パウロの名前に反応したロスに、
レイチェル: That Paolo thing was barely a relationship. All it really was was just meaningless, animal sex. Okay, you know, that sounded so much better in my head. (あのパウロとのことは、ほとんど(恋愛)関係ってものじゃなかったわ。意味のない、動物のようなエッチが全てだったわ。[しまった、という感じで]わかった。今の発言は私の頭の中でかなりいい感じに聞こえちゃったわね。)
barely は hardly などと同じで、これだけで「ほとんど・・・ない」という否定的な意味になります。
relationship は「関係」ですが、だいたい男女間の「恋愛関係」という意味で使われることが多いです。
All it really was was ... と was が2回続いているので見た目がヘンですが誤植ではなく(笑)、all は「すべてのこと」という意味で、all it really was は「その本当の状態の全ては、その実態の全ては」みたいな感じかと。
ただの animal sex よ、と「つまらないもの」の意味で言おうとしたのに、言ってしまったら、それが何よりも情熱的なエッチを想像させる魅力的な表現、誉め言葉だったことに気付いて、レイチェルは「animal sex という言葉が、思っていたよりも、いい響きに聞こえてしまったわね。」と弁解しています。
(2007.8.25 追記)
that sounded so much better in my head. は「(それを実際に口に出して言ってみるまでは)私の頭の中ではもっといい感じに聞こえていた。」という意味になるようです。
下のコメント欄に訂正と追加説明があります。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)
エディーはチャンドラーが自分の元カノと寝たと誤解しています。
チャンドラー: I didn't sleep with your ex-girlfriend. (俺はお前の元カノと寝てないぞ。)
エディー: That's exactly what someone who slept with her would say. (それはまさに、彼女と寝た人間ならそう言うよな、ってセリフだよ。)
実際、元彼に対して、「お前の元カノと寝たぞ!」と断言できる人もあまりいないでしょうから(笑)、たとえ寝てても、みんな「寝てない」って言うんだよ、とエディーは返しているのです。
確かに一般論としてはそうですが、何の脈絡もなく突然そんな疑いをかけられたら、「寝てない」と答えるしかしょうがないよねぇ。
彼女と寝て、金魚まで殺した、との汚名を着せられそうになったチャンドラーは、
チャンドラー: I didn't kill your fish! Look, Eddie... (俺は魚を殺してない! なぁ、エディー・・・)
チャンドラーが肩に手を置いたのを、「お前、これから喧嘩しようってのか? おれに暴力振るうつもりか?」みたいな目でにらみつけるエディー。
チャンドラー: Would you look at what I'm doing? Now that can't be smart. (俺がしていることを見てくれる? [肩に手を置くことは]今この状況では賢いやり方とは言えないよね。)
So we're just gonna take this guy right off you and put him here in Mr. Pocket. (それから、こいつ(チャンドラーがエディーを掴んでいる手)を君から離して、こいつはここのポケット君に入れるとしよう。)
look は see や watch と異なり「視線をある方向に向ける」という意味があります。
そこから、Look! と相手に呼びかけると、「ほら!おい!」などの相手の注意を促す表現になるわけです。
チャンドラーは、なぁ、聞いてくれよ、という意味で言った look を使って、「さあこれから俺がしようとすることをちゃんと見ててくれよ、誤解のないようにね」と言っているようです。
自分の手を this guy、ポケットを Mr. Pocket などと呼んでいますが、これはエディーとの険悪なムードをおちゃらけた表現でなんとか和まそうとしているのですね。
日本でも、相手の顔色を伺いながら、ちょっと子供っぽい表現を使って、誤魔化そうとすることって、ありますよねぇ。
(Rachからのお願い)
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「順番に名前を挙げない方がいいよ」はあくまでも冗談でいってるわけでハルさんに同感です。レイチェルの先走りですね。ジョーイの未来を暗示についてはジョーイの転落ではなく、ドラマの中での転落死のことです。(笑)
