2006年10月14日

フレンズ2-21その11

アーサー: He told on us? (あいつ、俺たちのことを告げ口しやがったのか?)
カール: You told on us? (お前、俺らのことを言いつけたのか?)
ロス: Well, pal, you didn't give me much of a choice. (あぁ、他に選択肢があまりなかったもんでね。)
と言いながら、相手のタイ(ネクタイ)を指でつついて揺らすロス。
チャンドラー: Don't play with his thing. (彼の持ち物をおもちゃにするなよ。)
ロス: I know. (わかってる。)
カール: All right. Let's take this outside. (わかった。表に出ろ。)
ロス: "Let's take this outside?" Who talks like that? (「表に出ろ」だって? 一体そんな言葉、誰が言うんだよ。)
カール: The guy who's about to kick your ass talks like that. (お前のケツを蹴ろうとしている男が言うんだよ。)
チャンドラー: You had to ask. (尋ねないわけにはいかなかったよな。)
ロス: Yeah. (あぁ。)
怒ったワルたちは、ソファーの背を掴んで、後ろに傾けます。
ロス: Okay, okay, look. See, the thing is, we're not gonna fight you guys. (わかった、わかった。なぁ、僕が言いたいのは、僕たちは君らとケンカするつもりはない、ってことだ。)
アーサー: Well then here's the deal, you won't have to, so long as never ever show your faces in this coffee house ever again. (それじゃあ、こうしよう。俺たちとケンカしないで済むよ、このコーヒーハウスに二度と顔を出さない限りはな。)
そう言いながら去っていくワルたち。
チャンドラー: I think you played the Gunther card too soon. (ロスはガンターカードを使うのが早過ぎたんだよ。)

tell on は「(人)のことを告げ口する、言いつける」という意味。
フレンズ2-17その15 では、tell Mommy on me 「ママに私のことを言いつける」という表現も出てきました。
相手は怒らせるとタチの悪い相手だと知りながら、つい相手のタイで遊んでしまうロス。
ソファーを取り返すのに成功したので、ちょっといい気になって油断していたんでしょうね(笑)。
play with は「・・・で遊ぶ、もてあそぶ、いたずらをする、いじり回す」ということ。
take this outside は「このことを外に出す」ですから、お互いがモメているこの状況を店の外に出す、つまりこのケンカの続きは外でやろうぜ、ということでしょうね。
Who talks like that? はDVDの日本語字幕では「お芝居みたい」、吹替では「映画以外で聞くの初めて」となっていました。
実際、この状況を見ていると、"Let's take this outside." というのは、ケンカの時の決まり文句のようですね。
さらには、ロスやチャンドラーにはあまり縁のなさそうな言葉でもあります。
ですから、Who talks like that? で、「まさか本気じゃないだろうね? 映画のセリフを真似てるだけだよね?」という意味で「そんな言い方をする人間は誰だよ」と言ったら、「お前を蹴ろうとしている、この俺様さ!」みたいに本当のチンピラのケンカみたいに返されてしまっている感じです。
You had to ask を直訳すると、「尋ねなければいけなかった」という意味ですよね。
これは恐らく、余計なこと言って焚き付けちゃったみたいだけど、あの状況では、"Who talks like that?" 以外の言葉が見つからなかったんだよなぁ、ああ言わざるを得ない状況だから仕方なかったよなぁ、しょうがないよなぁ、という感じでしょうか。
チャンドラーの "You had to ask." に対して、ロスも "Yeah." 「ああほんとにね。」と返しており、どちらも「しゃーねーな」ってな感じのテンションの低いしゃべりなのですが、それがソファーを動かされててちょっとアセった顔になるのがおかしいです。

