フィービーのパパは、フィービーのことを息子には話していないらしい。
口数の少ない人だそうで、そのパパの唯一の趣味というのが…。
フランク: Yeah, he loved stilts. One time, I was upstairs stealing cigarettes out of my mom's purse and all of a sudden I look over and there's Dad's head bobbing past the window. He just had this big smile on his face and he was waving because he was happiest when he was on his stilts. (そう、パパは竹馬が大好きでね。ある時、俺は2階にいて、ママのカバンからタバコを盗んでたんだ。で不意に向こうを見たらそこにはパパの頭があって、上下に揺れながら窓を通り過ぎていったんだ。パパは顔に大きな笑みを浮かべて手を振ってた。パパは竹馬に乗ってる時が一番幸せなんだよ。)
最初は was を使っていますが、途中で look over と現在形になっていますね。
この時制の変化については、ハートで感じる英文法 会話編 (大西泰斗/ポール・マクベイ著) の Lesson 7 『「とき」の感覚−臨場感を与える−』で取り上げられています。
大西先生の説明を引用させていただきますと、
このように「過去形で始まった過去のできごとをあらわす文が、突然現在形にスイッチする」のは、「過去のできごとを生き生きと語っている、話し手は時を移動しそのできごとの時点に身を置いて話を始めている」からだ、
ということでした。
この竹馬の話、他人が聞くとどう反応していいか困るようなエピソードなんですが(笑)、フィービーはとても嬉しそうに聞いていますね。
何も知らなかった父親のことが少しでもわかると嬉しいのでしょう。
フィービー: But you know what's cool? If you had a friend named Pete, I could say, "I know Pete. He's friends with my brother." (でも何がクールだと思う? もしあなたにピートという名前の友達がいるとすると、私はこう言えるわ、「私はピートを知ってる。彼は私の弟の友達なのよ。」って。)
フランク: I got a friend named Mark. (俺にはマークって名前の友達ならいるよ。)
フィービー: That'll work too. (それでもうまくいきそうね。)
フィービーはピートという友達を仮定する時に、仮定法過去を使っていますね。
仮定法過去は If I were a bird 「もし私が鳥だったら」のように、現実の事実とは反対の仮定をする時に使います。
適当にでっちあげているので、そんな名前の友達がいる可能性が少ないから、仮定法過去を使っているのでしょうかねぇ?
でも、Pete というのはわりと普通の名前だと思うのですが…。
あるいは、そういう名前の友達がいる確率がどのくらいか、という問題ではなくて、「ただの仮定の話として聞いてね」というニュアンスなんでしょうかねぇ?
He's friends with my brother. となっていて、一瞬、主語が単数形なのに、何故 friends と複数になっているんだろう?と思ったんです。
「彼は私の弟の友達だ。」なら、He's a friend of my brother('s). か、He's my brother's friend. になるのだろうと思います。(←これで合ってるかな?)
このセリフでは of ではなくて、with が使われていますが、これは、 be friends with で「…と友達だ、…と親しい」という意味になるようです。
make friends with と同じニュアンスのようですね。
日本語では友人のことを「友達」と言い、それは単数を指す場合にも使いますが、もともと「達」というのは「子供たち」のように複数を表す言葉ですよね。
2人以上いないと友達になれないから、でしょうか?
そういうニュアンスを考えると、He's friends with... というのも、「友達関係になる」という感じで違和感がないのかもしれません。
ちなみに、この friends が単数形 a friend であった場合はどうなるのか?
a friend with でぐぐってみると、a friend with an eating disorder 「摂食障害を持つ友達」や、a friend with a drug problem 「麻薬の問題を抱える友達」などがヒットしました。
この場合の with は「何か問題や障害を抱えている」という意味になることが多いようです。
ただの「ものの例え」なので、そうだよね、と簡単に相槌を打てば良いところを、わざわざ「(ピートという名前の友達はいないけど)マークならいるよ。」と答えるフランクも面白いですが、「それでもうまくいくわね。」と当たり前のことを嬉しそうに返すフィービーもおかしいです。
このやり取りのトンチンカンさが、ブッフェ姉弟って感じ。
work は「(機械などが)動く」で、「(計画などが)うまくいく、(正常に)機能する、(薬などの)効き目がある」という意味になります。
(Rach からのお願い)
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ここでは、Peteはどうでもよく、brotherがいるから(弟ができたことをとても喜んでいる)、こう言えるんだよって、確か、フィービーの喜びが表されていたのではないかな、と思います。
だから「Mark でもいけんな〜」と。
"That'll work too." を私は「当たり前のことを嬉しそうに返した」と書きましたが、フィービーには「当たり前だ」という認識はなく、「そうそう、Mark でも、それからきっと Tom でもそんな風に、”私の弟”の友達だって言えるのね!」という嬉しさ、喜びの表れなんでしょうね。
work 「うまくいく」というのは、どんな名前の人でも同じように、「あぁ、その人は私の弟の友達」という、自分としては初めての嬉しいフレーズが使えるのね、ってことですよね、きっと。
Rachさん! 以前からRachさんのブログで大西先生のハートで感じる英文法についてを読んで、ずっと興味があったんです。ただ、今のところ色々買い込んだ英文法の本がまだ完全に制覇出来ていないので、終わったら…と思っていたんですね。この少し前の解説で使役構文についての説明があり、やっぱり欲しい!と思って今本屋さんに行ってきたんですが、、、大西先生のハートで感じる、、、一億人の英文法と、Rachさんの文法本が並んで飾ってありましたよ!すごいぃ〜!
渋谷の丸善さんです。写真を撮るのは憚られ、購入したのみで帰ってまいりましたが、嬉しくて(なぜか私が)お知らせいたしました♪
コメントありがとうございます。
そうなんですね、渋谷の丸善さんで、大西先生のベストセラーのご本たちと一緒に、私の本が並んで飾ってあったんですね! 素敵なお知らせ♪ありがとうございます。とっても嬉しいぃ〜です!(^^)
私は大阪在住なので、大阪の書店さんはちょこちょこ偵察に行けるのですが(笑)、東京の本屋さんの状況はなかなかわからないので、こうして教えて下さること、本当にありがたいです。
大西先生の「英語のイメージ」のご説明は、実にわかりやすいですよね。私もブログで引用させていただいたり、拙著1冊目で参考文献として「ハートで感じる英文法」を挙げさせていただいたりもしました。
ですから、今回出版した私の文法本が、大西先生のご本と並べて置いてもらえる、というのは本当に光栄で嬉しいんですよね。そしてそのことを、kikiさんがこうして一緒に喜んで下さることがまた、本当に嬉しいのです。私は幸せ者だなぁ、としみじみ思います。
一緒に並べていただけていることを励みに、これからもますますブログを頑張りますね!
嬉しいお知らせ、本当にありがとうございました!(^^)
英語字幕にある
He's friends with my brother.
ですが、
His friend is with my brother. なのかと。
このようなwith の使い方、勉強させていただきました。
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり誠に申し訳ありません。
拙ブログを参考にして下さっているとのこと、こちらこそありがとうございます。
be friends with という表現は、知ればなるほど、と思えるものの、He's friends with と書いてあったら、タイポみたいにも見えてしまいますよね。