引っ越ししたいなら勝手にしろ、と投げやりな態度を示すチャンドラー。
チャンドラー: Well, there you go. (じゃあ、そうすればいい。)
ジョーイ: Hey, are you cool with this? I don't wanna leave you high and dry. (おい、俺の引っ越しについて、お前は平気なのか? 俺はお前を high and dry な状態(見捨てられた状態)にしたくはないんだ。)
チャンドラー: I've never been lower or wetter. (俺はこれ以上、low や wet になったことはないよ。)
cool は「冷静な、落ち着いた、平気な」という意味、さらに「冷淡な、冷めた、無関心な」という意味もあります。
ここでは、どちらでしょうねぇ?
ジョーイの引っ越しについて、冷静に受け止められているのか?という質問か、無関心でどうでもいいと思ってるのか?という意味か・・・。
次のセリフが、high and dry を使って「お前を見捨てて行けない」と言っているので、「冷たい」ではなくて、「冷静、平気」かどうかを尋ねているんだと思います。
「いいのか、それで?」というニュアンスでしょうかねぇ?
high and dry は直訳すると「高くて乾いた(ところ)」という意味です。
これは船が岸に乗り上げた様子から来た言葉で、be left high and dry で「(船が)岸に打ち上げられて、行き詰って、見捨てられて」という意味になります。
次のチャンドラーのセリフは、ジョーイの high and dry に対して、反対の意味の形容詞を使った「言葉遊び」のようなものでしょう。
high and dry な状態にしたくないと言ったジョーイに対して、元々、low な状態にも、wet な状態にもなったことはないよ、と返しているんですね。
元々の船の意味に例えると、「岸に乗り上げた状態にしたくない」と言ったジョーイに対して、チャンドラーは「元々、船が海に漕ぎ出している状態(水につかっている状態)になったことはないよ」と言っているのですね。
つまり、ジョーイが引っ越しすることで、別に何も変わらないんだ、と言いたいわけなのでしょう。
(2006.6.21 追記)
この "I've never been lower or wetter." の部分について、訂正と追加説明が下のコメント欄にあります。
(追記はここまで)
チャンドラー: I'll be fine. I'll just turn your bedroom into a game room. Put the foosball table in there. (俺はそれでいいよ。お前のベッドルームをゲームルームに変えてしまおう。フーズボールのテーブルをそこに置くんだ。)
foosball は「フーズボール、テーブルサッカーゲーム」のことです。
ジョーイとチャンドラーがよくゲームをして遊んでいるあのテーブルのことですね。
詳しくはウィキペディア(↓)で(笑)。
Wikipedia 英語版: Table football
そう言えば、実にタイムリーな話なんですが、6月3日(土)の日本経済新聞夕刊にこのテーブルサッカーの記事が載っていました。
記事の見出しは、「卓上で「足技」激突 テーブルサッカー」
内容は、サッカーワールドカップの本番を前に、卓上型のゲーム「テーブルサッカー」が熱を帯びている。 というものです。
そこにはテーブルサッカーについて以下のような説明も載っていました。
十三体の人形を操りボールを相手ゴールに入れる卓上ゲーム。ドイツ語でサッカーを意味する単語「フースバル」にちなみ、フーズボールとも。
上で紹介したウィキペディアにも、語源がドイツ語である、ということは確かに書いてあります。
このフーズボールのテーブルを見ると、ジョーイとチャンドラーを思い出す、というくらい印象的な小道具なのですが、このテーブル、フレンズファイナルの最終話にもちゃんと登場するんですよ。
ネタバレになるといけないので細かいことは書きませんが、やっぱりこのテーブルはフレンズのメンバー、スタッフ、ファンのみんなにとっても、非常に思い入れの深いものなんですね。
最終話でこのテーブルに関するちょっとしたエピソードを見たとき、何だかとても嬉しかったです。
(Rachからのお願い)
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前回のご主人の同情「大根ならこんなにチヤホヤされるのに雑草はかわいそう」は、思い出しながら、2日は笑えました。
ふと、♪アスファルトに咲く花のように〜♪と、花さえ咲けば、雑草も歌になるなぁと、微妙に古い歌詞を思い出したりもしました(笑)
high and dryはくすっと笑える台詞ですね。ずっと後の話でチャンドラーが反対の立場になったときは当面の生活費を何とかジョーイが気を悪くしないように苦心する場面がありますからね。チャンドラーが使うぶんにはいいですけどね。ジョーイが使うとちょっと笑えます、本心じゃないとは思いますが。
ボイジャーネタを少し書きます。ボイジャー放送されてた時期はパソコンが一気に普及した時でダウンロードとかアルゴリズムとかプログラミングのような台詞がたくさん出てましたが。それがかえって古くさい言葉に思えました。宇宙大作戦の初期は吹き替えでコンピューターのことを電子計算機と言っていました。それでも。仮想現実の話やタイムトラベルのタイムパラドックスやクローンの話もありましたね。すごいの一語に尽きます。ボイジャーにドレットノートというミサイル戦艦の話がありました。超弩級の語源なので興味が喚起されました。英語で何かの引用の言葉はネイティブでないと太刀打ちできないですが「目から鱗」が聖書の引用だとは目から鱗でした。使い方違うかな(笑)
お名前がひらがなになりましたね(笑)。
そう言えば、I've never been lower or wetter. と比較級になっていて、I've never been low or wet. ではないんだ・・・。さらには、私自身の日本語訳に「俺はこれ以上、low や wet になったことはないよ。」と書いてありますよね。ってことは、「今、lowest で wettest だ」という意味になるわけですね?
