2006年10月06日

フレンズ2-21その3

レイチェル: Who wants the last hamburger? (誰か最後のハンバーガー欲しい?)
フィービー: That's it. Now I have to go see him. (これで決まりね。もう私はパパに会わないといけなくなったわ。)
モニカ: Why? (どうして?)
フィービー: Hamburger? McDonald's? Old McDonald had a farm. My dad is a pharmacist. (ハンバーガーよ? マクドナルドよ? マクドナルド兄弟の兄は farm(養牛場)を持っていたわ。私のパパは pharmacist (薬剤師)よ。)

farm は「農場、農園」「飼養場、養殖場」という意味。
a pig farm なら「養豚場」です。
この場合は、ハンバーガーの原料となる cattle を育てる、a cattle farm という意味でしょうが、日本語で言うと、「養牛場」(?)になるのでしょうか?
養鶏場、養豚場に比べると、何となくなじみのない言葉のように思うのですが・・・ただの「牧場」でいいのかな?
pharmacist は「薬剤師」です。
pharmacy なら「薬局」ですね。
farm も pharmacist も、どちらの発音も f の音で始まる全く同じ「ファー」になるので、韻を踏んでいるわけですね。
「マクドナルド兄弟のお兄さんの方が牧場を持っていた」というのは、ハンバーガーチェーン店の創始者だから多分そうだろう、くらいの軽い意味だと思います。
何か深い意味でもあるのかなぁ、有名な牧場でも持ってるのかなぁ、と思って調べてみましたけど、特に深い意味はなさそうです。

(2006.10.7 追記)
"Old McDonald had a farm" の解釈に関する訂正です。
実は、"Old McDonald had a farm" という英語の童謡があったのです(笑)。
日本では、「ゆかいなまきば」として日本語の歌詞がついています。
詳しい追加説明は、下のコメント欄にあります。
(追記はここまで)


スポーツを楽しんだ後、セントラルパークに入ってきたロスとチャンドラー。
チャンドラー: Man, I am so beat. (もうくたくただよ。)

beat は「へとへとに疲れて」という形容詞。
I'm dead beat. とも言います。
beat という単語はもともと「打つ、たたく」またそこから「(相手・敵を)負かす」という意味にもなります。
また、「(人を)へとへとに疲れさせる」という意味もあり、それを受動態にする場合は、過去分詞は beaten ではなくて beat を使います。
すなわち、I am beat. という形は元々は受動態なのですが、今では beat が「へとへとに疲れて」と形容詞的に使われているわけですね。
さらに beat には「(人を)閉口させる、参らせる」という意味もあり、It (That) beats me. または主語を略して Beats me. の形で、「わかりません。」という意味になります。


いつものソファに座ったら、そこには先客がいました。
「そこは俺たちの座っていた席だ」と男性二人組に言われて、
チャンドラー: Okay. There is one more way to say it. Who knows it? (わかったよ。他にも言い方はあるぞ。そんなの知ったことか。)
アーサー(Bully 小): Was that supporsed to be funny? (それって面白いつもりか?)
チャンドラー: Actually, I was going for colorful. (実は、ちょっと言葉に変化を持たせてみただけです。)

Who knows? はよく出てくる表現で、直訳は「誰が知っているんだ?」で、それを反語的に用いて、「誰にも分からないよ。そんなの知らないよ。知るもんか。」という意味になります。
ここでは、相手がソファーの権利を主張するので、いったんは、はい、そうですか、と引き下がったように見せて、「実際に座っていたわけじゃなくて、その時、席は空席だったんだから、そんなの知るかよ。当然のようにえらそうに言うなよ。」という意味で言ったのでしょう。
go for は「・・・の方向を目指して、行く」という基本的意味から、「・・・を求める、目指す」あるいは「試みる、やってみる」という意味になるようです。
colorful は文字通り「カラフル」で、「色彩に富んだ、多彩な」、つまり「変化に富んだ、生き生きした」という意味です。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
full of variety or interest
例 a colorful description
とあります。
つまりは、ありきたりの表現ではなくて、ちょっと色を付けてみたというか、ちょっとバリエーションに富んだものにした、ワンパターンじゃないようにした、という感じでしょうかねぇ?
ちょっとふざけて返してみたら、相手が怒ったので、「ちょっと言ってみただけですよ、深い意味なんてないんです。」という風に言い訳しているんでしょうね。
例えば、I'd like to make my sentences more colorful. 「私の文章をもっと変化に富んだものにしたいです。」・・・と私が言ったとしたら、つまりそれは、私の文章のバリエーションが少ない、ということの裏返しなわけですね(泣)。

