台本の内容を見てショックを受けているジョーイに、
配達係: Could you sign? (受け取りのサインをして下さい。)
ジョーイ: No! No way! I'm not signing that! (いやだ! 絶対にいやだ! そんなのにサインしないぞ!)
配達係: I don't think that will affect the plot of the show. (サインしなくても、番組の筋は変わりませんよ。)
ジョーイ: How can they do this to me? (どうして俺にこんなことするんだよ。)
配達係の I don' think... を直訳すると「あなたがサインしないことが番組の筋書きに影響を与える、とは思えない。」なので、「あなたがサインしようがしまいが、番組の筋は変わりませんよ、サインは形式上のもので、何の力もないんですから。」ということですね。
How can they do... は「どうしたら、俺に対してこんなことができるんだよ。」、つまり「何てひどいことをするんだ、俺が何をしたって言うんだ。」と言いたいようです。
事ここに至っても、まだジョーイは、自分がどれだけ脚本家を怒らせたか、ということに全く気付いてないわけです。
さっきのフィービーの”たくさん”発言でまだモメているらしいモニカとリチャード。
モニカ: Well, it wasn't that many guys. If you consider how many guys there actually are, it's a very small percentage. (ねぇ、それほど多くの男性じゃないわ。もし実際に(この世に)何人の男性がいるかを考えてみたら、そんなのすっごく少ないパーセントだわ。)
リチャード: It's not that big a deal. I was just curious. (それほどのおおごとじゃないよ。僕はただ興味があっただけだよ。)
モニカの that many、リチャードの that big はどちらも、「そんなに、あなたが言うほど、あなたが思ってるほど」という意味の that です。
I was just curious. は「別に責めてるわけじゃなくて、単に知りたいだけだよ、単なる好奇心だよ、ちょっと聞いてみたいなと思っただけだよ。」という感じですが、日本語でもよく聞くセリフですね。
でも、そういう場合は、たいてい、心の中でかなり気にしてたりするものですが(笑)。
リチャードが今までに付き合った女性は、二人。
それを聞いたモニカは、ますます告白しづらくなり、洗面所へ逃げ込みます。
リチャード: Come on, it's your turn. Oh, come on! You know, I don't need the actual number. Just a ballpark. (おい、君の番だよ。ほら! ねぇ、本当のはっきりした数字は要らないから、だいたいの数字でいいんだ。)
モニカ: Okay, it is definitely less than a ballpark. (わかった。間違いなく、野球場に入る数よりは小さいわ。)
このやり取りは、ballpark を使った言葉のジョークなので、日本語に訳すのは不可能です(笑)。
ballpark はご存知「野球場」。
さらに「おおよその数字、概算の数字」という意味もあります。
そう言われたモニカは、野球場に例えるなら、そこに入る観客の人数よりはずっと少ないわよ、とギャグで逃げているわけですね。
ところで、アメリカ大リーグで7回が終わった時に、観客が歌う歌がありますね。
私はあの歌のタイトルを Take Me Out to the Ballpark 「私を野球場に連れてって」だとずーっと思ってたんですが、実は Take Me Out to the Ball Game 「私を野球(の試合)に連れてって」が正しいタイトルのようです。
ちなみに "Take Me Out to the Ballpark" でぐぐると、かなりのヒット数がありますので、英語としては自然なフレーズで、間違えて覚えていたのはそれほど恥ずかしいことでもないのかなぁ・・・とか思ったり(笑)。
(Rachからのお願い)
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この文型を解説して頂きたく・・・
08:45 It's not that big a deal.
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
not that big a deal という単語の並びは、見た時に一瞬「あれ?」と思ってしまいそうな感じですよね。
例えば、「そんなにお腹すいてない」ということだと、I'm not that hungry. のようになりますが、こういう that は、後に続く形容詞を修飾する副詞なので「そんなに・それほど〜ではない」と表現するには、not that+形容詞 と繋げるべきなので、その原理を応用すると、not that (big) という語順になる、、ということでしょう。
not that big を切り離せないので、それらが先に来て、a deal が後回しになっている感覚なのだろうと思います。
Tamashiro-OB さんの「この文の文型は何か」という疑問は、Rach さんの説明で解消されたことと思います。以下、蛇足です。
副詞の that と形容詞の結びつきは緊密なので、この間に不定冠詞を割り込ませることはできないわけですが、not まで切り離せないかというと、そういうわけでもありません。例えば、Friends の他のエピソードに次のような台詞があります。
I didn't think it was that big a deal. (S10E9)
また、that 以外にも同様の現象として次のような例があります。
I think we're making too big a deal out of this. (S9E6)
とすると、名詞句に不定冠詞を付けるときは先頭に付けるのが原則なのに、なぜ a that big deal とはならないのかということが問題になります。私は a that の口調がよくないからと推測していますが、もっと別の理由も考えられるかもしれません。
08:45 It's not that big a deal.
について僕も調べてみました。
that bigというのは感嘆文のような強調の一種
だと思いました。
a very big deal:通常語順の福祉(very)
that big a deal:強調倒置の福祉(that)
thatのほかに
such, so, as, too, how, quite等の福祉
が倒置を起こすようです。
コメントありがとうございます。まとめレスになり申し訳ありません。
mqさんのおっしゃる通り、確かに not は切り離し可能でした。
それから、Tamashiro-OBさんが例に出して下さった、a very big deal との比較はわかりやすいですね。
同じように big を強調する副詞であっても、very の場合は a very big deal という形になるけれど、that の場合は a that big deal ではなく、that big a deal という形になるということですよね。
too については、研究社 新英和中辞典に以下の説明がありました。
This is too large a room for us. これは我々には大きすぎる部屋だ。
用法: a too large room ということもある
この説明だと、a too large room という形もアリだが、too large a room の方が多いという感じでしょうか。
that big a deal のような語順になるのはやはり「強調」なのでしょうね。
また、例えば a that big deal だと、that には名詞を修飾する指示形容詞「その、あの」という意味もありますから、that deal 「そのディール」のように deal にかかると読めてしまう可能性がある、、、もちろん、不定冠詞 a と 形容詞 this/that「この/あの」が並列で a that thing 「ある一つの、あのこと」のように修飾する形は取れないわけですが、そのような「妙な形」を連想させないためにも、a that big deal という語順は避けられる傾向にあるのかなと思います。too large a room の場合は a too large room も可能であるということも、名詞を修飾できる形容詞の意味を持つ that と、副詞の意味しかない too との違いなのかなと思いました。
貴重なご意見ありがとうございました。