英辞郎で見つけました。All I did was〜とか All it was was〜の言い方は弁解の時によく出てくる形ですねAll I did was 私はただ〜をしただけです。◆【用法】功績に対する謙そん、不祥事に対する弁明など。All I really do is surf the net and check the e-mail box.私がやっていることは、ネット・サーフィンをして、電子メールをチェックするだけです。that sounded so much better in my head. も言い訳ですね。実際口にしてしまったことより言おうとしたことの方がよかったと言う意味だと思います。たとえば、ほめようと頭の中で思ったことが言った後で皮肉に聞こえたり、相手を傷つけたりするような場合ですね。Rachさんの解説通りなのですが、訳がちょっと気になりました。
おばさんはそのエピソード(フレンズ8-9)に出てきましたか。すっかり忘れてました。スクリプトを見てみましたが、他の人のセリフでも make out with が使われていますね。make out は、「いちゃいちゃする」という意味から「実際にエッチする」という意味まで、幅の広い(笑)表現なのでこれだけでは判断が難しい。
このモニカのセリフの後、他の人も話に乗って来るのですが、sleep with や make love with と言い換えることなく make out with をそのまま他の人も使っているのは、最終的なことに至る手前の行為でとどまっている(いちゃいちゃしている、どまり)ことを暗示しているのでしょうか?
私が「ロスの過去の女性は二人」に違和感を感じなかったのは、全く8-9 のことを忘れていたのもあるのですが・・・。
1-4で「10月20日がロスとキャロルとの初エッチの記念日で、さらにそれはロスが人生で初めてエッチした日なんだ」という話があったと思います。
キャロルは大学の同級生だったはずなので、やっぱりロスのマジックナンバーは2(キャロルとジュリー)で間違いないよなぁ・・・と思っていたので、そのシーズン8の話の時も「ふ〜ん」で済ましていたみたいですね、私は(笑)。
でもフレンズを一通り見た人はやはり、「あれ、おかしいな?」と思うことってありますよね。長く続くシリーズにはそういう整合性の取れないことが出てくるものですし、ファンはそういうのを探すのが好きですし(笑)。だから、気になっちゃうのは当然ですよね。私もあまりネタバレにならないと判断した場合は、後のエピソードのことを引き合いに出すこともありますので・・・。
「順番に名前を挙げない方が・・・」の話は「レイチェルの先走り」ですか。なるほどぉ。iwarebikoさんとハルさんのご意見を読んでいて、今回は男心の勉強になりました(私もまだまだ修行が足りんな・・・笑)。
断頭台が死刑を暗示していて、ドラマを下ろされる際のラストシーンが転落死になっているのがまるで「死刑」のようだ、ということですか??(ひぇぇぇ〜)
All it was was... は弁解でよく使うんですか。All you have to do is... 「あなたは・・・しさえすればいい」などの all と同じですね。それが全て、つまりそれ以外には全く何もない、ただそれだけ、という意味なんですよね。
that sounded so much better in my head. に関しては私、勘違いしていたみたいですね。「今レイチェルが言った animal sex という言葉がレイチェルの頭の中でセクシーに聞こえた」という意味で訳を書いたのですが、実際のところは、「パウロとのエッチはつまらない animal sex よ、だから気にしないで」という風にロスに言おうとしたのに、言葉に出すとロスのプライドを傷つける表現になってしまい、思っていたよりも悪い表現になってしまった、ということですね?
sound better というのは、animal sex が単語として「情熱的で素敵な表現」だと言っているのではなく、「相手にとって心の傷を癒す、励ます良い表現」という意味なんですね。
sounded と過去形になっているのにちょっと最初ひっかかったんです。直前の animal sex を口に出した後だったので、その言葉が今頭の中でいい感じに聞こえた、という意味の過去形かと思ったのですが、in my head とわざわざ言っているのは、このセリフを「口に出す前」ということなんですね。
この sounded という過去形は、言う前に頭の中で考えていた時は「もっと良い感じに聞こえていた、ロスを励ますことのできるようなもっと良い感じの表現だった」のに、実際に口に出して言ってしまったら思ったより悪く聞こえてしまった、ロスの気分を害するセリフになってしまった、という意味なんだ・・・。
so much better と比較になっているのは、実際のセリフが悪く聞こえてしまったことに対する比較ですね。
訳すのが難しいのですが、ニュアンスで言うと、「このセリフを口に出す前は、(ロスを元気づける)良い表現だと思ったのに・・・おっかしいわねぇ・・・」という感じかな?
