2006年09月25日

フレンズ2-20その24

逆にロスは、レイチェルに尋ねます。
ロス: You never think about our future? (レイチェルは僕たちの未来について考えないの?)
レイチェル: I think about whose apartment we'll sleep at tomorrow and where we'll have dinner next Saturday! I do not think about our children's names! (明日はどっちのアパートに泊まろうかなとか、次の土曜日にはどこのレストランで食事しようかな、とかは考えるわ! 子供の名前を考えたりはしないけどね!)
目が泳いでるロスを見て、
レイチェル: You know what our children's names will be? (ロスは、私たちの子供の名前を考えてるのね?)
ロス: No, I mean, you know. I read a book, and there was a girl named Emily. And I thought that might be good. (いや、つまり、ある本を読んだら、そこにエミリーって名前の女の子が出てきたんだ。だから、その名前がいいかも、って思ったんだよ。)
レイチェル: What book? (何て本?)
ロス: The Big Book of Children's Names. (子供の名前大事典。)

このやり取りを見ていると、レイチェルはかなり現実的なタイプですね。
私のイメージでは、女性の方が、「何歳で結婚して、何歳で子供を産んで、子供は何人くらいで・・・」とか想像するのが好きそうな気がするんですが・・・。(私はあまりそういうことは考えなかったタイプだけど・・・)
で、ものの例えとして出した「子供の名前までは考えてない」という言葉に動揺したロスを見て、さらに驚くレイチェルがおかしいですよね。
You know what our children's names will be? という表現が面白いです。
「あなたは子供の名前を考えてるの?」とそのまま返すのではなくて、「あなたは私たちの子供の名前が何になるかを知ってるのね?」という表現になっています。
子供の名前は、恐らく親がつけることになるので(名付け親というのもいますが)、know 「知っている、わかっている」という単語の選択がちょっと妙な感じもするのですが、子供を持つと子供に名前が付くのは必然的な流れで、その未来の出来事を今の時点でもうすでに「知っている」という感じなのでしょうか?
レイチェルが「私はそんなこと考えてもいない」と言っているのに、ロスの中ではもう「子供の名前はこれ!」というのが明らかに浮かんでいる、見えている、という雰囲気かもしれません。

「もうそんなことまで考えてるの? 信じられない」とでも言わんばかりのレイチェルに、必死に言い訳をするロス。
たまたま読んだ本に、エミリーって女の子が出てきただけと言うので、小説か何かかと思ったら、「子供の名付けの本」だったというわけ。
すごいですねぇ、独身なのにそんな本を・・・。
でも彼は子持ちだから持っててもおかしくないのかな。
ロスのことだから、ベンが生まれる時に、そういう本をごっそり買い込んだ可能性も高い。

うちもそういう本、4冊買いましたよ(全部、主人が買ってきた・・・笑)。
確かに子供の名前を付けるのって悩むんですよねぇ。
うちの子供の名前は、息子の時は主人が考え、娘の時は私が考えました。
つまりは、男は男が決め、女は女が決める、ということだったんですが、それにはちょっとした理由があって、もし異性の名前をつける担当になると、昔好きだった人の名前を付けかねないという心配があったからですね(笑)。
いや、別にそれでもいいんですけど、こういうのは勘ぐり出すときりがないからなぁ・・・(笑)。


レイチェル: Okay, listen. What we have is amazing. But I do not want to have everything decided for me! I spent my whole life like that. It's what I had with Barry. That's a reason I left. I like not knowing right now. Sorry if that scares you, but if you wanna be with me, deal with that! (わかったわ、聞いて。私たちの今の状態は素晴らしいわ。でも、私のためにすべてを決めてもらいたくはないの! 私はそんな風に人生を過ごしたわ。それがバリーといた時の私の人生だった。それが私が彼の元を去った理由のひとつよ。今ここで知りたくないの。そんなことを言ってあなたを怯えさせたらごめんなさい。でも、もしあなたが私と一緒にいたいのなら、それに付き合ってもらうしかないのよ!)

ちょっと細かい話ですが、DVD の英語字幕では、"I do not want everything decided for me." となっていますが、ネットスクリプトでは、"I do not want to have everything decided for me." となっており、実際のセリフは、ネットスクリプトに書いてある通りに発音されています。
DVD の字幕はよく省略されており、今回も省略されているだけのことなのですが、ニュアンスは少し異なります。
want everything decided の文は、「want +目的語+過去分詞形」で、「(・・・が)(・・・されることを)望む」という構文になります。
例としては、I want the work done at once. 「その仕事をすぐに片付けて欲しい。」など。
一方の、want to have everything decided は、「have +目的語+過去分詞形」で、「(・・・を)(・・・して)もらう」という行為を want to (したい)という意味ですね。
この have の使い方は、have one's hair cut 「散髪してもらう」と同じです。
が、cut は現在形・過去形・過去分詞形がすべて cut なので、この cut が過去分詞形であることが見た目上わかりにくい、さらには have a haircut というフレーズもあるので、余計に紛らわしい。
ですから、「have +目的語+過去分詞形」を覚えたい時は、have one's hair colored 「髪を染める」や、have one's hair bleached 「髪を脱色する」というフレーズで覚えていてもよいでしょう。
have a haircut についてもう少し語ると、この haircut は可算名詞で、「散髪」を have する、というニュアンスになります。
have の代わりに、get a haircut とも言えますし、 give someone a haircut 「散髪してやる」という表現もあります。

spent my whole life like that の like that は「全てを決められる」という状態のこと。
It's what I had with Barry. を無理に直訳すると、「it = そうやって全てを決められた人生を過ごすこと、が、私がバリーと一緒にいた時に持っていたものだった。」という感じでしょうか?
つまり、「私はバリーと付き合っていた時に、そういう人生を過ごしていた。」ということですね。
That's a reason I left. 以降は長くなりそうなので、明日にします(笑)。

