2006年03月17日

ドラゴン桜のモデル、竹岡広信先生

NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で、人気漫画「ドラゴン桜」の英語講師のモデルである、竹岡広信先生が出ておられました。
私は、「ドラゴン・イングリッシュ」っていう本があるのは知ってましたけど、竹岡先生の名前はこれまで全く知りませんでした(ごめんなさい)。
「ドラゴン桜」は、原作は全く読んだことがないのですが、年末のドラマの再放送ですっかりハマってしまい(←遅いっ!)、そのモデルの先生が出演されるということで、この番組を見てみたいと思ったんですね。
ちなみに、ドラマに関して言うと、いわゆる「受験テクニック」の紹介も興味深いのですが、私はその人生哲学というか、精神論の部分にとても共感を覚えました。
その話はまた何かの話のついでに出てくるかもしれません。(ここで書くと、長くなりそうなので・・・笑)

竹岡先生は、個人で「竹岡塾」という塾を経営されており、また駿台予備校や高校でも英語を教えていらっしゃるそうです。受験生には有名な方のようですね。
私は浪人していた頃、某予備校に通っておりましたが、駿台ではなかったので、先生にはお会いしませんでしたねぇ。(でも、先生との年齢差や先生の英語講師としての経歴などを考えると、仮に駿台で授業を受けていても、先生にお会いすることはなかったようにも思いますが。)
どこの予備校でも、カリスマ講師と呼ばれる先生はいるもので、私も授業を受けるのが大好き!という先生がたくさんいましたよ。よそのクラスに潜ったりもしましたし(笑)。
そういう先生に習ったことや、ちょっとした無駄話なんかは、いつまで経っても忘れないものです。

元々、私はちょっとアンテナの低い人間で、話題になっているものは見てみたいけど、面倒くさいからわざわざ見たりはしない・・・という性格でした。
でも、こんな風に英語ブログを書くようになると、英語に関することはちょっとアンテナを張るようになりました。
自分の英語に対する姿勢や考え方と、どこか同じ部分があるか、どんな風に違っているか、を知りたいと思うんですね。

竹岡先生は、とてもヒューマンで、人間味溢れる方のようです。
何かにすがりたい受験生にとっては、あのパワフルさと「やることはすべてやった!」と断言してくれる強さが、とても心強く感じられるはずです。

先生の塾では、「質問だけの授業」というのがあり、質問を受けると、膨大な蔵書の中から、説明にふさわしい資料を探すために、少し離れたご自宅に戻る、ということをされてました。
(あれだけの蔵書を、自宅にも塾にも置いておく・・・てのは、やっぱり不可能なんだろうか??)
そうやって、その瞬間を逃さず、適当にごまかすこともしないで、生徒が疑問に思ったことに正面から向き合うその姿勢、に私は感銘を受けました。
だから、生徒はついてくるのだと思いましたね。
立派な先生というのは、どなたもそういう姿勢を持っておられるのだと思います。

先生はそのことを、
「これ大事だよって言うて、こっちから与えるのを聞いてるのと、これどやねん?って向こうから言うてくるのとでは全然ちゃうんですよね。」(先生は京都府亀岡市の方なので、コテコテの関西弁・・・笑)
という言葉で説明されてました。
先生は、プロの英語講師なわけですから、わざわざ資料を取りに帰らなくても、きっとその場でかなり詳しい説明が出来るはずだと思うんですよ。
でも、せっかくの質問だから、その疑問に思った時に、とことんまで教えたい!、漏れなく説明したい!、無駄なく解説したい!と思われるんでしょう。
そういう気持ちって、勉強においてはとても大切なことですよね。
私もいろいろ調べ出すと、とことん調べないと気の済まないタイプなんですが、「また今度、時間のある時にゆっくり調べよう・・・」とか思ってると、きっとそのうちに忘れてしまうと思います。
疑問に感じた今が「その時」だ! Now or never! 「今やらないと、一生やらないことになるぞ!」という気持ちで望まないと、せっかく疑問に思った気持ちが無駄に終わってしまって、とてももったいないという気がします。

よく「受身の学習はいけない」と言いますが、勉強というものは、テストに出るポイントを丸暗記することではないんですよね。
自分がわからないところを見つけて、それをひとつずつ潰していく、とでも言いましょうか。
まず、何かを始める時は、自分は「何がわからないのかがわからない」状態なわけです。
それが、少しずつ勉強することで、わからない部分が見えてくる。
それが解決したら、一歩も二歩も進めた気がする、わけですね。
その喜びが次へのステップに繋がるのです。

私が海外ドラマで英語を学ぶことに夢中なのは、英語のセリフに触れていると、いろんな疑問が湧いてくるからです。
問題集では「答え」が書いてあって、それと答え合わせすることで終わってしまいがちなのに(もちろん、問題集から学習を広げることは可能ですが、なかなか広げるところまでは行きにくいのも事実)、ドラマの解釈は「何が正しい答えなのか」わからないし、答えが一つなのかどうかすらわからないわけです。
それを、私の少ない蔵書(笑)をひっくり返したり、ネットで答えを求めてさ迷ったり、を繰り返して、少しずつ、謎を解いていくのが楽しいし、結局はそうやって覚えたことは忘れないんですよね。

