2006年06月01日

フレンズ2-16その1

シーズン2 第16話
The One Where Joey Moves Out (ジョーイの家出)
原題は「ジョーイが引越しする話」

朝食のシリアルを食べているジョーイとチャンドラー。
ジョーイ: Man, this is weird. Ever realize Cap'n Crunch's eyebrows are on his hat? (なぁ、これって変だよ。キャプテン・クランチの眉毛が帽子の上にあるのに気付いてたか?)
チャンドラー: That's what's weird? The man's been captain of a cereal for 40 years. (変なことって、そんなこと? この男はもう40年間もシリアルのキャプテンをやってるんだぞ。)

↓キャプテン・クランチについてはこちら。
Wikipedia英語版: Cap'n Crunch
本来、眉毛は顔に付いています。(←わかってるって)
それが帽子の上にあるのが、変じゃないか、とジョーイは言ってるんですが、チャンドラーは、40年間もシリアルの箱に君臨し続けていることの方が変だろう、と返しています。
アニメや漫画のキャラには、そういうことがよくありますよね。
どこから見ても髪の毛の角が2本見える鉄腕アトムとか。
そう言えば、手塚漫画では、つまずいたりびっくりしたりした時に、眉毛や目が顔から外れたりしますよね。
平面のキャラクターはそんな風に現実を超越した造形をしてるので、フィギュアとして立体にする時に大変らしいですよ。(←いったい、何の話?)


使っていたスプーンをペロっとなめて引き出しにしまったジョーイに、
チャンドラー: You licked and you put. ([スプーンを]なめて、[引き出しに]入れただろ。)
ジョーイ: Yeah, so? (あぁ、それが?)
チャンドラー: Don't you see how gross that is? It's like you using my toothbrush! (それがどんなに汚いことがわからないのか? まるでお前が俺の歯ブラシを使うようなもんだ!)
視線をそらすジョーイに、
チャンドラー: You used my toothbrush? (お前、俺の歯ブラシを使ったのか?)
ジョーイ: Only because I used the red one to unclog the drain. (だって、赤いヤツは、排水溝を掃除するのに使ったから。)
チャンドラー: Mine is the red one! Oh, God! Can open. Worms everywhere! (赤いヤツが俺のだ! なんてこった! 缶を開けたら、虫がそこらじゅう、うじゃうじゃ!って感じだよ。)

gross は「気持ち悪い、ゾッとする、汚い」という意味。
「きったなーい!」という時に "Gross!" というシーンが、フレンズにも何度か出てきました。
発音は「グロス」ではなく「グロウス」です。
唇に塗ってつやを出す化粧品をリップグロスと言いますが、このグロスは gloss で「光沢、つや」。
こちらの発音は「グラス、またはグロース」です。(カタカナだと違いがわかんないなぁ。)
チャンドラーは、「お前が俺の歯ブラシを使うこと」を汚い例えとして挙げたのですが、実はそれはもう実行済みだったという・・・。
ジョーイの気まずそうな表情が面白いですよね。
さらには、その理由が「赤いブラシは掃除に使っちゃった。」なんですが、その「赤いヤツ」(シャア専用機?)が元々チャンドラーのものだったというオチがついてます。
というか、ジョーイにとってはどっちのものだ、というはっきりした認識もなかったでしょうし、あまりそんなこと気にしてないんでしょうけどね。

clog は「(管などを)詰まらせる」で、The pipe is clogged with dirt. 「パイプに泥(ゴミ)が詰まっている。」と受身形で使うことが多いです。
unclog は clog の反対語ですから「詰まったのを取り除く」という意味。
un- は形容詞や副詞につくと「不・・・」という意味になり(unhappy など)、un- が動詞につくと「逆の動作」を表します(undress で「服を脱がせる」など)。
フレンズ2-14その19 では、unhook 「ホックをはずす」という単語が出てきました。