ところで、「その1」で説明したように、bully は「いじめっ子」ですよね。
タイトルにある Bullies 「いじめっ子たち」というのは、ソファーを我が物だと主張するこの二人組のことだったんですが、ネットスクリプトには、Big Bully と Little Bully としか書いてない(笑)。
日本で「いじめっ子」というと、どうも「ちっちゃい悪ガキ」を想像させるので、Big Bully を「いじめっ子(大)」と書くのも何だかなぁ(笑)。
DVDのエンディング・クレジットでは、大きい方がカール(Carl)、小さい方がアーサー(Arthur)となっていましたので、今後は名前で書くことにします。

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posted by Rach at 10:01| Comment(16) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
♪Old MacDonald had a farm Ee i ee io
And on his farm he had some chicks Ee i ee io
With a cluck-cluck here And a cluck-cluck there
Here a cluck, there a cluck Everywhere a cluck-cluck
Old MacDonald had a farm Ee i ee io♪
http://www.geocities.com/EnchantedForest/Cottage/3192/Oldmcdonald.html

子供向けのフォニックス練習Songがあるのですよ〜。歌えないのが残念ですが(笑)、かわいいお歌やねん。
Posted by Mayumi.K at 2006年10月06日 13:10
日本語に訳されてる歌詞だと
♪一郎さんの畑で イーアイイーアイオー
というやつですね。

元は英語の童謡で、日本語に訳詞されてるのって多いみたいですねぇ。むすめの保育所で、時々先生が歌って聞かせてる曲(キラキラ星とか、Itzy Bitzy Spiderとか)の「日本語バージョン」を歌ってみたりして「Cool!」と反応が返って来るのを聞いて「・・Cool・・・かなぁ(^^;)」と疑問に思いつつ。
Posted by おちか at 2006年10月07日 05:11
Mayumi.Kさんへ
よくぞ教えて下さいました! 前日も私は勘違いをして、たくさんの方にご指摘いただきましたが、2日連続で勘違いをしているなんて!(笑)。
教えて下さるのは本当にありがたいことですよね。ここ数日のように、皆さんが気軽に意見を出して下さる関係ができていることを、とても幸せに、そして誇りに思います。Rach はとっても幸せ者です、よよよ〜(感涙)。

私はこの英語の歌のタイトルを全く知りませんでした。でも教えて下さったサイトを見てカラオケ聴いたらわかりました! ありがとう。
このフィービーのセリフの通りそのまま、"Old McDonald had a farm"とフレーズ検索したら、何と 60,200件もヒットするやんか!(笑)。
McDonald と MacDonald という風に、Mc-か Mac- かという微妙な違いもあるみたいで、"Old MacDonald had a farm" と a を入れて検索したら、ヒット件数は 201,000件とさらに増える(笑)。

iPod フリークの私は、すぐに iTMS(iTunes Music Store)で試聴したがるんですが、曲名を Old McDonald had a farm でサーチしたら6曲、Old MacDonald Had a Farm だと26曲ほどヒットします。アレンジが激しすぎるのもあるけど(笑)かなり楽しめます。

しかし・・・私の勘違いはものすごい(笑)。歌の歌詞だとは全然思わなかったんですよ。ちょっと前にマクドナルドのことを調べた時に、「マクドナルド兄弟」が始めたお店だった、というのを読んだことがあったので、Old McDonald と書いてあると、「お兄さんのマクドナルドさん」としか思いつかなくて。で、farm には「飼養場」という意味があるでしょう? マック(マクド?)用の牛肉のために、特別な farm でもあるのかと思ったり、最初は小さな farm だったけど、それがどんどん広がって今ではアメリカにたくさん専用の飼養場が存在する・・・という「成功者としての有名な歴史」でもあるのかと思ったりして・・・。だから、私はマクドナルド兄弟の経歴をウィキペディアで調べたりしてたんだけど、それらしいことが書いてなかったのでそれっきりにしてたんです。
この "Old McDonald had a farm" というフレーズをちょっと検索してみたら、歌を全く知らない私でも気付いたはずなのにねぇ。思い込みとは恐ろしい(笑)。
Posted by Rach at 2006年10月07日 11:08
おちかちゃんへ
きっと、おちかちゃんも、"Old McDonald had a farm" にピンと来たのでは?
そうそう、日本語の歌になってますよね。タイトルは「ゆかいなまきば」で、
♪いちろうさんのまきばで イーアイイーアイオー おや鳴いてるのはひよこ イーアイイーアイオー♪
と続くやつ。
日本語の方は知ってたのになぁ・・・。それにこのリズムや合いの手「イーアイイーアイオー」が、いかにも外国の歌を仕入れたもの、という感じがするから、元歌が英語だろうということも推測できるんだけど、オリジナルの歌詞を確かめようと思ったことがない、らしい(笑)。

