チャンドラーがリチャードをゲームに誘いに来ます。
チャンドラー: Hey, big guy. Game time. (よぉ、大将。ゲームの時間だよ。)
リチャード: Hey! Be right there! (あぁ! すぐに行くよ!)
モニカ: There's a game? (ゲームがあるの?)
チャンドラー: I just got my Pik-Up Stiks back from the shop. Bring your nerves of steel. (店屋からちょうど「ピックアップスティック」を取り戻してきたところだ。強靭な神経で臨むんだぞ。)
リチャード: It's the basketball playoffs. (バスケのプレイオフだよ。)
呼び掛けの big guy という言葉ですが、こういうのは訳しにくいですねぇ。
「大将」などと訳してみましたが、今の若い人はあまりそんなこと言わないしなぁ・・・。
「よぉ、兄ちゃん」って感じでしょうけど、リチャードは年齢がかなり上だしなぁ・・・(笑)。
ゲームといったら、普通はスポーツの試合のことだと思いますけど、「ゲーム?」と不満そうに返したモニカに対して、お子ちゃまがするようなゲームだよと冗談で返しているわけです。
get ... back from the shop がよくわからないのですが、普通に訳すと「店屋から・・・を取り戻した」ということだと思います。
例えば、おもちゃを修理に出していて、それを引き取ってきた、という感じみたいなんですが・・・修理が必要そうなおもちゃでもないんですよね。(この後で説明します)
店屋で単に買ってきた、手に入れたというのであれば、I just got ... at the shop. になるだろうと思うので、やっぱり back from に何か意味があるように思えるんですが・・・。
Pik-Up Stiks は実在する商品の名前です。
もともと、Pick-up sticks という名前のゲームが昔からあって、"Pik-Up Stiks" はそれを商品化したもののようですね。
↓そのゲームの詳細はこちらで。
Wikipedia 英語版: Pick-up sticks
ウィキペディアによると、
「積み重ねたスティックの山から、残りのスティックを動かさないようにして、スティックを移動させていく」ゲームのようです。
↓その実在する商品 Pik-Up Stiks というのはこんなものらしい。
SHOP.COM -Pik-Up Stiks
この商品のネーミングですが、pick を pik、stick を stik と書いてるところが、いかにもおもちゃっぽいなぁ、と思うのですが。
写真を拡大してみると、PIK-UP STIKS 26 PIECES AGES 5-11 と書いてあるので、このカラフルな棒が26本入り、5歳から11歳向けのゲームだということです。
説明を読むと、安全のために棒の先が丸くなっているとか、motor skills (運動神経能力)を高めるとか書いてあります。
nerves of steel を直訳すると「鋼(はがね)の神経」なので、「鋼のように強靭な神経」ということですね。
この bring なんですが、命令形として使って「強靭な神経を持って来い」という意味か、そのゲームが「強靭な神経をもたらす」という意味か、どっちかなぁ・・・?とちょっと悩みました。
「もたらす」の方だと、Pik-Up Stiks will bring nerves of steel to you. (または、Pik-Up Stiks will bring you nerves of steel.)という感じですが、どちらにしても、もたらす対象物(「君」にもたらす、という目的語)が必要なはずですよね。
だから、私は命令形だと考えました。
このゲームをやろうと思ったら強靭な神経がないと出来ないから、強靭な神経を持ってくるのを忘れるなよ、つまり、「強靭な神経で臨まないといけないぞ」という感じかなぁ、と。
もちろん、そこまでタフな神経が必要なゲームではないようですが、細かい作業を伴うゲームなので、ちょっと神経はイライラしそうな気も・・・。
チャンドラーがふざけてばかりいるので、リチャードは「バスケだよ。」と教えてあげています。
この若者たちのノリについていけないのでしょう。
モニカ: I appreciate this, but you don't have to hang out with them for me. They have each other. (このこと[リチャードがジョーイやチャンドラーと遊んでいること]にはとても感謝してるわ。でも、私のために彼らと遊ぶ必要はないのよ。彼らは二人で遊ぶから。)
