2006年09月21日

フレンズ2-20その20

モニカ: You wanna feel better? Here. Watch this. (気分良くなりたい? ほら、これを見て。)
フィービー: It's a Wonderful Life. I've heard of this. (「素晴らしき哉、人生!」 聞いたことあるわ。)
モニカ: So you can't lose. It's there in the title. Wonderfulness is baked right in. (だから、これを見ても損はしないわよ。タイトルにすべてが込められてるわ。素晴らしさがその中に焼き固められてるのよ。)
フィービー: I fell for that with Pride of the Yankees. I thought I'd see a film about Yankee pride. And boom! The guy gets Lou Gehrig's disease. (「打撃王」という映画でその手にひっかかったわ。私は「ヤンキースのプライド」の映画を見るんだと思ってたのよ。そしたら、ガーン!って感じ。その主人公はルー・ゲーリック病にかかったのよ。)
リチャード: The guy was Lou Gehrig. Didn't you kind of see it coming? (その人がルー・ゲーリックだったんだよ。そういう話だって思わなかった?)
モニカ: Watch that. It'll restore all your faith in humanity. (それ(「素晴らしき哉、人生!」)を見なさいよ。あなたの人間を信じる気持ちを取り戻すことができるわよ。)

「素晴らしき哉、人生!」(原題: It's a Wonderful Life)は、ジェームズ・スチュアート主演の1946年の映画です。
Amazon.co.jp: 素晴らしき哉、人生!
lose は「失う、負ける」などのネガティブな言葉なのでイメージが湧きやすいとと思いますが、自動詞で「損をする、損害を受ける」という意味があります。
You can't lose. は「(この映画を見て)損はしない。」、つまり「是非見てみてよ。」と勧めているわけですね。
日本語でも人に何かを勧める時に、「損はさせないから。」と言いますよね。
bake は「パンやお菓子を焼く、陶器やれんがを焼き固める」という意味なので、baked right in は「その映画の中に wonderfulness がしっかりと焼き付けられている、wonderfulness を入れてから焼き固めている」という感じなのかなぁ、と思うのですが。
この話のあらすじを読んでみたのですが、主人公が波瀾万丈の人生を歩んで、最終的には人生の幸せを噛み締める・・・という映画のようです。

fall for には「・・・に恋する、・・・を好きになる」という意味もありますが(fall in love と同じ感じ)、「(策略など)にひっかかる、だまされる」という意味もあります。
落とし穴に落とされるような感じでしょうか。
日本語で「洋楽にハマる。」とか「俺はハメられたんだ。」とか言いますが、fall はその「はまる、はめる」の感じに似ている気がします。
どちらも簡単には抜け出せない気がしますので・・・(笑)。

フィービーがだまされた(笑)という映画は、「打撃王(The Pride of the Yankees)」。
Amazon.co.jp: 打撃王
このアマゾンには残念ながら「画像はありません」(笑)。
IMDb: The Pride of the Yankees (1942)
Pride of the Yankees というのは、ゲーリックのあだ名のようですね。
「ヤンキースが誇りにしているもの、ヤンキースの誇りを象徴する人物」という感じなのでしょうか?

ちなみに、野球チームの名前は、Yankees と複数形になっていますね。
日本でもタイガース(Tigers)やジャイアンツ(Giants)と複数形になっています。
これは選手が複数集まっているからで、ヤンキースの選手一人を指す時は、Yankee と言います。
当たり前と言えば当たり前なんですが、最初にそれを聞いた時は「へぇ・・・」と感心してしまいました。
野球チームの名前が「複数形」である、という意識があまりなかったんでしょうかねぇ。
ヤンキースの一人の選手を 'Yankee' と書いている例を発見しました。
Wikipedia英語版: Hideki Matsui (松井秀喜) の Career in the United States の項目に、以下の文があります。
In the 2003 Yankee home opener, Matsui became the first Yankee to hit a grand slam in his first game at Yankee Stadium.
野球にそれほど詳しくない私が勝手に訳すと(笑)
「2003年、本拠地ヤンキースタジアムでの開幕戦において、松井はヤンキースタジアムでの初めての試合(ヤンキースタジアムデビュー戦)でグランドスラム(満塁ホームラン)を放った初めての「ヤンキースの選手」となった。」
(訳が回りくどいですし、専門用語の使い方を間違ってるかもしれませんが・・・)
つまり、ヤンキースの新人の中で、ヤンキースタジアムに初めて出た時の試合でグランドスラムを放ったのは、彼以外には今までいなかった、ということだそうです。
やっぱり松井はすごい!

