2006年04月07日

フレンズ2-13その6

部屋で、スージーといちゃついているチャンドラー。
スージー: We gotta go. Got a reservation in 30 minutes. (もう行かなくちゃ。30分後に予約してるのよ。)
チャンドラー: What I had planned shouldn't take more than two, three minutes, tops. (俺の予定してることは、どんなに長くても2、3分以上はかかるはずないよ。)

tops は「最も多くても、最大でも」。
チャンドラーは、自分がこれからしたいと思っている行為(笑)は最大でも2、3分以上かかることはない、と言っています。
自分で「早い」と言ってるわけですね。
でも急いでいる時でも済ませちゃえるから、便利だとでも言いたいようですが(笑)。

スージー: Have you ever worn women's underwear? (今まで女物の下着をつけたことある?)
チャンドラー: Well, yes, actually...but they were my Aunt Edna's. And there were three of us in there. (うーん、あるんだよ実は・・・。でもそれはエドナおばさんの下着だった。その下着の中に俺たち3人が入ってたんだ。)

女物の下着の経験ありだって?!と驚くと、子供の頃に、おばさんのパンツをはいてみた、という話でした。
どうやら、おばさんはでっかい人で、「うわぁー、このパンツ、でかいー!」とか言いながら、小さい子供が3人ではいている様子が目に浮かぶんですけど・・・。

スージー: I was thinking it would be kind of sexy, if you wore mine tonight at dinner. (もしチャンドラーが今夜のディナーで私の下着をはいてくれたら、ちょっとセクシーかしらって思ってたの。)
チャンドラー: You want me to wear your panties? (君のパンティーを俺にはいて欲しいの?)
スージー: Could you? (はいてくれる?)
チャンドラー: If I was wearing your underwear, then what would you be wearing? (もし俺が君の下着をつけるとしたら、その時、君は何をつけてるの?)
スージーが色っぽい目つきで見つめるので、
チャンドラー: You're swell! (君って最高だね!)

「自分の下着を僕に貸すなら、君は何を着るつもりなの?」「・・・」というやり取りなので、つまりは「下着をつけない!」ってことですよね。
スージーがチャンドラーに見せた「そんなこと聞かなくてもわかるでしょ?」みたいな色っぽい目つき。
すごいです。さすがです。(こないだから、さすが!と感心してばかりの私・・・)
swell は「ふくれる」ですが、形容詞で「いきな、しゃれた、素晴らしい」という意味があります。

ちなみに、チャンドラーは自分の過去の経験を振り返って、ありえないほどの(おいしい)話だと思っているようですね。
だから、"If I was wearing" 「仮定法過去」を使って、実現不可能(もしくは非常に可能性が少ない)であるかのように語っています(笑)。
さらに、"If I was wearing..., then what would you be wearing? と主節と従属節の両方が進行形になっているのは、「俺がまさに君のパンティーをはいているその時(その瞬間)、君は何をはいていることになってるの?」みたいな感じ、つまり、ある瞬間のイメージを頭に描いて話しているような気がするのですが・・・。
「ハートで感じる」大西先生は、進行形を「躍動感」と表現されますが、このチャンドラーのセリフが進行形であることで、チャンドラーが夢見るそのシーン(笑)が彼の頭の中で躍動感を持って感じられている、自分が”その瞬間”にいることを想像している感じがします。
多分、これがどちらも進行形でなければ、もう少しセリフのテンションが下がる、というか、「もし・・・したらどうなるのか」という単なる仮定とそれに伴う結果のみに焦点が当たってしまうような・・・。
(この手の進行形で過去に悩んだことがあるのですが、未だに自分の言葉でうまく説明できませんし、ちょっとピントがずれてるかもしれません。また、学習を進めていくうちになにか的確な表現が見つかるといいな、と思っているのですが・・・)

ところで、タイムリーなことに、ハルさんのブログ パパが英語に目覚めたら でここ数日、put on や wear の話が話題になっていました。
ちょうど、今回 wear の話がこちらで出てきたので、さっきの話と合わせて、文法的観点から、もう少し私なりの考えを続けて書いてみますね。

put on は「(衣服など)を着る(動作)」、wear は「(衣服など)を着ている(状態)」を表しますよね。( フレンズ2-8その3 で put on と wear の話を書いています。)
動作と状態の違いは「着る行為」か「着てしまっている状態」かの違いなのですが、さっきのチャンドラーのセリフのように、wear と be wearing との違いというのも存在します。
文法の本を見ますと、現在形は「状態動詞では現在の状態を表し、動作動詞では現在の習慣的行為を表す」などと書いてあります。
wear は「着ている」状態を指す状態動詞だと思うので、普通に服を着ている場合は現在形になると思うのですが・・・。
以下、よりイメージしやすい「香水」を使って説明してみたいと思います。(基本的には服でも同じことが言えると思いますので・・・)。

wear perfume は「香水をつけている」という意味です。
「彼女は香水をつける。」「毎日つけている、あるいは香水をつける習慣がある。」という意味だと、
She wears perfume.
となり、
「彼女は良い香りのする香水をつけている。」という今の状態をさす場合は、
She's wearing nice perfume.
となります。
さらに、香水をつけすぎて匂いがプンプンしている人を言うときは、
She's wearing too much perfume. (彼女、香水つけすぎだわ。)
となります。
(上の wear perfume の例文は、アルク刊「起きてから寝るまで表現550」より引用させていただきました。
私の持ってる本は1991年版(何と私は大学生!)なので、今もこの例文の載っている本が存在しているのかどうかは知りませんが・・・)