度々のご指摘、ありがとうございます。「個々の表現が good かどうか」という問題ではないんですね。その自分の発言全部をひっくるめて、思っていたものと違う形になってしまったことを弁解している、ということですね。「こんなはずじゃなかったのに・・・」という感じで。で、animal sex という失言をしてしまったのがいけなかった・・・と。よくわかりました。(←また勘違いしてないといいけれど・・・笑)
エッチに関する言葉は女性が思う以上に男性にとっては誉め言葉になるようで、この辺りは女の私にはよくわかりませんが(爆)、animal sex という言葉からはやはり情熱的なものを感じますね。
英和イディオム完全対訳辞典、という辞典があるんですね。初耳だ。アマゾンで調べてみましたが、面白くて役に立ちそうな辞典ですねぇ。同じ朝日出版社から出ている米英俗語辞典、というのを私は持っていて、そこでは「animal spirits: (若者の)はつらつとした元気、活力」と書いてあります。
研究社新英和中辞典には「animal: (精神に対して)獣的な、肉欲的な」とあって、「animal spirits: 元気、血気」とあります。元気だと健康的なイメージだけど、血気盛んだと、ちょっと近づいたら危ないかなぁ、みたいな(笑)。animal と聞くとどうしてもそういうケダモノみたいな猛々しさを想像してしまうけれど、健康的なイメージもあるってことでしょうかねぇ? このレイチェルのセリフからは、どうしても荒々しいイメージしか湧きませんけれども(笑)。
英和イディオム完全対訳辞典は書籍版で5000円ですが。E-DIC電子辞書3800円がお得です。英和イディオム完全対訳辞典はもちろん最新日米口語辞典や米英俗語辞典など20種類の検索を一度にできてユーザー登録機能や読書機能もあります。後から増量サービスもうけられてお得だと思います。http://studio1.idd.tamabi.ac.jp/corpus/yourei/index.htmここの辞書は出典がはっきりしてて
参考になります、特に基本語に関しては。このコメントは出版社からクレームきそうだな。できることなら削除してください。(笑)
もしかして、iwarebikoさんは、朝日出版社の関係者の方ですか?(笑) (You don't have to answer this question, of course.)
執筆者の方の名前を見ても、私は全然どんな方かわからないのですが、確かに、米英俗語辞典は面白いです。他にはあまり書いていないような日本語訳が書いてあって「へぇ〜」と思うのですが、欲を言うと、どうしてその意味に派生したのか、という意味の変遷がわかるといいなぁ、と思っています。「もともとの基本的な意味はこうで、そこからこういう意味になった」と理解してからでないと単語が覚えられないタチなもので(笑)。
私の持っている米英俗語辞典は紙の辞書で、最近は紙の辞書はよほどのことがないと使わないようになってしまいました。PCに入れている辞書ソフトとオンラインフリー辞書でも見つからなかった場合に、紙の辞書も探してみる、という感じ。ですから、E-DIC電子辞書はかなり魅力的ですねぇ。昨日、アマゾンで英和イディオム完全対訳辞典を調べた時に、私も「あ、CD-ROM版があるんだ」と思ってチェックしてました。買うかどうかは未定ですが(笑)。
教えて下さったデータベースも見ました。翻訳のデータを元にした辞典なんですね。
この英語は日本語ではだいたいどう訳されているものなのか、あるいはその逆、というのはいつも気になります。私が英辞郎を使っているのは、そういう情報が知りたいからなんですね。辞書というよりはデータベース感覚でいつも使っています。
このデータベースは「信頼できる」訳を収集しているそうで、そういう意味では「基本語に関しては」(?・・・笑)期待できそうですね。