2006年05月12日

フレンズ2-15その1

シーズン2 第15話
The One Where Ross and Rachel...You Know (ついに二人は・・・?)
原題は「ロスとレイチェルが・・・ほらわかってるでしょ?の話」

この原題、面白いですね。
前回のラストでロスとレイチェルのわだかまりが解け、二人はキスしたので、今回の話は、ロスとレイチェルがこの後ラブラブになっていく様子を描く話になるだろう・・・と想像できますよね。
テレビの視聴者もスタジオの観客も、興味津々で二人の行方を固唾を呑んで見守っているわけです。
だから、あえて「初デートの話」などとはせずに you know 「ほらね、ご存知の通り、知ってるでしょ、わかってるでしょ」という言葉だけにとどめているのです。


ジョーイがチャンドラーを目隠しさせたまま部屋に連れてきます。
ジョーイ: No peeking. No peeking! (見ちゃダメだ、見ちゃダメだ!)
チャンドラー: All right, but you better be wearing clothes when I open my eyes. (わかったよ、でも俺が目を開けた時には、服を着ててくれよ。)

peek は「そっとのぞく、ちらっと見る」という意味。
peekaboo (peek-a-boo)は子供をあやす時の「いないいないばあ」ですが、これも「のぞく」の peek から来た言葉だと思います。(boo は恐らく擬音語でしょう)
peek とよく似た言葉に peep がありますが、これも「のぞき見する、のぞく」という意味です。
Peeping Tom は「のぞき魔、(裸などを)のぞき見する男」という意味。
これは昔、イギリスで、重税を課そうとした領主に妻が反対し、領主が「もしお前が裸で馬に乗って町を回ったら、重税はやめる」と言ったので、妻はその要求通りにしたところ、一人だけ Tom という男がのぞいたので、彼は天罰を受けて目が見えなくなってしまった、という話から来ています。
日本語ではのぞき見する人のことを「出歯亀」(デバガメ)といいますが(←なんかカタカナで書くとデジカメに似てる・・・笑)、これは明治時代の池田亀太郎というのぞきの常習犯のあだ名から来たものだと言われていますね。
英語も日本語も、どちらも人の名前から来た言葉なのが、偶然とは言え面白いなぁ、と。
とまあ、その辺りまでは私も知っていたのですが、Wikipedia: 「出歯亀」 を調べたら(←何でそんなことまで調べるんだよ!)、もっと詳しい情報が書いていたので、面白かったですよ。興味ある方はどうぞ。
さらには、その「出歯亀」の記事に「ピーピング・トム」へのリンクがありますので、それについても情報が得られます。
(何て便利なんだ。最近、何かあるとすぐに Wikipedia で調べてしまう私・・・。時間がいくらあっても足りない・・・笑)
漫画「パタリロ!」で、パタリロが作った偵察用(というかのぞき見用)ロボットの名前が「デバガメーカー」というんですが、これは間違いなく出歯亀から来たネーミングですね。
いかにもパタリロが付けそうな名前だわ・・・。(話、それすぎ。)

チャンドラーの "You better be wearing clothes..." とは、"You had better be wearing..." ということ。
had better+動詞(原形)は「・・・したほうがよい」です。
You had better を省略して、You'd better となることが多いですが、さらに had も省略することがあります。
このチャンドラーのセリフは had を省略した形ですね。
さらに、had better は「・・・したほうがよい」という日本語訳から、穏やかな表現だと思われがちですが、実際は、忠告、命令、威嚇のニュアンスを持つ表現なので、目上の人には使わない方が良いです。
また、should 「・・・すべきである」と学校で習いましたが、実際は「・・・した方がいい」という感じの、穏やかな勧告を表します。
ですから、had better と should では、had better の方が強いニュアンスになるんですよ。
このように日本語訳のイメージと実際の英語のニュアンスが異なるものは要注意!ですね。
で、チャンドラーは何が言いたいのかというと、「目を開けた時に、じゃーん、とか言ってお前の裸を見せるなよ」ということです。(うーん確かに、ジョーイなら、やりかねないかも・・・)