こうしてブログを書いていると、疑問や質問、英語に関する興味深い話などのコメントをよくいただきます。
そういうコメントを読む時も、ただ「そうかぁー」と思うのではなく、そこから私も一緒に考えたり悩んだりすることで、私もすごく成長している気がします。
質問して下さった当人よりも、私の方が勉強になっている、ということも大いにある気がします。
「私が疑問にすら思わなかったこと」=「私が全く見落としていたポイント」だということに、最近気付きました。
「わかったつもりになってただけ」ということです。
そういう意味で、先生の授業で「質問コーナー」がある、というのは、質問した当人はもちろん、他の生徒さんも、また先生自身も、また英語を違った視点から見ることのできる素晴らしいチャンスでもあるんですね。

私も、自分のわかった部分だけを、こんな風にえらそうに解説するのは、「ズルいこと」だとずっと思っていました。
だから、質問や疑問があれば、とことん一緒に考えてみようとしてるんですね。
ある意味、「人がぶつけてきた疑問から逃げるな!」と自分に課題を課しているとも言えます。
だから、誤魔化したり、お茶を濁すようなことはしないように心がけているのですが・・・。
ただ、私の場合は、「私にはわかりません。わかる方は教えて下さいね!」と言って逃げることができます。
プロの英語講師である先生は、それは出来ませんよね。
私の将来の夢、なぁーんてものは、今は漠然としていてはっきりとしたビジョンは見えてないのですが、何か少しでも英語に関係することをやってみたいなぁ・・・っていう感じ。
もし、いつか英語で仕事をする時には、自分なりの答えを出さないといけない、そして、その結果に対して全責任を負わないといけない、ということなんですね。
プロとはそういうものだ、とこの番組を見ていてよくわかりました。(やっぱり、私のような、責任のないお気楽なブロガーとは全然違うんだよなぁ・・・)

先生が、「パチンコで隣に座ったおっちゃんが、やたらと競馬に関して専門家みたいに詳しかったこと」から学んだ、「好きだから身につく」という話も興味深かったです。
受験生は、自分の嫌いな分野も学ばないといけないというつらい部分がありますが、だからこそ、興味を持たせないといけないんですね。
「人に興味を持たせる、きっかけを与える」というのは本当に難しいです。
人に迎合するのではなく、自分の知識を最大限に活用していろんなことを提示する、そういう幅の広さも必要になります。

私も自分が興味を持ったことを使って、英語の解説をしているわけですが、時々、自分のオタク趣味に走りすぎて、誰もついて来られない(泣)みたいな状況になることも多いです。(それに「ついてきてくれ!」とは言いませんよ。私がペースを維持するための、ちょっとした”遊び”の部分なので、見逃していただければ・・・)

でも、少なくとも、自分が好きだと思うやり方で、自分の英語学習、ブログの解説は続けていきます。
私自身も、好きなやり方でないと、頭に入りませんしね。
まさに、「好きこそものの上手なれ」ですよっ!(「下手の横好き」って言葉もあるけど・・・笑)
もう、この歳(笑)では、いやなことを学習するような、気持ちや時間の余裕なんてないのです。(最後はえらく切実な話だ・・・)

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posted by Rach at 16:03| Comment(8) | 英語学習のコツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おひさしぶりです。海外移住希望です。

私もこの番組見ました。途中からだったのですが、竹岡先生に引き込まれてしまいました。あの板書するときの迫力!!凄いです。一時間教えるだけでも、相当なパワーを消費しそうです。それを1日・1年と続けていくわけですから、本当に尊敬します。英語を上達して欲しいという気持ちが、迸っていました。生徒が先生に魅了されるのが、理解できます。
Posted by 海外移住 at 2006年03月17日 20:36
最高、ですっ、Rachさん。

Rachさんの望まれる方法で、方向でブログをすすめてください。
(別にそのことでとやかく言われる筋合いもなし、こちらもその権利はありません。)
Rachさんが、「楽しんで」されていることは、伝わりますし、それに、あやかりたい、関わりたい、と思います。
Posted by けんとん at 2006年03月17日 21:27
私もその番組は見てました。
確かに彼はプロフェッショナルでしょうね。人間的にもすばらしい講師です。でも番組中ずっと「塾講師と学校の先生との違い」とか「結局いくら良くてもカリスマ講師は一代限り」とか、変な方向に考えが行ってしまいましたね。私には昔から、講師に関する言葉に表せないモヤモヤがあるんですが、言葉に表せないのが悩みです(笑)
Posted by sat at 2006年03月17日 21:53
海外移住希望さんへ
お久しぶりです。
チョークがカッカッ!と音を立てるあの勢いはすごいですよね。生徒を引き込むには、ああいう勢いは不可欠要素だと思います。
自分に自信がないと、ああいうパワーは出ないですよね。受験生に負けないくらいのパワーを保つのも大変だと思うし・・・。
先生を熱心に見つめる生徒さんを見ていると、自分が学生時代の頃をいろいろと思い出しました。うーん、懐かしい・・・。
Posted by Rach at 2006年03月18日 15:32
けんとんさんへ
お久しぶりです。
いやぁー、「最高」だなんてぇー。(←マジで照れるなよっ)
私が楽しんでやっているのをわかっていただけて嬉しいです!