ちょっと話がずれますが、1994年の岩井俊二監督、山口智子と豊川悦司主演の映画で「undo」というのがありましたね。
妻が、何でも縛りたくなる衝動に駆られ、”強迫性緊縛症”と診断されて・・・という話です。
ミニシアター系だったのに、女性客に人気が出て、映画館に行列が出来たとか何とかで、当時はかなり話題になりました。
undo は「元に戻す」あるいは「(結び目・包みを)ほどく、(ボタンを)はずす」という意味。
実は私はこの作品見てないんですが、恐らくこのタイトルの undo は、何でも縛ってしまう妻の行為に対して、それを「ほどく」という意味での"undo"なんだと思うのですが・・・。
この映画、うちのダンナさんは、「どうして、女性たちがこぞって「うんどー(運動)」という映画を見に行くんだろう?」と不思議に思っていたそうです。「ウンドー」というタイトルなら、誰も行かなかったかも(笑)。
でも、ちゃんとタイトルの横には、発音記号で「アンドゥー」と書いてあるようなんですけどね。(青木さやか風に「どこ見てんのよ!」って感じ?)

"Can open. Worms everywhere!" は、「何が入っているか知らないでずっと保存していた缶詰を開けてみると、中から虫が出てきて、そこらじゅうを這い回ってる!」、つまり自分が知らない間に、すごく不潔で汚い事態になっていたんだ、俺はそんなこととも知らずに、のほほんと暮らしていたんだ、という意味でしょう。
「知らぬが仏」(Ignorance is bliss.)って感じで、「そんなこと知りたくはなかった・・・」というところでしょうね。

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posted by Rach at 14:10| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
undo(ウンドー)は大ヒットです(爆)!!! 以外や、山口智子と豊川悦司が運動してるって何?と興味を引いたかも(笑)
私のお友達に晶子さんであだ名がアンさんという方がいらして、家で旦那に「アンさんがどうした」「アンさんがああした」と話をしていて「アンさんって中国人?」と聞かれたのを思い出しました。
「重いコンダラ」系の話は好きで、他にもネタ(笑)はあるのですが、控えます。
>でも、ちゃんとタイトルの横には、発音記号で「アンドゥー」と書いてあるようなんですけどね。
男性は、普通何も見てないですよね。
お友達のご主人が、余りに何も気付いてくれないから、大きな家具を移動して模様替えをしてみたらさすがに気付いたらしいです。
色々な事に目が行く男性は、芸術家か作家か、或はやりにくい旦那になるのだろう、と言い聞かせて納得しています。
ちなみに、うちも英語には全く興味なしです。
>今の私に絶対的に欠けているのは「日本語の○○は英語では何と言うのか?」という単語の知識です。この英単語の意味は?と聞かれるとドラマで出てきたものはだいたいわかりますが(ほんとか?)、
記憶力に自信のない私は、それだけでもたいしたもんだと思ってしまいます。
>今、身の回りにある日本独特の品々や制度や風習を英語で何というのか、もしくはそのものズバリの単語ではなくても、それを英語で説明できるかというと・・・うーん、って感じなんですよねぇ。
そうなのです。私も全然ダメです。
英語で話をしている時は、頭の中は英語の世界です。そこに一端日本語が介入すると、日本語を訳そうとするので、単語が出てこなくて詰まったり、日本語的な英語になってしまいます。たまたま始めようと思ったpodcastで、何ができるかと考えた時、私の知識の中で、一番自信を持って皆様に聞いて頂けるのは日本語でした。ちゃんとした日本語のショーは既に沢山存在していたので、niche market で今の形になった訳ですが、たまたま日本語を先に考え、直訳にならない英語でもって日本の事や日常生活を紹介するといういい練習の場になっているのです。
Rachさんはもう既にかなりの英語力をお持ちだし、努力家で頭の良い方だから、私の練習中のサイトは参考程度で、そして、もっと質の高い英文でお勉強して下さいね。
私のサイトでのコメントは、本当にありがたかったです。
人のブログで自分のサイトの話ばかり、長々すんません。
今日はお休みで、お天気もよく、三日ほど前から悩んでいた(笑)掃除も済ませ、気持ちいい6月のスタートを切れました!
Posted by Mayumi.K at 2006年06月01日 17:23
Mayumi.Kさんへ
「ウンドー」、ウケました? やったぁー(笑)。
I feel kind of ecstatic when people laugh at my joke. Because I'm Osakaian, you know. (LOL)
うちのダンナさんの持ちネタ(?)のうちでも5本の指に入る私のお気に入りなんですよ。またブログで使わないといけないので、私もここでこれ以上披露するのは控えます(笑)。
「あんさん」っちゅーと、大阪では you って意味にも聞こえますよね。