キラキラ星は、♪Twinkle, Twinkle, Little Star だよね。これって ♪A,B,C,D,E,F,G... の「ABCの歌」のメロディーだったりもするよねぇ。
Itsy Bitsy Spider って???
またもや iTMS でサーチしたら、何故か「ジャンル:ヒップホップ/ラップ」で曲が1つヒットして(笑)、それを聞いてわかりました。(でもこのラップはアレンジし過ぎ・・・笑)
これは、♪静かな湖畔の森の陰から♪ みたいですね。日本語タイトルは「静かな湖畔」ですか?
ネットで調べてみると、この英語タイトルにはいろんなバージョンがあるようです。

英語の童謡を日本語に訳したもの、ってかなりありますよね。私、あんまり知らないんですよ。そういう子供向けの英語の歌のCDとか持ってなくって(笑)。
日本語バージョンは Cool! なのか。そうかもしんない。自分たちになじみのある歌が他国でも歌われているって、何だか嬉しいんじゃないですかねぇ?
Posted by Rach at 2006年10月07日 11:12
Itsy Bitsy Spiderは、「『くもちゃんゆらゆら』いきまーす!」と、むかーしむかし、田中星児さんが水越けい子さんと一緒に「8時の空」という番組で(くぅ・・・・自分の歳を感じる)熱唱してたのを覚えてます。
「くもちゃんゆらゆら巣を作ります/ざぁざぁ雨降って流されて/お日さまニコニコ顔出しました/くもちゃんも一度ゆらゆらり」という歌詞に訳されていました。
この「くもちゃん」が「蜘蛛ちゃん」か「雲ちゃん」か、幼心にギモンだったのです。当然「巣を作ります」なので「蜘蛛」と結論を出すべきところですが、「ゆらゆら」という言葉にひきずられて迷ってたのかな。

キラキラ星がABC songと同じメロディーというのは、童謡のCD聞いてると「あ、また同じ曲・・」とか思いますね。
まぁ、単純で美しい、覚えやすいメロディーで、どのrhymeも乗ってしまうのでそれで歌う、というのは当然かなぁ。逆に、同じnursery rhymeを微妙に違うメロディーで何バージョンも聞いたりするし。

に、しても、翻訳、特に訳詞というのは難しいなぁとしみじみ思いますねぇ。元の言葉のリズムとか、二重に込めた意味とか、どうしても訳しきれないのはわかっていても、それを盛り込む努力。
SF好き、ファンタジーはいまいち、のRachちゃんだと読んでないかな?「魔法の国ザンス」というシリーズ。Xanthという魔法の国を舞台にした、何世代にも渡る物語ですが、言葉遊びのオンパレード。これは、日本語でまず読み始めたのですが、原書を読んで、訳者に対する尊敬の念がわきあがるのをおさえられませんでした。「・・ようこんなん、訳そうと思たなぁ、この人・・」(あんまり尊敬してるみたいに聞こえませんが(^^;))
日本にいるときから原書も読んではいたのですが、手に入りやすくなったので全巻買おうと思っています。だいたい、原書を買うようになると翻訳買わなくなるんですが、これに関しては「どう訳されてるか」が興味深くて翻訳も買ってます。ハヤカワ文庫です。

・・・あぁ、脱線してXanthまで行ってしまった・・・
Posted by おちか at 2006年10月10日 22:01
おちかちゃんへ
「8時の空」という番組・・・? 知らないなぁ・・・。田中星児さんと言えば、♪すばー、すばー、すばー、素晴らしいサンデー♪ のビューティフル・サンデーしか知らへんしなぁ・・・(笑)。
童謡のメロディーは覚えやすいよねぇ。うちの娘は「ぞうさん」が好きで、いつも昼寝の時に一緒に歌ってます。♪そうよ、お母さんも♪ と「母さん」じゃなくて「お母さん」になるのが正しい歌詞だと思ってるらしい(笑)。

