チャンドラー: Is he housetrained or is he gonna leave little bathroom tiles all over the place? Stay. Stay! Good fake dog. (彼は下(しも)のしつけができてるのか? それともそこらじゅうに、小さなトイレタイルを落としていくのか? 動くな、動くな! よーし、賢いニセ犬だ。)
housetrained (house-trained)は、「ペットがよくしつけられた、(家の中で住めるように)下(しも)のしつけのできた」という意味です。
同じ意味で、housebroken という表現もあります。
ところで、housebroken なら「しつけのできた」なのに、housebreaking は「押し込み強盗(罪)、家宅侵入」、housebreaker なら「押し込み強盗(する人)」という意味になるんですよね。
house + break が「強盗」という意味になるのは、何となくニュアンスわかりますよね。
"leave little bathroom tiles all over the place" の部分はちょっとよくわからなくて・・・。
leave little という単語の並びを見て、私は leave little room for doubt 「疑問の余地がほとんどない」というフレーズを思い出しました。
それで何となく、「あちこちの(?)トイレ(または浴室?)のタイルがほとんど残っていない状態にする」ということから、「タイルが見えなくなるほど、そこらじゅうにフンをする」という意味なのかなぁ?と一瞬思ったんです。
が!
little が「ほとんどない」という意味で使われる場合は、little の後に不可算名詞が来るはずです。
このセリフでは、little bathroom tiles となっていて、可算名詞 tile にかかっているので、この場合は、「ほとんどない」ではなくて、日本語でのリトルのイメージに近い「小さい」という意味なのでは?と考え直しました。
すると、leave +目的語+ all over the place となり、「小さなトイレタイルをそこらじゅうに残す」という意味なのかなぁ?と。
となると、小さなトイレタイルがフンの比喩だ、ということになるのですが・・・。
これ以降は、ほとんど私の勝手な想像の世界で、英語の解釈の話ではなくなってしまっているのですが、この犬は磁器製なのでフンもタイルみたいな材質(?)だろう、という想像なのか、エサの代わりにトイレタイルを食べていて、それがフンとして出てくると言いたいのか・・・どうもよくわかりません。
もっと答えは単純なのかもしれないけど、こういうこと考え出すと、違う観点で考えられなくってねぇ(笑)。
ちなみに、"leave * all over the place" とアスタリスク(*)を使ってぐぐってみると、"leave (なんちゃら or ほにゃらら) all over the place" というフレーズがヒットします。
この検索方法を「ワイルドカード検索」と言います。
↓詳しくはこちら。
Google ヘルプセンター: Googleではワイルドカードによる検索はサポートされますか。
上のワイルドカード検索の結果、"Animals (or Dogs) leave droppings all over the place." というフレーズがいくつかヒットしました。
droppings は drop 「落ちる」から来た言葉で、「落ちるもの」、すなわち、動物などのフンという意味になります。(日本語でも、遠回しに「あの犬、”落し物”していったでぇ〜」とか言うことありますよねぇ?・・・笑)
ということで、leave droppings all over the place は日本語で言うところの「そこらじゅうにフンをする」という意味だと思うので、やっぱり little bath room tiles = droppings 説は成立すると思うのですが、どうでしょう?
よく、犬の調教師が犬にしつけをしていて、うまく出来たときに、頭をなでなでして、"Good boy!" 「よーし、いい子だ。」というシーンを見ますね。
磁器の置物だから、"Stay!" 「動くな! じっとして!」という命令には当然従うんですけど、それを「よーし、えらかったぞ、ニセ犬」と誉めてあげているわけです。
犬に対して、"Good dog!" と呼びかけることがあるのかどうかは知らないのですが・・・。
アメリカの人は犬を友人のように扱う人が多いから、犬に向かって dog とは呼びかけないような気がするんですけれど・・・。
(Rach からのお願い)
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以前、It's gonna rain tomorrow. の解説がありましたが、雨が降りそうだは話者が根拠(空を見上げてとか)があっての主観的な言い方だと解説されてましたね。ここでも「陶器でできてる犬だから当然タイルの糞をするんじゃないの」というニュアンスがbe going toによって含まれてる話者チャンドラーの断言的な言い方だと思います。
catchさんに大変参考になると言っていただけて大変光栄でございます。catchさん専用の英語辞書にまで載せていただけたのですか? えへへ、頑張って(しつこく?)調べた甲斐がありました(笑)。
また、tiles = dropping 説にも賛成していただきありがとうございます。確かに be going to を使っていますね。私は、そこには全く注目できていませんでした。
be going to は、
数研出版「基礎と完成 新英文法」では「事の起こりそうな兆しがある場合に用いられる」
ハートで感じる大西先生の説明では「流れの中にいる」
ということでした。
この場合も、チャンドラーの中では「当然のように」、porcelain から tile への流れが想像できている、ということなんでしょうね。
私も、犬とタイルの材質の共通性から来たものだ、とは思うのですが、ネイティブの人がこのセリフを聞いた時に、皆がそれを瞬時に理解したのだろうか?というところが疑問です(笑)。
leave little bathroom tiles
について、既に解説しておられますが、その通りだと思いました。
このセリフのすぐ前に、ジョーイは“ceramic”の語を入れたセリフを言い、
チャンドラーのジョークに、瞬間に笑う演技をしているので、
犬は ceramic。
浴室兼トイレの床も ceramic、ということで、
チャンドラーは、少し小さめの浴室タイルを犬のウンチとしていて、留守番させていて飼い主が帰宅したら、ウンチがあちこちに落ちている代わりにタイルが落ちているイメージでジョークを言ったんだと思いました。
でも出るとき痛そうです。
あれ、今、知りましたが、cermicとporcelainは同じではないんですね。一緒だと思っていました。
コメントありがとうございます。
「タイルのフン」という解釈にご賛同いただき、ありがとうございます。
今改めて見ても、チャンドラーらしい楽しいジョークだなと思いました。
英和辞典では、ceramic=陶器、porcelain=磁器、と書いてあることが多いですね。