「アドバイスしてよ」と言う方もいるんですねぇ。女の子に頼られてますねー、ひろさん!^^

アドバイスも難しいですよね。後から恨まれたりするのも怖いしw でも確かに「異性からのアドバイス」というのは、視点が違っている分、新鮮だし、目からウロコ的なことも多いので、助言を求めている方には是非(!)アドバイスしてあげて下さい(^^)

8年前の記事に書いた「英語とは関係ない話」に反応していただけて嬉しかったです。ありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2014年04月25日 13:55
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