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posted by Rach at 12:35| Comment(7) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日の記事には関係ない内容のコメントですが、許してください。

私も「フレンズ」見てますよ! 英語学習者の定番ですから(笑)
最高に面白いです。ジョークの勉強になります。あーゆー発想で会話すればいいのかぁ〜ってね。
でも、スカパーに頼っているので時系列がぐちゃぐちゃなんです。何回も同じものを観てるし。たぶん私はシーズン1の後、ずーと飛ばして6or7あたりを見ているんだと思います。この前モニカの結婚式を見た。

シーズン2がいつ観れるかわかりませんが、Rachさんのブログは予習のつもりで読もうかと思っています。

それから、
Rachさんも大西泰斗先生の本のこと書かれていましたね。私は大西先生の本を読んでから、途端に英語の文章に対して抵抗がなくなりました。劇的と言ってもいいぐらい。もちろん、まだスラスラではありませんが。覚えてる単語の数が少なすぎるからね。
Posted by four at 2006年05月12日 18:20
記事に関係のないコメントでも大歓迎ですよ! そもそも管理人の私が、記事と関係ないことで脱線するのが得意なので(笑)。

確かにフレンズは「定番」ですよね。英語学習に使ってる人、すごく多いと思います。会話はこうすればいいんだ、というヒントになりますよねぇ。
まぁ、フレンズは時系列がぐちゃぐちゃで見ても、比較的大丈夫なドラマですよね。レギュラーが入れ替わることもなかったですし、大きな話の流れはありますが、基本的には1話完結ですしねぇ。シーズン3あたりが一番好き、と言う人が多かったような気がしますが、でもシーズン1からファイナルまで、作品のクオリティーもパワーもあまり落ちなかった素晴らしいシリーズだと思います。

大西先生の英語に対する考え方、というのにとても私は共感を覚えました。過去に大西先生のことでいくつか記事を書きましたので、興味がおありでしたらサイドバーのINDEXで探してみて下さい。私は年末年始にファンになった典型的にわかファンで、その当時に書いた記事ですから、何だかテンションが高くなってて、今読むとちょっと恥ずかしいですが・・・(笑)。
あ、私も覚えてる単語の数は少ないですよ。「ボキャビル」というのをほとんどやったことがないので・・・。
Posted by Rach at 2006年05月13日 06:32
非公開コメントでメッセージとご質問を下さった方へ

温かいコメントありがとうございました!
いただいたご質問について、私のわかる範囲で書かせていただきますね。

ご質問は、フレンズ2-15 の冒頭シーン(オープニングタイトル前)、ジョーイがチャンドラーにリクライニングソファを見せるシーンのセリフについて。ちょうど上の記事で取り上げた部分の続きです。

目を開けたチャンドラーが、そこに素敵なソファがあるのを見て、
チャンドラー: Sweet mother of all that is good and pure!
と言います。
その、Sweet mother of all that is good and pure! について、「こういう言い回しがあるのでしょうか?」というご質問でした。

チャンドラーが言う様子を聞いていても、とにかく、「すごいと感激、感動している」感じは出ていますね。
DVD日本語訳は、字幕では「神よ 奇跡です」、吹替では、「神様、夢ならこのまま覚めないで」となっています。
チャンドラーの英語のセリフでは、「神」という単語は使われていませんが、私もここは、Oh, my God! に近い感じがするような気がします。

ざっと辞書を調べたのですが、辞書には載っていませんでした。
決まり文句なのかなぁ?と思って、"sweet mother of all that is good and pure" で検索してみました。フレンズのセリフ以外にもヒットがありますので、チャンドラーが作った言葉ではなくて、やはり決まり文句、決まった言い回しみたいですね。

このチャンドラーのセリフは、God を「もっと抽象的に、詩的に」 all that is good and pure と表現しているようです。フレンズではしょっちゅう耳にする "Oh, my God!" ですが、本来はそのように神の名をみだりに唱えてはならないので、gosh や goodness などの婉曲語を使うこともよくあります。それと同じ流れで、God を使っていない、ということでしょう。

that is の that は関係代名詞で、「good で pure である all の sweet mother」という構造だと思います。
good and pure は、「善良で純粋な」かもしれませんし、「good and 〜(形容詞)」は「とても、非常に、十分に〜(形容詞)」という意味になることもあるので、good and pure で「ものすごく純粋な」という意味になるのかもしれません。

「ものすごく純粋であるもの全ての優しい母親」(?)で、キリストの母、聖母マリアを指しているのでしょうか?