(Rach からのちょっとしたお詫び)
お気づきの方がおられるかもしれませんが、実は(その24)までの長さになったのはこのエピソードが初めてです。それなのにまだ終わる気配もないし・・・(笑)。
今回のは、映画の名前や固有名詞が多かったこと、ちょっとした表現をくどくどと説明しすぎたこと・・・など、いろいろ思い当たる節はあるのですが、下書きを書いている時にノリノリ(笑)だと「長くなる」傾向にあるようですね。
次回以降はこんなに増えない(と思う)ので、今回だけちょっと大目に見て下さい。

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posted by Rach at 11:38| Comment(11) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ロスやほかの人に何もかも決められちゃうのがいや
なんだから
目的語をpp してもらう、されるという意味を持つ
have の存在は大きいですよね。

(だから、できればここでは省かないでほしかったなあ。
いろいろと字幕上の事情があるとは思いますけど)

ところで
>昔好きだった人の名前を付けかねないという心配があったから

って、私は思いもつかなかったことなので、なるほど、とひたすら感心。

Posted by はなぶさ at 2006年09月25日 16:07
うちの親は私の名前を flip a coin で決めたそうだ。父は、友達から「外人?」と聞かれる。それは電話口で私を呼ぶ時、まゆみの ゆ にアクセントを置くからだ。訛っているだけなのだが…(笑)
Posted by まゆみ at 2006年09月25日 20:57
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Posted by 海外就職プロデューサー at 2006年09月26日 01:32
「want +目的語+過去分詞形」 「 get +目的語+過去分詞形」「 have +目的語+過去分詞形」の構文は目的語が物であるということで共通の使役の構文だと思います。 haveは目的語が人の場合は過去分詞が現在形になりwantとgetの目的語が人の場合、後の動詞にはtoが必要です。この構文の前にはよく「need to」や「have to」「want to」などがついてちょっと複雑になります。今回もネットスクリプトの方が拒否の意志が感じられ、本文では感情の表現で力強さがないように感じました。使役動詞のletやmakeには目的語に物はほとんどこないようです。今回のRachさんの指摘は細かいことではなく重要な指摘だと関心しました。
Posted by catch at 2006年09月26日 02:23
はなぶささんへ
このレイチェルのセリフの、have everything decided に拘った理由をわかっていただけて嬉しいです。
フレンズは結構字幕の省略が多くて、省略してもちゃんと意味は通じるようにうまく縮めてある、とも言えるのですが、だんだん、聞いているのと字幕が少し違うことに違和感が出てくるんですよねぇ。英語学習者としては、徹底的にセリフを拾って欲しいのですが、もともと学習教材として作られたわけではないので、しょうがないのかなぁ・・・(笑)

「昔好きだった人の名前を付けかねない」とか思わないですか? じゃあ、あんまりヤキモチ焼きじゃないんですね?(笑)
確かにちょっと考えすぎかもしんないなぁ・・・ まぁ、うちの夫婦だけかもしれませんので、何の参考にもなりませんが(爆)。
Posted by Rach at 2006年09月26日 11:59
まゆみたんへ(←ここでも言うか・・・笑)
flip a coin で決めるってのがなんかアメリカンだなぁ。日本人なら、やっぱり「じゃんけん」でしょう。(笑)
じゃあ、「マユゥミィー」って呼ぶんですね。そりゃ友達も驚くわな。
「まゆみ」というお名前は英語圏の人にも比較的発音しやすい名前なんじゃないですかねぇ? 私の本名は多分アメリカ人が発音すると全然違って聞こえそうな感じです。(おっ? 今、いろんな名前を想像してる?・・・笑)
Posted by Rach at 2006年09月26日 12:07
catchさんへ
使役構文というと、make, have, get, let... などが挙げられますが、この場合の want も同じイメージですよね。使役かどうかは、「目的語+過去分詞形」になっているところにポイントがあるのでしょうね。そういう形を取っているものは、「目的語を・・・させる(してもらう)」(使役)ということになり、その目的語が過去分詞の状態にされる「され方」(?)が make などのメインの動詞によって若干ニュアンスが異なってくる、ということになるのでしょう。
上に挙げた使役動詞で言うと、「人に・・・させる」という場合、make, have, let はその後に「目的語+動詞の原形(原形不定詞)」が来て、get は「目的語+to不定詞」が来る、というのはよく学校で習った文法に出てきました。want の後が「目的語+to不定詞」になるのは、I want you to understand... とか、その丁寧バージョンの、I'd like you to understand... のような形でおなじみですよね。
make を使役動詞として使う場合は、目的語は人が多いような気がしますね。let はどうだろう・・・? ビートルズの Let It Be なんかはどうかな?(笑) let one's hair grow 「髪を伸ばす(伸ばしておく)」というのもありますが、これは成長するものですから、「物」と言い切るわけにはいかないのかなぁ?(笑)。日本語からもわかるように使役は「・・・させる、・・・させておく」という意味ですから、目的語が自ら何らかの行為ができるものでないと使えないということでしょうね。

