2006年03月15日

フレンズ2-11その15

ロスに説得され、結婚式を予定通り執り行うことに決めたキャロル。
モニカ: So we're back on? (じゃあ、元どおりに戻ったのね。)
キャロル: We're back on. (予定通りよ。)
モニカ: You heard the woman! Peel! Chop! Devil! (あなたたち、あのご婦人の話を聞いたわね! 皮むいて、刻んで、コショウして!)
be back on は「再開している」という意味。
on の状態(動作中、進行中の状態)に戻る、という感じでしょう。
peel は「・・・の皮をむく」です。
日本語でも皮むき器のことをピーラー(peeler)と言いますね。
chop は「たたき切る、小さく切る、刻む」です。
日本ではチョップというと、たいていの人が「空手チョップ」を思い出すだろうと思いますが・・・(ちなみに、私は力道山に詳しい年齢ではありません・・・笑)
空手チョップは karate-chop という英語訳があるようですね。
karate は普通の英和辞典にも載っていますが、発音は「カラーティ」という感じです。
ラルフ・マッチオ、ノリユキ・パット・モリタ出演のアメリカの空手映画で「ベスト・キッド」というのがありましたが、その原題は Karate Kid と言いますしね。
devil は「(肉などに)からしやコショウをたくさんつけて調理する」という意味。
どうしてデビル(悪魔)って言うんだろう・・・?

キャロルとスーザンの結婚式の出席者はレズの友達ばかりです。ボヤくジョーイとチャンドラー。
ジョーイ: It just seems so futile. You know? All these women, and nothing! I feel like Superman without my powers, you know? I have the cape, and yet I cannot fly. (役に立たない、って感じだよな。そうだろ? これだけの女性がいて、何にもないんだぜ! パワーがなくなったスーパーマンって感じだよな。マントはあるけど、それでも飛ぶことはできないんだ。)
チャンドラー: Well, now you understand how I feel every single day. The world is my lesbian wedding. (ジョーイは今、おれが毎日毎日どんな気持ちでいるかやっとわかったんだな。世界は俺にとってレズの結婚式なんだ。)
futile は「役に立たない、むだな、むなしい」という意味。
いくら努力しても無益だということです。
Resistance is futile. だと「抵抗しても無駄だ。無駄な抵抗はやめろ。」と相手を降伏・降参させる時に使うセリフになりますね。
新スタートレックにボーグという敵が出てきます(度々のスタートレックネタ、すみません)。
ヒューマノイドを同化(assimilate)して半分機械の体にして、次々とあらゆる民族、文明を飲み込んでいく恐ろしい敵なのですが、彼らの決めゼリフが "Resistance is futile." です。
日本語では「抵抗は無意味だ」と訳されていました。
彼らは自己というものがなく、集団意識(collective consciousness)で動いているので、人間的な「抵抗はやめろ。」というセリフではなく、「抵抗は無意味だ。」という無味乾燥な言葉にわざと訳してあるんですね。
(スタートレックを見ていると、上に挙げたような、フレンズとは全然違った分野の単語をいろいろ覚えられて楽しいです・・・って、楽しいのは私だけかも?)

ところで、マントって英語じゃないんですね。
フランス語の manteau から来たそうです。
マントを英語にするなら、mantle 「袖なしのマント、外套(がいとう)」や、cloak 「ゆったりとして袖なしの外套、マント」などがありますが、ここでは cape 「(婦人服の)ケープ、(軍隊などの)肩マント」を使っています。
スーパーマンのようなヒーローにはマントは欠かせないアイテムなのですが、最近ではMr.インクレディブルに、こんなシーンがありました。

Mr.インクレディブル: Yeah, something classic, like Dynaguy! He had a great look! Oh, the cape and the boots... (王道を行く感じ。例えば、ダイナガイ! いやー、あの人はかっこ良かったよー。あのマントにブーツ・・・)
エドナ・モード(ヒーローコスチュームのデザイナー): No capes! (マントは、なし!)