Here's the deal. の deal は「取引、取り決め、契約」という意味。
フレンズ2-10その10 には、This is the deal. (オッケーよ。)
というセリフがありましたし、この deal はフレンズによく登場します。
ここでの、Here's は、人に物を渡す時に、"Here's your key." 「はい、これがあなたの鍵ですよ。」などと言う時の Here's と同じですね。
最初に here 「さあ、ほら」と言って相手の注意を引いて、次に目的物を差し出す感じです。
ですからこの場合は、「じゃあ今から取り決めを言うぞ。」となり、「よく聞けよ、じゃあこうしよう。」と後で重要事項を述べることを示唆する表現になるのですね。
相手は、ケンカしたくないならしないで済む方法があるよ、とその後、so long as... という条件を出しています。
so long as、または as long as は「…さえすれば、…する限り」という条件を表す表現です。
never ever は never をもっと強調した感じですね。
最後のオチの played the Gunther card は play, card という単語からわかるように、トランプから来た表現です。
play one's best [strongest] card だと「トランプで切り札を出す」ことから、「とっておきの手を(奥の手を)用いる」という意味になります。
「ガンターカード」は、前回の記事で、ものすごい威力(?)を発揮したのを見てもわかるように、店のなじみのロスたちにとっては奥の手だったわけです。
その切り札を最後にとっておくべきだった、あんな最初の段階で使うべきではなかったね、と言っているのですね。

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posted by Rach at 07:56| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このいじめっ子二人のアクセントにも注目ですよね。
Posted by FDJ at 2006年10月14日 14:28
FDJさんへ
え? このいじめっ子二人のアクセントに注目(または注耳?)ですか???
聞いているとちょっと早口な感じがしますが、特に聞き取りにくい感じはしなかったので、私はあまり気にしていなかったのですが…(ありゃりゃ)。

さて、注目すべき理由は、以下のどちらでしょう?(どっちでもなかったりして…笑)
1.彼らのアクセントが典型的なニューヨーク・アクセント(その中でも特にブルックリン・アクセント?)である
2.いかにもチンピラ風のラフなアクセントでしゃべっている

フレンズの中でもロスは(よく指摘されるように)しゃべり方が「くどい」(笑)ですし、チャンドラーは(よく指摘されるように)妙なところにアクセントを置きますよね。だから、そういう特徴のあるロスとチャンの話し方に比べると、このいじめっ子たちの話し方がラフに聞こえるだけなのかもしれないしなぁ…。
私にはまだまだ「アクセント」は語れないようですね。もっと勉強しよう!(笑)。
Posted by Rach at 2006年10月15日 07:22
帽子をとらなかった方はニューヨークっぽいですねぇ。 うるおぼえだったので、ちょっとチェックしてみたのですが。 二人とももっとブルックリンっぽい印象があったのですけどねぇ、役柄的に。 
Posted by FDJ at 2006年10月15日 09:00
FDJさんへ
おっしゃるように、「役柄的に」言うと、地元で幅を利かせているいじめっ子たちは、その地域のアクセントがもろに出た話し方をする、というのはお約束みたいなもんですよね。大阪が舞台の作品だと、そういういじめっ子は信じられないようなコテコテの大阪弁をしゃべってたりするだろうし、その方が「いかにもそれらしい」感じがしますよねぇ。
「帽子をとらなかった方」は背の高い人(カール)ですね。確かにこちらの方がニューヨークっぽいと言われればそんな気もするような…。

実はちょっと掟破りの感もありますが、少し違ったアプローチから彼らのアクセントは一体どこのアクセントか?を考えてみました。
この役を演じている俳優さんの出身地はどこか?を調べたら何かわかるかなぁ、と思いまして(笑)。

帽子を取らなかった、背の高いカールさんを演じている俳優さんはこの人
IMDb: Peter DeLuise
http://www.imdb.com/name/nm0217938/
彼はニューヨーク生まれですね。(やっぱり!?)