and boom! という表現は、フレンズ2-13その16 にも出てきました。
boom は「ブーンと鳴る音、ドカーンという音、(人気の)急上昇、にわか景気、ブーム」という意味です。
その時は、「それでドカーン!って感じ」と訳してみましたが、日本語ではこういう時にあまり擬音語を使わないですよね。
「そしたら、どうよ! えらいことになっちゃったのよ!」みたいな感じですかねぇ?
彼のかかった病気(ルー・ゲーリック病という難病)については、Wikipedia に記載があります。
Wikipedia: ルー・ゲーリッグ(ルー・ゲーリック)

see... coming は直訳すると、「・・・が来るのを見る」ですから、「・・・が起こるのを察知・予測する」という意味になります。
「そんな感じの話になりそうだなぁ・・・って思わなかった?、そんな展開になるって予測つかなかった?」と聞いているのですね。
たいていの人は、この映画をゲーリックの伝記映画だとわかった上で見ていて、当然、難病にかかることを知っているはずなのですが、フィービーはそのことを知らなかったようです。
まぁ、どんなに成功した人でも、人生は山あり谷ありなので、伝記映画が最初から最後までハッピーずくしだった、ということはあり得ないと思うのですが・・・。

faith in humanity は「人間性を信じること、人間性に対する信念」という意味。
faith in の in の後は、その信じる対象物になります。
例えば、I have faith in Christ. なら「私はキリストを信仰しています。」、I have faith in you. なら「私はあなたを信頼(信用)しています。」という意味になります。
believe という動詞は他動詞として、I believe you. 「あなたを信じます。」と前置詞なしで使うことができますが、自動詞の場合は、believe in と in を使いますよね。
例えば "Do you believe in God?" 「あなたは神を信じますか?」、"Do you believe in Santa Claus?" 「サンタクロースの存在を信じていますか?」など。
その in の使い方と同じ用法だと思います。
restore は「復活させる、修復する、復元する」。
パソコンのシステムを復元する時に、「システムをリストアする」などと言いますよね。
あるいは「古い車をレストアする」という表現も聞きます。

(英語と関係ない脱線話)ゲーリッグ、それともゲーリック?
カタカナ表記では、ゲーリックと書いているのをよく見かけますし、私もずっとゲーリックだと思っていたのですが・・・。
英語で文字通り発音すると、「ゲーリッグ」なので(ですよね?)、英語では「ゲーリッグ」が正解だと思います。
ゲーリック、というのはもしかしてドイツ語読みなのかな?と思って調べてみたのですが・・・。(ウィキペディアには彼のドイツ名が載っていますので、彼はドイツ系のようです。)

ドイツ語は語尾が g になった場合は、「グ」ではなくて「ク」と発音します。
(例:Guten Tag! (こんにちは)の発音は「グーテン ターク」)
ただし、語尾が ig の場合は、「ィヒ」と読みます。
(例:zwanzig (数字の20)の発音は「ツヴァンツィヒ」)
という規則に則ると、Gehrig はドイツ語読みだと「ゲーリック」じゃなくて「ゲーリッヒ」さんになるのかなぁ?
ゲーリッヒさんという名前をぐぐって調べてみると、その場合は、綴りは Gierlich (または Goehlich)になるらしいのですが・・・。
日本人がゲーリックさんと発音していたのは、単に語尾のグが発音しにくかったから、だけかも・・・?(←これが一番真実に近い気がする・・・)
つまらないことで悩んですみません(笑)。

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posted by Rach at 13:44| Comment(0) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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