「魔法の国ザンス」って、やっぱり知りませんねぇ。ザンスと聞くと「さいざんす」とかそっち系を思い出してしまうけど・・・。
たまたま最近読んだ週刊ST(2006/10/6)の「翻訳の料理法」というコラムに「ライオンと魔女(ナルニア国物語 第1章)」のことが書いてありましたが、この小説も「翻訳が風変わりなことでも知られている」とのことでした。
ナルニア国物語もかなり有名なのに、これも全く知らないんだよなぁ。「知らない」と開き直ってる暇があったら、ちょっとは読んでみるべきなんでしょうけどねぇ(嫌いなわけでも苦手なわけでもないです。たまたまファンタジーに触れるチャンスがこれまでなかっただけでしょう・・・)。いつも幅広いジャンルの英語に触れたい、と思っているんですが・・・。
どう訳されてるかが興味深い、というのはよくわかります。日本語にしてもちゃんとファンタジーとして成り立つかどうかは、翻訳者のセンスによるところが大きいでしょうからねぇ。コメディもそうかもしれない。日本語の吹き替えで笑わせるのは難しいし、英語での言葉遊びを、日本語の言葉遊びに置き換える部分は特に難しいと思いますね。
Posted by Rach at 2006年10月11日 10:15
There is one more way to say it. Who knows it?

ここの "Who knows it?" は「誰か分かる人はいるかな?」
って感じで、いじめっ子の2人がほとんど同じ言い方で
ぶっきらぼうに文句を言ってきたのを
「もっと丁寧な物言いがあるだろ?」という気持ちを
グッと抑えて、わざとおどけて下出に言うという
チャンドラーの性格がよく出ている表現ですよね。

"Who knows?" と目的語がなければレイチさんの言うように
「そんなの知った事か」と言う意味になりますが。
Posted by ぴろろ at 2008年02月13日 02:18
ぴろろさんへ
ご意見ありがとうございます。
私ももう一度考えてみましたが、「そんなの知ったことか。」よりも、「それを知っているのは誰かな? 誰かそれを知っている人はいるかな?」の方がニュアンスとしては正しいような気がしてきました。
「そんなの知ったことか」ではちょっとニュアンスがキツすぎますね。
it というのは、bullies が言ったこと、「そこは俺たちの席だという事実・主張」のことでしょうね。

そのシーンは以下のようになっています。

カール: [walks back from the counter] Hey, you're in our seats.
ロス: Oh, sorry, we didn't know.
と言って、ロスとチャンドラーは立ち上がろうとする。
アーサー: [walks back from the counter] Hey, we were sitting there.
それを聞いて、ちょっと言い返したくなったチャンドラーは、
チャンドラー: Okay. There is one more way to say it. Who knows it?
チャンドラーは笑いながらそれを言い、ロスも一緒に笑っている。

最初にカールが「俺の席だ」と言った時は素直に場所を譲ろうとしている二人ですが、追い討ちをかけるようにアーサーまでもが、同じようなことをえらそうに言ってきたので、ちょっとムッとした、ということでしょう。
「二人でえらそうに権利を主張しているけど、その事実を知っているのは誰? 君たち二人だけじゃないか。」ということで、その裏には、「ただ君たちがそう主張しているだけで、それが事実とは言えないよ。だからそこまでえらそうに言わなくてもいいんじゃないか。」という気持ちが込められているのかな、と。(それがぴろろさんのおっしゃる「もっと丁寧な物言いがあるだろ?」という気持ちですね。)

それをくどくど言わずにただ「その事実を知ってるのは誰?」とだけ言ってみせたのが、チャンドラーらしいところなんでしょうね。面と向かって喧嘩を買うわけじゃないけど、ちょっとおどけた風に言ってみた、というところが。
そのようにおちゃらけた風なセリフだけれども、その内容は上に書いたような気持ちが込められているのに気付いて、bullies も軽く流せなかった、ということでしょうか?
Posted by Rach at 2008年02月13日 15:58
そうですよね
そういうチャンドラーの遠まわしな言い方が
逆に小ばかにしているように感じたって事ですよね。

