2006年09月12日

フレンズ2-20その11

ジョーイ: What about when he tipped the guy who showed us to our seats? You never even saw the money. Hey, Chandler, thanks for showing us to our seats. (席を案内してくれた人にチップを渡した時のことなんかどうだ? 金を見たりなんかしないんだぜ。おい、チャンドラー、僕らに席を案内してくれてありがとう。)

What about...? は「・・・はどうですか、どうなっているのか」という意味ですが、この場合のニュアンスは「その時の様子といったら、どうだい? すごかっただろ?」というような感じでしょうか?
「あの時のことさぁ、どう思った?」でもいいでしょうか?
You never even の you はもちろん今話している相手である「あなた」を指しているわけではなく、「漠然とした人、総称的に一般の人」を指して、そのリチャードの姿を傍で見ている人からはリチャードの手の中のお金が見えない、という意味か、もしくは「君がもしリチャードだったとするだろ、そしたら君は金を見たりしないんだ、そう考えたらすごいだろ?」みたいなニュアンスを感じなくもないような・・・(私の勝手なイメージですけれど・・・)
そして、チャンドラーを使って、リチャードの紳士的な仕草を真似するジョーイ。
ありがとうといいながら、握手を求めるようにしてさりげなく手に札を忍ばせるようです。
そのスマートさが、若者にはかっこよく見えるようですね。
確かにこの二人がそんな風にさりげなくチップを渡すところは見たことがありませんね(笑)。


何度もその真似をしようとするジョーイに、
チャンドラー: I think they get it. (みんなもうわかってると思うよ。)
get it は「わかる、理解する」。
"I got it!" だと「わかった!」って感じですね。


ベンをロスに預けにきたキャロルとスーザン。
モニカ: Your first weekend without Ben. What are you doing? (君たちにはベンのいない初めての週末だね。何するつもり?)
キャロル: We're going to colonial Williamsburg. (ウィリアムズバーグ時代村に行くつもりなの。)
スーザン: A woman I went to college with is the first female blacksmith there. (一緒に大学に行ってた女性が、そこで女性初の鍛冶屋をやってるのよ。)
ロス: They're a little behind the times in colonial Williamsburg. (ウィリアムズバーグ時代村では、彼女らはちょっと時代遅れなんだねぇ。)

What are you doing? は「(今)何してるの?」ではなくて、「(この週末)何をする予定なの?」ということです。
現在進行形で「近い将来の予定を表す」のですが、これは「すでに約束・手配が済んでいる未来の予定」を表します。
ここでは、以前から週末にベンをロスに預ける予定は決まっていたので、当然、何らかの予定を立ててるはずだよね、それは何なの?という感じ。
colonial Williamsburg 「ウィリアムズバーグ時代村」は、フレンズ1-17その3 で、パパがロスに一緒に行くか?と誘っていた観光地です。
そこに簡単な説明も書いてあります。

blacksmith は「鍛冶(かじ)屋」、よく似た言葉の whitesmith は「ブリキ職人、銀メッキ職人」です。
ロスのセリフの They're の they がよくわからないのですが・・・。
その前の文章の a woman を指すのなら she になりますよね。複数形は一体何を指すんだろう?

今やっと「女性初の鍛冶屋が誕生した」というのは、今の世の中と比べると、時代遅れな話ですよね。
they をそこの住民と捉えると、その村全体が時代遅れだ、ということになりますが、その場合は people を使うような気がします。
they をその女性鍛冶屋を始めとする「男女同権主義者」だと捉えると、やっとその権利が認められたなんて、今の時代から見ると遅れた存在だよねぇ、ということになるのかなぁ?
もしくは・・・
時代村という昔の世界、すなわち男女差別が激しく、女性が鍛冶屋などできるはずがない、という世界で、「女性初の鍛冶屋が存在していること」は、男女同権の証で、とってもススンデルゥ!という感じ。
時代村は時代考証にうるさくないといけないのに、それを無視しているその恐ろしく「先進的な部分」を、イヤミで「時代遅れ」だと皮肉っているのか?
(しょーもないことで悩んですみません)

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posted by Rach at 14:37| Comment(10) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
theyはcolonial Williamsburgを受けて「時代村の連中」と考えました。少し時代遅れなんだねぇと軽いジョークにしているのだと思います。時代遅れどころか過去の遺物ですが。
Posted by catch at 2006年09月12日 22:36
はじめまして。takと申します。