hang out with... は「(友人など)と共に時間を過ごす、と一緒にいる、群れる、付き合う」という意味。
フレンズ2-14その18 にも出てきました。
They have each other. は「彼らは、お互いを相手として持っている」ということですから、この二人で言うと、「ジョーイにはチャンドラーという友達(相手)がいて、チャンドラーにはジョーイという友達がいる」という感じですね。
「彼らにはお互いがいる(存在する)。遊ぶ相手がいる」ってことです。
すごくシンプルな表現ですが、日本語からはパッと思いつかない気もします。
自分と、自分が大事に思っている人のことを、他人が "They have each other." と表現してくれると嬉しい気がしますし、大事に思ってる相手に、"We have each other." 「僕らにはお互いがいるじゃないか。」なぁんて言われたら、ときめいちゃうかも(笑)。
が、そんなに大胆な表現でもないんでしょうか・・・実は私もその細かいニュアンスはよくわかってないのだ(笑)。
(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気blogランキング
にほんブログ村 英会話ブログ
「ラブ・アクチュアリー」のもう一つのシーンでこれはカットされていて特典映像で見たのですが、アフリカの若い夫婦が干ばつで全滅した農地を呆然とみているのですが、奥さんがあなたがいるだけで幸せみたいなことを明るく言ってのけます。正に"We have each other." という感じです。英語に限らず言葉はそのときの状況や気持ちでいろいろなニュアンスが出せるものではないでしょうか。
前回の have faith ですが。 ここ一番の正念場の人に最後に一言、激励の言葉として You've got it in you !(おまえならできる)You gotta have faith in yourself.(自分を信じなさい)と言う決まり文句があります。松井とか相当な努力をした人にしか言えない言葉ですね。それに対してBelieve in yourself.は
結果を待っている感じがします。 I believe you.とI trust you.もニュアンスが違いますね。今までの事柄とこれからのことを信じるという違いでしょうか。
「ラブ・アクチュアリー」ですか。あっちゃー、これまた私、見ておりません(笑)。
中学1年の時、「起立!」の後、先生と
"How are you?" "Fine, thank you."
という一連の挨拶をしてから、英語の授業が始まったなぁ・・・。
その映画を見ることがあれば、そのご夫婦の状況にどう「ぴったり」なのか、注目してみることにします。
ドラマや映画のセリフはやはりその場面を見てこそ、そのニュアンスがわかるものだと思うし、そういう意味でも、映画から学んだ英語は心に残りやすいですよね。
"You've got it in you!" という激励の言葉は初耳です。確かに力強い響きがありますね。
I believe you. というと、これまでの経験から君のことを人間として信じている、という感じで、I trust you だと、これから信頼して物事を任せる、という感じになるのでしょうかねぇ?(←何となく持っている私のイメージにすぎませんが・・・)
ご意見ありがとうございます。
実は今まで believe と trust を並べてその違いを考えたことがなかったので、ちょっと調べてみました。
Merriam-Webster Online Dictionary によると、
believe: to accept the word or evidence of <I believe you> <couldn't believe my ears>
つまり、believe は「・・・の言葉や証言(証拠)を受け入れること」
trust: to place confidence in : rely on <a friend you can trust>
つまり、trust は「・・・に信頼(信用)を置くこと、当てにする(頼る)」
ということのようですね。
ちょっと妙な言い方をすると、I believe you. だと「君の言うことを疑ったりはしない」、I trust you. だと「君が変なことをするとは思っていない」ような感じになるのでしょうかねぇ?
「きっとそういうことだと思います」と言ってもらえて良かったです。辞書にもそういう意味が載っていて、実際の会話でもそういうニュアンスが感じられたなら、きっとそれで合ってるんだと思いますよ、うんうん。