いずれにしてもこういうヤカラはどんな言い方をしても
ケチをつけてくるんでしょうが(笑)
Posted by ぴろろ at 2008年02月13日 23:11
ぴろろさんへ
まさにそういうことだと思います。相手がちょっとタチの悪いタイプの人たちだったので、笑い話では済まず、からまれてしまったわけでしょうね。
Posted by Rach at 2008年02月14日 10:25
チャンドラーが「カラフル性を狙った」と言っているのは、まずはじめに戻ってきた「いじめ男」がHey, you're in our seatsと意地悪に言い、次にやってきたいじめ男がHey, we were sitting there と同じ意味(俺らの席だからどけ!)のことを二人とも「違う言い方」で言っているから、もう一つ言い方があるぞ、それを知ってるのはだれかな?とチャンドラー風のおちゃらけた嫌味を言っているんだと思いました。きっと、そのもう一つの言い方とは一般的な子供のいじめっ子のように「どけよget out of our seats!」という直接的な言い方のことを意味しているとおもいますが、「(お前らどけよの)言い方がもう一つありま〜す。それはなんでしょう〜?」という言い方のバリエーションのことに焦点を当てているんでしょう。ここでのセリフの面白みは、もしいじめ男が3人いて3人目が席に戻ってきたら「どけよ」とか同じ意味でもまた違う言い方で言うんだろうよ、と大人のいじめっ子達の言い方のバリエーションをおもしろがっている、ともとれるからではないでしょうか。子供のいじめっ子だったら「おまえどけよ」ともっと直接的ないいかたの方が多い感じがするし、大人だと婉曲的な言い方を使いバリエーションに富んだ言い方がある、と言う意味も含めて、チャンドラーの「こんな大人になってもブリーはいるんだな」というショックと嫌味を含めているのではないでしょうか。
Posted by テリトリー at 2008年02月15日 06:53
テリトリーさんへ
貴重なご意見ありがとうございます。

私ももう一度、DVDを見返してみました。テリトリーさんのおっしゃる意味よくわかります。

There is one more way to say it. が「(他にも)もう一つ言い方があるぞ。」なのは間違いないですよね。
私は、Who knows it? という言葉がその「もう一つの言い方」だと思ったのです。
相手は自分たちの権利を一方的に主張しているけれど、この実際の状況を描写する言葉がもう一つある。「誰がそのことを知ってるの?(どこにも書いてあるわけじゃなし、君たちが勝手に主張してるだけじゃん)」みたいな意味なのかと思ったんですよねぇ…。
同じ事実を違った見方をすると、こうも言えるよ、という例かと思って。

テリトリーさんは、Who knows it. の it は、one more way to say it だと解釈されたわけですね? 「そのもう一つの言い方を知ってる人は誰でしょう?、誰かそれを知ってる?」という意味ですね。

実は、DVDの日本語は以下のようになっていました。
日本語字幕「別の言い方はできないのかな?」
日本語吹替「別の言い方できる人。手挙げて。」
そう言いながら、ラケットのグリップをブリー二人に交互に向けているんですよね。「ほら君たち、わかる?、あるいは、どう思う?」みたいな感じで。

私はその訳(やく)を「相手の無礼な言い方を非難している」意味に捉えて「意訳」だと思っていたのですが、吹替の「手挙げて」というのは、Who knows it? 「誰か(その別の言い方が)わかる人(は手を挙げて)」みたいな意味で、きちんと、Who knows it? を訳出したものだったようです。
ですから、実はDVDの日本語吹替も、テリトリーさんと同じような解釈だった、とも考えられます。

I was going for colorful. は過去分詞形になっていますね。カラフル性を go for していた、ということで、私は、Who knows it? がそのバリエーションの一つで、「(何故そんなセリフを言ったかというと)もっとカラフルな表現を(私は)目指したわけです。」と捉えたのですが、Who knows it? はそのカラフルな表現を尋ねる質問で、「カラフルな表現を探して(質問して)みたわけです。」みたいになるのでしょうか?

テリトリーさんのお考えだと、チャンドラーは3番目の言い方として想像される、Get out of our seats! を敢えて言わずに、「1番目、2番目と来て、もう一つ別の言い方もあるよね。はい、それを知ってる人!」と言った、ということなんですね? 相手の物言い、言い方にケチをつけている、と。「同じようなことを入れ代わり立ち代わり(?)言いやがって」みたいな、そこまで言うんだったら、もう一つもっとストレートなやつがあるだろ?という感じなのでしょうか。

テリトリーさんのおっしゃるように、子供のいじめっ子だったら、一人のボスが Get out of our seat! と言うと、他の子分たちが同じセリフで追随するように思います。「お前たち、俺の席に座ってるぞ。」「俺たちはそこに座っていたんだぞ。」と言うことで、暗に「どけ!」と言う意味を示唆しているところが、大人のいじめっ子っぽいところなわけですね? その大人のいじめっ子の決まり文句のバリエーションを指摘することで、「大人になってもブリーはいる」というショックと嫌味を含めている、というお話、よくわかります。