Oh, my God! といつものフレンズ通りに驚けばいいものを(笑)、あまりの感動に、大仰しい表現を使ったセリフで、その感動を表現してみた、というところかな、と思います。
「実に純粋なるものの崇高なる母親よ!」みたいなセリフで、「おぉ、神よ!」とか「あぁ、マリア様!」という感じを出しているのだろうと。

"sweet mother of all that is good and pure" には出典があるのかもしれませんね。神を「good and pure であるもの」と聖書か何かで表現しているのかもしれません。が、私はあまり聖書には詳しくないのでわかりません。出典をご存知の方は教えていただけるとありがたいです。

…ということで、Oh, my God! に近い感じのニュアンスを、大袈裟なセリフとして言ってみせた、God という言葉を使わずに、驚きや感動を表現してみせた、ということだろうと思います。

最後になりましたが、フレンズのDVDを使って英語学習に励んでおられるとのこと、このようなブログを書いている者としてとても嬉しいです。これからも頑張って下さいね!
Posted by 非公開コメントで質問して下さった方へのお返事 at 2008年09月05日 10:19
この"sweet mother of all that is good and pure"ですが、
http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20090514004841AArqZWy
に同じフレーズでの質問と答えが載っていました。
やはり驚愕を表す表現のようで、Jeez!などと似たような意味だそうです。

>レイチさんへ
マイペースで気付いたら書き込んでますが、本当に「レス書かなきゃ」なんて思わないでくださいね!
とにかく自分の楽しみで見てるので…。m(_ _)m
Posted by 浦辺 玲 at 2010年10月18日 23:29
浦辺 玲さんへ
いつもいろいろ調べて下さってありがとうございます。

やはり、聖母マリア様に関係あるようですね。God を使って驚愕を表すことの別バージョン、という感じなんでしょうね。

また、コメントレスへの優しいお気遣い、ありがとうございます。私の方もマイペースでお返事させていただいています。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。m(_ _)m
Posted by Rach at 2010年11月02日 12:33
コメントの質問にあった言い回しの中の
mother of all
だけをとりあげるとウエブでたくさんヒットするので報告したいと思います。
まず英辞郎でに載っている意味ではこの台詞の中では【ものすごい、究極の】があてはまると思います。
一方Wikipediaでも
The mother of all
の項目で
It implies the largest or most significant example of a class, which completely overshadows all other cases in the class.
と説明していますから、英辞郎の語義と一致しています。
またイラクのフセイン元大統領の演説に使われたのがこのフレーズが広まった理由だとしています。
それを裏付けるような情報がWordReference.comにありましたのでリンクをはりつけました。

http://forum.wordreference.com/showthread.php?t=177047

ここには聖書の創世記にも
Genesis 3:20. And Adam called the name of his wife Eve: because she was the mother of all the living.
と記されているとしています。(Wikipediaにも聖書の記述に言及しています)
また似たような表現の使用頻度を調べています。
またサダムフセインの演説の一節も掲載されています。

ちなみに日本のロックバンドTHE YELLOW MONKEY のベストアルバムに MOTHER OF ALL THE BEST があります。
Posted by teruchan at 2011年10月08日 11:51
teruchanさんへ
mother of all に関するさまざまな情報、ありがとうございます。
確かに英辞郎にも、「究極の」のような意味が載っていますね。
改めて、LAAD を調べてみると、

LAAD
the mother of all something :
(informal) something that is a very good or very bad example of its type
例) I woke up with the mother of all hangovers.
the mother of all battles

と出ていました。つまり、「そのタイプの、非常に良い、または非常に悪い例となる何か」ですから、「良い意味でも悪い意味でも、何かの中で究極のもの」という意味になるわけですね。

情報ありがとうございました。
Posted by Rach at 2011年10月09日 07:53
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