2006年09月07日

フレンズ2-20その6

モニカ: I meant, why don't you take Richard to the game? What? (私が言ったのは、リチャードをゲームに連れて行ったらどう?ってことだったのよ。何か問題でも?)
ジョーイ: I don't know. (いや別に。)
モニカ: Come on! He keeps his fingers to himself and he's always minty fresh. (ちょっと! リチャードは自分の指を自分自身に常に向けてるし、彼の息はいつもミントの香りでさわやかよ。)
チャンドラー: Richard's really nice. We just don't know him really well. Plus, he's old...er than some people. But younger than some buildings. (リチャードは本当に素敵だよ。ただ彼をよく知らないだけなんだ。プラス、彼は年をとってて・・・何人かの人たちよりはね。でも、若いよ、いくつかの建物よりは。)

keep one's fingers to oneself というイディオムがあるわけではないようで(笑)、これは、人をこづく(poke)癖のある友達と比較して、リチャードは人に指を向けたりしない、と言っているわけですね。
minty は「ハッカの、ミントの」、fresh は「(空気が)さわやかな、すがすがしい」ですから、「息がミントの香りでさわやかだ」ということです。
いつもガムでも噛んでいるんでしょうか?

チャンドラーはついに本音を語ってしまいます。
"He's old." 「リチャードは年をとってる(年寄りだ)。」と言おうとしたら、モニカににらまれたので、old を older と比較級にして、「ある人たちよりは年をとってる」と言い換えたわけですね。
それでもかなり無理があるけど(笑)。
絶対的な基準で「年だ」と言ってるのではなく、「ある世代の人に比べると年をとってる」と相対的な事実(?)を述べているわけです。
で、older という表現でもやっぱりマズいと思ったチャンドラーは、「あるものよりは若い」と言うのですが、その比較対象となっているのが、「建物」!?
どうして建物が出てきたかというと、「このビルは築30年です。」という場合、英語では、This building is thirty years old. と言うからですね。
つまり、人間が30歳です、というのと同じ表現になるわけです。
ですから、some people よりは年寄りで、some buildings よりは若くて、という対比が、英語では違和感なく聞こえるわけですが・・・。
しかし、モニカにしたら、自分の恋人を長年の風雪に耐えてきたビルと比較されても、嬉しくないってば。

ところで、意外とこの「築・・・年」という表現、知らない人もいるのでは?(私は、大学生になってから知ったような気がするのですが。)
でも、とてもわかりやすい表現ですよね。
本当に、「30年の古さ」なわけですし、ビルが誕生してから「30歳」なわけですし。
この辺りは、いちいち「歳」や「築・・・年」と使い分ける日本語よりは、よほどシンプルで分かりやすいですよね。

いつも思ってるんですが、対象物によってそういうものを使い分けるのは、外国人の方にはややこしい話でしょうね。
ものの単位もそうですが、「1個」「1匹」「1頭」「1台」「1人」・・・って、全部個数は「1」なんだから、「いち」でいいじゃん、って感じでは?
英語は単数か複数かの区別に厳しく、そこが日本人には理解しがたいところなんですが、日本語の単位の種類が多いことは、外国の方には理解しがたいでしょうね。
「牛が一頭いる」と言っても、「牛が1いる」と言っても、情報としては何も変わらない、つまり「頭(とう)」という言葉を使ったからと言って、新たな情報が付加されるわけではないからです。
そうやって細かく使い分けるのが日本語の美しさだと思うので、それをやめろと言っているのではありませんが(笑)、いちからそれを学ぶ人は大変だろうなぁ、と。
一方、There is a cow (in the meadow). と There are cows (in the meadow). では思い浮かぶ光景そのものが違う、つまり情報にはかなりの差があり、単数と複数に拘る理由がわかる気がします。
日本語では「(牧草地に)牛がいる」と言うだけで、あえて単複の区別を明確にはしませんから、英語圏の人はその文の情報だけでは光景が頭に浮かばなくて、「それって単数? 複数?」と気になってしょうがないんじゃないかなぁ(笑)。

話はどんどん逸れますが(笑)、松尾芭蕉の有名な俳句に「古池や 蛙(かわず)とびこむ 水の音」というのがありますよね。
この蛙は単数か複数か?という議論があるそうです。
私は新聞か何かでその話を知ったんですが、「日本人は1匹のカエルを想像する人が多いが、英語圏の人は複数のカエルを想像する人が多い」とその記事に書いてあったように記憶しています。(確かに、私もカエルは1匹だと思ってましたが・・・)
「古池や蛙 英語 複数」などと入力してぐぐってみると、その話題に触れているサイトがいくつか見つかりますので、結構有名な話のようですね。(検索結果に出て来た文章の一部を読むだけでも面白いですよ。)
↓ここに書いてある説明が、なかなか興味深かったですね。
集英社文庫 今月の新刊ちょっと立ち読みコーナー 「江戸の旅人 大名から逃亡者まで30人の旅」 高橋千劔破


(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気blogランキング
にほんブログ村 英会話ブログ

posted by Rach at 11:16| Comment(0) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。