There is one more way to say it... Who knows it? という風に、二つの言葉の間に、少しポーズが空いています。それで私は「そのもう一つの言い方っていうのは… "Who knows it?" 「誰がそれを知ってんの?」だよ。」という意味に捉えたのですが、それだと Nobody knows you were sitting there. みたいに言ったことになりますから、明らかに喧嘩を買ったようなセリフになってしまいますよね。

喧嘩慣れしていないチャンドラー(笑)は、喧嘩するつもりはないけれど、その相手の少し違ったバリエーションの文句にチャチャを入れずにはいられなかった、みたいなことでしょうか?

今の私の印象は、テリトリーさんのおっしゃるように、「大人のいじめっ子達の言い方のバリエーションをおもしろがっている」という解釈が一番正しいと思います。

ご意見ありがとうございました!
Posted by Rach at 2008年02月15日 11:37
しかしフィービーの連想思考はめちゃくちゃで笑えますね。
「誰か最後のハンバーガー欲しい人!」「ハンバーガー?、ということはマクドナルド?、ということはオールドマクドナルドのファーム?ということは、ファーム、ファーマシスト?ということはうちのお父さん?、こりゃお父さんに会いに行かなきゃ!」すごすぎっすね。
Posted by テリトリー at 2008年02月16日 06:22
テリトリーさんへ
ここにコメントを入れて下さった、ということは、上の私の長いコメントを読んで下さった、ということですね? ありがとうございます。

この「連想思考」面白いですよねぇ。「すごいこじつけ」です。フィービーが面白いわけですが、実はこのセリフを考えた脚本家がやはりすごいな、と(笑)。
私は、Old McDonald had a farm. の部分がわからなかったのですが、それが有名な童謡だとわかるとなおさら面白いですよね。
Posted by Rach at 2008年02月18日 11:38
Okay. There is one more way to say it. は日本語訳としては「いいかい。もう一つ他の言い方があるよね。」ですが、言わんとしていることは例えば「すみません。この席は私たちが先にとっていたので、他に移っていただけないでしょうか?」というような礼儀をわきまえた言い方を知らないのか?という意味だと思います。Who knows it? は小学校の先生が生徒に「だれか知っている人、手を挙げて。」と言う場面を、他の客を生徒に自分を先生に見立てたおどけだと思います。学校の先生が「おまえどけよ!」みたいな言い方を知っているか子供たちに聞くわけがないので、このような場面での模範的な言い方を訪ねているのでしょう。

この最初の場面ではいじめっ子二人組が先に取っていた席であることにはチャンドラーも異議はなく、ただ失礼な言い方をされたからカチンときたわけです。

このエピソードはThe One With the Bulliesですが、Bullies=いじめっ子という言葉を使っていることからもわかるように、からんできた二人の言ったことは、いい年をした大人にしてはあまりにも精神年齢が低いので、チャンドラーがその点を皮肉って先生と生徒に例えたんだと感じました。
Posted by 神田 at 2012年12月17日 17:08
神田さんへ
コメントありがとうございます。
There is one more way to say it. は、「それを言うのにさらにもう1つ方法(言い方)がある」ということですから、「礼儀をわきまえた言い方を知らないのか? 口のきき方ってもんを知らないのか?」という意味で言った、というのはなるほどと思いました。
「誰かわかる人?」というのが「先生が生徒に模範的な言い方を尋ねている」イメージだというお話も、大変納得できます。

反語的に使われるのは、もっぱら Who knows? という it のない形ですよね。その「反語」のイメージが強かったので、今回の Who knows it? もそのバリエーションかな、と思ってしまったのですが、これは反語ではなく、普通の疑問文で、まさに直前に言った、「もう一つ別の言い方」を知ってる人は誰かな?という意味で、先生っぽく尋ねたということなのですね。

実はこの部分、DVDの日本語訳は以下のようになっていました。

別の言い方は できないのかな?/はいはい。別の言い方できる人ー。手ぇ上げて。

これはまさに、神田さんの解釈と同じですね。ブログの解説を書くに当たっては、私はいつも参考として日本語訳もチェックしているのですが、この時はチェックが甘かったようです。Who knows... という形を見て「反語」だと思い込んでしまったのが、問題だったようですね。

貴重なご指摘、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年12月19日 15:39
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