私もDVDを使った学習をよくやるのですが、フレンズは見たことないです。なんとなく、有名すぎて避けてました。天邪鬼なもので。

でも、このブログがあればかなり学習に役立ちそうなので、遅ればせながら見てみようかと思います。
Posted by TOEIC通信講座を斬る! at 2006年09月13日 01:36
catchさんへ
they はやっぱり「時代村の連中」でしょうかねぇ。文字通りの意味としては「今頃、女性初の鍛冶屋だなんて、そこの人は遅れてるねぇ」ということになるんですね。
で、実際は「遅れてるのが当たり前」「過去の遺物であるところに存在意義がある」わけだから、それを茶化したジョークということになるんでしょうね。
Posted by Rach at 2006年09月13日 11:20
takさんへ
はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。

フレンズは英語学習者の間では有名なようですが、takさんのように有名すぎて今さらなぁ、という方と、あの挿入される笑い声が受け入れられない!という方とがおられるようです(笑)。
もうファイナルシーズンも終わってしまったので、そういう意味ではもっとタイムリーなドラマの方がいいのかもしれませんが、フレンズはあまり時代に関係なく楽しめるし、ごく普通の日常表現が豊富なので、覚えると役立つものが多い気がします。
またフレンズの感想などお聞かせ下さいね。
Posted by Rach at 2006年09月13日 11:24
フレンズは思想信条とかアメリカが抱える問題などの台詞はほとんど、ないですね。あっても軽くジョークにしてしまいます。そうなるとストーリーの厚みが出ないので、今回では時代村でのアメリカの独立精神にかこつけて女性鍛冶屋誕生での同性愛問題を思わせるような設定になってますが、あくまでも、みる側の受け取り方に委ねられてるように思います。ロスはさらっと台詞を言っていますが、私の受け取り方は『初の女性鍛冶屋どころか、今のアメリカでは自分の妻が女性と結婚式を挙げる時代なんだよ』と言うようなロスの叫びというか皮肉が込められてるような感じがしました。各人それぞれの思いで受け止めればいいのではないでしょうか。スパイク・リーが台詞で出たから、後にキング牧師の台詞を出すことで中立性を維持したのかなとも思ったくらいで、考え出すときりがないです。台詞もカジュアルではっきり意味を限定できないイディオムとか多いですね。一方スタートレックは明らかに冷戦時代のソ連との関係とかイスラエルとアラブの問題やアメリカの抱える社会問題を投影していて、台詞も未来の言葉ということもあるし、基本的に(軍隊)階級社会なのでビジネス用語が多いですね。両方とも勉強になります。Rachさんの一つの台詞や単語にこだわる姿勢は読者としては大変参考になり、問題提起されることで、ますますフレンズにのめり込めそうです。
Posted by catch at 2006年09月14日 01:31
catchさんへ
うーん、catchさんのコメントを読んで、映画「ブロークバック・マウンテン(Brokeback Mountain)」であの時代のカウボーイの同性愛を取り上げたことを思い出してしまいました。同性愛は今に始まったことじゃなくて、昔からあったんだ、ということをその女性鍛冶屋誕生で匂わせている、そして、それを匂わせても今は非難されない時代になった、ということなのかも・・・?
カウボーイと言えばアメリカでは男らしさの象徴で、そのため「ブロークバック・マウンテン」は大変物議を醸したとのことでしたが・・・(見ていないので何か勘違いしていたらご指摘下さい)
同性愛の件については、ロスには妻を寝取られた(!)という恨みみたいなものがありますので、ことあるごとにそういう皮肉を言う場面が出てきますよね。これもその一種だと考えると、なるほど、と納得できます。

確かにフレンズはあからさまに controversial (議論を呼ぶ、物議を醸す)な台詞はほとんどないですよね。視聴率の高い人気ドラマで幅広い年齢層が見ているし、ということもあるのでしょう。またコメディなので重苦しくならないようにというのもあるんでしょうね。おっしゃるように「みる側の受け取り方に委ねられている」というのはあります。取りようによってはものすごく意味深な意味で取れるけれど、拘らなければ気にならない程度にちょっと「匂わせているだけ」というところが(←私って「匂わせる」って言葉好きだなぁ・・・笑)、この番組の脚本のすごさとセンスの良さなのかもしれません。わざと漠然としたどうとでも取れるフレーズを多用しているというのもその通りなんでしょうね。