「匂いがプンプン」でも「香水のいい香り〜♪」でも、それが進行形であることで、今この辺りに香水の香りが漂っている感じ(これって「躍動感」ですかね?)が出ているのではないかなぁ、と思うのですが。
確かに服だとその感じが説明しにくいと思いますね。
服に関して言うと、wear か be wearing になるかは、その言葉を発した人の主観によるような気もします。
現在形だと、ただ単に何かを「着ている」という事実を述べているだけになり、それが進行形になると、「いつもと違って今は」とか「その”着ている状態”に話者が何かの理由で注目していて(着ているものがすごく良いとか悪いとか)、そこに焦点が当たっている」ということなのかもしれません。(これははっきりとはわかりません。)
うーん、進行形は奥が深い・・・。

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posted by Rach at 14:31| Comment(8) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リンク&TBありがとうございます。ここ数日の動き、Rachママとしては危なっかしい気持ちで見てたんでしょうね。(笑) でも、難問を一人で切り抜ける練習も必要なので、今回はじっと見守ってくれたママに感謝です。(^^)
ただ、こうやって考えると、英語ってシンプルな現在形の表現って以外に少ないのかも知れないですね。
たとえば、He eats rice.といった場合、具体的に食べている行為というよりは、習慣というか嗜好の問題になってしまいますもんね。食べたならateだし、食べてるならeatingだし、食べたことがあるならhas eatenだし。現在形の守備範囲ってほとんどないと思いません?
ところで、今やってる回に、まさに進行形でわからない表現があったので、現場の方で質問しますね。
Posted by ハル at 2006年04月07日 22:43
ハルちゃんへ
Rachママでございます(笑)。よく頑張ってたわねぇー。ママは柱の陰から(星飛雄馬の姉の明子のように)ハルちゃんのことを見てましたよ・・・

と、おふざけはこのくらいにして(爆)・・・お返事ありがとうございます。

私の中で「これだぁー!」というような明確な説明ができてれば、コメント入れさせていただいたんですが、自分でもはっきりと掴める部分がなくて、何か書くと却ってハルさんの疑問を深めてしまうような気がして・・・。だから正確には「見守ってた」んじゃなくて、ただ「沈黙していた」だけですね(笑)。

現在形というのはまず学校で基本として習いますが、その「現在」という言葉に対する日本人のイメージと、その実態は少し違っている気がします。
I think、I like などの状態動詞はともかくとして、動作動詞に関してはあくまでも「現在の習慣的行為を指す」わけですから、He smokes. は「彼が今たばこを吸っている」ではなく、「彼はたばこを吸う習慣がある。彼はたばこを吸う人である。」ということになりますよね。
この言葉が発せられた瞬間の彼の行動を見てみると、もちろん吸ってる場合もありえますが、吸ってないという可能性もかなりありますよね。(今見たところは吸ってないけど、彼は普通はたばこを吸う人なんだよ、というニュアンスなら。)

受験英語や学校英語ではそういう部分にあまりこだわってなかった気がして、少なくとも私は主婦になって英語を勉強しなおしてから、その「習慣」の話を初めて聞いて、びっくりした記憶があるのですが・・・(今はちゃんと教えてるかもしれませんけど)

逆に受験生の時にそんな話を聞いても「それがどうしたの?」てな感じで、その意味の重要性がわからなかったかもしれません。学校英語の時制の学習というと、完了形の「作り方」みたいな部分にばかり気持ちが向いてしまいますが、実は「現在形」の表す意味を十分に理解することの方がずっと大事な気がします。

そしてどうしてそれが日本人にピンと来ないかというと、文型や文法だけを文字として学ぶだけで、その言葉が出る場合の状況について思いを巡らすことがないからだと思います。
ドラマを見て学ぶ良い点は、その英語が使われる時の状況がわかる、ということですよね。
(長くなっちゃった・・・笑)
Posted by Rach at 2006年04月08日 11:13
ロスへの報復リストでレイチェルがジェルをつけすぎ、って put on を使っていたような。 行為の習慣化、つまり状態、ともとれるのでしょうか。
Posted by fdj at 2006年04月08日 21:43
うーん、2-9のスクリプトを見てみたのですが、
Rachel: And you wear too much of that gel in your hair.
と wear になってました。(DVD字幕、音声もそうでした。)
どうしましょう・・・?

