チャンドラーの部屋に女性が訪ねて来ます。
女性: I'm Tilly. (私はティリーよ。)
チャンドラー: Oh! (おぉ!)
女性(ティリー): I gather by that "Oh," he told you about me. (その「おぉ」から推測すると、エディーは私のことを喋ったのね。)
gather は「集める」ですが、ここでは「推測する」です。
「提示された情報をかき集めて、それを元に考える」みたいな感じ?
ティリー: Eddie, I just came by to drop off your tank. (エディー、私はただあなたの水槽を届けに来ただけよ。)
エディー: That was very thoughtful of you. It's very thoughtful. (それは随分とご親切なことだね。すごく親切だよ。)
by は「・・・のそばに」ですから、come by は「近くに来る」という感じで「立ち寄る」という意味になります。
drop off は「物を置いていく」という意味。
また「(人などを)(車から)降ろす、下車させる」という意味もありますね。
drop 「落とす」と off 「離れて」という意味から、自分と一緒にあったものをどこかに置いて残していく感じです。
フレンズ2-17その13 で、ジョーイがチャンドラーの部屋に来た時に、"I just came by to pick up my mail." 「手紙を取りに寄っただけだ。」というセリフがありましたが、この pick up はまさに「拾い上げる」で「(ものを)途中で受け取っていく」ことを指します。
drop off と反対のニュアンスの言葉ですね。
「人を車で迎えに行く」ことも pick up ですが、日本語でも「車で拾う」と言いますよね。
その辺りの pick up のニュアンスは、フレンズ2-17その10 で説明しています。
エディーのセリフは、文法書にも載っている「it is+形容詞+of+(代)名詞 (+to do)」の形で、「(人が)(…するのは)〜である」となります。
ですから、正確な形だと、That was very thoughtful of you to drop off my tank. 「君が俺の水槽を持ってきてくれたのは非常に親切なことだった。」と you のした行為に対する話し手(この場合はエディー)の評価を述べた文になります。
ですから、ここで使われる形容詞は人間の性質を表すもの(kind, good, foolish など)になります。
つまり You were thoughtful. ということですね。
これに対して、同じような文型の、「it is+形容詞+for+(代)名詞 (+to do)」というのもありますね。
例えば、It's difficult for me to read this book. 「この本を読むのは私にはむずかしい。」も、to read の意味上の主語は me ですが、この場合は「私にとって」「この本を読むことが」難しいのであって、I am difficult. にはなりません。
よく似た形の構文ですが、of になるか、for になるかは、上に書いたような意味から判断することになります。(こういう穴埋めが受験英語によくあったような気がするけど・・・今でもあるんでしょうか?)
それにしてもエディーは、お礼を言った後、すぐに険しい顔になるところが、なんとも怖い・・・。
(Rachからのお願い)
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ここのティリーのI gather by that "Oh," he told you about me. の次のところ、
CHANDLER:Yes. Hey, can I ask you, is Eddie a little...
EDDIE: [walks around corner] A little what?
CHANDLER: Bit country?
これは恐らく"I'm a little bit country"をもじった物だと思います。
I'm a little bit countryはComedy Centralというケーブルの番組のSouth Parkというシットコムの100回目のエピソードだそうです。(って偉そうに書いてるけど、私も全く知らなくて、調べているうちに見つけたまでです)
http://en.wikipedia.org/wiki/I'm_a_Little_Bit_Country
放映が2003年4月とあるので、ちょっと前に放送されて話題になった番組なんでしょうね。
コメントありがとうございます。
そのチャンドラーのセリフは、I'm a little bit country. をもじったものなのは間違いないようですね。
ご指摘の通り、サウスパーク(South Park)の100回目のエピソードがそういうタイトルになっていますが、このフレンズ2-18 の放映は、1996年3月21日なので、フレンズの方が早いんですよね。
ということは、このサウスパークのエピソードが元ネタではなくて、元ネタは別に存在するようです。
教えていただいた、サウスパークのウィキペディアで、そのタイトルの由来を探してみると、Plot の項目に、以下の文章を発見しました。
...and then break out into song (a version of "I'm a Little Bit Country" by Marty Cooper, as made famous by Donny and Marie Osmond).
つまり、そのサブタイトルの元ネタになった「歌」があるようです。
そこで、そういう歌があるらしい、と意識しつつ、私も検索してみました。
グーグルサジェストで、I'm a little bit まで入れると、country が続いて出ます。
検索すると、そのサウスパークのエピソードもヒットしますが、と同時に、
I'm A Little Bit Country, I'm a Little Bit Rock and Roll
というタイトルの歌もヒットしました。
Donny & Marie というアメリカのバラエティ番組があって、その中で使われていた有名な歌のようです。
Wikipedia 英語版: Donny & Marie (1976 TV series)
http://en.wikipedia.org/wiki/Donny_%26_Marie_(1976_TV_series)
上のウィキペディアの Overview という項目の最初の方に、
The most famous song performed on the show was "I'm A Little Bit Country, I'm a Little Bit Rock and Roll"...
という記述があります。
マリーはカントリー歌手として有名なようですね。
(リンクははりませんが)その曲は YouTube にもありました。
デュエット曲で、女性のマリーが I'm a little bit country, 男性のドニーが I'm a little bit rockn' roll と交互に歌う、面白い歌です。
「私はちょっぴりカントリー」「僕はちょっぴりロックンロール」みたいな掛け合い風の歌になっているようですね。
そのサウスパークのエピソードでは、番組内でその歌が使われ、タイトルにも使われた、ということのようです。
つまり、フレンズもサウスパークも、元ネタはその Donny & Marie の歌だったということですね。
フレンズのセリフでは、a little bit の後、少々失礼な形容詞、例えば、crazy とか、insane とか、を言おうとしたら本人が来たので、慌てて、a little bit というフレーズから連想される、その歌のフレーズを言った、ということでしょうね。
何か言おうとしたのを、ただの歌の歌詞だよ、とごまかそうとした感じでしょう。
興味深い情報、ありがとうございました。