スパイク・リーの後にキング牧師・・・の件ですが、
Wikipedia 日本語版: マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0
Wikipedia 日本語版: マルコムX
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%A0X
当時のアフリカ系アメリカ人の人権運動では、非暴力主義のキング牧師(Martin Luther King, Jr.)派と急進的なマルコムX(Malcolm X)派とに分かれていたんですね。
そして、スパイク・リーはマルコムX(Malcolm X)という映画を監督していますから、マルコムX支持派なんですね。(これまた、映画見てないんです・・・)
・・・ってところまではわかったんですが、「キング牧師の台詞」というのがどれかわかりません(泣)。
有名な "I Have A Dream"speech の原文も見てみたのですが、それらしいのが見つからないなぁ。
(ちなみに過去記事↓でこのスピーチについて触れています)
フレンズ1-15その2
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470100.html
この演説以外での台詞だと私にはきっと探せそうにないしなぁ。
演説と言うと、しばらく後で、ロスがキャロルとスーザンに一席ぶとうとしていましたね。あれかな?とも思ったけど、ほとんどスピーチらしいスピーチをしないまま終わっていますし・・・。
こういうの考えるの大好きなんですが、今日は降参ということで(笑)。よろしければ教えて下さいませ。

スタートレックに関してはおっしゃる通りですね。あぁ、これはあれのメタファーだな、というのがだいたいわかるようになっていて、それが未来の宇宙での話に置き換わっているので、「あくまでフィクションですから」という言い訳が立つ分、はっきりと描きやすいのかもしれませんね。スタートレックはフレンズと出てくる単語の種類が違いますし、単語そのものもいかつくて難しいものが多いので、DVDを見ている頃は調べるのが大変でした。が、ある程度パターンに慣れてくると、それも気にならなくなりました。

「こだわり」の精神がこのブログを支えているので(笑)、私がこだわらなくなった時、それはこのブログが終わる時、でしょうかね(んな大袈裟な)。一緒にこだわっていただけて大変嬉しいです。
Posted by Rach at 2006年09月14日 19:42
I'm really sorry again.キング牧師の台詞というのはフレンズ1-15でした。チャンドラーがシリーズ8くらいで言ったように錯覚していました。
マーティン・ルーサー・キング牧師の名前は宗教改革のマルティン・ルターMartin Lutherから来てるそうです。今公開中の映画「X-MEN:ファイナル ディシジョン」に出ているパトリック・スチュワートの役
はキング牧師のメタファーですね。
Posted by catch at 2006年09月14日 22:56
catchさんへ
Don't be sorry, please.
じゃあ私が上に挙げた "I Have A Dream"speech のことをおっしゃっていたんですね。それなら納得です・・・とは言うものの、別のエピソードで出て来た二つの事柄を見て「中立性を維持したのかなと思う」、というのはかなりの深読みですねぇ。私も結構深読みするタイプですけれど、全く敵いません(笑)。何故「シリーズ8」くらいで言ったと思われたのか・・・というのも気になりますが、ここは流しておこう(笑)。

Wikipedia にもありましたが、一旦つけた名前を改名したみたいですね。宗教改革のマルティン・ルターって、習いましたねぇ、世界史で。

私が尊敬する新スタートレック(TNG)のピカード艦長を演じるパトリック・スチュワートなので、どんな風に演技されているのかとっても気になるんですが、X-MEN シリーズは全く見ていないんですよ。(結構、私の好きそうなタイプの映画みたいなんだけど・・・)
特殊能力を持つミュータントだということで迫害を受けて・・・というあらすじはどこかで聞いていました。確かにキング牧師のメタファーみたいで、マルコムXに相当するキャラもいるようですねぇ。

ところで、catchさんはご存知かもしれませんが・・・。
X-MEN にファムケ・ヤンセンって出てますよね。この方、映画「007 ゴールデンアイ」(1995年)でワイルドな悪女を演じておられたのですが、それより前に新スタートレック(TNG)の第5シーズン第21話「究極のパートナー」(原題: The Perfect Mate)(1992年)にカマラ(Kamala)という役でゲスト出演しています。