帽子を取った、背の低いアーサーさんを演じるのはこの人(背が低い、と言っても 5' 10" = 178cm だそうですが)
IMDb: Nicky Katt
http://www.imdb.com/name/nm0441588/
彼はサウス・ダコタ出身だそうです。サウス・ダコタ州はアメリカの中央北部ですから、ニューヨークとは随分離れていますよねぇ。
ただ、彼の Mini biography の (show more) をクリックすると、Biography for Nicky Katt というページに飛ぶのですが、そこに ウディ・アレンの芝居のいくつかに出ていると書いてあります。
ウディ・アレンはニューヨーク・ブルックリン出身で、作品ではニューヨークをいつも扱っていますよね(といいつつ、一つも見てません、すみません…)。
ですからそのウディ・アレンがニッキー・カットをお芝居に使っているということは、NYアクセントが上手だ、ということなのかもしれないなぁ…とか思ったり。
IMDb に書いてあるのはあくまで出生地でしょうから、その後、すぐにNYに移っているのかもしれないし、もしくはNYにいる期間は短くてもNYアクセントの習得が上手な人もいるだろうし、出身地だけで一概には言えないかもしれませんよね。ニッキー・カットもブルックリン・アクセントが話せる俳優さんとして認識されているのかもしれません。(でもやっぱり生まれも育ちもNYという人がいると、その人の方がNYアクセントが上手なのはほぼ間違いないと思いますが。)
あと、余談ですが、ニッキー・カットの説明に、"so often plays the bully or thug" 「よく bully (いじめっ子)や thug (チンピラ)を演じる」と書いてあったので笑ってしまいました。このフレンズでの役柄みたいなのが得意な人なんですね。

ちょっと話は、ずれますが…
日本人でも普段は標準語で話している人が時々上手な関西弁をしゃべると、この人どこの出身なんだろう?と思って調べたりします。で、出身地を見て、あぁ、やっぱりねー、と思うんですよ。
最近では、WaT という男性デュオの小池徹平くんというイケメンくんが(←FDJさんは”全く”興味がないでしょうが…笑)、とても自然な関西弁を話していて驚いたのですが、彼が大阪府大阪狭山市出身だと知って、ひとりで納得していた私。
一方、「ミナミの帝王」の銀ちゃんで有名な竹内力さんは大分県出身だそうです。「ミナミの帝王」の第一作目を見たことがあるのですが、確かにそのときの銀ちゃんの話す関西弁にはちょっと違和感を感じるなぁ…と思っていたんですよ。でも今ではあの関西弁がすっかりハマっていますよね。「あんな兄ちゃん、ミナミにほんまに居(お)りそうやわぁ…」って今では思いますもん(笑)。

ということで、出身地にかかわらず、方言(またはアクセント)の習得が上手な人もいる、という話で(それはその人の能力やセンスによるのかもしれませんが)、そういう意味では、私もいつかブルックリン・アクセントを身に付けられるかも?という希望を捨てないでこれからも頑張ろう!という話でした(笑)。
Posted by Rach at 2006年10月16日 19:06
そうきましたぁー?
そこまで徹底しとぉとこがさすがレイチさんって感じですですね。 そやけど、レイチさんはブルックリンよりもボストンって感じや思っとぉんですけどねぇ。
方言バージョン、どう?
Posted by FDJ at 2006年10月16日 20:11
FDJさんへ
出たっ! FDJさんの神戸弁バージョン!(笑)。マイブログでは初めてですね。方言バージョンも「ごっついけとぉ」ですよ。たまにこのバージョンでコメント下さい。前にどこかで書いたけど、レイチは神戸弁に弱いのだ…(笑)。

で、私はブルックリンよりもボストンですか? マンハッタンよりもマサチューセッツのイメージとか?(笑) フレンズよりもアリー(Ally McBeal)なのかな?
これを告白するのはかなり恥ずかしいのですが、フレンズを見て、アリー my Love を見ても、ブルックリン・アクセントとボストン・アクセントの違いがイマイチよくわからないんですよ…。私ってセンスないのかなぁ?とちょっとヘコみます。まぁ、ぼちぼち頑張りますわ(笑)。

ところで、今日はコメントに時間をかけすぎて、本文記事投稿が出来なくなるかと思いました。まぁ、そんなに無理せんでもええんですが、自分で納得できる理由以外で連続投稿を止めるのは悔しい気がするんですよねぇ。しかし私はどこまで頑ななんだろうか(笑)。
てことで、もうすぐ子供たちと一緒に寝ます(←ごっつい早寝やなぁ…)。おやすみなさい(笑)。
Posted by Rach at 2006年10月16日 20:59
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