>色々な事に目が行く男性は、芸術家か作家か、或はやりにくい旦那になるのだろう・・・
そうかもしれないですね。うちのダンナさんは芸術家にはほど遠い感性の持ち主で(爆)。すごく sensitive な男性との生活ってどんなだろう?と憧れる気持ちもあるのですが、神経が磨り減っちゃうかもしれませんね。自分が「まぁ、ええやろ」と思っていることに、いろいろ口出しされたら、きっと喧嘩になるよなぁ(笑)。
Mayumi.Kさんの旦那様も英語に全く興味なしですか。お仲間だわ(笑)。ダンナさんを練習相手にして、英語の練習したいんだけどなぁ。

あ、「英単語の意味がだいたいわかる」というのは、ちょっと言い過ぎました。撤回します。単語だと、日本語→英語、よりは、英語→日本語の方がましかなぁ?って程度ですね。

私は「英語で話す」というシチュエーションをほとんど経験したことがないのですが、今、「英語で書く」時は、やっぱり頭の中は英語の世界になってますね。(こういうことを言うと、大阪では「いきってる」(粋がっている、格好をつけている)とか言われたりするんだけど・・・笑)
まず日本語を思いついてそれを訳そうとすると、却って時間がかかるし、おかしな具合になりますよね。先日の私の英語記事も、先に日本語で下書きしてそれを訳していたとすると、膨大な時間がかかっていたと思います。
今の私の場合、日本語と英語ではボキャブラリーに余りにも差がありすぎるので(それは当たり前だと開き直ってますが)、日本語で表せること全てを英語に置き換えることは不可能なんですよ。
だから、いったん頭を英語頭にして、それから、自分の英語のボキャブラリーの範囲で書けることを思いつくまま書いている、という感じですね。
ですから、Mayumi.Kさんのおっしゃる「直訳にならない英語」というのはよくわかります。そもそも「直訳」なんて不可能、というか、言葉をそっくり置き換えたものが正しい英訳ではないですよね。「日本語でこういうふうなことを言いたい時は、英語ではこんな感じに表現するよなぁ?」くらいの気持ちでしょうか。

Mayumi.Kさんのサイトが、外国の方に喜ばれるサイトになっているのは素晴らしいことです! また、お邪魔してツッコミ入れさせて下さいね。

昨日は確かにお天気良かった。でも暑かった。暑いとダレちゃうんだよなぁ、私(笑)。
Posted by Rach at 2006年06月02日 09:13
こんにちは。
今回は私のundoの思い出(笑)

教科書にundoという単語が出てきたとたん、あるクラスの安藤君にundoというあだ名がつき、彼は(アクセントも正しく)アンドゥーと呼ばれていました。

undoには決して「なにもしない」という意味はないんですが、この安藤君、授業中に何もせず寝てばかりいたため、このあだ名がついたというオチもついてます。(^^;
Posted by 浦辺 玲 at 2010年10月23日 23:03
浦辺 玲さんへ
安藤くんが、undo という単語が出てきたせいで「アンドゥー」と呼ばれるようになるお話、「あぁ、あだ名ってそんな風に付くんだよなぁ」と、学生時代が懐かしく思い出されます(笑)。でも、「なにもしない」って意味で覚えてしまった人がいると困りますね(笑)。

un- がつく動詞では、フレンズでは、unpack 「荷物をほどく、荷ほどきをする」がわりとよく登場しますね。

Toni Braxton が歌う、Un-break My Heart という曲があるのですが、その歌詞には以下のような、un- がついた動詞が出てきます。
un-break my heart, undo this hurt, un-cry these tears
これも全て「逆の動作」で、「元に戻す」「元通りにする」「取り消す」感覚ですよね。
undo は元々存在する単語ですが、un-break や un-cry は恐らく「造語」的なニュアンスで使われているため、un- とわざとハイフンで繋いでいるのだろうと思います。
そう考えると、変化の伴う動きのある動詞に un- をつければ、その動作を元に戻す、という意味として使えちゃう、ということですよね。

私はこの歌が好きなので、un- が付く動詞を見ると、思い出してしまいます。この記事を書いた後に知った曲なのですが、これが「今の私の undo の思い出」ですね(笑)。
Posted by Rach at 2010年11月12日 14:12
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