IMDb で見てもわかるのですが、
IMDb: Famke Janssen
http://www.imdb.com/name/nm0000463/
このスタートレック出演は、女優のキャリアを始めて間もない頃のものみたいです。言わば新人さんだったのでしょうが、とても魅力的な役でした。「エンパスのメタモーフ」という設定で、「相手の男性の理想を感じ取ってそれに合わせる能力を持った女性」なんですよね(まさに perfect mate なわけです)。で、あの自制心の強いピカード艦長ですらその魅力に打ち勝つことができなかった・・・という女性で、そのファムケさんとパトリック・スチュワートが同じ大作映画に出ている、というのが何だか興味深いです。機会があれば是非見てみたいところです。
Posted by Rach at 2006年09月15日 11:35
男性の理想を感じ取ってそれに合わせる能力を持った女性の話は設定は違いますがTOSで「タロス星の幻怪人」という話にも出てきますね。一番おもしろかったエピソードでした。
男の理想ですけど、裸にエプロン、レイア姫、かわいい魔女ジニー(テーマソングだけしか出てませんが深読みかも)、ピロファイトする女性、フレンズには出てないけどラムちゃん、どこか共通項があるみたいです。シリーズ8を思ったのはチャンドラーの台詞でモニカ対しての台詞だと思いこんでいました。これ以上言うのは野暮ですね。ところで、男性はハンマーを振り回す、女性はピロファイトするという幻想の会話が出てきますけど(6−8)ハンマーを使う鍛冶屋になることが男女同権の象徴で意義のあることなのでしょう。シルビア伯母さんの髭がチャンドラーと似ていたんだと思います。ロシアのおばさんなんか本当に髭はやしてるとしか見えない人いますよ、若い子でも多いです。産毛なんですが手入れしないみたいですね。
Susie : I can't do Chris's makeup. She refuses to acknowledge that she has a moustasche. スージー: クリスのメイクなんか無理よ。彼女ったら、自分にヒゲがはえてるのをわかってないのよ。 2-13
Posted by catch at 2006年09月15日 23:50
catchさんへ
「タロス星の・・・」はクリストファー・パイク船長が出てくる話ですね。名作だと評判らしいですねぇ。TOSは実物をどれ一つ見ていないので、それがとても残念な気がします。やっぱりシリーズの始まりはここなんですからねぇ。このブログを書いてなかったら、もうちょっと私も暇で、思い切ってDVDセットを買っちゃってたかもしれませんが(笑)。まぁ、ビデオ・オン・デマンドとかいろいろ便利なサービスも始まっているわけだし、そのうち見たいものは簡単に見れちゃう時代が来るかなぁ、って期待して待ってます。

エプロンからラムちゃんまで(!)、共通項ありますねぇ。レイア姫がらみのエピソードは大好きなんですよ。日本でもスターウォーズは有名だから、あれは日本人でも問題なく楽しめると思います。解説するのが今から楽しみ。(さすがにシーズン3くらいまではこのブログも続いているだろうし・・・笑)
ジニーのテーマソングがフレンズに出てきましたか? 夕方に再放送してたのを時々見てたけど、テーマソングはさっぱり思い出せないなぁ。

6-8の話は、男女が異性に対して抱いているイメージが実際とは違うという話でしたっけねぇ? 男は "hammer up drywall" しないし、女は "have pillow fight in our underwear" しない、っていうセリフでしたね。「力仕事」=「男らしい仕事」と結びつくから、それに進出することが何よりも男女同権を示すことになるわけだ。(鍛冶屋さんって、力が要る上に火花が散ったりして危険ですし、確かに女性が進出しにくそうな分野ですものね。)

そう言えばジュリア・ロバーツがゲストの時(2-13)、そんなセリフありましたね。私も「毛深い人が多いですもんね。」って書いてるじゃん(笑)↓
フレンズ2-13その2
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470357.html
それと同じことだったんですね。日本人は体毛が黒いから少しでも目立つのですぐに手入れをしたがるけれど、外国の方はあまり気にしておられない人も多いですよね。
Posted by Rach at 2006年09月16日 12:06
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