やっぱりここでもマントのことは cape と言っていますので、あの手のヒーローのマントのことは、 cape と呼ぶのが普通なようです。(このジョーイのセリフを聞くまで知らなかった・・・)
ついてるモノはついてるのに、それが役に立たない、力を発揮できないことを、パワーのなくなったスーパーマンに例えるところが面白いですね。
さらにチャンドラーは、今ジョーイが感じていることを、自分は毎日感じているんだ、と言ってます。
every day ではなく、every single day 「来る日も来る日も、毎日毎日」と強調しているのが悲しさを誘います(笑)。
チャンドラーにとっては、この世界そのものがレズの結婚式と同じで、無意味なんですね。(←それって、卑下しすぎ)

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posted by Rach at 20:00| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「エブリディ」といえば、形容詞は「everyday」で、副詞は「every day」で、なんだかややこしいですよね。

http://www.business-words.com/dictionary/E.html#every_day
Posted by KopyKat at 2006年03月16日 14:11
そうですよねー。ややこしいですよねー(笑)。

これ以下の話は、KopyKatさんに対しては「釈迦に説法」になると思いますが(さらにその話が正しいかどうかもわかりませんが・・・笑)、私は今までその区別があやふやだったので、ちょっと考えてみました。
私がその違いを説明しようとするとこんな感じになるかな、という話です。(間違ってたら、ご遠慮なく指摘して下さいね。)

形容詞になると everyday とくっついちゃうのは、例えば形容詞の述語用法(Predicative use、補語になる)ではハイフンがつかない場合でも、形容詞の限定用法(Attributive use、名詞を修飾する)場合にはハイフンがつく、というのと同じような原理でしょうか?
(辞書で調べると、everyday という形容詞は「限定用法のみ」と書いてありますし。)

例えば、sought after 「引っ張りだこの、人気の」という形容詞は、限定用法で名詞の前につく場合はハイフンの入った sought-after になるような感じです。
英辞郎はあまりハイフンのあるなしの区別をはっきりつけていないようですが、「研究社 新英和中辞典」では、sought-after の項で、「(P)の時には sought after と書く」とはっきり書いてあります。

ですから、例文としてはこんな感じになるでしょうか?
He is sought after by young girls. 「彼は若い少女にモテモテだ。」
He is a sought-after young actor. 「彼は若手の人気俳優だ。」

名詞の前の形容詞が二つに分かれていて、every day dream となった場合に、every "day dream"「すべての白昼夢」なのか、"every day" dream 「毎日の夢」なのか、every がどちらにかかるのかがはっきりしないからなんでしょうね。だから、限定用法では、ハイフンでくっつけるか、二語の単語をくっつけるか、ということになるんだろう・・・と思います。(この解釈で合ってるかなぁ?)
Posted by Rach at 2006年03月16日 20:22
>形容詞になると everyday とくっついちゃうのは、例えば形容詞の述語用法(Predicative use、補語になる)ではハイフンがつかない場合でも、形容詞の限定用法(Attributive use、名詞を修飾する)場合にはハイフンがつく、というのと同じような原理でしょうか?
(辞書で調べると、everyday という形容詞は「限定用法のみ」と書いてありますし。)

基本的にはそういうことだと思います。
英語の単語では「2語からなる複合語」→「ハイフン付きで1語扱い」→「ハイフンが抜けて1語」の道をたどるものも多いので、「everyday」もそうだったのではと想像します。「email」などもその例ですね(electronic → e という過程も入っていますが)。あと、副詞の「every day」が1語ではないのは、もともと「every month」「every year」などと同じように「every」が主体だからではないでしょうか。うまく言えませんが。
 なお、単語によっては「ハイフン付きで1語扱い」か「ハイフンが抜けて1語」か、辞書によって違う場合があります。
 また、形容詞の限定用法でハイフンが入っているべきところ入っていないという間違いは、ネイティブスピーカーでも多いです。広告などでは、見苦しいのでわざと抜かしてあると思われるふしもありますが。
Posted by KopyKat at 2006年03月19日 17:19
KopyKatさんへ
私が長いコメント書いたせいで、KopyKatさんにまでたくさん書いていただくことになってしまったような・・・お忙しいでしょうのに、申し訳ありません。でも、とても嬉しいです! 丁寧に詳しく説明していただいて、とても助かります!!

email はまさにそうですね。私は e-mail と書く方が好きなんですが。
every day は every が主体、というのはわかる気がします。every single day と single が間にスッと入るのも、そういうことなんでしょうね。"everyday"という単語に無理やり single を入れたわけではない、と。

おっしゃるように辞書によってもハイフンのあるなしは、まちまちですよね。これから言語が進化するにつれて、だんだんハイフンってなくなっていくような気もします。日本語も「コンピューター」と昔は言っていたのが、「コンピュータ」とか言うようになったりするのと似てるような・・・(似てないような・・・笑)。
Posted by Rach at 2006年03月20日 14:50
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