2006年08月09日

フレンズ2-19その1

シーズン2 第19話
The One Where Eddie Won't Go (元のさやに戻ろう!)
原題は「エディーが出て行こうとしない話」

夜、目が覚めると枕元にエディーが座っているので、びっくり仰天のチャンドラー。
寝顔を見てただけ、というエディーに、
チャンドラー: That's it. I want you out of the apartment now! (それで終わりだ! 今すぐこのアパートを出て行って欲しいもんだな!)
エディー: What are you talking about? (何言ってるんだよ?)
チャンドラー: Hannibal Lecter? Better roommate than you. (ハンニバル・レクターっているだろ? お前より彼の方がルームメイトとしては、まだましだよ。)
エディー: I don't think you're being fair! One night you see me and you get scared. What about the other nights when you don't see me? (そんなのフェアじゃないよ! ある晩に、お前が俺を見て、お前は怖がった。じゃあ、お前が俺を見なかった他の晩のことはどうなるんだ?)

Hannibal Lecter (ハンニバル・レクター博士)はご存知、映画「羊たちの沈黙(The Silence of the Lambs)」「ハンニバル」「レッド・ドラゴン」で有名な、精神科医の猟奇殺人鬼ですね。
アンソニー・ホプキンスの当たり役です。
私はこの手の映画が超苦手なので、見たことないんですが(テレビでやってたら、瞬時に消しちゃう)、ストーリーを聞くだけでも何とも恐ろしい人物ですよね。
その不気味な人の方がまだルームメイトとしてはましだ、という例えで、チャンドラーがどれほどエディーを気味悪がっているかわかりますね。
ちなみに、フレンズ1-4その3 では、鼻を怪我したロスがフェイスガードをつけているのをからかって、「羊たちの沈黙」に出演すれば?みたいなことをチャンドラーが言ってました。

"I don't think you're being fair." は、日本語的に考えると、
I think + you're not being fair (お前はフェアじゃない、と思う)
ということで、つまりは、
"You're being unfair." (お前はアンフェアだ。お前はフェアじゃない。)と思っている、
という意味ですね。
このように、日本語では「・・・ではないと思う」と言いたい時に、英語では「・・・だとは思わない」という表現が使われますよね。
ハートで感じる英文法 会話編 大西泰斗/ポール・マクベイ著 の「Lesson 5 否定」では
not がいわば「前倒し」で使われるのは、「旗色を早く鮮明にする」ためだ、
と説明されています。

you're being fair の部分ですが、ここでは be 動詞+-ing 形で、現在進行形になっていますね。
前倒しの not があると説明が難しいので、以降は "You're unfair." と "You're being unfair." との違い、ということにして話を続けます。
実はこの2文、ニュアンスが少し異なります。
これは、ハートで感じる英文法 大西泰斗/ポール・マクベイ著 の「Lesson 5 「躍動する」進行形」p.75 で説明されています。
実際の番組中では、"You're so selfish." と "You're being so selfish." と言われた場合、どちらがショックですか?という質問を、街行くネイティブに尋ねていましたね。
be 動詞+形容詞だと、「いつもそうである」ことを表し、これが進行形になると、「その瞬間、その場限りの話としてそうである」という意味になる、ということでした。
(ここでこんなに詳しく書いちゃっていいのかどうかわからないんですが・・・大西先生ごめんなさい。)
つまり、もしこのセリフが、"I don't think you're fair!"、つまり「"You're unfair." だと思う。」ということなら、「お前はいつだってアンフェアなやつだ。」という相手の性格について非難する言葉になってしまうんですね。
「"You're being unfair." だと思う。」と進行形になっていれば、「お前の今の話はアンフェアだ。」と特定の瞬間の行為を指して非難することになるので、相手を傷つけることにはならないのだそうです。
(そういう感覚は、大西先生の番組を見るまで、全然知りませんでした。)

で、何がフェアじゃないのかって聞いてみると、「他の晩に見ていた時は怒らなかったのに。」というエディー。
今晩だけじゃなくって、他の晩も(毎晩?)見てたのかよっ!?、というチャンドラーの仰天ぶりが伺えますね。
なかなか、こんな切り返しはできません。
エディーってなかなかセンスあるかも?(でも友達にはしたくないけど・・・)

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posted by Rach at 15:25| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
you're being fairの「being」、まさにひっかかっていました。
そして、またRach先生のブログで救われました。

なるほど・・・。
分かりやすい説明でございました。ご馳走様です。

大西先生の番組、TVで何度か見たことがありますが、とっても
表情豊かに教えておられる先生ですよね。
体いっぱい・・・というか、力いっぱい説明していらっしゃった気が
します(笑)

Rachさんのブログに度々大西先生の名前が登場するので、文法の
本買おうかな・・とちょっと心揺れています。
完全な回しものです(笑)
Posted by eringe at 2008年09月09日 23:24
eringeさんへ
コメント、ありがとうございます。(それから、「Rach先生」だなんて、とんでもないです…笑)

you're being fair! の being に「ひっかかる」という感覚は大切ですよね。
どうしてわざわざ be being と表現しているのだろう?と思って、そこから、そういう文法事項があることに気付き、細かいニュアンスの使い分けが存在することを知り、それを自分も使ってみる、使えるようになる…ということの積み重ねが、英語力を高めていくのだろうと。

私も大西先生の名前を知ったのは、お友達のブログの記事からでした。その後、再放送を見て、すっかりファンになりました。「英語の感覚」を大切にされている先生で、その文法事項に隠されているネイティブのニュアンスを、まさに身体を使って力いっぱい説明して下さるんですよね。

今ちょうど、NHK教育テレビで、大西先生の「出張!ハートで感じる英語塾」の再放送をやっています。
番組紹介ホームページはこちら(↓)。
http://www.nhk.or.jp/gogaku/english/3monthnew/
興味があれば是非ご覧下さい。大西先生のご本も、文法事項をとてもわかりやすく説明されていて読みやすいですよ!
Posted by Rach at 2008年09月11日 06:58
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