と言って、ここで終わらないのが、私の悪いクセなんですけど(笑)、ちょっと考えてみたので、よろしいでしょうか?(また見当違いの話を書いてないとも限らないけど・・・)

確かに動作動詞 put on を現在形で使うと「現在の習慣的行為」を指すわけですから、彼は日常的に put on という行為をしている、つまり put on という行為をして、その行為の後の wear している状態がしばらく続いていることも示唆しますよね。

たまたま英辞郎で、
I put on my coat when it's raining. 「雨のときはコートを着ます。」
という例文を発見したのですが、これは「コートを着る」という「行為」を指していながら、「僕は雨の時は(いつも)、(傘をさすのではなくて?、もしくは服がちょっとでも濡れるといやだから?)コートを着る人間なんだよ。」という意味になり、ここでのポイントは「コートの着脱」という行為そのものにあるわけではなくて、「雨の時にはコートを着ている状態にあること」に焦点があるわけですよね。

だからこのレイチのセリフも、You put on too much of that gel in you hair (every day). と言っても、不自然ではない気もしますが・・・。

あー、また「そういう意味で書いたのではないのですが、、、」とか言われそうな気がしてきた(爆)。
Posted by Rach at 2006年04月09日 14:16
そっかー!
のーぱんっていう意味だったんですねっ
てっきりチャンドラーのパンツ履くのかと思いました爆
喜ぶチャを変態だと思いました(笑)
(やばいですねー。。。私、ジョーイのお仲間なのかしら。。。)
ちなみにレストランのトイレに行く時のチャンドラーの動きが好きです。

にしても、明け透けですよね~
こういうドラマは日本やアジアではなかなかないような。
最初フレンズに抵抗あったのも、それが一つの理由かもしれません。
大和撫子?としては、仲いい異性の友達と性の話ガチでできませんし、"フレンズ"たちがそーゆージョークを男女間でも飛ばすことにカルチャーショック受けました。
そーゆーのも、(ドラマ内では)今やだいぶ慣れちゃいましたが。慣れってこわい(笑)

それにも関係者するかもですが、この回人気があったというのは、私にはあんまりぴんと来ませんでしたー。
まぁまぁ面白かったですが、めちゃめちゃ好きなエピソードではないというか。。。
ジュリアロバーツの役柄のせいかな?
あと、モニカとレイチェルが大喧嘩して悲しかったです。。。フィービーって変わってるけど、こういう時一番まともですよね。フィービーの心境で見てました☆


Posted by k at 2013年08月21日 00:18
kさんへ
コメントありがとうございます。
ほんと、フレンズは「明け透け」ですよね。異性の友人とは、なかなかこういう話はできませんよねぇ。でも確かにフレンズを見ていると、こういう感覚にも慣れてきて、異性の友人を優しくハグして慰めているのとかも、自然に思えてきます。日本人だったら誤解されそうだな、とか思ったりするのですが^^

この回はスーパーボウルの続きに見た人が多いということで視聴率が高かったようですが、ゲストも大物で、ちょっといつもと違う雰囲気もありましたね。
誰かと誰かが大喧嘩する話は私も見ててちょっと悲しくなっちゃいます。キャラに思い入れが強くなってきた、という証拠でもあるので、英語学習においては好ましいことだ、ということにしておきましょう(笑)。
Posted by Rach at 2013年08月21日 14:45
自分で「早い」と言ってるわけですね。
の冷静な感じが何故かすごいツボで(夜中だから?)笑ってしまいました笑

put onとwearの違い初めて知りました。
ありがとうございます。
今まで僕は趣味で英語の勉強をしてたんで細かい文法の知識など全然勉強してこなかったんですが、最近就職活動をしていて英語を教える仕事もいいなーと思うようになりました。
もしそうなったらこういった文法の細かい知識などももっとつけないとだ笑

あと、hopefullyなんですけど、就活が落ち着いてたら7月6日の講演ぜひ参加させて頂きたいんですけどまだ席は空いてますか?

P.S 前回のコメント、英検の勉強法について詳しくご丁寧に書いて頂いてありがとうございました。参考にさせてもらいます。
Posted by ひろ at 2014年05月23日 04:29
ひろさんへ
コメントありがとうございます。また、前回の英検のコメレスの件も、ご丁寧なお礼ありがとうございます。何かの参考にしていただければ幸いです。

「冷静な感じが何故かすごいツボで」とのコメントに、私も笑ってしまいました^^
夜中って、ちょっとしたことでオオウケしてしまうんですよね。

この記事は2006年(8年前!)のものですが、put on と wear の違いを考えたリすることは、今でも面白いなと思います。

「英語を教える仕事もいいなー」というお話、とっても素敵ですね。趣味で英語の勉強をしていた、とのことなので、そういう「自分の好きなこと」がお仕事になるというのは理想的ですよね。
頑張って下さい。応援しています!(^^)

それから、7月6日のセミナーに興味を持っていただき本当にありがとうございます!
セミナーの申込受付は、すべて、セミナー主催者の「つなぎすとサロン」にお任せしているんですよね。
なので、お手数なのですが、参加お申し込みやお問い合わせなどは、セミナー告知記事内の「つなぎすとサロン」の連絡先に、メールしていただけると助かります。

もしご参加いただけるとしたら、とても嬉しいです。どうかよろしくお願いします!(^^)
Posted by Rach at 2014年05月23日 09:52
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