記事にも書きましたが、質問というのは本当に貴重なんですよね。以前、けんとんさんに質問していただいた時も、私なりにいろいろ調べて考えて、とても勉強になりました。ありがとうございました!
また、疑問などがあれば、一緒にいろいろ考えましょうね。楽しみにしております。
Posted by Rach at 2006年03月18日 15:34
satさんへ
うーん、そのモヤモヤってどんな感じなんでしょうねぇ(わかるような、わからないような・・・笑)

私が通ってた予備校の先生は、自分のことを「アウトロー」だと思ってる人が多かったようですね。学校の先生は良くも悪くも「組織の一員」であり、生徒の心のケアもしないといけないし、雑用も多い。そんなことはできないから・・・という理由で予備校教師を選んだ人もいたようです。

私は予備校の時に、先生に直接質問したことはなかったし、人間関係を構築するところまで親しくなった先生もいませんでした。ただただ先生の授業を聞いていただけなんですが、それでも得るところはとても大きかったですよ。私がブログの解説をする時に、その感覚って残ってる気がします。
別に一対一で話したことがなくても、先生も日々最新情報を仕入れて勉強していること、少しでも楽しくわかりやすい授業にしようとされてること、勉強に対する考え方、人生哲学、などは伝わってくるものです。
もちろん、学校の先生のように生徒と直接向き合ってくれる人は必要なんでしょうね。でも、予備校生くらいの歳になると、ただその姿を見ているだけでも、人からいろんなことを学べることに気付きました。
Posted by Rach at 2006年03月18日 15:38
10年も前の記事にコメントするのはどうかと思いましたが、それでもコメントします(笑)

私は浪人を経て現在大学一年です。現役時は国公立志望だったものの、私大は課題がなく自由に過ごせるであろうという偏見の塊から私大に変更した者です。
来年から英語圏に留学すべくフレンズを使っての勉強を再開しました。(再開というのは浪人時にも少しやっていたからです。)

わたしの話はさておき、勉強の話になるのですが、エピソードが進むにつれ昔のエピソードの細かい部分を忘れてしまいます。Rachさんはどれくらいの間隔を空けて復習しますか?

P.S. 何を隠そう私は受験生時代、安河内先生と竹岡先生、両方に習い両方にお会いしました。お二方とも英語が好きな点では一致していますが、アプローチが違います。Rachさんはどちらの勉強法や考え方が好みかお聞きしたいです。
Posted by Miley at 2016年12月26日 02:04
Mileyさんへ
懐かしい記事へのコメントありがとうございます。このような昔の記事にコメントいただけるのは、この記事が10年も生きてる! と実感できて(笑)、本当に嬉しいんですよね。

ご質問の「復習」についてですが、私はあまり「エピソードの復習」はしなかったです。最初にフレンズのDVD学習を始めた時も、とにかく「必要な段階をこなして1話を見たら、次のエピソードに進んで行く」という方法を取っていました。見たエピソードをある程度の間隔を空けてから復習すると、その時学んだ内容が定着する、という効果はあると思うのですが、私は「どんどんエピソードをこなしていって、何度も出てくる表現を、”またここにもでてきた!”という感じで覚える」という方法を取っていました。違うエピソードでまた同じ表現が出てきたら、それがいわゆる「英会話の頻出表現」だと判断できるということで、そういう頻出表現を蓄積していくことで英語の幅を広げていった感じです。

それから、受験生の時に、安河内先生、竹岡先生の両先生に習われたとのこと、素敵ですね。どちらが好みかと聞かれても、「どちらも好み」としか答えようがないのですが(笑)、お二方に当てはまる「英語が好き」という部分は、英語の先生として最も重要なことであるような気がします。「英語はこんなに面白いんだよ」ということを生徒に伝えられてこそ、生徒も英語をもっと学びたいという気持ちになるだろうと思うのです。

留学のためフレンズ学習を再開されたとのこと、素晴らしいです! フレンズで生きた英会話を学ばれることは、留学された時に必ず大きな力となってくれると思います。
どうか「フレンズ」を楽しみながら、英語学習を続けて行って下さいね♪
コメントありがとうございました!
Posted by Rach at 2016年12月26日 16:15
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