2006年08月13日

フレンズ2-19その5

レイチェルは例の本を読んで、早速ロスにつっかかっています。
それをはやし立てるモニカですが、
モニカ: I can't pull that off, can I? (私、うまくやれてない、わよね?)

pull off は「(難しいことを)見事にやってのける、やり遂げる」という意味。
はやし立ててみたモニカですが、ちょっと自分のチャチャの入れ方がその場にふさわしくなかったというか、レイチェルが真剣に怒っているようなので、自分が「およびでない」ことを察して、「ちょっと失敗しちゃったね。」という意味で言っているようです。


本に出てきた「風」という抽象的な言葉を持ち出すので、何のことかわからないロス。
ロス: Excuse me, your wind? (えーと、君の風って?)
レイチェル: Yes, my wind. How do you expect me to grow if you don't let me blow? (そうよ、私の風よ。もしあなたが私に blow させないなら、あなたは私がどんな風に成長するのを期待してるの?)
ロス: You know I don't have a problem with that. (君もわかってるとは思うけど、僕はその件に関しては問題ないよ。)

このレイチェルのセリフは、grow と blow で韻を踏んでいます。
今、レイチェルが読んでいる本は「自分の風の守り手になれ」という本ですから、「風」は女性にとって、とても大切なものである、という認識の本なわけです。
だから、レイチェルが blow という単語を使ったのは、「(風が)吹く」という意味で、you don't let me blow は「私の”風”が吹くのをあなたが許さない、私の”風”が吹くことをあなたが止めようとする」なら、「私はどうやって成長していけばいいのよ、私は素晴らしい女性にはなれないわ」という感じで言っているようです。
でもレイチェルがこのセリフを言った後、ヤンヤの喝采が起こってますよねぇ。
これは「よくぞ言った、レイチェル!」という感じの歓声なので、英語の単語の意味がわからなくても、何となくレイチェルのセリフの意味を察した人もいるかもしれませんね。
その後のロスが返した言葉にもみんな笑ってますしねぇ。

何となく意味を察した人に説明するのは恥ずかしいのですが(笑)、このセリフのポイントは blow にあります。
blow は「(風が)吹く」以外にも、blow a horn 「角笛(または楽器のホルン)を吹く」というふうに、「(笛・らっぱなどの楽器)を吹く」という意味でもよく使われますね。
その辺りから連想していただけるとわかると思いますが、blow は、そういう oral 「口を使った」エッチ行為を指す言葉なのです。(普通の英和辞典にもちゃんと載ってます。)
その行為の単語そのものズバリを書くのはさすがに気が引けるので書きませんが(笑)、レイチェルが if you don't let me blow と大きな声ではっきりと言ったのが、ロスには「あなたが私に blow というエッチな行為をさせてくれないなら」みたいに聞こえてしまったわけです。
だから、それに対してロスはタジタジになって、「僕はその件については異存ないよ。君がそういうことをしたいっていうんなら、僕は全然オッケーだよ。」と返事しているんですね。
話の成り行きを知らない人が聞いたら、「こいつらは大声で何の話をしてるんだ?」とびっくりすること間違いなし!
このセリフでみんなが大ウケしているのを見ると、このセリフを言わせたいがために、この本で大切なものを表すキーワードとして wind を使ったんだろうと思うのですが、どうでしょう?

(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気blogランキング
にほんブログ村 英会話ブログ

posted by Rach at 11:49| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
blow は普通の会話でよく使われる多義語で親が子供に使うこともよくありますよね。ローソクの火を消すとか、鼻をかむとか、びっくりさせる、フーフーしてあげる、風船を膨らます、クラスをさぼる、ヒューズが飛ぶ、blow-dryも出てきましてね。こういう日常の多義語だからこそ隠語になるのですね。
blowはここでは動詞で使われてますが。相当下品な言い方で脚本の段階でそうとう議論があったのではと思われます。名詞として使うときの方がまだましかな、ところでほかの言い方は日本語でも使いますが、やっぱりフランス語から来てるみたいですね。観客の反応も意外でした。日本人なら水を打ったようにシーンとなるんじゃないかな?内心は別として。日本語の字幕でもそれとなく臭わせてますがごまかした訳だったので、Rachさんもさらりと説明すると思ってましたが、読者のためにがんばられたのですね。字幕ではもう一つピンとこないところですからね。
Posted by catch at 2006年08月14日 09:53
catchさんへ
blow one's nose が「鼻をかむ」だと知った時は、イメージがぴったりで何だか嬉しかったです(笑)。
ちょっと話が脱線しますが、日本語の「鼻をかむ」という言葉の「かむ」は漢字で「てへんに鼻」(←この字は文字化けしたので書けません)か「くちへんに鼻」(嚊む)と書くそうです。(←今調べて初めて知りました)
この「かむ」は「鼻をかむ」という表現でしか使わない動詞のようです。漢字の部首を見るとイメージはぴったりというところですが、日本語を学ぶ外国の人にとっては「かむ」という動詞がピンと来ないんじゃないかなぁ? もっと他の行為でも日常的に使う動詞を使ってくれたらいいのに・・・というところでは?(「風邪を引く」の引くも「どうして”引く”なんだろう・・・?」と彼らは思っているに違いない・・・)
日本語では慣用句みたいに「鼻をかむ」「風邪を引く」と言いますが、blow one's nose, catch a cold のように、英語の方が動詞からその行為のイメージが沸きやすいのではないかと思います。動詞の基本的意味を知っていると、どんな目的語が来ても、そこから意味が類推しやすい、とも言えるのでしょうか?
「フーフーしてあげる」という表現がとっても可愛らしく思ったのですが(笑)、私は子供の鼻をかむ時に、「お鼻、プンして」と言います。「プンする」という言葉は「かむ」よりも blow に近い感じがしますよねぇ?

(話は戻って)やっぱり blow をこういう意味で使うのはお下品なんですね。「ほかの言い方」(と濁して下さってありがとうございます)のEtymology(語源)はラテン語のようで(確かに発音も英語っぽくない)、同じ意味で French job という表現もあるそうですね。French letter = condom といい、フランス人の人が聞いたら怒りそうなんですけど、国際問題にはならないんだろうか? French kiss = deep kiss くらいはまだ「情熱的だ」ということでいいんでしょうけれども・・・。

・・・ということで、さらりと説明しようと思っていたらさらに深みにはまってしまいました(爆)。そうですね、確かに「読者のために恥を忍んでがんばりました!」というのもあるのですが(←ほんとか?)、汚い言葉、下品な言葉にも、そういう意味に至った経緯があって、それを知るのもまた勉強だと思うし、知らずに使っちゃって恥をかいてもいけないし、まぁ、ある程度の年齢になれば一つの豆知識とも言えるかもしれないし・・・という感じでしょうか。私もこのブログを1年以上やってきて、そういう部分はふっきれているのかもしれません。(でも、「読者のためにがんばられたのですね」と気遣っていただけたのは、とても嬉しかったです。)

いつも思っているんですが、映画の字幕や吹替の担当者は、下品な言葉は下品なように、いやらしい言葉はいやらしいように訳さないといけないですよね。そこを変にボカしてしまうと、本当のセリフの意味とは違ってきてしまうから。私の解説自体は、「女としての恥じらい」を多少なりとも残しているつもりなのですが(←これまた、ほんとか?)、セリフそのもののニュアンスはできるだけボカさないように解説したいと常々思っております。
Posted by Rach at 2006年08月14日 14:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。