このエピソードでも出てきた have never seen Richard happier が「リチャードがこれ以上幸せにしてるのを今まで見たことがない」→「今まで見てきた中で一番幸せそうだ」となるのと同じということか・・・そうかぁ・・・。
low 「元気がなくて、ふさぎ込んで」、wet 「(涙でぬれて)めそめそした」と解釈すると、今この状況のチャンドラーは、「今、史上最強に(?)落ち込んでいて寂しい」ってことになるのかな?
私が本文記事の解説部分で書いた「元々、low な状態にも、wet な状態にもなったことはないよ」というのは間違いみたいですね。そもそも日本語訳と解釈とで書いてることが食い違ってるじゃん、私(笑)。
high and dry にすることなんて出来そうにないほど、今は無茶苦茶 low で wet なんだよ、って感じかなぁ? ここでは high and dry は見捨てるという「悪い意味」で使われていて、その反対の形容詞を使って「良い意味」として low or wet を出してきたのかと思っていたのですが、実は、見捨てられた状態になんかならないよ、という強がりでありながら、実は自分は今落ち込んでいるということを説明してもいる、というダブルミーニング?
この high and dry を使えば low と wet を使ったセリフ(しゃれ?)で返すことができるので、わざとジョーイにそのイディオムを言わせた、とも考えられそうでしょうか? うーん、面白い。(私が一人で面白がってるだけだったりして・・・笑)
アスファルト・・・の歌って、♪涙の数だけ強くなれるよ♪の岡本真夜さんの「TOMORROW」ですね。あぁ、懐かしい〜! 「聞くと元気が出る歌ランキング」をすると、この歌とかZARDの「負けないで」とかが必ずランクインしますよねぇ・・・。(「負けないで」は前奏を聴くだけで気分が高揚する・・・笑)
大根と雑草の扱いの差についてですが、カブトムシやクワガタはあんなに高値で取引されるのに、同じ甲虫の仲間のカナブンに向けられる目は冷たいですよね。希少価値の問題だろうか?(笑)
ジョーイも意地っ張りなところがありますよね。この二人の喧嘩を見ていると、お互いへの愛情が深いあまりに、勢いでつい余計なことを言っちゃった、みたいな感じなのかもしれません。
ジョーイ役のマット・ルブランク本人は全然ジョーイみたいなタイプではない、とロス役のデビッド・シュワイマーが言っていました。ジョーイの演技があまりにハマっているので、演技をしているのではなく、マット本人がこんな人なんだと誤解されてしまっているように思う、と弁護していた気がします。
そうかぁ、「寂しさの現われ」かぁ・・・この前のやり取りでチャンドラーもジョーイの一言一言に噛み付いていましたが、ジョーイもチャンドラーから想像していたような言葉を聞けなくて、それでますます二人の気持ちが噛み合わなくなっていってるんですね。
これまでは生活費やいろんなことでチャンドラーに頼りきっていたジョーイなのに、その立場が逆転したかのように「チャンドラーを見捨てる」というような表現を使うところが笑えるわけですね? これまでの状況を考えると、チャンドラーが言うのには説得力があるけど、ジョーイが言うのは変だろう、って感じ? ジョーイ自身、お金が稼げるようになって、あんな豪華なアパートメントにも住めそうなくらいになって、ちょっと舞い上がってるのかもしれません。
ヴォイジャー(VGR)放映の頃(1995〜2001年)は確かに一般の人にパソコンが広がってネットも盛んになり始めた時期でしたね。急に時代がSFの世界に追いついてしまった(まぁ、追いついてはないにしても、一般人の理解できる概念になった)という意味で「古くさい」感じがするのかもしれませんね。宇宙大作戦が画期的だったのは、やはりそのアイディアでしょうね。異星人の姿やセットが安っぽくても(笑)、あの時代(1960年代後半)に様々なSF要素がふんだんに盛り込まれていたところがすごいのでしょう。
結局、後のスタートレックシリーズも、その宇宙大作戦の頃のアイディアを、もう少し科学的に説得力のあるものにして、設定を細かくして現実的に見せて、素晴らしい特撮の技術で違和感がないように映像化しているだけとも言えるのかも? 後は社会問題を盛り込んでみたりして奥行きを出している・・・とか。
ドレッドノート(dreadnought)って出てきましたね。トレスが乗り込んでプログラミングし直したヤツ。(・・・って知ってるかのように書いてますが、実はVGRはDVDも持ってないし、たまーに深夜に放送していたのを見たことがあるって程度で、全て本から得た知識です・・・泣)
辞書によると、dreadnought という単語は、dread 「・・・を恐れる」+ nought 「無、ゼロ」なので、「何も恐れない、恐れるものは何もない」という無敵さを表す単語なんですね。
私の手持ちの日本語辞書にもありましたが、「弩(ど)」って「ドレッドノート号」の「ド」なんですね? それは知らなかった・・・。
↓こちらに詳しく書いてありました。
Wikipedia: ドレッドノート (戦艦)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88_(%E6%88%A6%E8%89%A6)
「目から鱗」は、The scales fall from one's eyes.
scale って本当に「魚や爬虫類のうろこ」なんですね。
出典は新約聖書「使徒行伝」で、それまで視力のなかった人が、突然視力を回復する、という意味だそうです。
出典が聖書だって聞いたような気もするけど、これまではっきりと確認したことはありませんでした。今回のことでしっかり覚えましたよ!(笑)。英語をとことん理解するには、聖書の知識って不可欠ですよねぇ?