DVD の英語字幕の方は、ただ状況を述べている感じで、everything が decided されるという状態を望まない、ネットスクリプトは、everything が decided されるという状況に「私が」陥る(?)、ことを望まない、という感じなのでしょうかねぇ?(書いていてだんだんわからなくなってきましたが・・・笑)
重要な指摘と言っていただけて嬉しいです。この違いって、DVD 字幕とネットスクリプトが異なっていなかった場合には、特に何も思わずにスルーしていたような気もするので、ちょっと複雑な心境です(笑)。
Posted by Rach at 2006年09月26日 12:53
ここのレイチェルがロスに抗議をしているセリフで
字幕もネットのスクリプトもあってない箇所がありました。

実際にはこう言ってます。

It's what I had with Barry,
that was one of the reasons I left.

レイチェルは最初の主語が "It's" と現在形で
次が "that was"と過去形で言ってます。
後の主語が過去形なのは普通ですが
最初の主語をあえて現在形で言っている所に
すごくインパクトを感じます。

「it(前述の状況)は、バリーと付き合ってた頃と同じだわ」
という感じ。つまりその状況が昔のまま、今もそうだ
と言っているのではないかと。

レイチさんは、どう思います?
Posted by ぴろろ at 2008年02月01日 06:27
ぴろろさんへ
実際にそのように言っていますね。(ネットスクリプトにもそのように書いてありました)

本題からは、ずれますが、DVD字幕では、a reason とあったので、この次の記事で、the reason ではなくて a reason である意味について長々語っているのですが、実は、one of the reasons 「いくつかある理由の一つ」だとはっきり言っていたのですね。まぁ、それが結局、a reason と言い換えられる、ということでもあるのですが…。

そして、That's ではなくて、That was とはっきり過去形で言っている、ということですね。

ぴろろさんのご意見では、
現在形を使うことで、今の状況がバリーの時と同じである、つまり、What we have is what I had with Barry. で、これじゃあ私が逃げ出したあの頃と状況が全く一緒になってしまう、という意味になる、ということでしょうか?

私もよくわからなくなってきたのですが、私はここでの、It is と That was には、そういう「現在と過去の対比」みたいなイメージはあまり感じないんですよねぇ。
It's という言葉のニュアンスがなかなか難しい気がします。上の記事では、it = そうやって全てを決められた人生を過ごすこと、と解釈しましたが、もっと漠然としたものを指す、あるいは特に何も指さない It's、なのかなぁ、という気もしてきました。前述の何かを明らかに指している場合は、it ではなくて、that を使うことが多いようにも思うんですよね。

It's は I mean みたいな感じの言い換え表現かもしれません。全てを決められる人生を私は生きてきた。(それは)まさに「私がバリーと持っていた生活」と同じ。その「…と同じ」というイコールの感じが、It's なのかなぁ、みたいな気が何となくします。ただのイコールなので、普通に現在形を使っている、という印象を受けます。

でも、正直、よくわかりません。何度もDVDを見直してみたのですが、自分でも何だかすっきりしません。もう少し考えてみます。
Posted by Rach at 2008年02月01日 12:03
そうですね。it や that が何を指しているか
という議論になれば、それは個々の感じ方なので
たとえ、母国語であっても意見の分かれるところですよね。

ここが両方とも was であれば、私もスルーしてたと思います。

 それが "what I had with Barry"「だった」
 それが "a reason"「だった」

と、すんなり両方を過去の事として理解することができますからね。

なぜ最初だけ、「だった」ではなく「〜だ」と現在形で
言っているのか、は、レイチさんの言うように単なる
「イコール」という感覚なのかもしれません。

もし、「今もあの時と同じだわ」と言いたいのなら
"it's..." なんて 省略形を使わずに "it IS ...." と
強調するばずですものね。

Posted by ぴろろ at 2008年02月01日 16:48
ぴろろさんへ
お返事ありがとうございます。

it や that の感覚、というのは本当に難しいなと思います。
That was what I had with Barry. だったらすんなり理解できる、ということですね。
「今もあの時と同じだわ」と言いたいとすれば、This is what I had with Barry. になるかもしれない…と思ったりもします。This が今のこの「ロスとレイチェルとの状況」を指す、みたいな感じでしょうか。
実際の It is の発音は素早く発音されていて、ちょっとした「つなぎ言葉」的なイメージを感じたのですが、それも今はよくわかりません。また何か思いついたら書きます(笑)。
Posted by Rach at 2008年02月02日 11:06
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